JPS6030864B2 - 移動台装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、送りねじを用いて移動台を移動させる形式
の移動台装置に関する。

基台に設けた案内面に支承され−方向に往復動可能とさ
れた移動台と、この移動台の移動方向と平行な軸線を有
しこの軸線に対する回転は可能とされ軸線方向の移動は
不能とされて基台に支承された送りねじと、この送りね
じに螺合するナットを具え、送りねじの回転に対応した
ナットの鞠線方向の変位を移動台に伝達することにより
移動台に定の直進精度または所定の移動精度を得るよう
にした移動台装置は、工作機械、測定器等に多く用いら
れているが従来の移動台装置としては、ナットを移動台
に直接固着したものが公知である。

この移動台装置は、ナットが移動台に固着されているの
で、ナットは移動台を案内する基台の案内面に沿って動
くことになり、このナットに螺合する送りねじがナット
と正しい競合状態を維持するためには、ナットの移動軸
線と送りねじの軸線が正しく一致することが必要である
が、移動台の精度としてきわめて高い精度が要求される
移動台装置の場合には、部品の工作精度の点からも組立
精度の点からも前記両軸線を正確に一致させることは困
難である。すなわち、ナットを移動台に固着した従来の
移動台装置では、移動台を案内する案内面を精密にし、
精密な送りねじを用いても、移動台を案内する案内面の
真直度、案内面と送りねじとの平行度、送りねじの偏心
または送りねじおよびナットの取付誤差等がわずかであ
っても必ず存在するものであるため、移動台を案内する
案内面部分やナットと送りねじの螺合部分にバックラッ
シュを排除した精密な俄合を採用すると、ナットと送り
ねじの車由線のずれによる螺合不良が生じ、送りねじの
回転トルクが変動し移動台に正確な作動を得ることが出
来ないという欠点がある。

このような従釆の移動台装置の欠点を解消するものとし
ては、ナットを直接移動台に固定せず、送りねじの軸線
方向と平行な平面を有する板ばねを介してナットを移動
台に支持させた移動台装置も提案されている。

この移動台装置は、送りねじの回転により移動するナッ
トと送りねじの軸線にずれが発生してもナットは板ばね
により送じねじの軸線に直交する方向に微小変位するこ
とが可能であるため、ナットと送りねじの螺合状態は極
端に悪くなることはないが、ナットが板ばねという弾性
体を介して移動台に支持されているので、ナットの偏移
に対応する復原力がナットと移動台に作用し移動台に不
正確な作動例えばローリング、ピッチングまたはョーィ
ング等を与え易いという欠点がある。

また、ナットが送りねじの軸線と平行に偏移せず送りね
じの藤線以外の軸に対して回転をともなう偏移である場
合には、板ばねにねじりが生ずることになりこの場合ナ
ットと移動台に働く復原力はかなり大きいものである。
また、ナットを板ばねを介して移動台に固定した移動台
装置は、移動台とナットが比較的剛性の小さい板ばねを
介して結合されており、板ばね自身はほとんど減衰性を
有しないので、移動台に作用する外力または送じねじを
駆動するモータ等の振動によって移動台が振動し易いと
いう欠点がある。

この発明は、前記従来の移動台装置の欠点に注目してな
されたもので、その目的とするところは、きわめて厳密
な直進精度を得ることが可能な移動台を有する移動台装
置を提供するにある。

この目的を達成するため、この発明は、送じねじに螺合
するナットの軸線に対して垂直な一対の環状の受面を有
する鍔をナットの外面より突出させた設け、この鍔の受
面の夫々に対向する軸受面を有し前記ナットに遊動自在
に欧合するハウジングを移動台に固着し、この受面また
は軸受面に円周溝として形成される環状の凹所を形成す
る軸受ポケットを設け、この軸受ポケットに加圧流体を
供給して静圧軸受を形成し、ナットをハウジングに対し
て送じねじの柚心位置において送りねじの車由線方向の
み剛性を有するように非接触で支承すると共に、ナット
が前記軸心位置の回りに回転しないようにべローズによ
りナットを支持したものである。次に、この発明に係る
移動台装置の実施例を図面により説明する。基台１は、
側壁２，３を有し上方が閉口したコの字状の横断面を有
し、側壁２の内側面には角形の凹溝４が、側壁２の内側
面と対向する側壁３の内側面には角形の凹溝５が夫々長
手方向の全長に百つて互いに平行に形成され、基台１の
長手方向には、側壁６と側壁７が設けられ上部が開□し
た角形の凹所を形成している。

