JPS6033273Y2 - 防音サツシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は防音サツシの構造に関する。

従来、防音サツシでは二重ガラスあるいは厚手め一枚ガ
ラスを用いているが、二重ガラスとしたものは中周波帯
の振動数の音に対しては遮音効果がすぐれ七いる一方低
周波帯の振動数の音に対しては遮音の効果が少い。

厚手の一枚ガラスを用いたものは低周波の振動数の音に
対しては遮音特性がすぐれているが中周波帯の振動数の
音は伝達され易い。

□・・以上に対して実願昭５４
−０６７９７６号に係わる考案、一重ガラスと二重ガラ
スを組合せた防音サツシは開口枠め内外引速い位置の外
部側もしくは内部側を可動となした片引き窓において一
方に厚手のガラスを配し、他方を二重ガ（□）ス入りと
なしたる一重ガラスと二重ガラスを組合せた防音サツシ
により低周波帯の音と中周波帯の音を適度比遮断して音
感として調和ある遮音性能が得られている。

処がこのような改良によっても中周波帯・低周波帯の音
に対して共に絶対値として透過損失を増大せしめること
は困難である。

この考案は一重ガラスと二重ガラスを組合せた防音サツ
シの特性を生かし得て、尚、絶対的な遮音特性を向上し
た防音サツシを提供することを目的とするものである。

この考案は一つの開口枠の外部側と内部側に夫々片引き
障子を備えており、内部側、外部側の片引き障子は開口
枠の左右方向に同−位置即ち開閉した位置において共に
一致し、二つの片引き障子の間に嵌め殺し部を設け、内
部側の片引き障子の更に内部側に二つの片引き障子の間
の嵌め殺し部と重ねて嵌め殺し部を設けたものである。

以下、図面に従ってこの考案の実施例について説明する
。

第１図はこの考案の防音サツシの外部側より見る正面図
、第２図は内部側より見る正面図である。

−開口枠１には外部側に片引き障子２が装着さ
れその内部側の片側が外部に面する嵌め殺し部３となっ
ており、嵌め殺し部３の内部側に片引き障子４が設けら
れ、その内部ＯＢｉこは嵌め殺し部３に重なる位置に嵌
め殺し゛蔀５が設けである。

第３図は第２図のＡ−Ａ拡大断面図、第４図は第２図の
Ｂ−Ｂ拡大断面図、第５図は第２−のＣ−Ｃ拡大断面図
である。

開口枠１は上枠６、下枠７、型枠８，９が四方組みされ
て建屋躯体に固定せられている。

片引き障子２は上框１１、下框１２、竪框１３，１３が
四方組みされ、その内周溝にはグレージングチャンネル
ビート１４を介してガラス１５が嵌め込まれている。

ガラス１５は薄手、厚手のものが必要とせられる遮音特
性を得るように選ばれる。

下框１２に固定した図示されない戸車がレール１６に係
合し、上框１１の両側に固定した図示されない案内片が
上枠６に構成した条溝１７に係合して片引き障子２は開
口枠１の間を移動可能となっている。

上枠６、下枠７に垂直に召合せ方立１８の両端が夫々上
枠６、下枠７に固定されている。

型枠８、召合せ方立１８の条溝には防音パツキン１９が
嵌入している。

防音パツキン１９とは舌片が二条に形成され、舌片端に
より接触して密閉を計り、パツキンの舌片を二重に通過
する間に音を減衰させると共に該舌片により当接する相
手部材の制振を計るものである。

上枠６、下枠７には垂直方向に相対して口部の開いた条
溝２１，２２が設けられている。

召合せ方立１８と型枠８の上下部間は第４図に示すよう
に上部は条溝２１に防音パツキン１９を嵌め込んだアタ
ッチ材２３が嵌入し、下部は下枠７の条溝２０に防音パ
ツキン１９が嵌め込んである。

条溝２２にはふさぎ材２４が嵌入している。防音パツキ
ン１９は方形に配されており、片引き障子２を閉めて引
寄せたときに片引き障子２の各框の内部側と密接するよ
うになっているのである。

