JPS6031674B2 - 発泡模様を有する化粧材の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、基材の表面に形成する花柄等適宜形状の模様
を、発泡によって盛り上がらせたところの表面イけ錐性
を高めた板状或いはシート状イＱ錐材の製造方法に関す
る。

従来、単なる印刷模様による化粧面の単調性を補うため
、基材の表面に発泡によって適宜形状の模様を盛り上げ
るようにすることは、行なわれている。

例えば、基材の表面に発泡剤を含有する熱可塑シートを
ラミネートし、そのシート面に発泡促進剤の添加された
印刷インクで印刷模様を施した部分を強く発泡させるこ
とにより、発泡化粧面に隆起模様を形成するもの（椿公
略４３−１５７１３号）があり、また同様に発泡促進剤
を含有する印刷インクにより発泡樹脂塗膜上に模様印刷
を施すが、その際印刷インクの量を部分、部分で多く或
いは少なくすることにより発泡促進剤の付着量を異なら
しめ、通常の部分より多く発泡する模様印刷部分におい
ても発泡度合を変えるようにするもの（特公昭４６一１
３９２９号）もある。

また、インクによる印刷模様を発泡模様上に設けること
なく、基材表面に直接アミン類物質を添加した印刷イン
クにより模様印刷を施し、その上に酸を混入した合成樹
脂により上塗り塗装を施して、アミン類物質が酸と混和
して多量に発すガスにより合成樹脂の塗膜内に気泡模様
を形成するもの（特関昭４９−９９２６６号）がある。
これらの方法は、いずれも特種な化学反応を伴なう物質
の添加により化粧面に盛り上がり発泡層を形成するもの
である。

本発明は、発泡樹脂中の発泡剤が分解し発生するガスを
応用してイ玖鮭表面に盛り上がり模様を形成するように
する化粧材の製造方法を提供すること、を目的としてい
る。

即ち、本発明に係る化粧材の製造方法では、基村として
通気性のある材質のもの或いは通気性のある表層を持っ
たものを選択し、その基材上に通気面を隠蔽する塗料ま
たはインクによる模様を印刷し、そしてその上に発泡剤
の添加された合成樹脂の層を形成するようにされる。

この樹脂層形成の際には、その下側の塗料またはンクに
よる印刷模様の全面を覆うようにしてもよく、或いはそ
の塗料またはインクによる印刷模様の一部のみを重ねる
ようにしてもよい。この樹脂層形成の後にその発泡樹脂
を発泡させると、塗料またはインクによって通気面の隠
蔽された印刷模様上では、発泡の際のガスが基材表層か
ら散逸し得ないため、その部分の合成樹脂塗布層がより
隆起して発泡せしめられるようになる。この発泡層は、
塗料またはインクによる印刷模様に一部のみを重ねるよ
うにする場合では基材上に直接重ねられた樹脂と印刷模
様上に重ねられた樹脂とが発泡度合を異にするため、印
刷模様と重ねた部分が基材上の部分より凸状に高く隆起
する特異な外様を呈するようになる。以下、図示実施例
に基づいて詳細に説明すれば、次の通りである。

図中、１は基材、２は通常の塗料またはインクによる印
刷模様、３は発泡樹脂による印刷模様である。

この図示実施例では、発泡樹脂による印刷模様３は、通
常の印刷模様２上に一部重なるように設けられ、そして
この一部重なるように設けられた発泡模様の部分３ａは
基村１上の部分３ｂよりも発泡ガスの散逸が少ないため
に高く隆起するようになる。この化粧板の基材１として
は、通気性のある材料が用いられる。

