JPS6037778Y2 - ブツシング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は高電圧機器に使用されるブッシングの改良に
関する。

従来この種のブッシングとして種々の絶縁方式のものが
あるが、この代表的なものとして固体絶縁方式のものが
ある。

固体絶縁方式の中で、構成が簡単でコストが安いブッシ
ングとして高電圧導体の外側に接地シールド電極を施し
、この電極とその導体との中間に、電界制御用シールド
電極を介在させる構造のものがある。

この場合、高電圧導体と接地シールド電極および電界制
御用シールド電極間の絶縁物は液体、気体のいずれでも
よいが、ＳＦ６のガス絶縁開閉器に使用する場合には、
ＳＦ６のガス絶縁開閉器に使用する場合には、ＳＦ６ガ
スが介在されることになる。

第１図は従来の固体絶縁方式のブッシングの一例を示し
ている。

すなわち碍管１内に、絶縁媒体例えばＳＦ６ガス２が封
入され、この内部に挿通され、その上部が図示しない支
持金物に支持された高電圧中心導体３は、碍管１の下部
において絶縁支持物４により支持されている。

碍管１の下端部内部であって高電圧中心導体３の外側に
、接地シールド５が設けられている。

さらに、高電圧中心導体３と接地シールド５の間に同心
的に電界制御用シールド６が設けられている。

この電界制御用シールド６は絶縁物７により接地シール
ド５に固定保持されている。

これらのシールド５，６と碍管１の下端部外側に接地側
気中シールド８が設けられ、また碍管１の上端部外側に
冷却器１２とともに高電圧側気中シールド９が設けられ
ている。

このように各シールド５，６，８，９により碍管フラン
ジ部１０．気中シールド８の表面および碍管１に有する
沿面絶縁距離により電界が緩和され、耐電圧の向上を図
っている。

このような構成のブッシングは第１図にようにガス絶縁
開閉装置のタンク１３に直接取付けられる構造であるが
、絶縁支持物４を使用する代りに、碍管を設け、これに
より高電圧中心導体３を保持する場合もある。

この場合の構造のブッシングの絶縁強度は碍管１の内部
の絶縁媒体２と外部絶縁（空気中）によってきまる。

内部の絶縁破壊は、高電圧中心導体３又は電界制御用シ
ールド６および接地シールド５の端部の局所電位傾度が
、両電極間の絶縁物の破壊電位傾度を越えると、破壊に
到る。

一方、外部の絶縁破壊は、碍管フランジ部１０、気中接
地シールド８の外表面および碍管１の沿面絶縁距離の破
壊電位傾度を越えるとフラッジオーバを生じる。

このような構造のブッシングは一般的に内部よりも、外
部絶縁破壊を生じやすい。

このため、ブッシングの耐電圧は外部絶縁によって決定
されるといっても過言ではない。

このことは電圧階級が高くなればなる程、そのような傾
向が強くなる。

実際、ブッシング自身の絶縁協調を考えた場合、耐電圧
が十分高い値であることは当然であるが、内部フラッジ
オーバさせるよりも外部フラッジオーバさせた方がよい
と考えられている。

しかしながら、ブッシングの標準碍管は、耐汚損を考慮
した油浸紙形絶縁構造のブッシング用として製作されて
いるため、おのずからそれらの構成にもとづいて碍管寸
法が決められており、その胴径もそれによって決められ
ている。

このため第１図の構造のブッシングは当然電圧階級に限
度があり、５００ＫＶ程度までが限度である。

従ってこの考案の目的は標準碍管を使用して耐電圧を向
上させることができるブッシングを提供することにある
。

以下この考案の一実施例について図面を参照して説明す
る。

第２図はこの考案のブッシングの一実施例を示す断面図
であり、第１図と同一部分には符号を付してその説明を
省略し、第１図と異なる部分について説明する。

すなわち、碍管１内で且つ中心導体３の周囲に第１図の
シールド５，６および絶縁物７を設けず、コンデンサ型
絶縁ユニット１４，１５．１６が軸方向に積重ねられて
配置され、これらのキャパシタンスが直列接続され、こ
れらによって電位制御部材が構成されている。

この場合各コンデンサ型絶縁ユニット１４゜１５．１６
は上段になる程円筒半径は小さく構成されている。

第３図はコンデンサ型絶縁ユニツ）１４．１５．１６の
取付構造を拡大して示しており、コンデンサ型絶縁ユニ
ット１４，１５．１６はモールド材１４ａ、１５ａ、１
６ａにコンデンサ箔１４ｂ、１５ｂ、１６ｂが多層に巻
回されている。

