JPS6035231B2 - ステイフナ−の水平すみ肉自動倣い溶接方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はステイフナーの両側又は片側の水平すみ肉部を
溶接するに際して、溶接ヘッド部を自由回転及び自由昇
降機構によって水平すみ肉溶接線を機械的に自動倣いで
きる様に構成した溶接装置５を用いるステイフナーの水
平すみ肉自動倣い方法に関し、詳細には、ステイフナ−
の厚みに応じて接近もしくは離反可能に構成した側面倣
い用ガイドロールと、該ステイフナーの上面に常時押圧
接触転動可能に構成された上面倣い用ガイドロールを押
圧転勤させ、ツイン又はシングル熔接用のトーチ部を常
に溶接線に沿って移動可能としたステイフナーの水平す
み肉自動倣い溶接方法に関するものである。

１桁鋼等を補強する目的でステイフナー等を立設し、こ
れを水平すみ肉溶接する場合には、ステイフナーあるい
は１桁鋼自体のそりや歪みによって水平すみ肉溶接線が
水平面内あるは垂直面内で変動することがあり、全溶接
線に亘つて良好な溶接結果を得る為には、港薮トーチを
常に溶接線に‘倣わせる様な自動倣い機構を用いた溶接
法が必要である。

その為従来はグラビティ溶接機が汎用されていたが、作
業員１人当りの受持ち台数に限度があり、又長い溶接線
の場合は何度も溶接を中断しなければならないという欠
点があった為、自動溶接特に高精度の倣い機構を有する
自動溶接装置による溶接法の開発が要望される様になっ
てきた。ところで自動溶接において精度のよい倣いを実
現する為の手段としては、電気的なセンサー等を利用し
その信号を電気的に処理して倣う電気的制御方法と、被
熔接材上を機械的に倣わせる機械的倣い方法が考えられ
る。又既に例えばアーク倣い（溶接榛だより、技術ガイ
ド１９８２王第１４７号、株式会社神戸製鋼所）を使用
した１桁鋼の溶接装置を用いる溶接法も出現しており、
上記方法によればステイフナーの板厚の変化、溶接トー
チのねらい位置をアーク電流の変化で検知することによ
って倣う様にしたもので、溶接線に対する倣いがセンサ
−なしで行なえることからその効果は大きいが溶接制御
の回路以外にアーク倣い用の煩雑な制御回路が別途必要
である。両者を比較した場合、機械的に倣う機構を用い
る方がより経済的であることが注目され、これ迄に極め
て多数の機械的倣い方法が検討されてきた。

本発明もこれらの一貫として位置づけられるもので、ス
テイフナーの水平すみ肉を機械的に倣いつつ自動溶接（
時に半時敷溶接）を行なうことのできる溶接方法を提供
しようとするものである。即ち上記目的を達成し得た本
発明の構成は、ステイフナーの水平すみ肉溶接部をツイ
ン又はシングル溶接するに当り、支持部材に対し溶接線
方向へ移動自在に取付けられたブームの適所に、自由回
転及び自由昇降機構を介して熔接ヘッド部を取付けた溶
接装置を用い、ステイフナーの厚みに芯じて接近もしく
は離反加能に構成した側面倣い用ガイドロールを前記ス
テイフナ−の両側面に接触転勤させ、該側面倣い用ガイ
ドロールに連動して溶接ト−チを水平方向に移動させる
とに、前記ステイフナーの上面に常時押圧接触転動可能
に構成された上面倣い用ガイドロールを押圧転動ざせて
該上面倣い用ガイドロールに連動して溶接トーチを垂直
方向に移動させ、上記ツイン又はシングル溶接用のトー
チ部を常に溶接線に沿って移動可能にしたことを要溶旨
とするものである。

以下実施例たる図面に基づいて本発明の構成及び作用効
果を具体的に説明するが、下記実施例は一具体例にすぎ
ず、もとより前・後記の趣旨に徴して種々設計を変更す
ることは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。

第１図は本発明に係るステイフナ−の水平すみ肉自動倣
い方法の実施に好適な構成を有する溶接装置の一例を示
す側面図、第２図は同菱部を例示する側面図、第３図は
第２図に対応する菱部正面図である。

図においてマニフレー夕Ｍは支持部材１とブーム２から
構成され、該ブーム２は矢印Ｐで示す様に熔接線Ｗと平
行な方向へ自由に移動できる様に設けられる。そしてブ
ーム２の適所（図では先端）に熔接ヘッド３を自由回転
及び自由昇降機構５を介して取付ける。尚この自由回転
及び自由昇降機構５の詳細は第４図に基づいて後に詳説
する。