例えば、紙、布または欧質繊維板それ自体或いは紙で裏
打ちした布、布で裏打ちした紙などの複合品を用いるこ
とができる。また、合板、硬質繊維板などの通気性に劣
る材料でも、その表面に紙や布などの通気性のある材料
を貼着するようにすれば用いることができる。基材１の
表面には、通常の塗料又はインクにより印刷模様２が設
けられる。この模様は、ロール印刷機、スクリーン印刷
機などにより、基材全面を覆うことのない適宜図柄の部
分的な模様を印刷しそして乾燥される。この印刷に用い
られる塗料またはインクとしては、一般に使用される合
成樹脂系インク、天然樹脂系インク或いは合成樹脂系（
着色）塗料など適宜のものでよく、特に限定はない。模
様印刷後、その基村部分は、印刷されたインクまたは塗
料の一部が浸透しその通気表面が隠蔽され通気性が失な
われるようになればよい。次に、基材１上には、発泡剤
の添加された樹脂による印刷模様３が設けられる。この
模様３は通常のインク或いは塗料による印刷模様２と同
様ロール印刷機、スクリーン印刷機などにより印刷でき
るが、ロール印刷機で行う場合にはグラビアロールの目
を深くしなければ発泡模様を適度に印刷できないため、
発泡樹脂の量を多量に転写できるスクリーン印刷機によ
るのがよい。そして、この印刷模様３は、その一部が通
常のインク或いは塗料を用いて印刷された部分模様２上
に重ねるようにして印刷され、乾燥される。なお、この
発泡樹脂によっては、塗装ロールを用いて単に印刷模様
２の全面を覆う被膜を形成するようにしてもよい。この
被膜形成或いは模様印刷に用いられる樹脂としては、熱
可塑性のものが一般的で、塩化ビニル、ウレタン樹脂、
ゴム系樹脂或いはＡＢＳ樹脂など適宜のものでよい。ま
た、発泡剤としては、加熱発泡、常温発泡性のいずれの
ものでもよく、そのうち加熱発泡剤としてはアゾジカル
ボン酸アミド、ｐ−トルェンスルホニルヒドラジッド、
ジニトロソベンタメチレンテトラミンなどがある。この
ようにして図示の如き模様印刷の後、発泡樹脂を加熱或
いは常温下で発泡させる。

この発泡時、発泡剤は分解しガスを発生する。その発泡
ガスは、発泡樹脂が通気性のある基材１と接している部
分３ｂでは基材１の方向に逃げるようになるが、発泡樹
脂がインク或いは塗料による印刷模様２と重なり合って
いる部分３ａでは、ガスの抜け出しが印刷模様２により
遮断されるため散逸することができずに樹脂を隆起せし
めるようになる。従って、発泡完了後においては、発泡
模様３は、基材相当部分３ｂよりもインクまたは塗料に
よる印刷模様２との重なり部分３ａが高く発泡した外様
を呈するようになる。以上の如く、本発明に依れば、合
泡促進剤を用いずに通常の印刷模様に発泡樹脂を重ねる
ことにより、発泡による隆起模様を有する化粧材を得る
ことができる。

また、印刷模様と発泡模様とを一部重ねて設けることに
より発泡層自体に高低差の起状を持たせることができ、
立体感を更に醸し出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係る化粧板の模式的端断面図を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 通気性のある材質から成る基材或いは通気性ある表
   層を持つた基材上に、当該基材の通気面を隠蔽する塗料
   またはインクによる模様を印刷し、更に該基材上に発泡
   剤の添加された合成樹脂を上記印刷模様の全面を覆うよ
   うに塗布して、これを加熱し或いは加熱せずして上記合
   成樹脂を発泡させ、上記塗料またはインクによつて通気
   面の隠蔽された上記基材の印刷模様上では上記発泡の際
   のガスが上記基材表層から散逸せずに該合成樹脂塗布層
   がより隆起して発泡せしめられることを特徴とする発泡
   模様を有する化粧材の製造方法。 ２ 通気性のある材質からなる基材或いは通気性のある
   表層を持つた基材上に、当該基材の通気面を隠蔽する塗
   料またはインクによる模様を識別可能に印刷し、更に該
   基材上に発泡剤の添加された合成樹脂による模様を前記
   塗料またはインクによる印刷模様の一部が露呈されるよ
   うにこれに一部重ねて印刷し、そして加熱或いは常温下
   で前記発泡剤の添加された合成樹脂を発泡させ、斯くし
   て上記基材上に基材表面、印刷模様表面そして基材上に
   直接重ねられた樹脂の発泡表面及び上記印刷模様上に重
   ねられより隆起した発泡表面からなる処の模様を現出せ
   しめたことを特徴とする発泡模様を有する化粧材の製造
   方法。