JPS6040606B2 - 液晶表示パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプラスチックに酸化インジウム等の透明導霞膜
を設けたプラスチックパネルの配向処理膜に関するもの
である。

本発明の目的は、導電膜上及びプラスチック基板上に安
定した水平配向効果を得ることである。

従来の液晶表示パネルは無機ガラスを基板としたものが
ほとんどであり、プラスチックを基板とした液晶表示パ
ネルはほとんどない。導電膜上の配向処理膜は従来の無
機ガラスに用いられている方法をプラスチックに移行し
ただけでは、液晶の水平配向安定性は得られない。例え
ば無機ガラス上の導電膜に酸化スズを用いた無機ガラス
パネルの水平配向処理剤として有機アミノシランカップ
リング剤を用いる方法がある。この舵何処理剤をポリヱ
ステルフィルム上導電膜に酸化インジウムを用いたプラ
スチックパネルに用いても、液晶は配向しない。これは
有機シランカップリング剤が導電膜の影響を受けやすい
ためである。又無機ガラスパネルに用いられている煩斜
蒸着法でＳｉ○を上記プラスチックパネルに蒸着させた
錫合蒸着直後では液晶は導電膜上及びパネル基板上で配
向するが、次の２つの欠点があった。その１つは蒸着し
たＳｉ○膜とパネルとの密着性がなく、透湿性、透気性
があるため、経時変換による配向不良やパネル内への気
泡の混入が生ずる。他の１つはパネルがプラスチックで
あるため高温焼成が行なえないことから、化学的に不安
定なＳｉ０を安定なＳｉ０２に変えられず、吸湿性が高
く、配向不良を起こす要因となる事である。他に無機ガ
ラスに対する水平配向処理法として導電膜の影響を受け
ない高分子物質であるィミド環含有重合体を配向膜とし
て導電膜上に形成させた後、綿布などでラビングする方
法がある。この方法ではィミド環含有重合体を形成する
際に３００００以上の高温を要するためプラスチックパ
ネルに用いることができない欠点があった。本発明によ
るァミド結合を有する高分子物質及びェポキシ基を有す
高分子物質の二者による配向処理膜は以下‘１）、■、
【３’、‘４１の特徴により従来のプラスチックパネル
の配向処理方法のもつ欠点を排除できる。

‘１’・…・・本発明の配向膜物質は有機シランカップ
リング剤などと異なり、導電腰の影響を受けない高分子
物質である。

【２１・・・・・・本発明の配向膜物質はプラスチック
パネルとの密着力が大きく、かつイヒ学的に安定である
ため、鏡射黍着法でＳｉＯ膜を形成させた時に見られた
透緑性、吸湿性及び透気性がなく、経時変化による配向
不良やパネル内への気泡の混入がない。

｛３｝・・・・・・ィミド環含有重合体を形成する際に
３００℃以上の高温を要したが、本発明の転向膜形成時
の温度は１５０℃以下と低温であるため「プラスチック
基板が熱的に耐える。

‘４｝…・・・本発明の節向膜物質はアミド結合を有す
高分子とェポキシ基を有する高分子二者による熱硬化性
三次元網状重合体である。

このため耐熱温度は２００００以上であり、化学的に安
定であるばかりでなく、熱的にも安定である。アミド結
合を有す高分子とは分子中にアミド結合−ＣＯ−ＮＨ−
を有する線状高分子のことであり、ラクタムの関環重合
、アミノカルボン酸の自己縮合、ジアミンと有機二塩基
酸との縮合で得られる。

一般にナイロンともいう。このナイロンの例を以下に構
造式をあげて説明する。ｔＨＮ（ＣＱ）５ＣＯチｎ
ナイロン６ 融点２１６０ｆＨＮ（Ｃ比），。

ＣＯナｎ ナイロン１１ 融点１８４午ｏｆＨＮ（Ｃ
比），．ＣＯナｎ ナイロン１２ 融点１７７℃ｆＨ
Ｎ（Ｃ弘）６ＮＨＣ○（Ｃ広）４ＣＯナｎナイロン６６
融点２５９０これらナイロンは単体での融点が１５０
℃以上であるが、各ナイロンを共重合させたり、他の融
点の低い高分子と共重合させたり、ナイロン合成時のモ
ノマー量を加減したりすることで融点が１５０℃以下の
低融点ナイロンを得ることが可能である。

