JPS627859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車等のクラツチ装置に具備され
るクラツチレリーズフオークの支持機構の改良に
関する。

クラツチレリーズフオークは、クラツチ装置の
動力伝達を切る時に、クラツチハウジングの外側
から操作してクラツチレリーズベアリングを動か
すための操作レバーであつて、普通にはこのクラ
ツチレリーズフオークは、クラツチハウジングに
設けられた支持部で支えられ、その一端はクラツ
チレリーズベアリングを軸方向に押すように二股
（フオーク）形状とされ、他端はクラツチハウジ
ングの外側で、レリーズシリンダロツド、あるい
はレリーズケーブルに結合されている。

従来、上記のクラツチレリーズフオークは、一
般的に鉄板製または鋳鉄製とされており、クラツ
チハウジングに設けられる支持部によるクラツチ
レリーズフオークの支持は、第１図に示すように
クラツチレリーズフオーク本体１にリベツト等に
より取付けられた板ばね２を、半球状に形成され
た支持部３の背面に装着することによりおこなわ
れている。

このように従来は、クラツチレリーズフオーク
本体１の支持部３に対する保持を、クラツチレリ
ーズフオーク本体１とは別体の板ばね２によつて
おこなつているため、クラツチレリーズフオーク
支持のための組付けが面倒となつているばかりで
なく、この支持構造全体の製造費用も高くつき、
重量も重いという問題があつた。

本考案は、上記した従来の問題を解消するため
になされたものであつて、組付を簡単とし、安価
で、かつ軽量のクラツチレリーズフオークを提供
することを目的とする。

かかる目的は、本考案によれば、クラツチレリ
ーズフオーク本体を樹脂製とし、このクラツチレ
リーズフオーク本体を半球状支持部で球面支持部
するものにして、該半球状支持部の背面に向かつ
て延びる保持部を前記クラツチレリーズフオーク
本体と一体的に樹脂成形により形成して、半球状
支持部をクラツチレリーズフオーク本体の球面支
持部にこの保持部を乗り越えて強制的に押し込ん
で取付けることにより、支持するようにしたこと
を特徴とするクラツチレリーズフオークの支持構
造によつて達成される。

次に、上記本考案の構成にもとづく実施例を図
面にもとづいて説明する。なお、以下の実施例に
おいて、前記第１図の従来構造と同一または相当
部分については、第１図と同一符号を付して示し
た。

第２図および第３図は、本考案にかかるクラツ
チレリーズフオーク支持構造の第１の実施例を示
し、第２図は支持部３の取付状態を示す断面図、
第３図は第２図の−線断面図を示す。この実
施例において、支持部３は従来と同様に半球状に
形成されており、スタツド部４を介してクラツチ
ハウジングに固定されている。クラツチレリーズ
フオーク本体１は樹脂で形成されており、前記半
球状支持部３を受け入れる球面支持部５が設けら
れておつて、半球状支持部３と球面支持部５とが
嵌合して取付けられる。なお、第２図に示すよう
に、球面支持部５の両側から半球状支持部３の背
面に向けて保持部６が薄肉ヒンジ７を介してクラ
ツチレリーズフオーク本体１と一体的に樹脂成形
により形成されている。

上記の構造により、クラツチレリーズフオーク
本体１の球面支持部５に半球状支持部３を嵌合さ
せるために押し込むと、保持部６は第２図に示す
矢印方向に拡開して、この拡開した保持部６を乗
り越えて半球状支持部３が挿入され、この半球状
支持部３が球面支持部５に着座して挿入が完了し
た段階において、保持部６は自己のばね力により
第２図に示す元の状態となり、半球状支持部３を
クラツチレリーズフオーク本体１に確実に保持す
る。

第４図および第５図は、本考案の第２の実施例
を示し、第４図は支持部３の取付状態を示す断面
図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面図を示す。こ
の実施例は、前述の実施例と保持部６の形状のみ
が異なつており、その他の構成は同じである。す
なわち、この実施例は保持部６′を線状体で構成
するもので、この線状体は両端部がクラツチレリ
ーズフオーク本体１と一体とされており、中央部
は前述の実施例と同様に半球状支持部３の背面に
向けて形成されている。

上記のように構成されている他の実施例におけ
る球面支持部５と半球状支持部３との取付けも、
前述の実施例と同様にしておこなわれる。

以上詳述したように、本考案のクラツチレリー
ズフオーク本体１は樹脂製とされているため、こ
の本体１を軽量に構成することができ、また、そ
の保持部６，６′を樹脂でクラツチレリーズフオ
ーク本体１と一体的に形成するようにしたため、
支持構造全体を安価に構成することができると共
に、球面支持部５と半球状支持部６の嵌合は、単
に押し込むことによりおこなうことができるの
で、クラツチレリーズフオークの組付けを極めて
簡単におこなうことができ、量産工場の組付けに
おいて非常に有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクラツチレリーズフオークの支
持構造を示す正面図、第２図は本考案にかかる同
支持構造の一実施例を示す一部断面図、第３図は
第２図の−線断面図、第４図は本考案の他の
実施例を示す一部断面図、第５図は第４図のＶ−
Ｖ線断面図を示す。 符号の説明、１……クラツチレリーズフオーク
本体、２……板ばね、３……半球状支持部、４…
…スタツド部、５……球面支持部、６……保持
部、７……薄肉ヒンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラツチレリーズフオーク本体を樹脂製とし、
   このクラツチレリーズフオーク本体を半球状支持
   部で球面支持するものにして、該半球状支持部の
   背面に向かつて延びる保持部を前記クラツチレリ
   ーズフオーク本体と一体的に樹脂成形により形成
   して、半球状支持部をクラツチレリーズフオーク
   本体の球面支持部にこの保持部を乗り越えて強制
   的に押し込んで取付けることにより、支持するよ
   うにしたことを特徴とするクラツチレリーズフオ
   ークの支持構造。