JPS6039058Y2 - エア・フイルタ・エレメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エア・フィルタ・エレメントに関する。

従来よりエア・フィルタ・エレメントとしては種々のも
のがあるが、一般的には、エア・フィルタ・エレメント
の濾過体の空気との接触面積を増加させ、よりコンパク
ト化させる目的から、ジグザグ状に折り曲げられた濾過
体の折り曲げ間のアルミニウム等の金属シートまたは硬
質の紙シートを連続山形状に折り曲げたものを山形端面
が空気流入方向に位置するように挿入介在させた構成の
ものが使用されている。

しかし、このようなエア◆フィルタ・エレメントは濾過
体の空気との接触面積の増大化という作用効果を奏する
だけであって、濾過器の外形が大型化する割には塵埃捕
集効率は向上しないという欠点がある。

このようなことに対処し、最近では以上のエア・フィル
タ・エレメントにおいて、間隔層にフィルタ、その他の
作用をも持たせようとするもの等が出現している。

すなわち、濾過体よりも密度の低い不織布層で間隔層を
形成し、間隔層にプレフィルタ−の働きをさせるもの（
実公昭４６−２２３１１号公報参照）また間隔層を金属
または樹脂で作られた網など通気性のある材料で形成し
、空気抵抗の少ない濾過器を得ようとしたものなどがあ
る。

これらは、ある程度の大きい塵埃を粗い密度の不織布、
網などであらかじめ捕集腰小さい塵埃のみを濾過体で捕
集せんとするものであるため、ある一定時間までは塵埃
捕集効率が向上するが、一定時間経過すると急激に塵埃
捕集効率が低下する。

これは、濾過体の表面に小さな塵埃が捕集堆積されるた
め圧力損失が増加し、濾過体が塵埃捕集機能を発揮し得
なくなるからである。

また、他のものとしては、濾過体をエレクトレット化し
た不織布（例えば多孔性のシート状物）、発泡プラスチ
ック（例えば通気性ポリウレタンフォーム、塩ビフオー
ムなどの多孔性シート・状物）など多孔質体で形成した
ものがある。

エレクトレット化した多孔質体よりなる濾過体はそのク
ーロン力により塵埃捕集効率がエレクトレット化してな
いものに比べ著しく向−ヒする。

しか腰このエレクトレット化した濾過体も小さい塵埃が
ある程度捕集されるとクーロン力による効果が薄れ捕集
効率が低下するという欠点を有している。

本考案は、このような従来例の欠点を解消、すなわち、
濾過体に小さな塵埃が付着堆積し、圧力損失を増加して
塵埃捕集効率の低下という欠点を解消したエア・フィル
タ・エレメントを提供スることを目的とするものである
。

その目的を遠戚するための本考案はジグザグ状に折り曲
げられた濾過体の折り曲げ間に山形端面が空気流出入方
向に位置するように連続山形状の間隔層を挿入介在させ
たエア・フィルタ・エレメントにおいて、前記間隔が、
エレクトレット化される孔の穿ってないプラスチックフ
ィルムで形成されていることを特徴とする。

ここで、プラスチックフィルムとしては種々のものがあ
るがポリプロピレンフィルムが最モ適している。

そして、本考案によれば、エレクトレット化した孔の穿
ってないプラスチックフィルムよりなる間隔層で小さな
塵埃をそのクーロン力で捕集し、風圧、クーロン力によ
り小さな塵埃を大きな塵埃のかたまりにし、これを濾過
体で捕集するので、濾過体表面に小さな塵埃が付着堆積
することが少なく、それにより圧力損失の増加を極力お
さえることができ、塵埃捕集効率の向上するエア・フィ
ルタ・エレメントを得ることができる。

以下、本考案の実施例を図面とともに説明する。

第１図において、１はエレクトレット化した孔が穿って
ない、すなわち通気性を有しないプラスチックフィルム
よりなる間隔層で、連続山形状に折曲形成され、山形端
面が空気流出入方向に位置するように濾過体２の間に挿
入介在している。

そして間隔層１を通過する空気中の塵埃は、そのクーロ
ン力により、間隔層１に沈着し、小さな塵埃はその堆積
、風圧により大きな塵埃のかたまり、風圧により間隔層
１上をころがるようにしてクーロン力を脱し、濾過体２
に大きな塵埃として捕集するように作用する。