嵌め殺し部３についてのべると、条溝２１，２２に夫々
嵌入して固定せられたアタッチ材２５は突端がグレージ
ングビード２６の係止条溝２７となっており、係止条溝
２７と相対して係止突条２８を形成されたアタッチ材２
９が夫々アタッチ材２５に嵌入し係止せられるようにな
っている。

型枠９には長さのみ異るアタッチ材２９が係止せられる
ようになっており、このアタッチ材２９の係止突条２８
に相対して型枠９にグレージングビード２６の係止条溝
２７が設けである。

召合せ方立１８にも同様にグレージングビード２６，３
２の係止条溝２７、係止突条２８が形成され、係止条溝
２７を一周するようにグレージングビード２６が嵌め込
まれており、ガラス３１をグレージングビード２６に当
接して、アタッチ材２９を夫々アタッチ材２５、型枠９
に嵌め込み、グレージングビード３２を係止突条２８と
ガラス３１間に押込んでガラス３１が保持されている。

３０，３３はガラス３１の組立時の移動を防ぐ枕台であ
る。

内部側の片引き障子４は上框３４、下框３５、竪框３６
、竪框３７が四方組みされ、これらの内周溝にはグレー
ジングチャンネルビード３８によりガラス３９が保持さ
れており、片引き障子１に備える戸車４１が下枠７の案
内条溝４２の溝底に接し上部は図示されない上框３４に
固定された案内具により、上枠６の案内条溝４３に案内
されるようになっている。

片引き障子４を閉めた位置においては型枠８、召合せ方
立１８、アタッチ材２５に備える条溝に方形にパツキン
４０が嵌め込まれ、片引き障子４の各框の外部側に圧接
するようになっている。

嵌め殺し部５は上框４５、下框４６、竪框４４．４７が
四方組みされそれらの内周溝にはグレージングチャンネ
ルビード４８によりガラス４９が保持されていり、上框
４５はヒンジ５１を介して上枠６に結合されており、嵌
め殺し部５は第５図においてヒンジ５１を中心に反時計
方向に回動して開き、嵌め殺し部３のガラス３１の内部
側とガラス４９の外部側が清掃できるようになっている
。

上枠６、下枠７、型枠９にはコ字形に条溝が配され、パ
ツキン５２が嵌入し、パツキン５２は′嵌め殺し部５の
上框４５、下框４６、竪框４７の外部側と圧接するよう
になっている（嵌め殺し部５の締り具は図示されない）
。

嵌め殺し部５はこの実施例では上吊開きとしであるが、
同位置において単なる嵌め込みによる吊込み、竪吊開き
、向上り出し、内倒し等の何れかにより保持されていて
、ガラス３１．４９の相対する面の清掃が可能となって
いてもよい。

竪框３７，４４には煙り返し５３．５４が形成され、煙
返し５４の底！こは気密材５５が嵌め込まれ、片引き障
子４を閉めたときに煙返し５３が気密材５５に当接する
ようになっている。

嵌め殺し部５９外部側には上枠６、下枠７の条溝にパツ
キンが嵌入して片引き障子４の上框３４、下框３５に接
するようになっており、上框３４、下框３５の外部側は
アタッチ材２５の条溝に備えるパツキンと接しており、
片引き障子４を開けた位置において竪框３６，３７に接
するように嵌め殺し部３，５に気密材が配されている（
何れも図示されない）。

即ち、片引き障子４を開けたときは嵌め殺し部３，５と
片引き障子４間が密閉されるようになっている。

以上のとおりに構成されたこの考案の防音サツシは内部
側の片引き障子４を引くと案内条溝４２．４３に導かれ
て内部側は開閉され、片引き障子２を引くとレール１６
、条溝１７に導かれて外部側は開閉される。

片引き障子２を閉めたときは内部側に引き寄せられて完
全に気密が保たれ、片引き障子４を閉めることにより、
片引き障子４の各框はパツキン４０と接し、且つ煙返し
５３が気密材５５に接するので二重に内外が密閉される
。

片引き障子２，４を開けたときは上枠６、下枠７、型枠
８、召合せ方立１８に囲まれた開口部をとおり換気が行
われる。

第３図に示すように片引き障子２，４を閉めであると各
障子、嵌め殺し部と開口枠１間は密閉されており、二重
サツシとして中高周波帯の音の遮音特性がよく、ガラス
１５もしくはガラス３１を厚手の一重ガラスにしておく
とその部分において低周波帯の音の透過損失が大きく、
全体として遮音特性が音感としてよくなると共に二重サ
ツシであるため音の透過損失を大きくする。

