JPS6038888Y2 - 競技用靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、競技用の靴の中底板に、足の跳骨部より踵部
に至る足裏に沿った硬質板を一体に配設すると共に、該
硬質板の踵部に貫通孔乃至は凹部を設けて、運動中の足
裏への密着性を良くすると共に、着地時等の踵部にかか
る集中的なショックを軽減して、フットワークを極めて
良好なものとしうるようにした競技用靴に関する。

バレーボール、バドミントン、テニス等のスポーツに用
いる靴は、機敏性、駿足性等の必要から、如何なる状態
の場合にも足裏に一体にフィツトした機能性を有し、し
かもジャンプしたりブレーキをかけたりする場合に、踵
部に集中したショックがかからないようにして足の疲労
をなくすることが極めて重要である。

従来、このような競技に用いられる靴は、接地底が軟質
ゴム等で形成され、中底は単にスポンジ層及び／又はプ
レスポード層で形成されたものにすぎず、従ってプレー
中たとえばキックする場合には、第９図に示す如く、靴
９の接地底１０及びスポンジ層１１ａ１プレスポード層
１１ｂから成る中底１１は、共に一体的に接地底側か外
方にふくらんだ状態に湾曲して少なくとも足７の土踏ま
ず部は足裏より離れてしまう結果、ジャンプ等の動作に
遅れが生じ、又長時間の運動においては±踏ます部の靭
帯が弛緩してしまい疲労し易いなど機能性に欠けるとい
う欠点があった。

そこで、このような欠点を解消すべく、上記スポンジ層
１１ａ１プレスポード層１１ｂに対して、足の距骨部分
より踵骨部分に至る足裏に沿った湾曲形状をなす硬質プ
ラスチック板、鋼板等の硬質板を一体に並設して、中底
板を構成し、プレー中の一連の動作に際して、常に足裏
と靴底部とが一体的にフィツトし、瞬時の動作を円滑に
行いうるようにすると共に、長時間のプレーによっても
足の疲労がないようにした競技用靴が考えられたが、こ
の場合には足と靴との一体感を得て、機能性は十分に改
善されることにはなるものの、一方において、プレー中
のジャンプに伴う着地時や、急ブレーキをかけるような
場合に、踵部に体重が集中してかかると、上記硬質板が
足の踵に作用し、踵に反発衝撃を与えることとなり、こ
れが繰返し行われるために足が痛められてしまうという
欠点があった。

本考案は上述欠点に鑑み、靴の中底板の後半部側に硬質
板を一体的に並設して、常に足と靴底部を密着させて機
能性をもたせると共に、プレー中のジャンプに伴う着地
時や、急ブレーキをかけるような場合等には、足の踵部
に上記硬質板による反発衝撃が加わらないようにして、
フットワークを極めて良好に行いうるようにした競技用
靴を提供せんとするもので、その要旨は、少なくとも全
面がスポンジゴム等の弾性体で形成されていると共にそ
の下側乃至中間部に足の距骨部より踵骨部に至る足裏に
沿った湾曲面形状をなす硬質板が一体に並設された中底
板を有する競技用靴において、上記中底板の硬質板には
足の踵部の略中心に対して円形乃至は略楕円形の貫通孔
乃至は凹部を形成してなる競技用靴にある。

以下図示した実施例に基いて本考案をさらに詳述する。

第１図は本考案に係る一例としての靴の長手方向の縦断
面図、第２図は第１図■−■線拡大断面図、第３図は第
２図断面図に相当する異なる他の実施例の拡大断面図、
第４図は第１図実施例の中底板の貫通孔に装着される弾
性体の一例の斜視図、第５図は同凹部に装着される弾性
体の一例の斜視図、第７図は第１図実施例の靴を足に装
着してキックした場合の状態を靴を断面として示した使
用状態の断面図であるが、１はバレーボール等に使用す
る平底型の靴で、靴底は、軟質ゴム、柔軟性を有する合
成樹脂等により形成された接地底２に対腰上側にスポン
ジ層３ ａ ％下側にプレスボード等の層３ｂが相互に
一体に接合され、さらにスポンジ層３ａの上面に、布地
等で形成された中底布３ｃが接合されてなる中底板３が
、相互に接合されて構成されている。

又４はたとえばＥＶＡ、ポリエチレン、ポリプロピレン
、ナイロン等の硬質板としての硬質プラスチック板で、
踵骨前端部分から土踏まず部を介して後方の踵骨後端部
に至る部分の全体に瓦り中底板３と一体となって中底を
構成し、この場合プレスポード等の層３ｂの下面に沿っ
て接着等で一体的に構成されている。

又硬質プラスチック板４の足の踵部が当る部分には、踵
部の中心に対して円形状、好ましくは靴の前後方向に長
径の略楕円形状の貫通孔４ａが形成されており、この貫
通孔４ａ部分は、図示の如く空隙のまま空気層を構成す
るか、第４図の如き丁度該貫通孔４ａに嵌合しうるよう
な形状の、たとえばスポンジゴム、ソリッド軟質ゴム等
から成る弾性体５を装着して構成されている。

尚貫通孔４ａは、上面の楕円に対し下面の楕円は小さく
なるようにし、側縁部４ａａの厚味部は、下方に向って
窄まるように傾斜した面、好ましくは足の踵の周縁部の
湾曲面に沿うように内側に湾曲した面で形成されている
。

ところで、この靴１の中底板３及び硬質プラスチック板
４は、略随骨前端部から踵骨後端部にかけて足底及びそ
の周縁部に沿った状態に湾曲して形成されており、それ
らの周縁端部は漸次層厚を薄くして立上げられ、甲被６
側に接着固定され、土踏まず部から踵部にかけての足裏
を包被しうるようになっている。

