JPS6031524Y2 - 靴の底裏 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、換気と緩衝作用とを兼ねた構成を有する靴の
底裏に関するものである。

従来の履物では、履物の内部に外部の空気を入れる手段
として底上部側に通気孔を多数穿設した運動靴があり、
また特に夏季に多く発生する汗を乾燥しなければならな
い場合に底敷きに通気孔を適宜穿孔した靴や靴の前部又
は甲皮全体を網糸で樹皮した靴があったが、これらはい
ずれも着靴の際には常に靴底が中実か底裏に密着してし
まい、換気はごく一部分でしかなされず底部の湿潤部分
に換気が及ばない状態になっていたため、悪臭や水虫の
発生を招いていたのである。

そこで、本考案はこのような欠点を除去することを目的
とし、靴の踵と甲皮と接す底裏の上面部に空気流通溝を
設けて、外部の空気が中実と接している底裏全面を循環
しながら換気するようにしたもので、着靴の際は歩行時
に常に靴の内部を乾燥させて悪臭や水虫などの発生を未
然に防止することはもちろん、底裏が当たる中実の底面
の中空突起が底裏表面と接しても多数の中空突起の間に
設けた換気通溝によって外部との換気ができるようにし
、また同時にクッション作用も発揮させるようにした靴
の底裏を提供せんとするものである。

本考案の構成および作用を図面の実施例に基いて説明す
る。

１は靴の底裏部で、この周縁部上面には常状の突軸２を
設ける。

この底裏部１の踵部分の長手方向中央部に矩形状の腰部
溝３とこの周囲の腰支持部４とを設ける。

この腰支持部４と前記突軸２との間には、多数の通気溝
５・・・を通気路６・・・とともに設け、この通気路の
両端部には防水片７，７を立設する。

８は踵部で、この踵部の上面部には蹄形に成る通気口９
を凹設する。

この通気口９の横巾は、前記底裏部１の防水片７，７が
係合する巾に戊る。

１０は中実部で、この裏面周縁部にも帯状の突軸１１を
設ける。

この突軸１１は、前記底裏部１の突軸２と一致する。

踵面部から裏部までは、腰金具１２のための前記腰部溝
３を被蓋する覆蓋部１３を設けている。

この覆蓋部１３と突軸１１との間には、多数の通気溝５
・・・を穿設し、またこの前側部には中空突起１４・・
・と通気孔１５・・・とを交互に設け、中空突起１４は
前記突軸１１と同一高さに戒る。

１６は敷裏部で、この裏面周縁部にも前記突軸２．１１
と同様の帯状の突軸１７を設ける。

この敷裏部１６の底面には、多数の通気孔１５′・・・
と支持片１８・・・とを設けるが、支持片は長手方向中
央部に適当間隔をおいて設ける。

而して、前記踵部８の上面には底裏部１を重ね、この底
裏部１の上面には腰金具１２と中層部１０とを重ね、さ
らにこの中層部１０の上面に敷裏部１６を重ね合わせる
。

（以上については、第１図乃至第４図参照）次に、第５
図に示した実施例にあっては、踵部８′と底裏部１とを
単一体に形成した底裏体１９から成るもので、その周縁
部には帯状の突軸２′を設けている。

この踵部分８′の突軸２′には、適当間隔をおいて多数
の換気溝２０・・・を凹設する。

踵部分８′から長手方向中央部には、前記腰金具１２の
埋設のための腰部溝３′とこれを囲む支持部４′が設け
られ、この支持部４′と前記突軸２′との間には換気路
２１が形成される。

図中、２２．２２’は底裏部１又は底裏体１９の前側部
を示す。

このような構成から戒る本考案は、腰金具１２を腰部溝
３，３′に埋設させた上面に中層部１０の裏面を接合さ
せれば、中層部１０の覆蓋部１３が底裏部１又は底裏体
１９の上面の腰支持部４゜４′と密着し、腰金具１２を
埋設した腰部溝３゜３′を覆蓋し、また同時に中層部１
０の突軸１１が底裏部１又は底裏体１９の突軸２，２′
と一致するように接合されるから、踵部８，８′の表面
には通気口９又は換気溝２０だけが開口状態に形成され
る。

而して、いまこのような靴を覆いたときは、外部の空気
は通気口９又は換気溝２０から内部に入り通気溝５一通
気路６又は換気路２１に沿って、底裏部１又は底裏体１
９の前側部２２．２２’に流入するとともに中層部１０
の通気溝５′に流入する。

前側部２２．２２’に流入した空気は、外周を突軸２，
２’、１１壁によって遮断されるから、上面の中空突起
１４の通気孔１５から上方に流れ、この内部の湿った空
気と換気する。

さらに、通気溝５′に入った空気は、敷裏部１６の通気
孔１５′を経て、靴内部の湿った空気と換気しながら乾
燥していく。

また、中層部１０の裏面に設けられている多数の中空突
起１４によって、歩行時には外部空気の吸引と排出との
吸排両作用が交互に行われるようになると同時に、底裏
部のクッション作用が行われる。

また、雨天時には通気口９から雨水が踵内部に侵入した
ときでも、通気路６内の防水片７゜７が歩行者の体重に
よって加圧されながら通気路を閉塞して前側部への侵入
を阻止するようになる。

本考案はこのような構成および作用を有するものである
ため、外気は踵部から自由に入って底裏部、中層部およ
び敷裏部内に蓄っている湿った空気と絶えず交換してい
るから、靴の裏底内部は常に乾燥状態を保つことができ
るようになり、したがって足から発散する汗による加湿
も効率的な換気作用によって直ちに乾燥して内部を常に
清潔な状態にしておくことができ、靴底からの悪臭の発
散や足の水虫の発生を防止することができるようになり
、また同時にクッション作用が円滑に行われるから、常
に軽快な気分で歩行や走行することができる等、その実
用的効果は大きいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体の分解斜視
図、第２図は実施物全体の側断面図、第３図のイは着靴
歩行時に足を上げた状態の要部の縦断面図、口は足を下
した状態の要部の縦断面図、第４図のイは第３図イのと
きの要部の拡大側断面図、口は第３図口のときの要部の
拡大側断面図、第５図は他側の場合の要部の場合の斜視
図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 周縁部に帯状の突軸を設けるとともに踵面部に多数
   の通気割溝を設けて戒る底裏部１の踵面部を、通気路を
   蹄形に凹設した踵部８の上面部に固着し、前記踵面部に
   対応する踵面部に多数の通気割溝を設けるとともに前側
   部に多数の中空突起を立設した中実部１０を前記底裏部
   の上面部に固着し、多数の支持片を底全域にわたって突
   設した敷裏部１６を前記中実部の上面部に固着して成る
   靴の底裏。 ２ 底裏部と踵部とを単一体に形成した底裏の踵部分の
   帯状突軸に多数の換気溝を設けて成る実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載した靴の底裏。