そして各コンデンサ型絶縁ユニット１４，１５．１６は
上下に上部フランジ１７および下部フランジ１８が固着
されており、最内層および最外層のコンデンサ箔１４ｂ
、１５ｂ、１６ｂは上部フランジ１７および下部フラン
ジ１８と同電位に構成されている。

又最下段のコンデンサ型絶縁ユニット１４は、ケースに
取付けられた支持金物１９の上に設置され、ボルト２０
により支持金物１９に固定されている。

各コンデンサ型絶縁ユニット１４．１５．１６同士は同
じようにボルト２０により固定されている。

このようにしてコンデンサ型絶縁ユニツ）１４，１５．
１６は軸方向に積み重ねられていると同時にこの積み重
ねにより電気的に直列に接続されている。

ここで、各コンデンサ型絶縁ユニット１４，１５．１６
に取付けられる上、下部フランジ１７．１８は、第３図
に示すように各コンデンサ型絶縁物ユニット１４，１５
゜１６の碍管１内面と対向する側の下部を機械加工して
段部を形成七、この段部に係合させるようにしたことに
より中心導体３側に露出しない構成になっている。

このように各コンデンサ型絶縁物ユニツ）１４，１５．
１６の下部を機械加工し上。

下部フランジを中心導体側に露出させないことにより、
上、下部フランジ１７．１８による電子放出が抑制され
る。

また、コンデンサ型絶縁ユニット１５．１６を形成する
モールド材１５ａ、１６ａ内の下部で前記中心導体３側
に対向しているフランジの面長１より軸方向に突出した
電位制御箱２１が設けられ、この電位制御箱２１が下部
フランジ１８にリード線２２で接続されている。

よって、電位制御箱２１は下部フランジ１８と同電位と
なり、係合部の隣接したコンデンサ型絶縁ユニット間に
生じるギャップによる放電を制御できる。

以上述べたように、この考案は複数段のコンデンサ型絶
縁物ユニットからなる電位制御部材のキャパシタンスの
電位により碍管の長手方向に沿う電位を制御するととも
に各コンデンサ型絶縁物ユニットの下部を機械加工して
段部を形威し上、下部フランジを中心導体側に露出させ
ないようにし、且つ、前記フランジと同電位になるよう
に、上部コンデンサ型絶縁ユニットの下部で前記導体側
に電位制御箔を設けることにより耐電圧特性の優れたブ
ッシングを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブッシングの一例を示す縦断面図、第２
図はこの考案によるブッシングの一実施例を示す縦断面
図、第３図は同実施例のコンデンサ型絶縁物ユニットの
取付構造を拡大して示す断面図である。 １・・・・・・碍管、２・・・・・・絶縁媒体、３・・
・・・・高電圧中心導体、４・・・・・・絶縁支持物、
５・・・・・・接地シールド、６・・・・・・電界制御
用シールド、７・・・・・・絶縁物、訃・・・・・気中
接地シールド、９・・・・・・高圧気中シールド、１０
・・・・・・碍管フランジ部、１２・・・・・・冷却器
、１３・・・・・・タンク、１４，１５，１６・・・・
・・コンデンサ型絶縁ユニット、１７・・・・・・上部
フランジ、１８・・・・・・下部フランジ、２１・・・
・・・電位制御箔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁媒体を満たした碍管内にこれと同心的に中心導体を
   配置したブッシングにおいて、前記碍管の内側に前記中
   心導体と同心的にコンデンサ型絶縁物ユニットを軸方向
   に複数段積み重ね、かつ絶縁物ユニットが上段になる程
   径を小さくし、しかも前記絶縁物ユニットが電気的に接
   続され、この上部および下部がフランジで支持され、前
   記絶縁物ユニットの電位が前記碍管の長手方向に沿う電
   位分布を制御するように構成し、前記上部フランジおよ
   び下部フランジは前記コンデンサ型絶縁物ユニットの碍
   管内面と対向する側の下部に形成した段部に一端を係合
   させて取付は且つ前記下部フランジと同電位になるよう
   に、コンデンサ型絶縁物ユニットの下部で前記導体側に
   電位制御筒を設けてなるブッシング。