JPS6035821Y2 - ガスコツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ガスコンロ、レンジ、ストーブ等の各種ガ
ス燃焼器具に接続されるガス燃料通路の流通と遮断とを
行うガスコックに関し、特にガス流量を全開状態から減
少させて小さな炎長で燃焼可能とするいわゆる小火調整
機能を有するガスコックに関する。

従来、公知の小火調整機能を有するガスコックには全開
位置からプラグを閉方向へ戻し回転させる途中でプラグ
の閉子孔とガス入口との相互の連通面を減少させて小火
調整を行う構造のものと、プラグを全開位置すなわち最
大ガス流量位置から更に回転させることによって、プラ
グ外周面に形成された小火調整用溝（シーマ−溝）を一
端でガス入口に他端で小火調整用ガス通路（シーマ−通
路）に接続して小火調整を行うようにしたものが知られ
ている。

前者のガスコックにあっては、炎の大きさを目視しつ）
小火調整を行なわなければならないために、調整が面倒
で困難であると共に、使用するガスの発熱量が大である
場合には、プラグのわずかな回転により炎長が大きく変
動するため、所望の小火調整にはプラグの微妙な回転操
作が必要となる欠点があった。

後者のガスコックにあっては、最大回転位置で小火調整
を行うようにしであるために、前者のガスコックにみら
れた欠点は除去出来るが、小火調整位置までガスコック
の操作軸が過度に回転されてしまうのを回避し、ガス流
量の全開位置で操作軸の回転を確実に停止させるために
ストッパー機構が必要であり、特に圧電素子を使用する
点火手段を操作軸の回転と連動させるようにしたもので
あっては、操作軸に大きな回転力が付加されるために、
か）るストッパー機構は不可欠であった。

ところでか）るストッパー機構を備える従来のガスコッ
クにあっては、ガスコックを閉の方向へ操作するとき、
途中のストッパー位置で、操作軸がストッパー機構に当
り、何らかの解除操作をしなければ全閉位置へ戻すこと
が出来ず、ガスコックの操作上きわめて不便であった。

この考案は従来のガスコックにみられたか）る欠点を除
去し、ガス流量の全開位置でガスコックの操作軸を確実
に停止させ、その後ストツパー機構を特別な操作を要す
ることなく自動的に解除して小火調整のための最大回転
位置までスムースに回転可能とし、又閉弁方向への回転
に際してはその回転の全行程においてストッパー機構は
不作動状態に維持され操作軸の戻回転が阻害されるおそ
れのないようにしたことを特徴とし、以下に図面を参照
しつ）詳細に説明する。

図において１は、ガスコック操作軸、２は点火用の高電
圧発生装置を内蔵したイグナイターケースであり、詳細
は第６図を参照しつ）後述する。

３はガスコックのコック本体、４は点火用パイロットガ
スの流出口、５は小火調整用絞り弁、６はガス流入口、
７はガスの流出口である。

ガスコック本体３内には前記操作軸１によって軸方向へ
摺動されるパイロット用のスライドコア８が、回転を阻
止されつ）収納され、該スライドコア８の前面に回転コ
ア９が摺動と回転を自由にして配置される。

スライドコア８の内周面に対向位置に谷部を有するカム
面が形成され、該カム面に両端を支持されたスライドコ
アピン１０が操作軸１内に一部を収容されたコイルスプ
リング１１で常時前方へ向って附勢されている。

回転コア９は第１４図に示すように中央を連結したリン
グ形状を有し、周縁には傾斜立上壁９ａが形成され、該
傾斜立上壁９ａの垂直面９ｂがコック本体３に固設され
たストッパーピン１２に当接するストッパーとなる。

又前記操作軸１の先端には第１２図に示すように前記ス
ライドコアピン１０を受ケ入れる割溝１３が形成され、
該割溝１３はその途中にコアピン１０と係合する段部１
４を有している。

回転コア９のカム面を明示するため、第２図においては
回転コア９を運転して図示した。

１５はコック本体３内に回転自在に収納されたプラグで
あって、截頭円錐形の外周面を有する円筒体をなし、内
部にはパイロット用バルブシャフト１６が軸方向に摺動
自在で且閉弁方向ヘスプリング１７で附勢されつ）収納
されている。

