JPS6042894B2 - 工作物円筒面の寸法測定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は工作機械にて丸削りされた工作物を取付部か
ら取りはずすことなく１個の測定子で、その直径を求め
るための工作物の測定方法に関する。

旋盤から取はずすことなく旋削された工作物の測定を
行ない、この直径を求める方法として、従来旋盤刃物台
に測定子を取付けて刃物台の送り機構により測定子を工
作物の円周上の一点に接触させ、測定子接触転の刃物台
の位置から工作物の直径を求める方法、及ひ現在旋削作
業中の工作物と同時ではなく特別に製作された基準ゲー
ジを工作物と同心に取付け、刃物台に取付けた測定子の
基 準ゲージと工作物にそれぞれ同一平面内の半径上の
一点で接触させることにより基準ゲージと工作物の段差
即ち半径差を測定し工作物の直径を求める方法が知られ
ている。

しかし前者の場合旋削加工時に熱により主軸中心線が基
準位置から変位 し、測定値に誤差を含むことになり、
更に刃物台の送り機構に使用されているボールねじの熱
変位による刃物台の位置の誤差も測定値に含まれてると
云う欠点があつた。又後者の場合は特別に基準ゲージを
製作しなければならず、その上この基準ゲージを主軸と
同心に取付ける必要がある。その他基準ゲージ取付位置
と工作物測定位置との長手方向の距離が大きくなり、主
軸の熱変位による誤差が測定値に含されると云う欠点を
有していた。 本発明は上記欠点にかんがみ主軸台ある
いは測定子のうちのいずれか一方を垂直面内で上下２個
所に位置決めし、該２個所の位置においてそれぞれ刃物
台に取付けた測定子を横送りさせて、工作物の円筒部に
測定子を接触させ、接触時の測定子・２位置間の横送り
方向の距離から工作物直径の絶対値を算出するようにな
したものである。 次に本発明の実施態様を図面にもと
ずき説明する。

１は上面に水平長手方向（Ｚ軸方向）に４本の摺動面２
−１、２−２、２−３、２−４を有す７る旋盤のベッド
、３は該ベッドの左側上部に固設された主軸台、４は該
主軸台内でＺ軸方向に軸承され、所定角度に割出し位置
決め可能な主軸、５は該主軸の前端面に締着された工作
物把持用のチャック、６は該チャックに把持されている
工作物である。

７は前記４本の摺動面のうち２−１，２一２の摺動面上
をｚ軸方向に移動可能に載置された第１往復台、８は前
記ベッド１の右端に取付けられ前記第１往復台の裏面に
固着の雌ねじ（図示せず）に螺合し、前記ベッド１にｚ
軸方向に軸承されたボールねじ（図示せず）に回転を与
える第１電動機、９は該第１電動機に結合されて第１往
復台７のＺ方向位置を検出する第１位置検出器である。

１０は前記第１往復台７の上面を水平にＺ軸方向に対し
て直角方向（Ｘ軸方向）に移動可能に設けられた第１刃
物台、１１は該第１刃物台１０の側面のうち主軸台側の
側面にＺ軸に平行な水平軸に関して旋回割出し可能に取
付けられた第１タレツト台で、外周の旋削加工用固定工
具の取付部を複数個所備えている。１２は前記第１タレ
ツト台の固定工具の取付部のうちの１個所に取付けられ
たタッチスイッチで、アンテナ１３を有し導電体がこの
アンテナに接触したとき、アンテナの変位を必要とせず
接触の瞬間に信号を出すものである。

そして第１タレツト台の他の取付部には外径旋削用及び
内径旋削用の各種固定工具が取付けられている。１４は
前記第１刃物台１０の底部に固着の雌ねじ（図示せず）
に螺合し、前記第１往復台７にｘ軸方向に軸承された第
１ボールねじ、１５は前記第１往復台７の端部に取付け
られ前記第１ボールねじ１４を回転させる第２電動機、
１６は該第２電動機に結合されて前記第１刃物台１０の
Ｘ軸方向位置を検出する第２位置検出器であ一る。

１７は前記４本の摺動面のうち２−３，２−４の摺動面
上をｚ軸方向に移動可能に載置された第２往復台、１８
は前記ベッド１の右端に取付けられ前記第２往復台の裏
面に固着の雌ねじ（図示せず）に螺合し、前記ベッド１
にＺ軸方向に軸承．されたボールねじ（図示せず）に回
転を与える第３電動機、１９は該第３電動機に結合され
た前記第２往復台１７のＺ軸方向位置を検出する第３位
置検出器である。