そして該機構５に設けられる自由回転及び自由昇降スラ
イドブロック８には回転ロック機構が取付けられており
、その詳細についても第４図によって後述するが、これ
は溶接時には水平方向の倣いを行なわせる様に前記自由
回転及び自由昇降スライドブロック８の自由回転を許容
し、溶接に用いなときは該スライドブロック８の自由回
転をロックして不安定な揺れをなくす様な作用機能を発
揮するものである。又上記の自由回転及び自由昇降スラ
イドブロック８に水平移動ガイド６が一体的に取付けて
あり、水平移動ガイド６のスライダー２１，２１′上に
は２個の水平スライドブロック１２，１２′が夫々摺動
自在に取付けられ、これらのスラィドブロック１２，１
２′には水平スライドブロック間隙調整用のヱアシリン
ダー１５によって橋渡しされる様に連結され、前記水平
スライドブロック１２，１２′がスライダー２１，２１
′上において左右方向へ移動可能に且つお互いに近接す
る方向へ付勢されて構成されている。又水平スライドブ
ロック１２，１２′の下端には夫々ステイフナー２５の
側面倣い用ガイドロール１３，１３′が対向してステイ
フナー２５を挟みつける様に設けられ、前記スライドブ
ロック１２，１２′の少なくとも一方（図では両方）の
中間部適所には取付金具２４，２４′を介して熔接トー
チ１４，１４′が取付けられている。該金具２４，２４
′は溶接トーチ１４，１４′をトーチの軸心延長線方向
へ進退調整可能に、又該延長線と交差する方向にトーチ
１４，１４′を揺動回転自在に則ちトーチ１４，１４′
の狙い角度又は狙い位置を調整できる様に構成されてい
る。又上記水平移動ガイド６上にあって２個の水平スラ
イドブロック１２，１２′の中間部には上下方向セット
位置調整機構９が固設されており、上下方向セット位置
調整用スライダー１０の下端にはステイフナー上の上面
倣い用ガイドロール１１を設け、該上下方向セット位置
調整スライダー１０の上端に設けた減速機構付モーター
７によって上記スライダーと共に昇降可能に構成されて
いる。次に第４図は溶接ヘッド部３における自由回転及
び自由昇降機構、並びに回転ロック機構の一例を示す説
明図であり、第４図Ａは要部縦断面説明図、第４図Ｂは
第４図Ａにおけるｂ−ｂ線断面矢視図、第４図Ｃは第４
図Ａにおけるｃ−ｃ線断面矢視図を夫々示す。

１６はブーム２の先端に固着される保持部であり、溝型
鋼によって構成されると共に、図の上辺及び下辺に相当
する上梁１６ａ及び下梁１６ｂには夫々対応する貫通穴
が設けられ、ガイド棒１７が欧合固定されている。

自由回転及び自由昇降スライドブロック８はスライドベ
アリング１８を介して上記ガイド棒１７に取付けられ、
且つスライドブロック貫通孔８ａ部分で回転および昇降
自在に構成されている。又自由回転及び自由昇降スライ
ドブロック８の下部には回転ロック用歯車１９が一体的
に設けられ、下梁１６ｂには同じく回転ロック用歯車１
９と対抗し同心且つ同径の凹型ロック溝２０が形成され
ており、該スライドブロック８を下降させて回転ロック
歯車１９を凹型ロック溝２川こ競合させれば回転ロック
機構が働く。即ち該スライドブロック８はＸ矢印方向に
昇降自在であるとともに断面円形ガイド榛１７を中心と
して矢印Ｙで示す様に回転できるが、溶接装置の不使用
時には該スライドブロック８を下降させて前述のロック
機構を作用させることによって不安定な揺れを生じさせ
ない様に構成されている。ステイフナー２５の溶接にあ
っては、まず２個の溶接トーチ１４，１４′が上方へ退
避している状態を確認し、次いでブーム２により溶接ヘ
ッド部３をステイフナー熔接開始位置近傍上方に移動す
る。