第７゜８．９図に示すようにプラグ１５の先端寄りに内
外を連通ずる孔１８が穿設され、後端寄りにはほぼ中心
近くまで延びる切溝１９が軸方向と直交して形成され、
外周面にはシーマ−溝２０が螺旋状に形成され、孔１８
はガス流入口６と、切溝１９はパイロットガス流出口４
とそれぞれ整合可能である。

又シーマ−溝２０はその一端をガス流入口６に、他端を
コック本体３の壁面内に形成されたシーマ−通路２１の
一端にそれぞれ自在である。

シーマ−通路２１の他端はプラグ１５の先端においてコ
ック本体３内に開口し、ガス流出ロアに連通している。

シーマ−通路２１に前記小火調整用絞り弁５が臨み、ガ
スの種類により小火用のガス流量を任意に調整可能であ
る。

プラグ１５の後端から操作軸１に向ってプラグ軸１５ａ
が一体に延出され、該プラグ軸１５ａは操作軸１内に遊
挿されると共に割溝２２にスライドコアピン１０を係入
することによって、操作軸１の回転とプラグ１５の回転
が一体に連動されている。

又、プラグ軸１５ａの基部には前記イグナイターケース
４内のハンマーを作動するためのハンマー作動用フック
２３が廻り止め状態で挿着されている。

そして、このハンマー作動用フック２３と前記ストッパ
ー９ｂを有する回転コア９との間に両者を互に反対方向
へ反撥せしめるスプリング２４が延設される。

前記パイロット用バルブシャフト１６の先端にはプラグ
１５内の弁座２５に接離するパイロット弁２６が設けら
れ、又後端はプラグ軸り５ａ内に延び、回転コア９の中
央連結部に当接自在である。

作動に際しては、先ずガスコック操作軸１を第１図矢印
Ａ方向へ３ｍｍ押した後、ガス流量の全開位置（大火位
置）に第１５図に示すように９０°回転させると、スラ
イドコアピン１０が操作軸１の割溝１３の段部１４に引
つか）す、スプリング２４の張力と回転トルクとにより
、スライドコアピン１０は段部１４に引つか）つた状態
で保持される。

このとき、軸方向の摺動のみを許容されたスライドコア
８は、その内周面のカムによりスライドコアピン１１を
介しての操作軸１の回転にて前進する。

スライドコア８の前進に伴って同時に回転コア９が前進
し、中央連結部においてパイロット用バルブシャフト１
６の後端を押圧し、パイロット弁２６が開弁する。

この結果、プラグ１５は第１０．１１図に示す遮断態勢
（Ｘ状態）からＹ状態へと移行し、ガス流入口６に孔１
８が連通して、プラグ１５内に流入したガスは第１６図
に示す９０°開の最大ガス流量で、ガス流出ロアに流れ
ると共に、切溝１９からパイロットガスの流出口４へと
流れる。

そして、か）る態勢において、回転コア９のストッパー
９ｂがストッパーピン１２と係合するため、操作軸１は
大火位置である９０゜回転位置で確実に停止される。

更に操作軸１の９０°回転に連動するプラグ軸１５ａの
回転によりハンマー作動用フック２３がハンマー２７を
バネに抗しつ）圧電素子２９から離し、しかる後ハンマ
ー２７との係合を解除して圧電素子２９を打撃し高電圧
を発生させ、パイロット炎の点火及びこれに引き続く大
火の点火がなされる。

か）る状態において、回転コア９の前進により前述した
ストッパー９ｂとストッパーピン１２との保合が遠戚さ
れ、操作軸１の過度の回転が防止される。

操作軸１への回転トルクを付加した状態では、スライド
コアピン１０は段部１４に引つか）たま）に保持され、
大火用ガスとパイロット用ガスの流出が継続されている
が、操作軸１への回転力を除去すると、スライドコアピ
ン１０と段部１４との係合が解除され、スライドコアピ
ン１０はスプリング２４の弾撥力で割溝１３内を後退す
る。

スライドコアピン１０の後退に伴い、スライドコア８、
回転コア９も後退し、ストッパー９ｂとストッパーピン
１２との保合が解除されて、操作軸１の回転が再び自由
な状態に戻る。

この結果、操作軸１を９０°の全開位置から第１６図に
示す１４０°の小火位置に回転したり、或は小火位置か
ら全閉位置へと回転することが出来、か）る回転操作行
程中ストッパー９ｂとストッパーピン１２とが係合する
ことは全くなく、自由な回転操作が可能である。