つぎに実験例を示す。

実験例１が本考案のエア・フ、イル・り・エレメントに
関するものであり、実験例■〜■は本考案を得るために
、本考案と同じ〈従来例を改良したものであって、本考
案のものと比較するために行った実験例である。

（実験例 ■） 第２図の形状の濾過器において、アブソリニドフィルタ
２間に０．２ｒｎ／ｍのエレクトレット化したポリプロ
ピレンフィル１． （フィルム上であるため孔が穿たれ
でなく通気性を有しないものである）を連続山形状に形
成した間隔層１を挿入し、塵埃捕集効率をＤｏｐテスト
法並びに実用テストにより測定した。

その結果を末尾添付の実験結果表に実験例として示しで
ある。

なお、この場合、流入、流出側とも同質のポリプロピレ
ンフィルムを使用した。

（実験例 ■） 第２図の濾過器において、間隔層１を、目付１００ｇ／
ｄ、厚さ０．２ｍ／ｍのエレクトレット化したポリプロ
ピレンのベーパ状不織布により形成シ（他は実験例Ｉと
同じ）た例で、その結果を末尾添付の実験結果表に実験
例■として示した。

（実験例 ■） 第２図の濾過器において、濾過体２としてアブソリニー
トフィルタを用い、間隔層１としてエレクトレット化し
た日付１００ｇ／７ｒ１″、厚さ５ｍ／ｍのポリプロピ
レンの不織布を用いた例で、その結果を末尾添付の実験
結果表に実験例■として示した。

（間隔層１はこの場合、山形状とはならない。

）（実験例 ■） 第２図の濾過器において、間隔層として、流入側にエレ
クトレット化した目付１００ｇ／ ｄ、厚さ１ｍ／ｍの
ポリプロピレンの不織布で形成したものを、流出側には
エレクトレット化した０、２ｒＴ１／ｍ厚さのポリプロ
ピレンフィルムで形成したものを用いた例で、その結果
を末尾添付の実験結果に実験例■として示した。

以上の実験結果によれば、間隔層１としてポリプロピレ
ンフィルムを用いたものが、初期圧力損失、６００（転
）間経過後の圧力損失増加率においても低い値を示し、
間隔層１として不織布等多孔質体を用いたものより優れ
た機能を発揮することがわかった。

また、集塵効率においても優れているという結果を得た
。

これは、実験例■〜■および従来品においては間隔層１
として通気性のある不織布等の多孔質体を用いているた
め多孔質体が空気のスムーズな流通を阻害するためであ
ると考えられる。

また、大きな塵埃がプレフィルタを働きをする多孔質体
よりなる間隔層で捕集され、小さな塵埃のみが濾過体に
よって捕集されるため、例えば不織布においてはその日
付の密度が実質上高密度となり濾過体として不可欠な通
気性がそこなわれることとなるからであると考えられる
。

なお、孔が穿っであるプラスチックフィルムを間隔層と
して使用したものについても従来例のものより優れ、ま
た、間隔層として不織布を用いたものより良い結果を得
ている。

本考案は以上のように連続山形状の間隔層をエレクトレ
ット化した孔の穿ってないプラスチックフィルムで形成
した構成であるので、間隔層が小さな塵埃をクーロン力
で捕集し、風圧クーロン力により小さな塵埃を大きな塵
埃のかたまりとし、濾過体の表面への小さな塵埃の付着
堆積を防止する。

したがって、濾過体の表面には大きな塵埃のかたまりの
みが付着することとなり、濾過体の通気性がそこなわれ
ることがないので極めて塵埃捕集効率の優れたエア・フ
ィルタ・エレメントを得ることができるという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示腰第１図はエア・フィルタ・エ
レメントの斜視図、第２図は濾過器の斜視図である。 １・・・・・・間隔層、２・・・・・・濾過体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ジグザグ状に折り曲げられた濾過体の折り曲げ間に山形
   端面が空気流出入方向に位置するように連続山形状の間
   隔層を挿入介在させたエア・フィルタ・エレメントにお
   いて、前記間隔層が孔の穿ってないプラスチックフィル
   ムで形成され、かつエレクトレット化されていることを
   特徴とするエア・フィルタ・エレメント。