一般に足は距骨前端部より前方の指骨部分が屈曲し、そ
れより後方部分はほぼ一定の形を保持しているので、一
定の形状とすることができ、又、土踏ます部から踵部に
かけての形状、寸法は、男女用の別はあるとしても、足
の大きさに関係なくほぼ一定であり、この立上は形状は
各サイズの靴においてもほぼ同一形状にして作成するこ
とができる。

従って、このような靴１を足７に装着しプレー中にキッ
ク等をすれば、第７図で示す如く足７の土踏まず部から
踵部にかけては、上述足裏にフィツトしたままの形状を
保ちながら持ち上げられ、一連の動作中も常に接触して
離れることがない。

又、プレー中にジャンプして、第８図に示すように踵部
に重心がかかるようにして着地したり、踵部に重心をか
けて急ブレーキをかける等をした場合には、足の踵部は
硬質板４に設けられた貫通孔４ａ部の空気層乃至は弾性
体５によって、弾性的に受けられるので、衝撃は非常に
やわらけられ、足、腰へのショックは極めて軽減される
結果、総体的に上記硬質板４による靴１と足７との一体
感に加え、踵部位での反発衝撃がほとんど生じることが
ないので、長時間のプレイにも疲れることがなく、常に
フットワークを完壁なものとすることができる。

尚、本考案は上述実施例に限ることなく、たとえば硬質
板４の踵部の貫通孔４ａに代え、第３図に示す如く、底
部が硬質板４の下面と略一致するような椀状の凹部４ｂ
としたものでもよい。

この場合にも上部開口端部は円形、好ましくは略楕円形
とするのがよく、該凹部４ｂは空隙のま）空気層として
おいてもよいし、第４図の如き該凹部４ｂに嵌合一致す
る形状の弾性体５′を装着しておいてもよく、この場合
にも上述実施例の場合と同様の作用効果が得られる。

さらに、上述各実施例の硬質板４の踵部下面には、第６
図に示す如く、たとえば土踏まず中央部分位迄延びた前
方端側か順次肉厚を薄くして、前後方向断面がくさび形
をなしたスポンジゴム、ソノラド軟質ゴム等から成る弾
性体８を、さらに一体に接合配設しておいてもよい。

これによれば、踵部のクッション性はより良好となり、
足への衝撃をより軽減せしめることができる。

又、プレスホード３ｂは硬質板４の上面側のみに存在す
る場合を示したが、硬質板４の前端部から上下二層に分
離せしめ、硬質板４の上、下周面を被い接合一体化する
ことも可能であり、プレスボード３ｂは硬質板４の下面
側のみに配設するようにしてもよい等のほか、接地底、
甲被の形状等は任意であり、適用される競技の対象も自
由である。

以上の如く、本考案の靴を用いれば、バレーボール、バ
ドミントン、テニス等の特に動きに機敏性が要求される
スポーツであっても、常に足裏金体が靴底と理想的に密
着、一体化して足にフィツトするので、プレー中の動作
がスムーズに違和感なく行われるのは勿論、プレー中の
ジャンプに伴う踵部に重心をもった着地体勢や、踵部に
重心をかけた急ブレーキ体勢等、踵部に重心をかけた動
作に対しても、足、腰に何ら衝撃等の無理がかからない
ので、長時間のプレーに対しても足、腰に全く疲労感を
与えず、プレーを十二分に楽しむことができると共に、
持てる力を十二分に発揮せしめることができるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る１例としての靴の長手方向の縦断
面図、第２図は第１図■−■線拡大断面図、第３図は第
２図断面図に相当する異なる他の実施例の拡大断面図、
第４図は第１図実施例の中底板の貫通孔に装着される弾
性体の一例の斜視図、第５図は同凹部に装着される弾性
体の一例の斜視図、第６図は本考案に係る靴の異なる他
の例の要部拡大縦断面図、第７図は第１図実施例の靴を
足に装着してキックした場合の状態を靴を断面として示
した使用状態の断面図、第８図は同踵部に重心をかけた
場合の状態を靴を断面として示した使用状態の断面図、
第９図は第７図と対比した従来例の断面図である。 １・・・・・・靴、２・・・・・・接地底、３ａ・・・
・・・スポンジコム層、３ｂ・・・・・・プレスポード
層、３ｃ・・・・・・中底布、３・・・・・・中底板、
４・・・・・・硬質プラスチック板（硬質板）、４ａ・
・・・・・貫通孔、４ｂ・・・・・・凹部、５゜５′、
訃・・・・・弾性体、７・・・・・・足。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 少なくとも全面がスポンジゴム等の弾性体で
   形成されていると共にその下側乃至中間部に足の踏骨部
   より後部の足裏に沿った湾曲面形状をなす硬質板が一体
   に並設された中底板を有する競技用靴において、上記中
   底板の硬質板には足の踵部に対して円形乃至は略楕円形
   の貫通孔乃至は凹部を形成したことを特徴とする競技用
   靴。
2. （２）前記硬質板の貫通孔乃至は凹部内は空気層で形成
   されているものである第１項記載の競技用靴。
3. （３）前記硬質板の貫通孔乃至は凹部内はスポンジコム
   等の弾性体が重合乃至装着されているものである第１項
   記載の競技用靴。
4. （４）前記貫通孔乃至は凹部が形成された硬質板の踵部
   はその下側に前方側が順次薄肉となったスポンジ層ｌ、
   等の弾性体が一体に並設されているものである第１項記
   載の競技用靴。