JPS6031182Y2 - プラグアダプタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプラグアダプタの改良に関し、特に製造が容
易で然も不良発生率の少ないプラグアダプタを提供しよ
うとするものである。

〈従来の説明〉 プラグアダプタとは例えば装置のジャックとヘッドホン
のコードに取付けられたプラグとが互に直径が異なる場
合に、ジャックとプラグの間に介装して装置とヘッドホ
ンとの接続を遠戚することができるようにするアダプタ
を指す。

このプラグアダプタはプラグとジャックとが一体化され
て構成され、その形状はプラグとジャックとが同軸芯上
に配置されるものと、第１図に示すようにプラグ１とジ
ャック２とが直角方向を向くように一体化されたものと
がある。

この考案は第１図に示すようにプラグ１とジャック２と
が互に直角方向を向くように一体化されたプラグアダプ
タの改良に関するものである。

このプラグアダプタの従来の製造工程を説明すると、第
２図に示すようにプラグ１を構成するアース筒体１ａの
中空部に絶縁して挿通した軸３及び軸筒４により信号導
体１ｂ、ｌｃを支持させ、これら軸３及び軸筒４を通じ
て信号導体１ｂ、ＩＣをアース筒体１ａの後端側に電気
的に導出し、この導出端部にジャック用接触片５と６に
形成された切欠を圧入し、またアース筒体１ａに接触し
てアース用導体７が取付けられる。

接触片５と６及びアース用導体７を取付けた後に第３図
に示すように樹脂材８を射出成形法等により形成し、接
触片５と６が所定の位置関係を保持して固定する。

樹脂材８によって形成された円柱部８ａの周面にアース
用導体７が沿うようにアース用導体７を折曲加工腰その
上に第４図に示すように金属筒から成るジャック用アー
ス導体９を被せる。

ジャック用アース導体９はアース用導体７を挾み込んで
接触腰プラグ１とジャック２のアース回路が接続される
。

またジャック用アース導体９内に接触片５と６が支持さ
れステレオ用のジャック２が構成される。

第４図の状態において更に第５図に点線で示すように外
部樹脂材１１を被せ、第１図に示すプラグアダプタが完
成する。

〈従来の欠点〉 従来のプラグアダプタの構造においてジャック用アース
導体９とアース用導体７との接触が不安定になる場合が
あり不良品が発生するおそれがある。

つまりジャック用アース導体９を圧入し、アース用導体
７を円柱部８ａの局面との間に挾み込んだ状態において
、外側の樹脂材１１を被せる際に外側の樹脂材１１から
受ける熱により樹脂材８が軟化する。

樹脂材８が軟化することによりアース用導体７を介して
円柱部８ａに与えられていた圧接力は減退し、アース用
導体７はジャック用アース導体９に対して反力を失なう
。

よってジャック用アース導体９とアース用導体７との間
の接触圧が小さくなり、この部分で接触不良が起きるお
それがある。

また従来は接触片５と６を樹脂材８によって固定するも
のであるため、樹脂材８を形成する作業に手間がかかる
欠点がある。

つまり接触片５と６はプラグの信号導体３と４に圧入し
て仮止めした状態で金型にインサートし、樹脂材８をモ
ールド成形するものであるから、接触片５と６はこの状
態で大きい力が与れられると動いてしまう。

このため接触片５と６が仮止めされた状態にあるプラグ
１をモールドのための金型内に挿入孔する作業は注意し
て行なわないと接触片５と６を動かしてしまうおそれが
ある。

また金型内に装着するとき樹脂の注入圧力により接触片
５と６が動いてしまわないように接触片の位置を固定す
るように位置決めを行う必要もある。

このような理由から樹脂材８の成形工程が面倒な工程と
なっている。

更にこの従来の構造を見るとき接触片５と６を保持する
円柱部８ａを長く突出形成すると接触片５と６の自由に
動き得る部分の長さが短かくなり、プラグの挿脱時に接
触片５と６に局部的に大きな曲応力が掛るようになり耐
久性が低下する。

