JPS6032447Y2 - トルクダンパ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主としてエンジンの出力軸とフライホイールの
間などに装着して、エンジンの不平衡トルクに帰因する
駆動系の捩り共振などを防止するトルクダンパ装置に関
する。

従来この種装置として、緩衝体にコイルばねやゴムなど
を用いたものがすでに公知であるが、コイルばねを用い
たトルクダンパでは構造上大きな捩れ角をとるのが難し
く、通常６度程度であると共に、トルクダンパ全体の割
にコイルばねの体積が占める割合いが小さいため、空間
利用率が悪く小型にできない不具合がある。

また緩衝体にゴムヲ用いたトルクダンパは、ばねや鋼、
強化プラスチックなどに比べて単位当りの最大蓄積エネ
ルギが小さいので、小型に構威しにくいと共に、環境温
度などに耐久性が影響されるため、高温下や低温下で使
用上の制約を受けるなどの不具合がある。

そこで、本出願人は先にかかる不具合を改善した小型で
かつ大きな捩り角を有するトルクダンパ装置を提案した
。

つまり、第１図に示す如く複数枚の円板ａ、 ｂを間隔
を存して同心的に配置し、かつこれら円板ａ、ｂの間に
ばね剛や強化プラスチックなどの弾性体によりほぼＣ字
形に形成した緩衝体Ｃを介在させると共に、この緩衝体
Ｃの一端を円板ａに、そして他端を円板すに夫々固着し
てなるトルクダンパ装置である。

このような構造のトルクダンパ装置においては緩衝体Ｃ
の両端を円板ａ、 ｂに係止固定する構造が問題となる
。

例えば、第２図に示す如く緩衝体Ｃをビンｄで円板に係
止固定すると緩衝体Ｃのピンｄによる係止固定部分はバ
ネと働かす捩り角が小さくなると共に、ピン部には直径
方向の力Ｆ、が働くために緩衝体Ｃに割れｅが生じ易く
なって大きなトルクを伝達できないとの不具合を有する
。

このことは緩衝体ＣをＦＲＰにより形成しかつその繊維
方向を円弧に沿った方向として曲げモーメントによる応
力が繊維方向に働くようにした場合に著しくなる。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであり、その目
的は小型でかつ大きな捩り角を有すると共に、緩衝体と
円板との係止固定部に割れが発生し難くなったトルクダ
ンパ装置を提供することである。

以下第３図以降を参照して本考案の実施例を説明する。

１は出力円板であり、中心部にスプライン孔２ａを有す
るボス２が形成され、このボス２の一端側小径部２ｂに
は押え円板３が嵌合され、スペーサ４、ボルトナツト５
で間隔を有して締付固定しであると共に、スプライン孔
２ａ内に出力軸９がスプライン嵌合しである。

６はエンジンの出力軸、つまりフライホイール７にボル
ト８で締付固定した入力円板であり、前記出力円板１と
押え円板３との間に同心的に位置している。

１０１は入力円板６の一側面６ａと出力円板１の内側面
１ａとの間に設けた第１緩衝体であり、１０□は入力円
板６の他側面６ｂと押え円板３の内側面３ａとの間に設
けた第２緩衝体であり、該第１１第２緩衝体１０１−１
０゜ばばね鋼や強化プラスチック（ＦＲＰ）などの弾性
体により各円板１，３．６の中心部を中心とするほぼＣ
字形に形成され、吸収すべぎ最大トルクやぼね定数など
に応じて中心線半径や幅、厚みなどが任意に設定されて
いる。

そして、第１緩衝体１０１と第２緩衝体１０□とはその
開口部１０′が径方向に対称となりかつ環状突起１２．
１３及び１４．１５とによって径方向に脱落しないよう
に配置しである。

第１緩衝体１０１の一端側１０′１は出力円板１に嵌合
されたブロック１６及び入力円板６に嵌合されかつブロ
ック１６に摺接したブロック１７の一側面１６ａ、１７
ａに当接し、他端側１０″１は前記ブロック１６．１７
の他側面１６ｂ、１７ｂに当接しである。

