JPS6035784Y2 - プツシユプルケ−ブルの端末固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、変速機等の機械装置の遠隔操作に使用される
プッシュプルケーブルの端末をフレーム等に固定する装
置に関する。

近年、可撓性を有するアウタチューブにインナーケーブ
ルを摺動自由に挿通して押し引き両方向の力を伝達する
ようにしたプッシュプルケーブルが機械装置の操作力伝
達部材として従来の連結杆に代って用途が拡大されつつ
あるが、例えば、車輌の変速機と操作レバーをプッシュ
プルケーブルで連結して操作力を伝達するようにした場
合に、そのアウタチューブの端末をミッションケース等
のフレームに直に固定すると、エンジンの振動がアウタ
チューブからインチケーブルに伝達され、その端末に連
結された操作レバーが振動して運転者に不快感を与える
ばかりでなく、プッシュプルケーブルの振動は締付部分
の緩みや接触部分の摩耗の原因となって耐久性の低下を
招来することがある。

従来、クラッチケーブルやアクセルケーブル等の引張力
のみが作用するプルケーブルにおいては、実公昭５１−
１２６０６号公報に記載されているように、アウタチュ
ーブに作用する一方向の力によって弾縮する弾性体を介
挿した防振支持装置が存在するが、押し引き両方向の操
作力が作用するプッシュプルケーブルにおいてその端末
固定装置に吸振性を持たせるには、構造が複雑になり、
製造コストが高く、かつ、重量が大になるため、実用化
されていなかった。

本考案はこのような事情を背景にして完成されたもので
あって、その目的とするところは、主として管材を使用
することにより、製造が容易で軽量化することができる
吸振性を備えた端末固定装置を提供することにある。

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明する
。

図において、１はアウタチューブ１１の中空にインナー
ケーブル１４が摺動自由に挿通されたプッシュプルケー
ブルであって、アウタチューブ１１の端部は外皮１３が
剥されて内管１２が露出しており、その端部に筒形のハ
ブ２がかしめ付けにより固着されている。

このハブ２は細長い金属管をプレス成形したものであっ
て、先端の拡径部２１に続いて縮径部２２と拡径段部２
３が順次に形威されており、縮径部２２の外周には半環
形をなす１対２個の大止め具２５．２５とその両側の同
じく半環形をなす２対４個の小止め具２６，２６．２７
．２７が円形の段となるように挟着され、これらの止め
具２５〜２７の外周にはゴム等の弾性材料からなる内周
面中央部に嵌合溝を有するコ字形断面の吸振環３が嵌着
されてノ）ブ２から脱落しないようになっており、さら
に、拡径段部２３の外周には環形のストッパ２８が嵌着
されて吸振環３の側面に当接しており、ストッパ２８及
び吸振環３の外周には筒形のカバー４が嵌着され゛てい
る。

このカバー４は金属管をプレス成形したものであって、
第３図に示すように、取付前は拡径部４１に続いて縮径
部４２と鍔４３が順次に形成された形状をなし、鍔４３
の曲成前に縮径部４２に環形のスペーサ４４を嵌着する
か若しくは鍔４３の曲成後に２つ割りにしたスペーサ４
４を挾着するようになっており、拡径部４１をストッパ
２８及び吸振環３の外周に嵌着してからその端縁を内側
へ折り曲げてストッパ２８が抜は出さないようにし、ブ
ラケット５に形成された取付穴５１にスペーサ４４を介
して縮径部４２を嵌入し、ブラケット５と鍔４３の間に
スナップリング５２を嵌めて軸方向に遊びの生じないよ
うに固定しである。

また、前記ハブ２の先端の拡径部２１にはスリーブ６の
球形頭部６１を嵌入したのちに口元を搾って抜は止め２
４が形成してあり、この拡径部２１の外周とカバー４の
縮径部４２の内周との間にはバンド７１によってスリー
ブ６に締付けられたゴム等の弾性材料からなる筒形のシ
ール７が緊密に嵌入されている。

