JPS6034630B2

JPS6034630B2 - ダイキヤスト用耐食合金

Info

Publication number: JPS6034630B2
Application number: JP830581A
Authority: JP
Inventors: 賢一下平
Original assignee: Suwa Seikosha KK
Current assignee: Suwa Seikosha KK
Priority date: 1981-01-22
Filing date: 1981-01-22
Publication date: 1985-08-09
Also published as: JPS57123963A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、量産的にダィキャスト成形を可能ならしめる
鋳造性の優れた低扇虫点、非磁性と快削性を有する耐食
合金に関するものである。

本発明は多種機械部品用材その他に中広く使用可能であ
るが、本明細書は、携帯時計用外装部品に（時計側、バ
ンド等）などの装飾外装部品を中心述べる。

従来金属製品の成形方法の中で最も成形時間が短く、多
数個取りが要易で、成形後の寸法精度に優れ、かつ成形
形状、デザイン上での自由度の高い事は公知であり、す
でに低一融点合金である。

亜鉛、アルミ、黄鋼等のダィキャスト成形品は市場で中
広く実用化されており、携帯時計門外菱部品も例外では
ない。しかし、オーステナィト系ステンレス鋼等の高耐
食性合金のダイキヤスト化は、その高融点のため金型寿
命が低く、いまだ量産ベースでの実用化がなされていな
いのが現状である。

本発明は、かかる問題点に鑑み、携帯時計用外装部品の
高藤食性、鏡面光択性、非磁性、快削性等の要求品質を
そこなう事なく、鋳造性、金型寿命を大中に改良し、量
産ベースでのダィキャスト成形を可能にした新規な高耐
食合金を提供せんとするものである。

上記目的のため本発明は、いずれも重量比で、ＣＯ．０
１５〜０．０８％、Ｓｉｏ．０５〜２．０％、ＢＯ．０
０１〜１．０％、Ｍｎｌｏ．０〜３０．０％、Ｃｒ１６
．０〜４０．０％、Ｎｉ８．０〜４０．０％、ＣＯＯ．
１〜６．０％、Ｍｏ又はＷを単独又は複合で添加し、単
独の場合、ＭＯＯ．５〜３．０％、ＷＯ．６〜４．８％
、複合の場合０．５４〜３．７％、Ｃｕｏ．７５〜３．
０％、Ｎｂ，Ｔｉ，Ｔａ，Ｖ，ＡＩ，Ｚｒを単独又は複
合で添加し、単独の場合、Ｔｉｏ．０７５〜０．５％、
Ｎｂｏ．１２〜１．０％、Ｔａｏ．００５〜０．１％Ｖ
Ｏ．００５〜０．７５％、ＡＩＯ．１〜０．３％、Ｚｒ
ｏ．００５〜０．６％、複合の場合０．１５〜２．０％
を添加し、さらに、Ｃａ，Ｐｂ，Ｓ，Ｓｅ，Ｔｅ，Ｂｊ
を単独又は複合で添加し、単独の場合Ｃａは０．００５
〜０．２％、Ｐｂ，Ｓ，Ｓｅ，Ｔｅ，Ｂｉは０．０１〜
０．５％、複合Ｚの場合０．００５〜１．０％、として
、快削性向上をねらっても良く残部炉ｅ及び不可避的不
純物からなるものである。

本発明は、赤熱脆性による鋳造割れ防止のためにＣｏを
添加し、鋳造性改良と、低融点化の目的でＭｎを多量に
添加し、これによる耐食性の低下をＭｏ，Ｗ，Ｃｕ，Ｔ
ｉ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｖ，ＡＩ，Ｚｒによっておぎない、か
つ切削性改良のためＣａ，Ｐｂ，Ｓ，Ｓｅ，Ｔｅ，Ｂｉ
を添加した事を特徴とする。