２０は前記第２往復台１７上を水平にＸ軸方向に移動可
能に設けられた第２刃物一台、２１は該第２刃物台２０
の側面のうち主軸台側の側面にＺ軸に平行な水平軸に関
して旋回割出し可能に取付けられた第２タレツト台で外
周に穴あけ加工及びフライト加工用の回転工具の取付部
を複数個所備えている。

そしてこれら各取付部はＺ軸方向加工用の回転工具ユニ
ット２２及びＸ軸方向加工用の回転工具ユニット２３を
アタツチントとして各種適宜取付け可能であつて、回転
工具ユニット２２，２３が第２タレツト台に取付けられ
るとタレツト台内から工具の回転動力が伝達されるよう
に構成されている。２４は前記第２刃物台２０の底部に
固着の雌ねじ（図示せず）に螺合し、前記第２往復台１
７にＸ軸方向に軸承された第２ボールねじ、２５は前記
第２往復台１７の端部に取付けられ、前記第２ボールね
じ２４を回転させる第４電動機、２６は該第４電動機に
結合されて前記第２刃物台２０のＸ軸方向の位置を検出
する第４位置検出器である。

２７は前記第１乃至第４位置検出器からの入力を受けて
、駆動ユニット２８に前記第１乃至第４電動機の駆動指
令を与えるとともに、タッチスイッチ１２からの入力を
受けて、タッチスイッチ作動時の刃物台のＸ軸方向位置
から工作物の直径を演算により算出する機能を有する数
値制御装置である。

第２図は工作物直径を算出する場合の説明図であつて、
Ｒは工作物半径、Ｐは第１タレツト台１１に取付けられ
たタッチスイッチ１２のアンテナ１３の中心と第１タレ
ツト台旋回中心との距離、ｒはアンテナ１３の半径であ
る。Ａは工作物中心線と第１タレツト台の旋回中心線と
を含む平面上に割出されたアンテナの位置、Ｂは第１刃
物台１０をＸ軸方向に工作物に近ずけるように移動させ
て、Ａ位置のアンテナを前記平面内にて工作物に接触さ
せた瞬間のアンテナの位置、Ｃは第１タレツト台にＡＯ
の旋回割出しを行なはせたときのアンテナの位置、Ｄは
第１刃物台をＸ軸方向に工作物に近づけるように移動さ
せて、Ｃ位置のアンテナを工作物に接触させた瞬間のア
ンテナの位置である。Ｓは前記平面に対してＣ位置から
下ろした垂直の長さ、ＴはＢ位置とＤ位置のＸ軸方向距
離である。そしてこれらの間にはの関係があり工作物の
半径Ｒは にて示される。

（１）式においてＳ，ｒは既知の値であり、Ｔは第１刃
物台のＸ軸方向の移動距離であつてアンテナのＢ位置に
於ける第２位置検出器の値と、アンテナのＤ位置に於け
る第２位置検出器の値との差からＡ位置とＣ位置のＸ軸
方向の距離Ｐ−ＰｃＯｓαの値を差引いた値として与え
られる。故に工作物基準径は演算により求めることが一
できる。次に作用について説明する。