スリーブ６内にはロッド８の一部が摺動自由に嵌入され
、その内端面に形成された盲孔８１にアウタチューブ１
１から突出したインナケーブル１４の端末が嵌入されて
かしめ付けにより連結されており、ロッド８の突出端に
は操作レバー９がピン９１によって連結され、ロッド８
の突出部とスリーブ６の先端部の間には蛇腹形のダスト
ブーツ１０が被着されている。

そして、操作レバー９を図示しない支点を中心として前
後に揺動すると、スリーブ６が球形頭部６１を中心とし
て上下に小角度の揺動を生じつつ、ロッド８及びこれに
連結されたインナケーブル１４が前後に摺動し、インナ
ケーブル１４の他端に連結された図示しない変速機のフ
ォーク操作杆等に押し引き運動が伝達されるのであるが
、ブラケット５に取付けられたカバー４とアウタチュー
ブ１１に固着されたハブ２の間には吸振環３が介入され
ているため、ブラケット５が振動してその振動がカバー
４に伝わっても、吸振環３で吸収されてハブ２にはほと
んど伝達されず、したがって、アウタチューブ１１から
インチケーブル１４及びロッド８を経て操作レバー９に
伝えられる振動は極く僅かとなる。

前記において、ハブ２の縮径部２２に挾着された半環形
の止め具２５〜２７のうち両側の小止め具２６．２７を
欠除しても上記の吸振作用はほぼ均等である。

上記実施例によって具体的に説明したように、本考案の
プッシュプルケーブルの端末固定装置は、アウタチュー
ブにインナーケーブルを摺動自由に挿通したプッシュプ
ルケーブルの前記アウタチューブの端末に管材をプレス
成形して縮径部を形成したハブを固着し、該縮径部に半
円環形をなす一対の止め具を挾着して該一対の止め具の
外周にゴム等の弾性材料からなる内周面中央部に嵌合溝
を有する吸振環を嵌着するとともに、該吸振環の外周に
管材をプレス成形して一端を縮径したカバーを嵌着して
その端縁を内側へ屈曲し、該カバーの縮径部をブラケッ
トの取付穴に通して固定したことを要旨とするものであ
って、ハブの縮径部に半円環形をなす一対の止め具を挟
着してその外周に内周面中央部に嵌合溝を有する吸振環
を嵌着したから、カバーを嵌着してその端縁を内側へ屈
曲する際に、一対の止め具がハブから外れることがなく
、組み付は作業を容易、かつ、迅速に行なうことができ
るとともに、止め具の外周部の両側とカバーとの間に吸
振環が介在するから、ハブにいずれの方向の力が作用し
ても、吸振性を失なわずにブラケットに固定することが
でき、ブラケットとプッシュプルケーブルの間の振動の
伝達を有効に阻止し得るとともに、ハブとカバーを管材
のプレス成形品としたから、切削加工品に比べて大量生
産に適し、かつ、軽量化し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部切欠
側面図、第２図は要部の拡大断面図、第３図は要部の分
解斜視図である。 １ ：プッシュプルケーブル、 １１：アウタチュ ーブ、 １４：インナケーブル、 ２：ハブ、 ２２： 縮径部、 ２５：大止め具、 ３：吸振環、 ４： カノく ５ニブラケツト、 ５１：取付穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウタチューブにインチケーブルを摺動自由に挿通した
   プッシュプルケーブルの前記アウタチューブの端末に管
   材をプレス成形して縮径部を形成したパブを固着し、該
   縮径部に半円環形をなす一対の止め具を挟着して該一対
   の止め具の外周にゴム等の弾性材料からなる内周面中央
   部に嵌合溝を有する吸振環を嵌着するとともに、該吸振
   環の外周に管材をプレス成形して一端を縮径したカバー
   を嵌着してその他端縁を内側へ屈曲し、該カバーの縮径
   部をブラケットの取付穴に通して固定したことを特徴と
   するプッシュプルケーブルの端末固定装置。