この状態では自由回転及び自由昇降機構５の自由回転及
び自由昇降スライドブロック８は溶接ヘッド部３全体の
自重により下方に位置しており、溶接ヘッド部３の回転
ロック機構によって回転がロックされている。次にモー
ター７を作動させて上面倣い用ガイドロール１１をステ
イフナー２５の高さ｝こ合わせてセットし、該上面倣い
用ガイドロール１１をステイフナー２５の上面に押圧さ
せる。但しこの時には該スライドブロック８を持ち上げ
て回転ロック機構を解除すると共に該ブロック８を上下
の梁１６ａ，１６ｂのほぼ中央に位置する状態とする。
次に溶接トーチセット用ェアシリンダー１５を操作して
水平スライドブロックに１２，１２′の位置調整を行な
うことによりステイフナー２５に側面倣い用ガイドロー
ル１３，１３′を当接させてステイフナー２５の両面を
挟む様にセットする。更に溶接トーチ１４，１４′溶接
狙い位置及び狙い角度の調整は取付金具２４，２４′の
調整によって行う。以上の状態艮０ち上面倣い用ガイド
。ール１１がステイフナー２５面上にセットされると共
に、自由回転及び自由昇降スライドブロック８が下梁１
６ｂから浮かせて状態のときは回転ロック機構が解放さ
れ、溶接ヘッド部３は自由に回転できる。溶接開始後ブ
−ム２の移動方向と溶接線とにずれが出てきた場合には
、側面倣い用ガイドロール１３，１３′がそのずれに倣
っていくので溶接ヘッド部３がそれに追従して回転し、
又ステイフナー２５の高さと、フーム２による上下セッ
ト高さとのすれは、モーター７の作動によって倣うので
はなく自由回転及び自由昇降機構の自由回転および自由
昇降スラィドブロック８により追従するトーチ１４，１
４′は常に溶接線にそって正しい倣い溶接を行なう。尚
第２図では側面倣い用ガーィドロ−ル１３，１３′を左
右夫々２個設けているが、これによってステイフナーの
側面倣いをより安定・確実にすることができる。又図示
しないが２個のガイドロール１３，１３′の支持部にト
ーチ１４，１４′を載せることも可能であり、トーチ自
重によりステイフナーの両側面からガイドロールをステ
イフナーに押しつけることによりトーチ部を熔接線方向
へ移動するための回転力又は移動力を得ることも可能で
ある。次にステイフナー２５の端部の溶接には、該ステ
イフナー端部に空間的な余裕がああつて該ステイフナー
の厚み部分を耳まき溶接する必要がある場合と、ステイ
フナー端部に別の部村が添着されていて空間的余裕がな
く角まき溶接ができないばかりか溶接残しを生ずる場合
とがある。

第５図は角まき溶薮を例示する概略要部見取図でありス
テイフナー２５の端部へには溶接用トーチ１４，１４′
によって１桁鋼４とステイフナ一端部Ａ′の厚み部分を
角まき溶接２６した状態を示す。

この様な角まき熔接を行なうに当っては、溶接ヘッド部
３の溶接開始点及び溶接終了点をステイフナーの延長線
上に若外れた位置にすると共に、図示しないがリミット
スイッチやセンサー等の検知器により溶接開始位置およ
び溶接終了位置を検知し、熔接トーチ１４，１４′を停
止させると共にアークについては引続き発生させること
によって角まき溶接２６を行なう。実際には溶接開始畳
および終了位置はステイフナー端部へより３〜５肋外側
にセットし、アーク発生後その位置で１〜３秒停止した
その後移動する様にするのが好ましい。次に溶接残しの
回避を必要とする場合について第１図を用いて説明する
。