次に本発明鋼の各種成分について説明する。ィ炭素に
ついて炭素は、材料強度の向上と鋳造性に対しては多い
ほど有効であるが、０．０８％より多い場合、結晶粒界
への炭化物の析出による耐食性の低下が著しく、０．０
１５％以下では、溶湯の流動性が悪くキャビティへの充
填不足となる。

ロケィ素についてケイ素は脱酸効果があり、耐食性、特に耐硫化性に効果
的であるとともに、湯流れ性、鋳造クラック等に効果大
であるが、多量の添加はシグマ相を形成させ、鏡面光沢
性を劣化させる。

このため上限を２．０％とし、下限を０．０５％とする
。ハＢについてＢは湯流れ性を良好とさせ、かつ鋳造割れを防止する効
果があるが、粒界を腐食する硝酸等に対しては、耐食性
を低下させる要因となり、９００こ○以上の温度でＦｅ
２Ｂ，Ｈｊ２Ｂなどとして微細析出し、鏡面光沢性の低
下をまねく。

このため上限を１．０％とし、下限を０．０１％とする
。ニＭｎについてＭｈ‘ま脱酸ならびに低融点化に寄
与し、かつオーステナィト生成元素としてＮｉの効果の
ほぼ１／２の効果があるが、多量の添加は耐食性への悪
影響が大である。

本発明においては、Ｃｒによる融点の低下を高耐食化も
ひとつのねらいとしており、この場合のＣｒの増加によ
るフェライト化傾向をＭｎで抑制する。Ｍｎ量が１０％
以下の場合、低融点化の効果が少なく、かつ高Ｃｒの場
合のフェライト化抑制効果が少なく、３０％をこえると
、耐食性が低下する。ホＣｒについてＣｒはステンレス鋼にはかかせない元素であるが、本発
明においては、特にＣｒ増による効果として、低融点化
、高耐食化、さらにＭｎによる耐食性低下防止効果をね
らいとしている。

１６％未満では所望の耐食性が得られず。

４０％を超えて含有すると鋳造性が劣化するとともに、
シグマ相の析出を促進し、鏡面光沢性と切削性を低下さ
せる。

へＮｉについてＮｉはオーステナィト系ステンレス鋼には必須の元素で
あり、本発明においては、Ｃｒの増加によるフェライト
化防止及びＭｎ増加による低耐食化防止の効果がある。

８％以下ではフェライト化防止効果がなく、４０％超え
ると金型寿命を低下させる。トＣｏについてＣｏは母相の固溶硬化に貢献し、高温における強度を向
上させるため、射出直後の製品割れ発生を防止し、さら
に耐硫化性、耐酸化性を向上させる。

添加量が０．１％禾満では強度向上にあまり効果がなく
、６％を越えると金型寿命を低下させるため、これを上
限とする。チＭｏについてＭｏは硫酸、塩酸、リン酸、酢酸等の耐に対する耐食性
とともに、孔食、すき間腐食等に対して優れた特性を与
える元素であり、本発明ではＭｎの多量添加に対する耐
食性低下防止効果をねらいとしている。

このため最少量０．５％を必要とする。またＭｏはフェ
ライト生成元素であり、Ｍｏの多いデルタフェライトは
耐食性を低下させる可能性があり、磁性の問題もある。
フェライト発生をおさえられる範囲での最大量が３．０
％である。最適には０．８〜１．８％である。ＩＪＷ
についてＷはＭｎと同機な目的で添加するが、同様な効
果を与えるにはＭｏの１．２〜１．針音の割合でＭｏの
全部又は一部を代用する事が可能のためＭｏと同様な理
由で、単独では０．６〜４．８％、複合で０．５４〜３
．７％とする。

またこの上限を越えた場合、シグマ相が発生し、鏡面光
沢性を阻害する。ヌＣｕについてＣｕはＭｏ（又はＷ）と共に添加する事で、これらの成
分の耐食性に与える効果を増加せしめ、特に硫酸の様な
還元性環境の中での腐食に対する低抗の援助となる。