そして第２緩衝体１０□の一端側１０′２は押え円板３
に嵌合されたブロック１８及び入力円板６に嵌合されか
つブロック１８に摺接したブロック１９の一側面１８ａ
、１９ａに当接し他端側１０″２は前記ブロック１８゜
１９の他側面１８ｂ、１９ｂに当接しである。

しかして、入力円板６と出力円板１との間にトルク差が
生ずるとブロック１６．１７及びブロック１８．１９が
相対的に円周方向に摺動し第１０図ａ、 ｂ及び第１１
図ａ、 ｂのように拡開変位するので第１・第２緩衝体
１０．．１０□が捩られてトルクを吸収できる。

この時、第１・第２緩衝体１０．．１０□は環状突起１
２．１３とピン１４．１５とで拘束されて環状突起１２
．１３に沿った形状に弾性変形するので、各部には一様
な曲げ応力が発生し、最大変形時の最大応力が許容応力
になるように環状突起１２．１３の直径を決定すること
で第１・第２緩衝体１０．．１０□を最大限有効に使う
ことができる。

なお、第１・第２緩衝体１Ｇ、、１０□の一端側１０’
、、１０’２他端側１０“１，１０″２と各ブロック１
６，１７，１８，１９の一側面、他側面とは相対的に滑
りを生じ、一端側１０’、、１０′２、他端側１０″１
，１０″２は次第に環状突起１２．１３に近ずくように
変形する。

この滑りを生ずる接面４９口はトルクダンパの中心を見
込む角より小さな角をなすように設定されて滑り部の摩
擦に抗して滑り易くなっている。

なお、実施例では一端側、他端側１０′□、１０“、、
１０’２．１０″２には低摩擦耐摩耗材２０が設けであ
るが、これに限らず端面を円弧にしたり、第１２図のよ
うにコロ２１を介在させたりしても良い。

本考案は以上の様になり、入力円板６と出力円板１、押
え円板３との間でトルクを吸収できると共に、第１・第
２緩衝体１０．．１０□と入力円板６、出力円板１、押
え円板３とはピン等で直接固定せずにブロックに当接し
であるだけであるから、第１・第２緩衝体１０．．１０
□全てをバネとして働かすことができると共に、固定部
に割れが生じることがなく大きなトルクを伝達できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はその不合説明図、第
３図は本考案の実施例を示す右側面図、第４図、第５図
は第３図のＩＶ−ＩＶ線、Ｖ−Ｖ線断面図、第６図、第
７図は第５図のＶＩ−ＶＩ線、■−■線断面図、第８図
は第６図の■−■線断面図、第９図は第７図の珊−明線
断面図、第１０図ａ。 ｂ及び第１１図ａ？ ｂはその動作説明図、第１２図は
他の実施例の要部説明図である。 １は出力円板、３は押え円板、６は入力円板、１０□ は第１緩衝体、 １０□ は第２緩衝体、 ６゜ １７゜ １８゜ １９はブロック。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力円板６の両側に出力円板１と押え円板３とを同心状
   に配設し、該入力円板６と出力円板１との間及び入力円
   板６と押え円板３との間に弾性体によりほぼＣ字形とな
   った第１・第２緩衝体１０１．１０□をそれぞれ設ける
   と共に、出力円板１と押え円板３とには第１・第２緩衝
   体１０．．１０□の円周方向外れ止め部材をそれぞれ設
   け、前記入力円板６と出力円板１とにおける相対向した
   位置にブロック１７とブロック１６をそれぞれ嵌合して
   係止固定すると共に、入力円板６と押え円板３とにおけ
   る相対向した位置にブロック１９とブロック１８とを相
   対向してそれぞれ嵌合して係止固定し、前記第１緩衝体
   １０１の一端側１０′１と他端側１０″１とを前記一方
   のブロック１６．１７の一側面１６ａ、１７ａと他側面
   １６ｂ、１７ｂとにそれぞれ当接すると共に、前記第２
   緩衝体１０□の一端側１０′２と他端側１０″２を前記
   他方のブロック１８．１９の一側面１８ａ、１９ａと他
   側面１８ｂ、１９ｂにそれぞれ当接したことを特徴とす
   るトルクダンパ装置。