JPS6036014Y2 - 刈取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主としてコンバインに装備される刈取装置、詳
しくは刈刃と殻稈掻込輪とを備えた刈取装置に関する。

一般にこの種の刈取装置は、分草板及び殻稈引起装置な
どを支持する支持部材に、刈刃駆動機構における揺動体
を揺動自由に枢支すると共に、殻稈掻込輪を回転自由に
支持して、前記揺動体の揺動をして刈刃を往復運動させ
て殻稈を刈取ると共に、前記殻稈掻込輪の回動をして刈
取った殻稈を搬送装置へ搬送する如くして殻稈の刈取作
業を行なっている。

ところで、以上の如く構成する刈取装置において、前記
揺動体の支軸と殻稈掻込輪の回転軸とを共通にしたもの
は、実開昭５２−１２６１２６号公報に開示されている
通り、公知であるが、この従来例では、前記した共通軸
を伝動ケースに対し片持状に立設支持し、その先端軸部
に前記殻稈掻込輪を支持すると共に、中間軸部に前記揺
動体を枢支したものであるため、前記共通軸の支持が確
実に行なえず、そのため揺動体の揺動及び殻稈掻込輪の
回動をして刈取動作をする場合に、前記軸に横振れが生
じて、特に殻稈掻込輪の回動をスムーズに伝達できない
という問題も生じるのである。

又一方、前記した従来例では、前記揺動体の枢支及びそ
の駆動部が外部に露出しているので、殻稈が絡み付く問
題も生ずるのである。

しかして本考案は以上の如き問題点に注目して考案した
もので、その目的は揺動体と殻稈掻込輪とを同一軸によ
り支持し、構造の簡素化と搬送空間の確保とが得られな
がら、共通な一つの支軸を、断面コ字形の受体により、
その中間部位を支持して、前記支軸を横振れ少なく支持
できるようにし、特に殻稈掻込輪の回動を良好ならしめ
ると共に、揺動体の支軸における枢支部、及び該揺動体
の駆動部における殻稈の絡み付きをなくし、良好な刈取
作業ができるようにした刈取装置を提供するにある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図において１は、例えばコンバインにおける機体から一
体的に連設される支持部材であって、この支持部材１は
、コンバイン側の原動機に連動連結される入力軸２を囲
うアクスルハウジングを兼用し、かつ図外の連結杆を介
して前方に突出する支持フレーム３を備えている。

またこの支持フレーム３の先端部には、分草板４と殻稈
引起装置５、並びに刈刃６とが設けられる。

この刈刃６は、前記支持フレーム３に固定の受台９上に
取付けた固定刃７と、該固定刃７に対し往復動する可動
刃８とにより構成されるもので、この可動刃８から連設
した運動片１０に長孔１１を形威し、該長孔１１に後記
する揺動体２６の連動ピン２８を突入させて、該ピン２
８により可動刃８の往復動を行なうごとくしている。

しかして前記支持部材１の先端部にギヤーボックス１２
を固設して、該ボックス１２内に前記入力軸２の先端部
を突入支持させる一方、このギヤーボックス１２に、受
板１４と該受板１４の両側に続く一対の側板１５，１５
とから戒る断面コ字形の受体１３を固設し、この受体１
３の受板１４に支軸１６を、一端部が受体１３内に、他
端部が受体１３上に突出するごとく軸受１７を介して軸
承し、この支軸１６の受体１３内最下端部を前記ギヤー
ボックス１２内に突入させて、前記入力軸２にベベルギ
ヤー１８．１９を介して連動連結すると共に、この支軸
１６の受体１３上に突出する軸部に殻稈の掻込輪２０を
取付ける。

また前記ギヤーボックス１２に刈刃駆動軸２１を軸承さ
せて、該駆動軸２１の内端部を前記入力軸２にベベルギ
ヤー２２．２３を介して連動連結すると共に、この駆動
軸２１の外端部に、偏芯駆動ピン２５をもつ駆動体２４
を取付ける一方、前記支軸１６の受体１３内軸部に揺動
体２６の中間部を軸受２７を介して枢支し、該揺動体２
６の一端部に取付けた連動ピン２８を前記刈刃６におけ
る連動片１０の長孔１１に突入させて、この揺動体２６
の一端部に刈刃６を連動連結すると共に、この揺動体２
６の他端部に長孔２９を形成し、該長孔２９に前記駆動
ピン２５を突入させて、この揺動体２６の他端部を駆動
軸２１に連動連結するのである。

本考案の刈取装置は以上の如く構成するもので、入力軸
２からの動力によって支軸１６と駆動軸２１とを駆動し
て、殻稈掻込輪２０を回転させると共に、揺動体２６の
揺動により刈刃６の可動刃８を固定刃７に対して往復動
させ、殻稈の掻込み、及び刈取りを行なうのである。