小火位置においては、第１０．１１図に示すプラグ１５
はＺ状態にあり、ガスは、ガス流入口６、シーマ−溝２
０、シーマ二通路２１を通ってガス流出ロアへと流れ、
保温等のためにガスコンロを小火状態で使用可能とする
。

尚、プラｌ゛１５の小火位置以上への回転を防止するた
めに、ハンマー作動用フック２３を、イグナイターケー
ス２の適宜位置に当接させるものとする。

又、以上の説明においては操作軸１の押入距離を３ｍｍ
、大火のための回転角度を９０°、小火のための回転角
度を１４０°としたが、これらは単に一つの実施例に止
まるものであって、何らこれに限定されるものではない
。

以上のようにしてこの考案のガスコックによれば、ガス
コックの操作軸をガス流量の全開位置へ回転操作し且点
火操作するときストッパーを有する回転コアを前進させ
てストッパーピンに係合させ操作軸の過度の回転を阻止
するようにしであるので、操作軸の回転により大きな回
転力を必要とする高電圧発生装置からなる点火手段を連
動して作動するような場合においても、操作軸を確実に
全開位置で停止せしめることが出来ると共に、全開位置
への回転後、操作軸への回転トルクを除去することによ
って回転コアを後退させてストッパーとストッパーピン
との係合を不能とするようにしであるので、全開位置か
ら小火位置への操作軸の回転、或は小火位置から全閉位
置への操作軸の回転を何らの支障もなく全く自由に且ス
ムースに行うことが出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は外観側面図、第２図は分解斜視図、第３図は中
央縦断側面図、第４図は中央縦断側面図、第５図は第４
図と同一の断面図であって、全開状態を示す、第６図は
点火手段とハンマー作動用フック及びプラグ軸の関係を
示す立面図、第７図はプラグの側面図、第８図は第７図
■−■線に沿った断面図、第９図は第７図ＩＸ−ＩＸ線
に沿った断面図、第１０図は第８図の位置におけるプラ
グの全閉、全開及び小火の状態を示す図、第１１図は第
９図の位置におけるプラグの全閉、全開、小火の位置を
示す図、第１２図は操作軸とプラグ軸との連結部分を拡
大して示す一部の断面図、第１３図は第１２図と同様の
部分であって９０’回転した部分の一部断面図、第１４
図は回転コアの斜視図、第１５図は操作軸の回転角度と
操作位置の関連を示す図、第１６図は操作軸の操作角度
とガス流量の関係を示すグラフである。 １・・・・・・操作軸、３・・・・・・コック本体、４
・・・・・・パイロットガス流出口、６・・・・・・ガ
ス流入口、７・・・・・・ガス流出口、８・・・・・・
スライドコア、９・・・・・・回転コア、９ｂ・・・・
・・ストッパー、１０・・・・・・スライドコアピン、
１２・・・・・・ストッパーピン、１３・・・・・・割
溝、１４・・・・・・段部、 １５・・・・・・プラグ、 １６・・・・・・パイロ ット用バルブシャフト、 １８・・・・・・孔、 １９・・・・・・切 溝、 ２０・・・・・・シーマ−溝、 ２１・・・・・・シーマ−通 路、 ２３・・・・・・ハンマー作動用フック、２４・・・・
・・ス プリング、 ２７・・・・・・ハンマー、 ２９・・・・・・圧電素 子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラグ１５の一定角度の回転により、プラグ１５に形成
   された孔１８とガス流入口６とを連通して最大ガス流量
   を許容すると共に、パイロット弁２６を開弁してパイロ
   ットガスの流出を許容し、更にプラグ１５を回転するこ
   とによりプラグ１５の外周面に形成されたシーマ溝２０
   を介して小火調整用のシーマ通路２１とガス流入口６と
   を連通して小火調整を行うようにしたガスコックにおい
   て、プラグ１５に連係する操作軸１に軸方向の移動を自
   由にし回転方向に一体化した回転コア９を連結し、操作
   軸１の回転により前記プラグ１５を回転すると共に、回
   転コア９を前進させてパイロット弁２６を開弁させ、回
   転コア９の前進位置で回転コア９に形成されたストッパ
   ー９ｂに係合するストッパーピン１０をコック本体３に
   固設し、操作軸１への回転トルクを除いたときスプリン
   グ２４の弾撥力で回転コア９を後退させてトラパーピン
   １０とストッパー９ｂとの保合を解除するようにしたこ
   とを特徴とするガスコック。