このため樹脂材８の円柱部８ａをあまり長く形成できな
い。

このような理由からジャック用アース導体９を円柱部８
ａとの嵌合長を長く採れないこととなり、曲げ応力に対
して強くできない欠点もある。

またアース導体７は樹脂材８を形成した後に円柱部８ａ
の周面に沿うように折曲加工しなければならない。

よって製造工程が多くなる欠点もある。

〈考案の目的〉 この考案の目的は製造が容易で然も接触不良による不良
品の発生もないこの種プラグアダプタを提供しようとす
るものである。

〈考案の概要〉 この考案では樹脂材８に窓を形成し、この窓によりプラ
グ１のアース筒体を露出させ、この露出したプラグ１の
アース筒体にジャック用アース導体９に形成した切欠を
嵌合させ、この嵌合によりプラグ１とジャック用アース
導体９との電気的な接触を保持させるように構成したも
のである。

く考案の実施例〉 第６図にこの考案の一実施例を示す。

この例では第３図で説明した樹脂材８に代えて、接触片
５と６を保持する手段として絶縁ホルダ１３を利用する
ようにした場合を示す。

この絶縁ホルダ１３は樹脂材の肉薄部によって構成され
るヒンジ１２を有し、ヒンジ１２を挾んで左右にホルダ
半体１２ａ、１２ｂを有し、このホルダ半体１２ａ、１
２ｂによって接触片５と６を包むことにより接触片５と
６を所定の位置に保持するようにしたもである。

つまりホルダ半体１２ａ、１２ｂの互に向合う面に接触
片５と６を収納してその位置を保持する凹溝１４と１５
を形成し、この凹溝１４と１５の延長端側に半円状溝１
６を形成する。

この半円状溝１６によってホルダ半体１２ａ、１２ｂを
合体することにより第７図に示すような筒体１７が構成
され、接触片５と６はこの筒体１７内に収納される。

この考案においては絶縁ホルダ１３のプラグ１後端部を
覆う部分に第７図に示すように絶縁筒体１７から延長さ
れる切欠１８，１９を形成し、特に下側の切込１８によ
って窓２０を形成し、この窓２０の部分にプラグ１のア
ース筒体１ａを露出させる。

尚上側の切込１９の部分はホルダ半体１２ａ、１２ｂの
肉の厚い部分１２ｃに対向しているため切込１９が肉の
部分を貫通して内面に達しないため窓は形成されない。

一方ジャック用アース導体９の開放端には上下に一対の
切欠２１を形成し、この切欠２１の形成いより第７図に
示すように互に平行する縁２１ａを形成し、この互に平
行する縁２１ａを窓２０を形成した部分に嵌合させる。

この嵌合により切欠２１の互に平行する縁２１ａがプラ
グ１のアース筒体１ａに接触し、プラグ１のアース筒体
１ａとジャック用アース導体９が直接電気的に接続され
る。

尚アース筒体１ａとジャック用アース導体９との接触の
様子を第８図に具体的に示す。

つまり窓２０と対向してアース筒体１ａにはくびれ部分
を対向させ、このくびれ部分にジャック用アース導体９
の切欠２１が嵌合するようにしくびれ部分の上側に設け
たフランジ２２の角にジャック用アース導体９の内周面
が接触することにより接触点を多く採ることができる。

このようにすれば接触状態を安定に保持することができ
る。

またくびれ部分の直径ａと切欠２１の幅すをａ〉ｂに選
定しておくことにより、切欠１９がくびれ部分にかたく
嵌合し、接触の状態を安定に保持することができる。

ジャック用アース導体９を嵌着した後は第５図で説明し
た従来の製法と同様に外側に外部樹脂材１１を被せ、第
１図に示すプラグアダプタを得る。

〈考案の効果〉 上述したようにこの考案によれはプラグ１のアース筒体
１ａとジャック２を構成するジャック用アース導体９が
窓２０を通じて直接接触するため、外側に樹脂材１１を
被せる際に絶縁ホルダ１３に熱が加わり、これが多少変
形してもアース回路の接触が離れるようなことが起きる
おそれは全くない。

従って不良品が発生するおそれは全くない。

よって不良発生率が低く信頼性の高いプラグアゲブタを
提供できる。

また上述した実施例のように絶縁ホルダ１３を用いる場
合は次のような利点が得られる。

（イ）絶縁ホルダ１３は接触片５及び６をインサート保
持しないで形成することができるから、多数個取りので
きる金型を用いて量産することができる。

よって絶縁ホルダ１３の製造コストは安価である。

（ロ）絶縁ホルダ１３をプラグ１の後端側に被せる作業
を必要とするが、その代りにアース導体７を予め絶縁ホ
ルダ１３が形成する筒部１７の局面と対接する位置に来
るように折曲加工しなくおくことができるため絶縁ホル
ダ１３を被せた後にアース導体７を折曲加工しなくて済
み、この折曲加工の工程を省略できる効果は大きい。

