JPS6041423B2 - 密閉型アルカリ電池 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアルカリ電解液を用いる密閉型アルカリ電池の
改良に関し、その目的は負極端子を兼ねる金属封□板（
以後単に金属封□板と称す）と封〇パッキング間に、ア
スファルトに石油樹脂とポリブデンを混合して成る密封
材を存在させ密封することにより、電解液の浸出経路を
遮断し、耐漏液性の優れた電池を得んとするところにあ
る。

電解液に苛性カリ、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用
いた密封型アルカリ電池は長時間の使用中に特に金属封
□板部からの漏液が起り、電池自身の性能劣化はもとよ
り使用機器にも損傷を与え易いという欠点を有している
。このことは電気毛管作用により、電気的に負の電位を
有する金属表面に沿ってアルカリ電解液がクリープする
力が著しく強められる為であり、電池密封後に於て金属
封□板を封□パッキング間に、例えば金属封□板表面の
微少凹凸或は電池密封口時の密封力による金属封口板の
微少変形に伴う密封材の密着面剥離等に起因する微少間
隙があつた場合、同部を通ってアルカリ電解液が容易に
外部に浸出してしまうためである。

従って電池からの漏液を防ぐには金属封□板とパッキン
グ間に存在する微少間隙を完全になくすことが必要であ
る。

このため従来は密封材としてはアスファルト単独、又は
アスファルトに植物油等を混合して成る通称コンパウン
ドと呼ばれたものを用い密封していた。

しかしながらアスファルトは安価で耐薬品性、密着材に
富み且つ金属封口板表面の微少凹凸部迄十分に覆う良好
な密封材であるが、電池密封時の密封力により金属封口
板が微小変形し、パッキングと金属封口板間に微小間隙
が生じた場合、自ら流動して該間隙を充塞するかあるい
は変形に追随し良好な密着状態を保持するほどの充分な
る柔軟性、粘着性は有していない。このため電池封□時
の密封力により生ずる金属封□板の微少変形により、密
着面に剥離を生じ両者間に微少間隙を生じるという欠点
があった。又コンパウンドはアスファルト単独に比べれ
ばその柔軟性、粘着性は大中に改良され、密着面の剥離
等によるコンパウンドと金属封□坂間の微少間隙形成は
改善され、その結果として電池の耐漏液性はかなり向上
したがまだ十分満足のいくもので・はない。

本発明はこれらの従来の方法に代わり耐漏液性の良好な
る電池を提供するもので以下図面と共に説明する。

１は外面にニッケル内面に銅層を有する銅−ステンレス
ーニツケルクラッドメタルより成る負極端子を兼ねる金
属封口板、２は表化亜鉛粉末より成る負極活物質、３は
酸化銀より成る正極活物質、４は正極活物質と負極活物
質と隔離する役目をするセロフアンより成る主セパレー
タ、５は電解液を保持する役目をするコットンより成る
保液セパレータ、６は正極端子と負極端子を隔離すると
共に気密保持の役目をするナイロンより成る封□パッキ
ング、７は正極端子を兼ねる正極ケースでニッケルメッ
キ鋼より成り上縁部を内方へ折曲することにより電池を
密封している。

８はアスファルトに石油樹脂とポリブデンを混合して成
る密封材層で例えばブローンアスフアルトにジクｏベン
タジェン系の石油樹脂とポリブデンを重量比で１００：
５０：３０の割合で混合し、ベンゼン、トルヱン等適当
な有機溶媒に溶かして液状としたものを金属封□板表面
に塗布し、次いで６０ｑｏで１６時間乾燥して密封材被
膜とした後パッキングと鉄合する。

あるいは一且上記溶液をパッキング内表面に塗布し、６
０ｑｏで１曲時間乾燥して内面に密封材被膜を有するパ
ッキングを形成する。次いで金属封□板を鉄合し、該パ
ッキングと金属封□板の隙間に再び同一操作により上述
の溶液を流し込み、乾燥することにより密封材被膜を形
成する。このようにして作成したパッキング−密封材−
金属封□板の一体化したものを用い所定の電池組立手順
に基づき密封□して図の如き形状に仕上げたものである
。尚、こ）にいう石油樹脂とは石油ナフサを熱分解して
エチレン、プロピレンを製造する際に創生するＣ５留分
を重合して得られる脂肪族系石油樹脂、副生質油中から
ベンゼン、トルェン、キシレンを抽出したＣ９留分（Ｃ
８〜Ｃ，．留分）を重合して得られる芳香族系石油樹脂
、Ｃ５蟹分とＣ９留分を共重合した共重合系石油樹脂、
芳香族系石油樹脂を水素添加したり、ジシクロベンタジ
ェンを重合した脂環族系石油樹脂の総称である。

石油樹脂は他の樹脂、アスファルト、ワックス等を非常
に相瀞性がよく、特に芳香族系石油樹脂は比較的極性の
高いものと、脂肪族系石油樹脂は無極性のものとの相溶
性に優れ、接着性、耐薬品性、粘着付与性に富っでいる
。従って石油樹脂をアスファルトに混合することにより
アスファルトの密着性に加え更に良好なる粘着性が付与
される。

又ポリブデンは耐寒品性、粘着性に富む高粘度、不乾性
物質であり、アスファルトに混合することによりその柔
軟性、粘力が著しく高められる。この相乗効果によりア
スファルトに石油樹脂とポリブデンを添加することによ
り得られる密封材被膜はアスファルトの密着性、耐薬品
性に加え石油樹脂による粘着性、ポリブデンによる柔軟
性、粘力が付与される結果、耐衝撃、耐変形性に優れた
ものとなり良好なるシール効果を為すものである。尚ア
スファルトと石油樹脂とポリブテンの混合比はアスファ
ルトの基本性能を損わない範囲内ならば任意に可変であ
るが、重量比でアスファルト１００に対し石油樹脂１０
〜１００ポリブデン１０〜１００の範囲が好ましい。

次に重量比でブローンアスフアルト１００に対しジクロ
ロベンタジヱン系石油樹脂５０、分子量２６５０のポリ
ブデン５０の割合の混合比より成る密封材を用いた図面
に示す構造のＪＩＳ−ＧＩ２型の本発明に基づく電池Ａ
と、従来のブローンアスフアルトより成る密封材を用い
た電池Ｂ、ブローンアスフアルト１００に対しシクロベ
ンタジェン系石油樹脂５０の混合比より成る密封材を用
いた電池Ｃ、ブロ−ンアスフアルト１００に対し分子量
２６５０のポリブデン５０の混合比よりなる密封材を用
いた電池Ｄそれぞれ１０の固を４５℃相対湿度９０〜９
５％中に長時間貯蔵して耐漏液試験を行った結果を下表
に示す。

表これにより本発明による密封材を用いた電池Ａは従来
の電池Ｂ，Ｃ，Ｄに比しその耐漏液性能が著しく優れて
いるのが判る。

以上のように明らかな如く、本発明は耐漏液性の優れた
密閉型アルカリ電池を提供し、その工業的価値著しく大
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の−実施例における酸化銀−亜鉛電池の縦
断面図である。 １・・・・・・金属封口板、２・・・・・・負極活物質
、３・・・・・・正極活物質、６…・・・パッキング、
７・・・・・・正極ケース、８・・・・・・密封材層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パツキングと金属封口板間に、アスフアルトに石油
   樹脂とポリブデンを混合して成る密封材層を存在させ、
   パツキングを圧迫挟持することにより密封を保持するこ
   とを特徴とする密閉型アルカリ電池。