図においてステイフナ−２５の端部には別の部材Ａが添
着されていて、１桁鋼４とステイフナー２５のすみ肉部
で溶接残しを生ずる恐れがある場合を例示している。こ
の場合、溶接終了点であれば側面倣い用ガイドロール１
３がステイフナー２５の側面を倣い走行してステイフナ
ーの端部に至るとァーク発生をこの地点で停止してこれ
より先は溶接を行なわない。従ってこの部分に設けられ
るスカラップＢについては、その溶接線Ｗ方向の長さａ
と側面倣い用ガイドロール及びその支持具Ｃの溶接線方
向Ｗの長さ１との関係をね＞１である様にセットしてお
けば、溶接残しのない溶接が可能となる。又、前述のア
ークならいを本発明と併用すれば、ステイフナーの溶接
線近辺の溶蟻面に障害物があったり、溶接し難い物質が
附着した様な穣合、これを検知して機械的倣いをする前
の予備的な倣いを行なうことができる。但し該アーク倣
いを実施するには本発明に使用する装置の他にアーク倣
い用の駆動装置を要する。本発明は以上の様に構成され
ているので、簡単な機械的倣い機械を用いた倣いの自動
化が行なわれるのは勿論、溶接セットが容易であり、ス
テイフナーの水平すみ肉溶接線の確実、正確な倣い溶接
ができ、必要ならば左右一対の溶接トーチを設けること
による同時溶接も可能であり、ステイフナー様部の角ま
き溶接、溶接残し無し．の溶接も可能であり、更に自由
回転および自由昇降機構に取付けた回転ロック機構によ
り溶接時はロック解除され、不便用時は作用する様にす
れば、不便用時に溶接ヘッド部が不用意に揺れて装置が
損傷するなどの事故も防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のステイフナ−の水平すみ肉自動倣い方
法の実施に好適な溶接装置を例示する側面図、第２図は
その要部を例示する側面図、第３図は第２図に対応する
要部正面図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃは回転ロック機構の一部
破断説明図である。 第５図は角まき溶接を例示する概略要部見取図である。
１：支持部村、２：ブーム、３：溶接ヘッド、４：１桁
鋼、５：自由回転及び自由昇降機構、６：水平移動ガイ
ド、７：モーター、８：自由回転及び自由昇降スライド
ブロック、９：上下方向セット位置調整機構、１０：上
下方向セット位置調整用スライダー、１１：上面倣い用
ガイドロール、１２：水平スライドブロック、１３：側
面倣い用ガイドロール、１４：溶接トーチ、１５：ェァ
シリンダー、１６：保持部、１７：ガイド榛、１８：回
転およびスライドベアリング、１９：回転ロック用歯車
、２０：凹型ロック溝、２１：スライダー、２４：取付
金具、２５：ステイフナー、２６：角まき溶接。 第１図 第２図 第４図（Ａ） 第４図（日） 第４図（Ｃ） 第３図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ステイフナーの水平すみ肉溶接部をツイン又はシン
   グル溶接するに当り、支持部材に対し溶接線方向へ移動
   自在に取付けられたブームの適所に、自由回転及び自由
   昇降機構を介して溶接ヘツド部を取付けた溶接装置を用
   い、ステイフナーの厚みに応じて接近もしくは離反可能
   に構成した側面倣い用ガイドロールを前記ステイフナー
   の両側面に接触転動させ、該側面倣い用ガイドロールに
   連動して溶接トーチを水平方向に移動させると共に、前
   記ステイフナーの上面に常時押圧接触転動可能に構成さ
   れた上面倣い用ガイドロールを押圧転動させて該上面倣
   い用ガイドロールに連動して溶接トーチを水平方向に移
   動させ、上記ツイン又はシングル溶接用のトーチ部を常
   に溶接線に沿つて倣い移動できる様にしたことを特徴と
   するステイフナーの水平すみ肉自動倣い溶接方法。 ２ 特許請求の範囲第１項において、自由回転及び自由
   昇降機構に回転ロツク機構を設け、該機構を水平すみ肉
   溶接時は解除し不使用時には作用させるステイフナーの
   水平すみ肉自動倣い溶接方法。 ３ 特許請求の範囲第１項において、溶接用のトーチ保
   持部に設け該溶接用のトーチ部と共にステイフナーの厚
   みに応じて接近もしくは離反可能に構成した夫々２個の
   側面倣い用ガイドロールを、前記ステイフナーの両側面
   に接触転動するステイフナーの水平すみ肉自動倣い溶接
   方法。 ４ 特許請求の範囲第１項において、溶接開始点及び溶
   接終了点はステイフナーの端部から延長線へ若干はずれ
   た位置とし、当該溶接開始位置および溶接終了位置にお
   いては溶接ヘツド部の移動を若干停止してアークを発生
   させることにより、ステイフナー端部の角まき溶接を可
   能としたステイフナーの水平すみ肉自動倣い溶接方法。 ５ 特許請求の範囲第１項において、側面倣い用ガイド
   ロール及びその支持具の溶接方向の長さ１と、ステイフ
   ナーのスカラツプの溶接線方向の長さａとの関係を２ａ
   ＞１にセツトして溶接するステイフナーの水平すみ肉自
   動倣い溶接方法。６ 特許請求の範囲第２項において、
   回転ロツク機構は前記溶接ヘツド部の重量を前記上面倣
   い用ガイドロールを介して前記ステイフナー上面に載せ
   ることにより解除するステイフナーの水平する肉自動倣
   い溶接方法。