移動台８は、基台１の角形の凹所に遊隊する直方体状の
部村で、基台の側壁６と側壁７との間隔より小さい長手
方向の寸法を有し、基台の角形の凹溝４，５に遊隊する
角形の突起９，１０が長手方向の全長に亘つて形成され
ている。

基台の凹溝４，５とこの凹溝４，５に夫々遊鉄する移動
台の突起９，１０の間には、加圧流体供給手段により供
給されれた加圧流体により静圧軸受が構成され、移動台
８は、基台１の凹溝４，５に案内され一方向に往復動可
能とされている。

送りねじ１１は、外面に螺旋溝を有し、一方の藤端を基
台の側壁６に設けた孔１２に俵合した玉軸受１３，１４
により支承され、他の一方の車母端を基台の側壁７に設
けた孔１５に欧合した玉軸受１６により回転自在に支承
されている。玉軸受１３，１４は、その外輪が孔１２の
鍔１７と押え板１８により挟持され軸方向の移動を不能
に固定されており、一方内輪は軸受ナット１９により送
りねじ１１に固定されている。

この結果送りねじ１１は、送りねじの軸線に対する回転
は可能とされ、軸方向の移動は不能とされて基台１に支
承される。，２０は、押え板１８を基台の側壁６に固着
するボルトである。

２１は、送りねじ１１に玉軸受１６の内輪を固定する軸
受ナットである。

送りねじ１１の一方の軸端は、カップリング２２を介し
てモータ２３と結合され、送りねじ１１の駆動手段が構
成されている。

２４は、基台に固着されたブラケツトで、モー夕２３は
、所定の固着手段によりブラケットに固着されている。

ナット２５は、送りねじ１１‘こ螺合する雌ねじを内面
に有する円筒状部村で、送りねじ１１の軸線に対して垂
直な一対の互いに平行な受面２６，２７を側面に有し外
面２８より突出した鍔２９を有している。ハウジング３
０は、移動台８にボルト３１により固着されたハウジン
グ本体３２と、ハウジング本体３２にボルト３３により
固着された蓋３４とにより構成されており、ハウジング
本体３２は、ナットの鍔２９の受面２７に対向する軸受
面３５を側面に有しナットの鍔２９を受入れる凹所と、
送りねじ１１を挿通可能とする孔３６を有し、蓋３４は
、ナットの鍔２８の受面２６に対向する軸受面３７とナ
ットの外面２８に遊動自在に競合する孔３８を有してい
る。

ナット２５は、ハウジング本体３２と蓋３４により形成
された内障に配されハウジング３０と遊舷している。

ハウジング本体の軸受面３５には、円周溝を形成する軸
受ポケット３９が設けられ、蓋の軸受面３７には、円周
溝を形成する軸受ポケット４０が設けられている。

軸受ポケット３９は、ハウジング３川こ穿設された流体
通路４１と運通しており、軸受ポケット４０‘ま、ハウ
ジング３川こ穿設された流体通路４２と運通している。

流体通路４１，４２は、圧力、流量を調整された加圧流
体供給源４３に夫々導管４４または４５により接続され
、軸受ポケット３９，４川ま、加圧流体の供給を受けて
いる。この加圧流体としては、液体を用いても良いし気
体を用いても良い。軸受ポケット３９，４０１こ加圧流
体を供給することにより受面２６，２７と軸受面３５，
３７との間には静圧軸受が構成され、ナット２５は、非
接触状態で事由方向の移動を阻止されハウジング３川こ
支持可能となる。べローズ４６は、一方の端部がナット
２５の端部に送りねじ１１の車由線と同０的に溶着され
、他方の端部が移動台８にボルト４７により固着された
支持部材４８に溶着されている。