外径旋削及び内径旋削を行なう場合には主軸４を回転さ
せ、第１タレツト台１１をｘ軸及びｚ軸方向に移動させ
て、第１タレツト台１１の外周に取付けられている各種
固定工具により行なう。又旋削以外の穴加工、フライス
加工等を行なう場合には主軸４を割出し固定することに
より工作物の所定部を第２タレツト台２１と対面させて
位置決めし、第２タレツト台２１をＸ軸及びＺ軸方向に
適宜依動させて、第２タレツト台２０の外周に取付けら
れているＸ軸方向を向いた回転工具及びＺ軸方向を向い
た回転工具を各々回転させて切削を行なう。そしてこれ
ら第１タレツト台１１及び第２タレツト台２１は各々独
立に数値制御装置２７によりｘ軸方向、ｚ軸方向の位置
制御がなされる。切削後工作物の各部の寸法を測定する
には先ず第１タレツト台１１を旋回割出しさせてタッチ
スイッチ１２のアンテナ１３をＡ位置に位置決めする。
第１刃物台１０を移動させて工作物６の各種径のうち基
準とする径例えば第１図ｄ１径にアンテナ１３を接触さ
せる。タッチスイッチはアンテナが導電体に接触後一定
量変位してから電気回路が作動するものではなく、接触
した瞬間に信号を出すものであるからこの信号発信時の
第２位置検出器１６の出力をアンテナのＢ位置を示す値
として制御装置内に記憶する。次に第１刃物台を後退さ
せてから第１タレツト台１１を旋回割出しさせてアンテ
ナ１３をＣ位置に位置決せする。第１刃物台１０を前進
させてＤ位置にて工作物にアンテナ１３を接触させ、接
触瞬間のタッチスイッチからの信号により、そのときの
第２位置検出器１６の出力を求め、この値と記憶されて
いる前記Ｂ位置の第２位置検出器の出力、及び既知の値
Ｐ，ａ，ｒ，ｓとによつて数値制御装置２７内にて演算
によりｄ１部の直径を演出する。工作物の他の径を演出
するにはｄ１径を測定した場合と同じ測定方法を用いて
算出するのであるが、別の方法として第１刃物台１０を
後退させて第１タレツト台１１の旋回割出しによりアン
テナ１３を再度Ａ位置に位置決め後第１刃物台１０を前
進させて、同時に第１往復台７もＺ方向に移動させて工
作物の他の直径部分例えばＤ２部にアンテナ１３を接触
させ第２位置検出器１６の出力から４部のｄ１部に対す
る段差を求めて↓部の直径を算出することも可能である
。このようにして算出された各部の寸法は周知の方法に
より数値制御装置２７内にてそれぞれの設定値と比較さ
れ、その差が工具位置補正量として次の工作物加工時の
工具送り量に加算され工具補正が行なわれるものである
。尚タレツト台によるタッチスイッチの割出し角度は工
作物の径の大きさに応じて適宜選択されるものとする。

以上の説明では主軸台をベッドに固定するものとして述
べたがベッド左端にコラムを立設し、このコラムに主軸
を垂直方向に移動可能に取付け、加工時には回転工具に
よつて主軸軸心方向以外の方向への加工を行ない、測定
時には刃物台に取付けた測定子はＡ位置に割出すのみと
し主軸台を垂直方向２位置に位置決めして、刀物台を横
送り前進させて、工作物の２位置に測定子を接触させる
ようになすことも可能である。

又上記説明ではタッチスイッチをタレツト台に固定する
ものとして述べたが、タレツト台に対して半径方向に移
動可能に取付けて、各種大きさの工作物に対応させるよ
うになすことも可能である。又タッチスイッチを刃物台
に対して垂直方向に移動させ得るような手段を用いるこ
とも可能である。以上詳述したように本発明では工作物
の円周上２個所にタッチスイッチを接触させることによ
り、この直径を算出するようになしたので、特別の基準
ゲージを準備する必要がなく、更に旋削された工作物が
主軸熱変位、ボールねじ熱変位、べ・ツド熱変位等すべ
ての変位による加工誤差を含んでいるとしても直径の絶
対値が算出されるので算出された直径の数値の信頼性が
増大される。

又タッチスイッチをタレツト台の工具取付面に取付ける
ようになしたので全ての加工個所を測定するこノとがで
きる。その他同一寸法の工作物を多数連続して加工する
場合には、最初の工作物についてタッチスイッチ接触時
の第２位置検出器の出力を記憶しておけば加工が進行す
るに伴なつて刃先の摩耗がわかり工具寿命を知ることが
可能である。更に多段工作物の各径を２点接触による直
径算出径からの段差によつて求める場合でも、最初の直
径算出径として他の径とのｚ方向距離の最小になる径を
選ぶことによつて、測定位置の差異により生じる主軸熱
変位等に起因する誤差を最小にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施する旋盤の概略平面図、第
２図は工作物直径の算出用説明図。 ３・・・・・・主軸台、６・・・・・・工作物、１０・
・・・・・第１刃物台、１１・・・・・・第１タレツト
台、１２・・・・・・タッチスイッチ、１３・・・・・
・アンテナ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 旋盤の主軸軸線に平行な軸心と中心として旋回割出
   し可能なタレツト刃物台に設けられて主軸軸線と直角方
   向の接触を検出する測定子を、前記タレツト刃物台を旋
   回割出しすることにより主軸軸線に直角な垂直面内にて
   主軸中心とタレツト旋回中心とを結ぶ線上の位置とその
   以外の位置との２位置に位置決めし、該２位置において
   それぞれ前記タレツト刃物台を主軸軸線方向に移動させ
   ることによつて工作物円筒面に前記測定子を接触させ、
   その接触２点間の測定子の移動方向距離Ｔとこの方向に
   直角な方向の距離Ｓ及び測定子半径ｒとから工作物円筒
   部の直径を求めることを特徴とする工作物円筒面の寸法
   測定方法。