JPS6033318Y2 - 燃料蒸気放散防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガソリンエンジン車の燃料蒸気放散防止装置に
関する。

燃料蒸気放散防止装置は、エンジンが停止しているとき
、燃料タンクから発生する燃料蒸気を、例えば吸着剤と
して活性炭を内蔵したキャニスタに一時吸着させ、エン
ジン作動時にはキャニスタに吸着された燃料蒸気をエン
ジンに吸入させて燃焼させるようにしたものである。

第２図に従来の燃料蒸気放散防止装置の系統図例を示す
が燃料タンク１、気液分離器２、ツユエルチェックバル
ブ３、エンジンＥ１が導管Ｐで連結されている。

エンジン停止時、燃料タンク１内で発生する燃料蒸気は
、気液分離器２で凝縮したものは燃料タンク１へ返り、
凝縮しなかったものだけが、ツユエルチェックバルブを
通りキャニスタ４の吸着剤４′に吸着される。

さらにエンジン作動時には、エンジンＥの吸入負圧によ
り、キャニスタ下部の空気入ロアから空気が流入して、
吸着剤４′に吸着されていた燃料蒸気は脱離し、エンジ
ンＥに吸入されて燃焼するようになっているが、気液分
離器２は燃料タンク１の近い所にあり、気液分離器２か
ら流出した燃料蒸気は、ツユエルチェックバルブや比較
的長い管路中で凝縮して液状となり、キャニスタの吸着
剤４′に液状で吸着されることが多く、燃料蒸気のみを
吸着するときに比較し、脱離のため空気が多量に必要と
なりキャニスタ容積も大にしなければならないし、また
夏期、長距離走行をしない車輌のキャニスタは、脱離空
気が不足して液状のガソリンを吸着することが多くなる
という欠点がある。

本考案はこれらの欠点を除くため考案されたものであり
実施例により説明する。

第１図は本考案による燃料蒸気放散防止装置の系統図で
あって、燃料タンク１、気液分離器２、ツユエルチェッ
クバルブ３、キャニスタ４、エンジンＥは従来の系統と
同じであるが、ツユエルチェックバルブ３とキャニスタ
４との間にトラップ１０を配設し、これらを導管１１〜
１６によって連結したものから戊る。

燃料タンク１と気液分離器２とは、燃料蒸気の往路を形
成する導管１１、凝縮した燃料蒸気を返還する導管１２
により連結されており、さらに気液分離器２はツユエル
チェックバルブ３と導管１３により連結されている。

ツユエルチェックバルブ３とキャニスタ４の流入部５の
間には、中空筒状のケーシング８に、該ケーシング８の
断面積Ｓ１に比べ、かなり小さな断面積Ｓ２の連結パイ
プ９をケーシング８の上下に成形してなるトラップ１０
が、キャニスタ４側に近＜、シかも気液分離器２および
ツユエルチェックバルブ３より高目の位置に導管１４．
１５によってトラップ上方の連結パイプ９をキャニスタ
４側の導管１５に連結し、トラップ下方の連結パイプ９
をツユエルチェックバルブ３側の導管１４へ縦方向に連
結され、キャニスタ４の流出部６は導管１６によりエン
ジンＥに連結されている。

エンジン停止時は、燃料タンク１内に発生した燃料蒸気
は導管１１を通り気液分離器２に至り、例えば冷却され
て凝縮し、液状となって導管１２で燃料タンク１へ返還
されるが、凝縮しなかった燃料蒸気は導管１３を通りツ
ユエルチェックバルブ３を経て、導管１４を通りトラッ
ク１０に至るが、該燃料蒸気は導管１３．１４およびツ
ユエルチェックバルブ３で凝縮し液状でトラップ１０に
流入する。

しかし前記のようにトラップ１０は、中空の筒状断面積
Ｓ工に比し、連結パイプ９の断面積Ｓ２はかなり小さく
なっているので、ケーシング８内の流速は急激に遅くな
り液状のものは残留し、燃料蒸気のみが導管１５を通り
吸入部５からキャニスタ４の吸着剤４′に吸着される。

またトラップ１０に残留した液状のガソリンは、トラッ
プ１０の取付位置が気液分離器２やツユエルチェックバ
ルブ３より高目なので、燃料タンク１へ返ることができ
る。

エンジン作動中は、エンジン負圧が導管１６より流出部
６に作用し、キャニスタ４の底部に開口した空気入ロア
から空気が流入し、吸着剤４′に吸着されている燃料蒸
気は脱離され、流出部６より導管１６を通りエンジンＥ
に吸入されて燃焼する。

以上のように従来の燃料蒸気放散防止装置のツユエルチ
ェックバルブとキャニスタ間に、前記トラップ１０を縦
方向に装着することにより、燃料蒸気のみをキャニスタ
に吸着させることができ、液状のガソリンを吸着するこ
とがほとんどなくなり、脱離に要する空気量も少なくて
済むので、キャニスタの小型化が可能となり、吸気剤例
えば活性炭の劣化も少なくなるし、その他キャブ内の燃
料と空気との混合比を乱さない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による燃料蒸気放散防止装置の系統図で
あり、第２図は従来の前記装置の系統図。 １・・・・・・燃料タンク、２・・・・・・気液分離器
、３・・・・・・ツユエルチェックバルブ、４・・・・
・・キヤらスタ、８・・・・・・ケーシング、９・・・
・・・連結パイプ、１０・・・・・・トラップ、Ｓｌ、
Ｓ２・・・・・・断面積、Ｅ・・・・・・エンジン、Ｐ
、１１〜１６・・・・・・導管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクとエンジン間に、気液分離器、ツユエルチェ
   ックバルブおよびキャニスタを配設し、これらを導管で
   連結してなる燃料蒸気放散防止装置において、ツユエル
   チェックバルブとキャニスタとの配管中に、中空形状の
   ケーシングに、該ケーシングの断面積に比べ、かなり小
   さな断面積の連結パイプを上下に底形してなるトラップ
   を、キャニスタに近い側で、しかも前記気液分離器およ
   びツユエルチェックバルブより高目の位置に、トラップ
   上方の連結パイプをキャニスタ側の導管に連結し、トラ
   ップ下方の連結パイプをツユエルチェックバルブ側の導
   管に、縦方向に連結することを特徴とした燃料蒸気放散
   防止装置。