JPS6035556Y2 - マルチナツトランナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボルト、ナツトを締付けるマルチナツトランナ
に関するものである。

本考案の目的は、ボルト、ナツトのピッチが変更しても
同一のマルチナツトランナによって変更したピッチに直
ちに対応させて締付作業を可能とし、作業能率の向上と
、設備費用の低減を図ったことである。

車両の組立ラインなどにおいて多数本のボルト、ナツト
を一挙に締め付けるために、その多数本のボルト、ナツ
トのピッチに対応したスピンドルを有するマルチナツト
ランナが使用されている。

しかし、同一加工物でも仕様によっては多数本のボルト
、ナツトの中で、１本若しくは２本のボルト、ナツトの
ピッチが異なる場合がある。

従って、それぞれのボルト、ナツトのピッチに対応した
複数基のマルチナツトランナを設備する必要があり、作
業者はその都度所定のマルチナツトランナを撰別して作
業しなくてはならず、作業能率上好ましくなかった。

さらに、複数基のマルチナツトランナを設備することは
スペース的にも好ましくなく、費用も高価となる不具合
があった。

本考案は上記の不具合を解消したもので、その特長は、
複数本のスピンドルの中で少なくとも１本のスピンドル
の軸心位置を変更可能とし、１基マルチナツトランナよ
り変更したボルト、ナツトのピッチに即対応するように
改善したことである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、１ａ、１ｂは支持プレートであり、両
支持プレートｌａ、ｌｂを連結軸２によって連結した枠
組構成となっている。

この支持プレートｌａ、ｌｂの多数本のスピンドルが平
行軸線で所定のピッチ間隔で並列固定されるが、本考案
では少なくとも１本のスピンドル４を残して他のスピン
ドル３は従前通り支持プレートｌａ。

１ｂに並列固定する。

そして、前記１本のスピンドル４を支持プレート１ａ、
１ｂに摺動可能に支持する。

その具体的な構造は第２図で示すように、可動とするス
ピンドル４の前端部に方形のスライドプレート６を支持
プレート１ａと平行に固着する。

また、支持プレート１ａに開口部１０を設け、この開口
部１０に前記スライドプレート６を摺動可能に案内する
案内面７をスピンドル４の軸線に対し直交する方向に形
成する。

さらに、案内面７に摺動可能に案内させたスライドプレ
ート６の脱落を防止するために、案内面７に沿って押え
板８が支持プレー）１ａの開口部１０に固設されている
。

他方の支持プレート１ｂには、前記案内面７と同一方向
のガイド穴９が開設され、このガイド穴９に前記スピン
ドル４の他端部が摺動可能に案内されている。

また、前記一方の支持プレート１ａの開口部近傍には、
スピンドル４の軸線に対し直交する軸線方向でシリンダ
５が固設され、そのピストンロッド５ａをスライドプレ
ート６に結合している。

本考案は上記の通りの構造であるから、可動のスピンド
ル４は、シリンダ５を作動することによってピストンロ
ッド５ａの前後進退のストロークｈに基づき、スライド
プレート６が案内面７を摺動し、またスピンドル４の後
端部はガイド穴９を摺動して隣接する固定のスピンドル
３に対しスピンドル４の軸心間距離、すなわち、ピッチ
が２段階に切換えられるのである。

尚、図例ではピッチ可変のスピンドルは１本で示されて
いるが、必ずしも１本に限定されるものではない。

以上のように本考案によると多数本で構成されているマ
ルチナツトランナにおいて、少なくとも１本のスピンド
ルがピッチ可変となっているので、ボルト、ナツトのピ
ッチ変更があっても１基のマルチナツトランナによって
締付作業が可能となり、作業能率の向上、設備費用の低
減が得られる。

さらに、ピッチを可変とする可動のスピンドルは、一方
の支持プレートに開設された開口部にスピンドルの軸線
に対し直交する方向に形成した案内面に摺動可能に案内
され、かつ押え板にて脱落防止状態となっているスライ
ドプレートによりスピンドルの一端部を支持プレートに
対し可動とし、他方の支持プレートに前記案内面と同一
方向に開設したガイド穴にスピンドルの他端部を支持プ
レートに対し可動とした構成であるから、シリンダの作
動によるスピンドルの移動は、スピンドルの両端部の案
内でスピンドルの軸線が固定のスピンドルの軸線と常に
平行な軸線を保持し、スピンドル先端のソケットがボル
ト又はナツトに正しく嵌合する利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は本考案の主要部の正
面図である。 ｌａ、ｌｂ・・・・・・支持プレート、２・・・・・・
連結軸、３・・・・・・固定のスピンドル、４・・・・
・・可変のスピンドル、５・・・・・・シリンダ、５ａ
・・・・・・ピストンロッド、６・・・・・・スライド
プレート、７・・・・・・摺動面、訃・・・・・押え板
、９・・・・・・ガイド穴、１０・・・・・・開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する一対の支持プレート連結軸によって連結して枠
   組構成とし、この支持プレートに多数本のナツトランナ
   スピンドルを平行軸線で所定のピッチ間隔を有して並列
   測定したマルチナツトランナにおいて、前記多数本のス
   ピンドルの中で少なくとも１本のスピンドルの一端部に
   方形のスライドプレートを支持プレートと平行に偏着し
   、前記一方の支持プレートに開口部を設け、この開口部
   に前記スライドプレートを摺動可能に案内する案内面を
   スピンドル軸線に対し直交する方向に形威し、この案内
   面に沿ってスライドプレートを摺動自在に保持する押え
   板を支持プレートの開口部に固設し、他方の支持プレー
   トには前記案内面と同一方向のガイド穴を開設し、この
   ガイド穴に前記スピンドルの他端部を摺動可能に案内し
   、前記スライドプレートを摺動させるシリンダを前記一
   方の支持プレートの開口部近傍に固設して成るマルチナ
   ツトランナ。