ヱポキシ基を有す高分子とは一般に２つ以上のェポキシ
基を有する高分子で以下 ｛ｉ’〜Ｍのような構造をもったものである。

などＲ′：ＣＨ３，Ｃ２日５など 熱や触媒等によりェポキシ基が開環し、ナィｏン分子と
反応し架橋する。

この架橋したェポキシ−ナイロンの構造例を次に示す。
など ェポキシーナィロンの構造式 このェポキシーナィロンは本発明における特徴‘１’、
■、‘３｝及び■を有した熱硬化性重合体である。

パネルの配向膜としてェポキシーナィロンを形成する方
法の一例を次にあげる。ナイロンを溶かした溶液にさら
にェポキシ基含有高分子を適量溶かし込み充分に礎拝す
る。この溶液中にパネルを浸潰した後、熱風乾燥等によ
って溶媒を除去する。さらに１５０℃以下の温度で焼成
すれば目的とする配向膜が得られる。またパネルに上述
の溶液を吹きつけた後、乾燥焼成する方法も可能である
。焼成後、パネル上に形成したェポキシーナィロン薄膜
を綿布などで軽くこする程度にラビングし液晶を封入す
れば、安定した水平配向処理膜のついた本発明による液
晶表示パネルができる。

第１図は本発明による液晶表示パネルの構成を示す断面
図である。第１図の１はプラスチック基板で材質は一般
にポリエステル、ポリカーポネート、ポリエーテルスル
フオン等が用いられる。第１図の２は透明導電膜で少量
のスズを含む酸化インジウムが用いられる。この導電膜
をパネル基板に設ける方法には真空蒸着法が用いられる
。基板と導電膜の密着性を向上するため、あらかじめ基
板に有機シランカップリング剤を下塗りする方法が用い
られる。さらに熱処理又は陽極酸化によって特性を改善
することも可能である。第１図の３はシール剤でパネル
の保持及び液晶の封止の役目をもつ。第１図の４はネマ
チック型液晶で、ビフェニル系液晶、フェニルベンゾェ
ート系液晶、アゾキシ系液晶、シツフ系液晶等が用いら
れる。第１図の５は本発明による餌向処理膜でェポキシ
ーナィロンを架橋した材料から成る。以下、実施例によ
って本発明をさらに詳しく説明する。

実施例 １ポリエステルフィルム上導電膜が少量のスズ
を含む酸化インジウムから成るプラスチックパネルを、
融点ピーク１２３ｑＣのナイロン及びェポキシ当量１９
５±１０（シェル・ェピコート８１６）のェポキシレジ
ンを０．１％溶かした溶液に浸債する。

浸簿後６５００で３■ご間乾燥し、さらに１５０午○３
０分間焼成する。焼成後導電膜のあるパネル面上を綿布
で軽くこする程度にラビングし、ビフヱニル系液晶（Ｂ
ＤＨ社Ｅ−７）を封入して無電界時の液晶の初期水平配
向性及び熱や水分に対する配向安定性テストした。表一
１にテスト結果を示す。表−１ ェボキシーナィロンを架橋した杉慌母から成る配向処理
膜の酉古句性竜宮テスト結果テスト項目
配向効果初期配向
良１３０℃９０分後
良室温・湿度９０多
中２４時間後 良各テスト
後のパネルに気泡は生じなかった。

又液晶封入前に行なうラビングのこすりをさらに強くし
た後においても上記各テスト後の配向効果に変化はなく
、気泡の発生もなかった。これらの結果からェポキシー
ナィロンを架橋した材料から成る配向処理膜は基板との
密着性のみならず耐熱性及び耐湿性も充分にあり、透気
性、透湿性がないと判断される。なお本発明の目的はプ
ラスチックパネル上に安定した水平配何処理腰を得るこ
とであり、配向処理膜形成法及び実施例によって何ら制
約をうけるものではない。

また本発明でのパネル基板はプラスチック材質であるが
、従来の無機ガラスパネルの配向処理膜として用いるこ
とも当然ながら可能である。さらに本発明において用い
る液晶はネマチツク型液晶であるが、他にスメスチツク
型液晶やコレステリック型液晶を用いたパネルの配向処
理膜としても本発明の配向膜は有効である。図面の簡単
な説鱗 第１図は本発明によるプラスチックパネルの構成を示す
断面図である。

１・・・・・・プラスチック基板、２・・・・・・透明
導電膜、３・・・・・・シール材、４・・・・・・液晶
、５・・・・・・配向処理膜。

ケー図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プラスチツク基板上に酸化インジウム等の透明導電
   膜を設け、さらにその上に配向処理膜を施した基板をパ
   ネル基板とした液晶表示パネルにおいて、前記配向処理
   膜としてアミド結合を有する高分子物質及びエポキシ基
   を有する高分子物質を架橋した材料を用いることを特徴
   とする液晶表示パネル。