０．７５％未満ではその効果が無く、３％を越える添加
は逆に耐食性を低下させる。

ルＴｉ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｖ，Ｎ，Ｚｒについてこれらは
残留炭素及びＮと反応し安定な炭化物（ＡＩ以外）、窒
化物を形成し、炭化物はクロム炭化物〔（Ｆｅ，Ｃｒ）
凶Ｃ６〕の析出による粒界腐食を防止する効果があり、
単独添加でも複合添加でも効果大である。

またこれらの窒化物はいずれも結晶粒の微細化効果があ
り、オーステナィト基地強化と耐食性の向上が可能とな
り、単独添加でも複合添加でも効果大である。また山は
Ｓを含む雰囲気での硫化防止に有効である。ただしこれ
らの成分はいずれもシグマ相生成を助長し、多量に含有
されると脆化が著しくかつ鏡面光沢性を低下させる。こ
れらの理由から、単独添加の場合Ｔｉｏ．０７５〜０．
５％、Ｎｂｏ．１２〜１．０％、ｒａｏ．００５〜０．
１％、ＶＯ．００５〜０．７５％、虹０．１〜０．３％
、Ｚｒｏ．００５〜０．６％が好ましく、この割合以下
では耐食性低下防止効果が少なく、これ以上の添加は鏡
面光沢性上好ましくない。複合添加の場合、全体総合計
がＣ量×１０％に満たない場合は粒界腐食防止効果がな
く、２０％を越えると鏡面光沢性が不具合となる。ヲ
Ｃａ，Ｐｂ，Ｓ，Ｓｅ，Ｔｅ，Ｂｉ，についてこれらは
切削・性に寄与する成分であり、特に本発明合金のごと
く、低速車切削を行なうものについては被削性向上に有
効であり、単独添加でも２種以上の複合添加でもその効
果がある。

単独添加の場合Ｃａは０．００５％以上０．２％まで、
Ｐｂ，Ｓ，Ｓｅ，Ｔｅ，Ｂｉは０．０１％以上０．５％
までとする。いずれもこの割合以下では切削性向上がな
く、これを超えた場合耐食性、鏡面光沢性に悪影響を及
ぼし不具合である。また２種以上の複合添加の場合、０
．００５％以下では効果がなく、１％を超えると同様な
悪影響を及ぼすため、上限を１％とした。次に本発明の
実施例について説明する。

第一表代表的を組成（残Ｆｅ）（ｗｔ略）第１表に示す１９重類の材料をそれぞれ、８００ｋ９ず
つ、高周波にて溶解し、型締め圧８山ｏｎのダィキヤス
トマシーンを用い、タングステンとモリブデンの鱗結合
金にて携帯時計ケース用キャビテイにより、それぞれ５
０００ショットずつ試作した。

これをすべて切削、研摩工程を終えて、携帯時計ケース
完成品とし、耐食性、鏡面光沢性、切削性、鋳造欠陥、
磁性等について検査し、第二表を得た。第二表発明合
金の特性調査結果なお、すべてのサンプルは鋳造後、環元性雰囲気にて温
度１１５０００２時間の保持後冷水したものを用いた。

金型諭雌−ス機械落細−ナ‐Ｒ帯。側のキヤビティ凸部
に発生するヒートチェックの高さが憲ｏ物敵地えた場合
とする。

鋳造溜りは、金型寿命に達するまでのショット数を分母
とし、充填不足、傷ジヮ発出、引け巣発生、カジリ発生
、ゲート断面部異常ピンホール発生等の鋳造上り外観不
足品を分子として割合を算出した。

