JPS6030179Y2 - 紙箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は段ボール紙等の厚紙素材からなり、箱体構成の
まま２分割ができるツイン式の紙箱に関するものである
。

紙箱は物品を収納し保管及び輸送等に調法に利用されて
いる。

しかしながら収納される物品によっては、一つの箱内に
多数個収納されるものもあるし、１つしか収納できない
ものもある。

これは物品の大きさにもよるが、物品の性格もよるとこ
ろが多い。

個々に収納しなければならないような物品で且つそれほ
ど大きくない形状の物品は、独立した紙箱を形成し収納
することになるが、これらを保管したり或は輸送したり
する場合に個数がやたら多くなり、手間が掛るばかりで
なく、積重ね自体も不安定であり、作業性が悪い。

そこで、これらの中間大の大きさの物品においては、独
立した箱に収納した後に、更に倍の大きさの箱に２個宛
入れて一纏にし、輸送及び保管の便を図っている。

このように２個の物品を纒めることによって輸送及び保
管の便は著しく向上するが、余分に大きな紙箱を使用し
なければならず、物質的に考えれば不経済である。

本考案はこのような実情に鑑みなされたものであって、
その目的は輸送及び保管が便利であり、且つ個々に分割
することができ、経済的に極めて優れたツイン式の紙箱
を提供しようとするものである。

この目的を達成するためになされた本考案は、２個分の
天蓋が連設された側面を中心にして、左右に２個分の箱
体構成要素となる他の妻面及び側面を所定数連設腰両端
に位置する妻面に糊代を設けると共に、箱体が施蓋され
たままの状態で前記天蓋と側面とが縦方向に２分割でき
るようにカットテープを内側中央部に設け、該カットテ
ープが外側から引けるようにカットテープ上で且つ箱体
側面と天蓋との連設折目上にＨ形の切込を設け、該カッ
トテープに重ならないように前詰糊代に接着剤を塗布し
、該接着剤を介して糊代をカットテープに沿って側面に
貼着させたことを特徴とする紙箱であって、２個分の箱
体構成要素が一連に形成されており、箱体形成時には箱
体胴部が独立した形になり、天蓋と一つの側面とがフラ
ット□な状態で連続しており、全体として一個の箱体と
して処理でき保管及び輸送作業が容易になるばかりでな
く、小売店においては物品を収納したままでＨ形の切込
からカットテープを引くだけで２個の独立した箱体に切
離すことができ、しかも切離し部分が曲ったり裂けたり
することなくすつきりした形で体裁良く行えるのである
。

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説明すると
、１は箱体２個の巾をもつ天蓋であり、該天蓋は箱体側
面の２個分の巾をもつ側面２に折目３を介して連設され
ている。

この側面２を中心にして左右に妻面４，５、側面６，７
、妻面８゜９を夫々折目１０〜１５を介して連設し、両
端部の妻面８，９に夫々糊代１６．１７を連設しである
。

前記した天蓋１と側面２とは折目がなくフラットに形成
され略々中央部に縦方向に分割できるようにカットテー
プ１８が内側に設けられ、折目部分３の位置でカットテ
ープが外側から引けるようにＨ形の切込１９が設けられ
ている。

更に、天Ｍ１の上方自由端部には前記カットテープを境
にして一対の舌片２０，２１が連設され、側面２の下端
にもカットテープを境にして一対の底蓋構成部材のフラ
ップ２２．２３を連設しである。

各妻面４．５． ８．９の上端には夫々内フラツプ２４
〜２７を連設し、これら妻面と側面６．７の下端とに底
蓋構成部材２８〜３３を連設させ、糊代１６．１７には
自由端寄りの約半分で且外側に接着剤３４．３５が塗布
しである。

このような展開平面構造を有する紙箱を箱形状に組立て
る場合には、まず天蓋１及び側面２を中心にして一方の
箱構成要素である妻面４、側面６及び妻面８を折目１０
，１２．１４を折って中央部に集め、糊代３４をカット
テープ１８に沿って側面２に貼着させることにより一方
の箱体を形成する（第２図）。

モして底蓋構成部材のフラップ２２．２８，３０．３２
を折り畳んで接着もしくは接着テープにより押えて箱形
状を形成させる。

この場合、妻面８に設けた糊代１６と側面２との接着に
当り、接着剤３４が自由端寄りの半分に塗布されており
、該接着剤３４がカットテープ１８と重り合わないこと
が重要である。