（ハ）また絶縁ホルダ１３によって接触片５と６の位置
を保持するように構成するものであるから、接触片５と
６の全体を覆うように絶縁筒体１７を形成できる。

絶縁筒体１７は接触片５と６より長く形成できるため、
ジャック用アース導体９と絶縁筒体１７との嵌合長を長
くでき、それだけ強度の強いプラグアダプタを得ること
ができる。

に）また接触片５と６を絶縁筒体１７によって包むため
接触片５と６はジャック用アース導体９に接触すること
も防止できる。

よってこの点でも信頼性の高いプラグアダプタを提供で
きる。

〈考案の他の実施例〉 第９図にこの考案の他の実施例を示す。

この例では第２図乃至第５図で説明した従来のプラグア
ダプタにこの考案を適用した場合を示す。

つまり絶縁ホルダとしてこの例ではモールドによって成
形した樹脂材８を利用”した場合を示す。

絶縁ホルダとして作用する樹脂材８を形成するときにプ
ラグ１のアース筒体１ａの露出すせる窓２０′を形成す
る。

よってこの窓２０′にジャック用アース導体９の切欠１
９を圧入することにより、ジャック用アース導体９とプ
ラグ１のアース筒体１ａとを接触させることができる。

ジャック用アース導体９を圧スして後は第５図で説明し
たように外側に樹脂材１１を被せ、第１図に示すプラグ
アダプタを得る点は従来と同じである。

このように構成してもジャック用アース導体９及び樹脂
材８の外側に第５図で説明したように樹脂材１１を被せ
るときに樹脂材８に熱が加わり樹脂材８が多少変形して
もジャック用アース導体９とプラグ１のアース筒体１ａ
との接触が離れるような事故が起きることはない。

よってこの実施例によってもこの考案の初期の目的とす
る作用効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用して好適なプラグアダプタの外
観を示す斜視図、第２図及び第３図は第１図に示すプラ
グアダプタの従来の製造工程を説明するための斜視図、
第４図及び第５図は同様に従来の製造工程を説明するた
めの側面図、第６図はこの考案の一実施例を示す分解斜
視図、第７図はこの考案によるプラグアダプタの組立工
程を説明するための分解斜視図、第８図はこの考案の要
部の構造を説明するための背面図、第９図はこの考案の
他の実施例を示す分解斜視図である。 １・・・・・・プラグ、１ａ・・・・・・アース筒体、
２・・・・・・ジャック、３，４・・・・・・信号導体
、５，６・・・・・・接触片、９・・・・・・ジャック
用アース導体、１１・・・・・・外部樹脂材、１３・・
・・・・絶縁ホルダ、１８．１９・・・・・・切込、２
０・・・・・・窓、２１・・・・・・切欠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ａ 金属円筒体によって構成されたアース筒体及びこの
   アース筒体の中空部に絶縁で貫通した軸によって支持さ
   れたアース筒体の先端部に絶縁して取付けれた信号導体
   から成るプラグと、Ｂ このプラグの上記アース筒体の
   後端及び信号導体を支持する軸に電気的機械的に結合し
   プラグ軸芯と直交する方向に互に平行して延長されたジ
   ャック用接触片と、 Ｃこのジャック用接触片とプラグとの結合部分を支持す
   る絶縁ホルダと、 Ｄ この絶縁ホルダの上記ジャック用接触片の軸線を挾
   む両側に形成された上記プラグのアース筒体を互に１８
   ００対向する位置で露出させる窓と、 Ｅ 金属円筒体によって形成されるこの金属円筒体の一
   端側に設けた切欠によって形成される互に平行する線が
   上記窓を通じて上記プラグのアース導体に嵌合して電気
   的に接触し上記ジャック用接触片を包んでプラグ本体と
   直交する方向に突出して保持されるジャック用アース導
   体と、 Ｆ 上記絶縁ホルダ及びジャック用アース導体を覆う外
   部樹脂材と、 から戒るプラグアダプタ。