又、召合せ方立１８のパツキン４０により片引き障子２
、嵌め殺し部３と片引き障子４、嵌め殺し部５間の空間
の共振を少くすることができる。

片引き障子２の各框は防音パツキンにより制振されてお
り、その内部側の片側は嵌め殺し部３であり、公知のよ
うに嵌め殺し構造は音の透過損失が大きいから外部側の
みにても防音効果は木きい。

加えるに内部側も片引き障子４、嵌め殺し部５となって
おり、二重に防音効果の大きい片引き障子、嵌め殺し部
を備えるため音の透過損失は一層大きくなる。

第３図において、片引き障子４を開け、片引き障子２を
閉めておき、片引き障子２のガラス１５を厚手の一重ガ
ラスとし、ガラス３１，３９．４９を薄手の一重ガラス
とする。

このような構成にすると、片引き障子２の部分では低周
波帯の遮音特性がよく嵌め殺し部３、片引き障子４、嵌
め殺し部５を三重に重ねた部分ではこれらの部分が互に
密閉され、嵌め殺し部３，５、片引き障子４の重なった
部分は中高周波帯の音について遮音効果が大きく、又三
重にガラスが重なるため低周波帯の音がよく遮音される
。

従ってこのように各障子を配しておくときは外部側の騒
音が低音である場合に効果的である。

この考案の防音サツシは以上のような構造であるから、
気密性が高く断熱の効果も大きい。

この場合開口枠１を二部用に分けて外部側の開口枠に片
引き障子２と嵌め殺し部３、内部側の開口枠に片引き障
子４と嵌め殺し部５を備え、内外開口枠間を断熱性ある
部材を介して接すると一層断熱の効果も大きいし、開口
枠１の制振性能も増大する。

以上のとおり、この考案の防音サツシによればガラス厚
さの組合せにより低周波帯より高周波帯に到る音の遮音
特性を変えることができ、又、二重サツシであって内部
側、外部側が共に防音の効果の大きい片引き障子、嵌め
殺し部であり、それが二重となっているので一層音の透
過損失が大である。

又内部側の片引き障子を開けて低周波音に対応でき、遮
音特性を変化させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れもこの考案の防音サツシの実施例を示すもの
で、第１図は外部側より見る正面図、第２図は内部側よ
り見る正面図、第３図は第２図のＡ−Ａ拡大断面図、第
４図は第２図のＢ−Ｂ拡大断面図、第５図は第２図のＣ
−Ｃ拡大断面図である。 １・・・・・・開口枠、２・・・・・・片引き障子、３
・・・・・・嵌め殺し部、４・・・・・・片引き障子、
５・・・・・・嵌め殺し部、６・・・・・・上枠、７・
・・・・・下枠、８，９・・・・・・型枠、１１・・・
・・・上框、１２・・・・・・下框、１３・・・・・・
竪框、１５・・・・・・ガラス、１６・・・・・・レー
ル、１７・・・・・・条溝、１８・・・・・・召合せ方
立、１９・・・・・・防音パツキン、２０・・・・・・
条溝、３１・・・・・・ガラス、３４・・・・・・上框
、３５・・・・・・下框、３６，３７・・・・・・竪框
、３９−・・・・・ガラス、４２．４３・・・・・・案
内条溝、４４・・・・・・竪框、４５・・・・・・上框
、４６・・・・・・下框、４７・・・・・・竪框、４９
・・・・・・ガラス、５１・・・・・・ヒンジ、５２・
・・・・・パツキン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 開口枠の片側に間隔をあけて嵌め殺し部を二重に設
   け、他の片側を内外を通ずる開口部分とし、外部側め嵌
   め殺し部の外部側に開口部分を閉める外部側の片引き障
   子を設け、二つの嵌め殺し部の間に進入可能な開口部分
   を閉める内部側の片引き障子を設けた防音サツシ。 ２ 外部側の片引き障子に厚手の一重ガラスを嵌め込ん
   だ実用新案登録請求あ範囲第１項記載の防音サツシ。 □