更に前記同様の方法で他方の箱体構成要素である妻面５
、側面７及び妻面９を内側に折って側面２側に集め、接
着剤３５を介して糊代１７を側面２に貼着させ箱体を形
成させ、独立した箱体が天蓋１と側面２とにより連結し
並列に形成されるのである。

尚天蓋１及び側面２はカットテープ１８により分割され
、夫々天蓋１ａ、ｌｂと側面２ａ、２ｂになって独立し
た箱の天蓋と側面とを構成するのである。

このように連結状態に組立てられた夫々の箱体に収納物
を収納し、天蓋１を施蓋させると、第３図に示したよう
に２個の箱体が一個の箱体となって纏った形になり、こ
のままの状態で保管又は輸送に供せられるのである。

従って、箱自体も倍の大きさになり荷役作業が容易とな
るばかりでなく積重ねにおいても安定するのである。

そして小売店においてこれを独立した箱体に分割するに
は、第４図に示したように切込１９の部分からカットテ
ープ１８を矢印ａｔ ｂで示したように外側に引き、
借出の天蓋１と側面２とを夫々分割することにより、収
納物を収納したまま２個の独立した箱体に分割すること
ができるのである。

以上説明したように本考案に係る紙箱は、倍の巾をもつ
天蓋と側面とを中心にして左右に１組の箱体が形成でき
るように、他の箱体構成要素を接続して設け、前詰天蓋
と側面とに亘って縦方向に分割できるように内側にカッ
トテープを設けると共に、該カットテープが外側から引
けるようにカットテープ上の任意の位置にＨ形の切込を
設け、前記カットテープに重ならないように前記糊代に
接着剤を塗布し、該接着剤を介して糊代をカットテープ
に沿って側面に貼着させた構造であって、箱体形成時に
内部が独立した２個の箱が天蓋と側面とで安定した状態
のもとにつながった一個の箱体となっており、被収納物
を収納し保管或は輸送時においてはつながったままで取
扱えるため作業性が極めて良好であり、しかも小売店に
おいて個々に販売する時に収納物を収納したままで、ナ
イフ等の切断用治具を使用することなく、その場でＨ形
の切込からカットテープを引くだけで正確且速やかに２
個の独立した箱に分割でき、その分割面は糊代部分の接
着剤が塗布されていないため、曲ったり裂けたりするこ
となく、又接着剤がはみ出したりしていないのですつき
りした分割面となり体裁が良い等の優れた効果を奏する
。

又本考案においては、Ｈ形の切込が箱体側面と天蓋との
連設折目上に設けられているので、該Ｈ形の切込部分か
らカットテープを摘んで引張ることが容易であると共に
、カットテープを強く引張っても天蓋及び側面の連設折
目部分に強い引張力が掛るだけであり、天蓋及び側面の
自由端側から引張る場合と違って、自由端側かはがれた
りめくれたりすることなく速かに分割作業が行えるとい
う優れた効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る紙箱の展開平面図、第２図は同紙
箱の組立途上における斜視図、第３図は物品を収納した
状態における正面側斜視図、第４図は同紙箱を独立した
２個の紙箱に分割する状態を示す背面側斜視図、第５図
は第４図の■−■線に沿う拡大断面図である。 １・・・・・・天蓋、ｌａ、ｌｂ・・・・・・分割され
た天蓋、２・・・・・・側面、２ａｔ２ｂ・・・・・・
分割された側面、３．１０〜１５・・・・・・折目、４
．５．８．９・・・・・・妻面、６，７・・・・・・側
面、１６，１７・・・・・・糊代、１８・・・・・・カ
ットテープ、１９・曲・切込、２０，２１・・・・・・
舌片、２２．２３．２８〜３３・・・・・・フラップ、
２４〜２７・・・・・・内フラツプ、３４．３５・曲・
接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２個分の天蓋が連設された側面を中心にして左右に２個
   分の箱体構成要素となる妻面と側面と底面とを所定数連
   設し、両端に位置する妻面に糊代を設けると共に、箱体
   が施蓋されたままの状態で前記天蓋と側面とが縦方向に
   ２分割できるようにカットテープを内側中央部に設け、
   該カットテープが外側から引けるようにカットテープ上
   で且つ箱体側面と天蓋との連設折目上にＨ形の切込を設
   け、前記カットテープに重ならないように前記妻面の糊
   代に接着剤を塗布し、該接着剤を介して糊代をカットテ
   ープに沿って側面に貼着させたことを特徴とする紙箱。