切削性は切削速度１４５の／ｍｊｎ、切込深さ３柵、送
り速度０．２側／回転、乾式切削でケース裏斜面切削を
超鋼バイトで行ない、バイト刃先の摩耗量を測定し、Ｓ
ＵＳ３０４鋼の値を１００とした場合の指数で被削性
の目安とした。鏡面光沢性は、銭肌を１２ｏｏ＃メッシ
ュのＳｉｃザラッ研摩にて満支の研摩しろで研摩し・郷
３０００回転のバフ研解読。肋研摩し、鏡面出し後の良
品率で判定した。耐食性は、当社内規格の５び０の人工
汗にケース完成品２００ケを、７犯全浸潰し、変色発生
品の数量をカウントし良品率を算出した。磁性について
は、ケース完成品に水晶振動子を有するアナログ時計の
ムーブメントを装填して、時計完成品とし、これに４０
ガウスの外部磁界を与え、ムーブメントの止まりの発生
・歩度への影響の有無にて判定した。硬度はマイクロピ
ッカース硬度計１００タｒ加重にて測定・耐衝撃性は、
時計完成品１０の固を、地上３のからコンクリート面へ
自然落下させ全数防水試験を行ない、防水不良となる割
れ、欠け等の破損品の発生数から良品率を算出した。以
上のごとく、本発明により、耐衝撃性、滋性耐食性、鏡
面光沢性をそこなう事なく、大中な融点の低下と金型寿
命の向上が可能となり、かつ鋳造歩留りを向上させる事
ができた。

Claims

【特許請求の範囲】１いずれも重量比で、Ｃ０．０１５〜０．０８％、Ｓ
ｉ０．０５〜２．０％、Ｂ０．００１〜１．０％、Ｍｎ
１０．０〜３０．０％、Ｃｒ１６．０〜４０．０％、Ｎ
ｉ８．０〜４０．０％、Ｃｏ０．１〜６．０％、Ｍｏ又
はＷを単独又は複合で添加し、単独の場合、Ｍｏ０．５
〜３．０％、Ｗ０．６〜４．８％、複合の場合０．５４
〜３．７％、Ｃｕ０．７５〜３．０％、Ｔｉ，Ｎｂ，Ｔ
ａ，Ｖ，Ａｌ，Ｚｒを単独又は複合で添加し、単独の場
合Ｔｉ０．０７５〜０．５％、Ｎｂ０．１２〜１．０％
、Ｔａ０．００５〜０．１％Ｖ０．００５〜０．７５％
、Ａｌ０．１〜０．３％、Ｚｒ０．００５〜０．６０％
、複合添加の場合０．１５〜２．０％残部Ｆｅ及び不可
避的不純物から成る事を特徴とするダイキヤスト用耐食
合金。２いずれも重量比で、Ｃ０．０１５〜０．０８％、Ｓ
ｉ０．０５〜２．０％、Ｂ０．００１〜１．０％、Ｍｎ
１０．０〜３０．０％、Ｃｒ１６．０〜４０．０％、Ｎ
ｉ８．０〜４０．０％、Ｃｏ０．１〜６．０％、Ｍｏ又
はＷを単独又は複合で添加し、単独の場合、Ｍｏ０．５
〜３．０％、Ｗ０．６〜４．８％、複合の場合０．５４
〜３．７％、Ｃｕ０．７５〜３．０％、Ｔｉ，Ｎｂ，Ｔ
ａ，Ｖ，Ａｌ，Ｚｒ′を単独又は複合で添加し、単独の
場合Ｔｉ０．０７５〜０．５％、Ｎｂ０．１２〜１．０
％、Ｔａ０．００５〜０．１％Ｖ０．００５〜０．７５
％、Ａｌ０．１〜０．３％、Ｚｒ０．００５〜０．６％
、複合添加の場合０．１５〜２．０％、Ｃａ，Ｐｂ，Ｓ
，Ｓｅ，Ｔｅ，Ｂｉを単独内は複合で添加し、単独添加
の場合Ｃａは０．００５〜０．２％、Ｐｂ，Ｓ，Ｓｅ，
Ｔｅ，Ｂｉは０．０１〜０．５％、複合の場合０．００
５〜１．０％、残部Ｆｅ及び不可避的不純物から成る事
を特徴とするダイキヤスト用耐食合金。