べローズ４６は、薄い金属管を蛇腹状に形成した形状を
有し、ねじりに対する剛性はきわめて大きいが、軸線方
向、鞠線と直角方向およびモーメント方向に対する剛性
はきわめて小さいものである。この実施例では、ベロー
ズ４６をナット２５および支持部材４８に溶着した例を
示したが、ベローズ４６の端部にフランジを溶着してお
きこのフランジをボルト等により支持部材と固着するよ
うにしても良い。

また、この実施例では、ナット２５に一方の端部を熔着
したべローズ４６の他方の端部を移動台８に固着された
支持部材４８に溶着した例を示したが、ベローズ４６は
、ナット２５が送りねじ１１の軸線の回りもこ回転する
ことを阻止すれば良いので、ベローズ４６の他方の端部
を例えばハウジング３川こ固着するようにしても良い。

また、特に移動台８の移動量が小さい場合には、ベロー
ズ４６の他方の端部を基台１に固着した構成とすること
もできる。以上のように構成したこの発明の移動台装置
は、基台の案内面に支承案内されて一方向に往復勤可能
とされた移動台を、この移動台の移動方向と軸線を平行
とされ回転自在に基台に支承された送りねじに螺合する
ナットに送じねじ軸線方向に対して垂直な一対の受面を
設け、この受面に対向する軸受面を有するハウジングを
移動台に固着し、ナットの受面とハウジングの軸受面と
の間に加圧流体を供給することによってナットを対向す
る静圧軸受によりハウジングに支承させ、この静圧軸受
部分に円周溝を形成する軸受ポケットを設けたので、ナ
ットはハウジングに対して送りねじの鞠線と直角方向へ
の平行移動と、送りねじの鞠線の回りの回転、および静
圧軸受の中心点に対する傾きに対してはほとんど抵抗な
く微小変位可能とされ、送りねじの軸線方向には、静圧
軸受によって高い剛性でハウジングに支持され、また一
方、ナットは移動台にべローズを介して係着されている
ので、ナットはこのべローズにより送りねじの鞠線と直
角方向への平行移動と、送りねじの鞄線方向の移動、お
よび静圧軸受の中心点に対する傾きに対してはほとんど
抵抗なく微小変位可能とされ、送りねじの鞠線の回りの
回転に対しては、高い剛性で回転を阻止されるので、こ
の結果ナットは、移動台の移動方向に対する送りねじの
平行度とか送りねじの偏心等に誤差があってもこれらの
誤差に対するナットの送り方向以外の変位は有効に吸収
され、送りねじの軸線方向以外の力は移動台に伝達され
ないで、きわめて直進精度の良い移動台装置を得ること
ができるという効果を奏する。

尚、必要によりこの移動台に適当な制振手段を付設し動
的位定性を向上させることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る実施例の縦断面図、第２図は
、第１図のＡ−Ａ線断面図である。 １・・・・・・基台、８・・・・・・移動台、１１・…
・・送りねじ、２５・・・・・・ナット、２６，２７・
・…・受面、３０・・・・・・ハウジング、３５，３７
・・・・・・軸受面、３９，４０・・・・・・軸受ポケ
ット、４６・・・・・・ベローズ。 第１図第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台１と、該基台に説けた案内面に案内され基台に
   対して一方向に往復動可能に支承された移動台８と、該
   移動台の移動方向と平行な軸線を有し該軸線の回りに回
   転自在とされかつ軸方向の移動を阻止されて前記基台に
   支承された送りねじ１１と、該送りねじに螺合し外周よ
   り突出する鍔２９の両側面に前記送りねじの軸線に対し
   て垂直かつ同心的に配された環状の受面２６，２７を有
   するナツト２５と、前記移動台に固着され前記ナツトの
   受面に夫夫所定の隙間を介して対向する環状の軸受面３
   ６，３７を有し遊動自在に前記ナツトと嵌合するハウジ
   ング３０と、前記ナツトの受面と前記ハウジングの軸受
   面との間の空間に加圧流体を供給し静圧軸受を形成させ
   る加圧流体供給手段と、前記送りねじの軸心と同心的に
   配され一方の端部が前記ナツトに固着され他の一方の端
   部が前記移動台または前記基台に係着されたベローズ４
   ６とを具え、前記ナツトの受面または前記ハウジングの
   軸受面に環状の凹所を形成する円周溝を設けると共に前
   記ベローズにより前記ナツトを回動不能に支持してなる
   移動台装置。