しかして本考案の刈取装置を、例えば下部に走行装置を
、上部に脱穀装置を備えた機体の前部に装着して、所謂
コンバインの刈取装置として用いた場合、圃場に植立す
る穀稈を機体の走行に伴って先ず、分草板４により部分
けなから引起装置５により引起し、次いでこの殻稈を掻
込輪２０により機体側に掻込むと同時に刈刃６によって
刈取って、図外の縦搬送装置により脱穀装置側に搬送す
るごとく使用される。

このとき前記掻込輪２０の回転軸が揺動体２６の支軸に
よって兼用されていることから、前記殻稈の搬送空間、
詳しくは掻込輪２０から縦搬送装置への受継ぎ部附近の
空間を充分に広く取ることができ、殻稈の搬送がスムー
ズに行なえ、刈刃６上に殻稈が停滞堆積するようなこと
がないのである。

その上、前記揺動体２６と前記掻込輪２０とを同一支軸
１６に枢支すると共に、この支軸１６は、前記揺動体２
６の枢支部と前記掻込輪２０の取付は部との間において
、受体１３に支持されているから、動きの異なる前記揺
動体２６と前記掻込輪２０とを支持しながら、前記支軸
１６を前記受体１３、延いては支持部材１に支持できる
のであって、前記揺動体２６の揺動及び前記掻込輪２０
の回動に伴なって生じる前記支軸１６の横振れ等の不具
合を確実に阻止することができるのである。

また前記支軸１６、殊に支軸１６での揺動体２６の枢支
部分、及びこの揺動体２６の駆動部は、この支軸１６を
支持する受体１３て覆われ、従って前記殻稈が支軸１６
や揺動体２６の駆動部に絡み付くようなことがないので
ある。

尚既述実施例では説明していないが、殻稈の掻込輪は通
常２個一対のもので、図外の掻込輪は支持部材１に遊転
状に支持されて前記掻込輪２０の回転に従動して回転す
るのである。

以上説明した如く本考案による刈取装置は、支持部材に
刈刃と、該刈刃の駆動軸とを支持させると共に、この支
持部材に、受板と該受板の両側に続く一対の側板とから
戊る断面コ字形の受体を取付け、この受体に支軸を、一
端部が受体内に、他端部が受体上に突出するごとく支持
して、この支軸の受体内軸部に揺動体を枢支させ、該揺
動体の一端部を前記刈刃に、他端部を前記駆動軸に連結
すると共に、この支軸の受体上に突出する軸部に殻稈の
掻込輪を取付けたことを特徴とする特許あり、揺動体と
殻稈掻込輪とを同一支軸に枢支すると共に、この支軸は
、前記揺動体の枢支部と前記殻稈掻込輪の取付部との間
において、前記受体に支持されているから、動きの異な
る前記揺動体と殻稈掻込輪とを支持しながら、前記支軸
を前記受体、延いては支持部材に支持できるのであって
、前記揺動体の揺動及び前記殻稈掻込輪の回動に伴なっ
て生じる前記支軸の横振れ等の不具合を確実に阻止する
ことができるのである。

この結果前記支軸の回動をスムーズに伝達することがで
きて、前記殻稈掻込輪の回動を良好ならしめるに至った
のである。

その上、前記断面コ字形の受体は、前記支軸の支持を行
ないながら、前記揺動体の枢支部、及び該揺動体の駆動
部を覆ったから、これら各部に殻稈が侵入して絡み付い
たりするのを確実に解消することができて、前記揺動体
の揺動が何ら阻害されることがなくなり、従って刈刃の
往復運動もスムーズに行なえ、良好な刈取動作ができる
に至つたのである。

しかも、良好な刈取動作ができるようにしながらも、前
記した如く揺動体と殻稈掻込輪とを同一支軸に枢支する
と共に、前記支軸を支持する受体がカバ一体を兼用した
ので、全体としては、その構成をコンパクトにまとめ上
げることができ、穀稈の搬送空間を広く取ることができ
、殻稈の搬送がスムーズに行なえ、穀稈が刈刃上に停滞
堆積するような恐れもなくし得るに至ったのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はその一部
を省略した縦断側面図、第２図は同一部省略背面図、第
３図は第１図■−■線断面図である。 １・・・・・・支持部材、６・・・・・・刈刃、１３・
・・・・・受体、１４・・・・・・受板、１５・・・・
・・側板、１６・・・・・・支軸、２０・・・・・・殻
稈掻込輪、２１・・・・・・駆動軸、２６・・・・・・
揺動体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持部材に刈刃と、該刈刃の駆動軸とを支持させると共
   に、この支持部材に、受板と該受板の両側に続く一対の
   側板とから成る断面コ字形の受体を取付け、この受体に
   支軸を、一端部が受体内に、他端部が受体上に出するご
   とく支持して、この支軸の受太内軸部に揺動体を枢支さ
   せ、該揺動体の一端部を前記刈刃に、他端部を前記駆動
   軸に連結すると共に、この支軸の受体上に突出する軸部
   に殻稈の掻込輪を取付けたことを特徴とする刈取装置。