JPS6030786Y2 - 鍵のストツパ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、オルガン特に電子オルガンにおいて鍵の前
側高さならびに上下運動の深さを規制するためのストッ
パ装置に関する。

電子オルガンにおける従来のストッパ装置は第１図に示
すように白鍵に１及び黒鍵に２とも鍵の前方（図で左方
）下側にＬ字形金具りを取付け、これを、後方（右端）
に係止したスプリングＳによって鍵盤シャーシＡの前端
に設けたストッパレールＢの土壁下面に貼着した緩衝用
フェルトＦ１に当接させる構造として、鍵の上下運動範
囲の制限と鍵盤組立時の横方向の配列具合の調整（即ち
、凹凸の調整）の役割を果させている。

なお、図中、Ｆ２は鍵を押下げた場合、鍵が当接する緩
衝突用フェルトである。

ところで、第２図イのようにＬ字形金具りの曲げ角度を
鋭角になるように調整すれば鍵にの上下運動のストロー
クは小さくなり、逆に第２図口のように曲げ角度が鈍角
になるようにすればストロークは大きくなる。

また、Ｌ字形金具りの状態によって鍵にの前端部の組立
高さが決るので、その曲げ角度を適宜に調整することに
より鍵にの横方向の並びが整えられることになる。

さて、この従来形式のものではストッパ部材であるＬ字
形金具りの曲げ角度を調整するためには組立てた鍵盤を
いちいち裏返して行なわなければならず、作業が厄介で
手間がかかり能率が悪い。

そして鍵Ｋを取外す必要がある場合には後端のスプリン
グＳを外すと共に支点部Ｃとの保合関係を解いて第１図
矢印のように前方に引出すようにして取外さなければな
らない。

このため白鍵に１は割合楽に単独で取外せるが、黒鍵に
２は第３図のように両側の白鍵に１で包囲されているの
で、これ単独には取外すことができない。

そこで、この考案は上記の欠点を解消するためになされ
たもので、錠本体における揺動支点部より後方の後端部
に調整用ネジ杆を螺合し、該ネジ杆の下端に接触子を取
付け、該接触子を鍵盤シャーシ上に設けた緩衝材に当接
させ、前記錠本体における揺動支点部と前記調整用ネジ
杆を螺合するためのネジ孔との中間部と、前記鍵盤シャ
ーシとの間に引張りスプリングを張設したことを特徴と
し、鍵盤を裏返すことなく鍵のストローク調整や配列具
合の修正が簡単に行えると共に鍵の取外しも各個に容易
にできるようにしたものである。

第４図ないし第８図はこの考案の実施例を示すものであ
り、第４図及び第５図において１は白鍵に１ならびに黒
鍵に２の錠本体であり、その後端部（図で右端部）には
ネジ孔１ａを設け、このネジ孔１ａには調整用ネジ杆２
を螺合し、該ネジ杆２の下端にはゴム・合成樹脂などか
らなる接触子３を接着剤・焼付けなどにより一体に取付
ける。

一方、鍵盤シャーシ５の後端部上面にフェルトなどの緩
衝材４ａを各鍵ごとに又は一連に貼着し前記接触子３に
対抗させ、鍵盤シャーシ５上に起立する支点部材６の後
方で、かつ緩衝材４ａの前方の位置において引張りスプ
リング７を錠本体１及び鍵盤シャーシ５にそれぞれ掛止
め腰鍵本体１をほぼ水平の状態に保持し前記接触子３を
鍵盤シャーシ５上の緩衝材４ａに当接させる。

なお、１ｂはネジ杆２の挿入及び回動をやり易くするた
めの座ぐり部であり、ＩＣは錠本体１における揺動支点
部であり、４ｂは鍵盤シャーシ５の前端上面に設けた緩
衝材である。

このような構成のもとに錠本体１の前端部を押下げれば
第６図のように支点部材６の揺動支点部１ｃを支点とし
て錠本体１は前（左）下りに傾斜し、錠本体１の中央下
面から垂下する作動子（図示せず）がスイッチ室内のア
クチュエータ（図示せず）を作動して所要の発音を促す
。

モして前端の押下げを解除すればスプリング７の引張力
で錠本体１は元の水平状態に戻り第４図のようにネジ杆
２の下端の接触子３は緩衝材４ａに当接する。

そこで、錠本体１を調整するに当っては、鍵を組立てた
状態のままで第７図イのように調整用ネジ杆２を弛める
方向に回動させれば、錠本体１の後端（右側）が下がり
前端（左端）が上がり気味となり、それだけ錠本体１の
上下運動の範囲が大きくなり、また、組立状態の鍵の前
側高さを高くしたことになる。

これとは逆に調整用ネジ杆２を締付ける方向に回動すれ
ば、錠本体１の後端が上り、前端が下がるのでそれだけ
上下運動範囲が小さくなり、また組立状態での鍵の前側
高さを低くしたことになる。

そして、鍵を取外す必要がある場合には錠本体１から引
張りスプリング７を外し、支点部材６と揺動部材１ｃと
の係合関係を解くように錠本体１を上方に持上げれば、
白鍵・黒鍵に拘らず単独に簡単に取外すことができる。

以上のように、この考案によれば組立てられた鍵盤をい
ちいち裏返すことなくそのままの状態で、ネジ杆を回動
するだけの簡単な操作で鍵の運動範囲の調整ならびに配
列具合の修正が容易にでき、しかも、その調整や修正は
微細に行うことができ、作業に手間がかからず能率が向
上し、モして各鍵は白鍵・黒鍵に関係なく単独に取外す
ことができ、且つ鍵盤シャーシの後端部上に設ける緩衝
材は各鍵に共通の一連のものとすることができるので保
守点検がやり易いなどの実用的な効果を奏する。

なお、上述のものは木製・合成樹脂製の鍵について述べ
たが、第８図のようにプラスチック部分Ａにみぞ形の金
属部分すを嵌合させた鍵にも応用できることは勿論であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の鍵の支持状態を示す一部切断側面図。 第２図イ、口は従来のストッパ装置を調整したときの状
態を示す説明図。 第３図は鍵の配列状態を示す一部の平面図。 第４図はこの考案の実施例を示す一部切断側面図。 第５図はその平面図。 第６図は作動状態を示す側面図。第７図イ、口は調整状
態を示す説明図。 第８図は鍵の変形例を示す斜視図である。 図中、１・・・・・・錠本体、１ａ・・・・・・ネジ孔
、１ｂ・・・・・・座ぐり部、１ｃ・・・・・・揺動支
点部、２・・・・・・調整用ネジ杆、３・・・・・・接
触子、４ａ、４ｂ・・・・・・緩衝材、５・・・・・・
鍵盤シャーシ、６・・・・・・支点部材、７・・・・・
・引張りスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 錠本体１における揺動支点部１ｃより後方の後端部に調
   整用ネジ杆２を螺合し、該ネジ杆２の下端に接触子３を
   取付け、該接触子３を鍵盤シャーシ５上に設けた緩衝材
   ４ａに当接させ、前記錠本体１における揺動支点部１ｃ
   と前記調整用ネジ杆２を螺合するためのネジ孔１ａとの
   中間部と、前記鍵盤シャーシ５との間に引張りスプリン
   グ７を張設したことを特徴とする鍵のストッパ装置。