JPS6030976Y2 - パイプの曲げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、パイプの曲げ装置、特にパイプをプレス加
工により屈曲するようにした装置の改良に関するもので
ある。

従来、プレス加工によりパイプを曲げることが行われて
いる。

しかし、このようなプレス加工においては、その成形途
中において、パイプと型具との間にスリップを生じ、パ
イプの表面に擦り疵がつき商品性を低下させる一方早期
に型面が摩耗する。

また上記スリップによってパイプに十分な塑性変形を与
えることができず、パイプがスプリングバックするため
、このスプリングバック量を見込んで型具を製作する必
要があった。

この考案は、上記従来の欠点を解消し、パイプ表面の擦
り疵および型面の摩耗を少なくし、かつパイプに十分な
塑性変形を与えてスプリングバックを防止するようにし
たパイプの曲げ装置を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を図面において説明する。

プレス装置は、下部の基台１に対して上部の取付台２を
ラム（図示せず）により上下方向に移動するようにして
いる。

基台１の上面には、下型３を固定し、この下型３には、
パイプの最終曲げ形状の型面３ａが形成されている。

取付台２の下面には、上型４を取付ける。

この上型４は、固定型部４ａとこの固定型部４ａにリン
ク機構５を介して取付けた可動型部４ｂとよりなってい
る。

固定型部４ａおよび可動型部４ｂには、それぞれパイプ
曲げ形状のはＳ゛半分形状の型面４ｃ、４ｄが形成され
ている。

なお可動型部４ｂには、パイプの軸方向の前後角部に丸
みを付けて揺動時にパイプに疵が付くのをを防止してい
る。

リンク機構５には、ピンＰ□とピンＰ２によって固定型
部４ａと可動型部４ｂとを接続する上部リンク５ａ、ピ
ンＰ３とピンＰ４によって固定型部４ａと可動型部４ｂ
とを接続する下部リンク５ｂを設けている。

この上部リンク５ａおよび下部リンク５ｂは、添付図面
紙の表裏方向にそれぞれ一対設けられている。

上部リンク５ｂは、下部リンクより長さが短く、可動型
部４ｂが固定型部４ａに対して相対的に上昇するとき、
パイプの長手方向に移動しながら揺動させるようにして
いる。

固定型部４ａの凹所４ｅ内には、ウレタンラバーなどの
スプリング６が挿入され、このスプリング６により可動
型部４ｂを常時下方に付勢するようにしている。

また可動型部４ｂのリンク取付側と反対側の下側部には
、添付図同紙の表裏方向の軸７によって成型用ローラ８
を回転可能に支持している。

この成型用ローラ８の外周には、パイプの外周に沿う円
弧状の溝８ａを形成している。

一方、パイプの曲げ加工に先立って、パイプを所定位置
に把持して固定する保持具９が備えられている。

この保持具９は、基台１に固定した下部ホルダ一部１０
に対して上部ホルダ一部１１を下降させ、この両ホルダ
一部の間でパイプを挾持するようにしている。

上部ホルダ一部１１は、支持台１２に固定されている。

この支持台１２は、取付台２の下部に突設したガイドバ
ー１３により上下に案内される。

支持台１２は、ラムに取付られたシリンダ装置により押
圧ピン１４を介してその上面を常時所定の力で押圧され
るようにしている。

なお１５は、取付台２を上昇させる場合に支持台１２が
落下するのを防止するストッパーである。

また１６は、基台１に取付けたパイプの位置決め片であ
る。

以上のように構成したパイプの曲げ装置の作動について
説明する。

まず、曲げ加工すべきパイプＷを、その端面を位置決め
片１６に当接させた状態において、下部ホルダ一部１０
と下型３の上に置く。

ついで図示した二点鎖線の位置から押出ピン１４をシリ
ンダ装置により下方に押出したままラムを下降させると
、上部ホルダ一部１１がパイプＷの保持部Ｗａを押圧し
てこのパイプＷを保持する。

続くラムの下降運動により成形相ローラ８がパイプＷと
接触し、このパイプＷを押圧しながら屈曲させる。

このとぎ成形相ローラ８はパイプＷを押圧しながら回転
するので、パイプＷの表面に擦り疵がつかない。

また成形角ローラ８の作用点は、パイプＷの屈曲部より
離れているため、パイプの曲げモーメントが大きくなり
容易にパイプＷを曲げることができる。

ラムの下降運動によりさらに取付台２が下降すると、可
動型部４ｂの型面４ｄがパイプＷと接触する。

これよりさらに固定型部４ａが下降すると、スプリング
６が圧縮され、リンク機構５により可動型部４ｂをパイ
プＷの長手方向に移動させながらこのパイプＷに十分な
塑性変形を与え、最終的に固定型部４ａの型面４ｃと可
動型部４ｂの型面４ｄを共にパイプＷに押圧してプレス
成形し、パイプＷの曲げ加工を完了する。

（実線位置） この考案は、以上のように成形角ローラによりパイプ表
面に擦り疵を与えることなく容易にパイプを屈曲させる
ことができ、また可動型部をパイプ長手方向移動させな
がらプレス成形するようにしたので、パイプに十分な塑
性変形を与えてパイプのスプリングバックを防止し所望
の曲げ形状を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のパイプの曲げ装置の一実施例を示す
縦断正面図、第２図は第１図のＡ方向矢視図である。 ３：下型、４：上型、５：リンク機構、６：スプリング
、８：成形相ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイプを把持して所定位置に固定する保持具と、上型と
   下型を組合せたプレス型とからなるパイプの曲げ装置で
   あって、上型の一部をリンク機構により上部側方に揺動
   可能に支持した可動型部とし、この可動型部を常時下方
   に付勢するように上型の固定型部との間にスプリングを
   配設し、また可動型部にその下降によりパイプを押圧し
   て屈曲させる成形角ローラを回転可能に取付けてなり、
   まず成形用ローラによりついでプレス型により曲げ加工
   しながらパイプ長手方向に可動型部を移動させて曲げ加
   工時のスプリングバックを防止するようにしたパイプの
   曲げ装置。