JPS6029692Y2 - 堰止板を用いたエアフロ−メ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエアフローメータに関し、特に、内燃機関に用
いられるエアフローメータに関スる。

エアフローメータは、電子制御燃料噴射装置を備えた内
燃機関の吸気系に設置されて燃料噴射パルスを発生する
為に必要な吸入空気量を測定する為に用いられることが
多く、エアフローメータ内を通過する空気流量に応じた
電気信号を発生するものである。

かかるエアフローメータの従来例を第１図を参照して説
明する。

第１図において、ケース１は全体として管状であり、内
部に吸入空気の通路となり、かつ断面が好ましくはほぼ
四角形の空気通路２と、この空気通路２の１部が外側へ
扇状に突出したダンパー室３とを形成している。

ケース１により形成される空気通路２には、矢印Ａによ
り示される方向に空気流量を測定すべき空気量が生ずる
ように、内燃機関の吸気系等に配置される。

堰止板５は空気通路２と、ダンパー室３との上流側境界
近傍において、シャフト４を介してケース１の内壁に回
動自在に設けられている。

堰止板５は２つの板状体から戒り、一方が空気通路側端
部５ａとなり、他方がダンパー室側端部５ｂとなって、
所定角度を以ってシャフト４において結合した形状とな
っている。

空気通路側端部５ａは吸入空気流量に応じて空気通路２
内を、またダンパー室側端部５ｂはダンパー室３を、シ
ャフト４を中心に回動し、空気流がなく空気通路側端部
５ａが空気通路２を全閉するときダンパー室側端部５ｂ
がダンパー室３の容積を最大にする位置にある。

空気通路側端部５ａの自由端に対向するケース１の内壁
６は、曲面状のコンドア面になっており、このコンドア
内壁６と堰止板５の回動による空気通路側端部５ａの自
由端との間に生じる空隙の面積は吸入空気流量に比例す
る。

全閉ストッパー７はコンドア内壁６の上流に設けられ、
空気通路側端部５ａが所定角度以上回動すると空気通路
側端部の先端部が当接して堰止板５の過剰回転を防止し
て回動制限部材として作用する。

また全開ストッパー８はダンパー室側端部５ｂと対向す
るダンパー室３の内壁面に設けられており、堰止板５が
空気通路２を全開するとき、ダンパー室側端部５ｂが全
開ストッパー８に当接して堰止板５の過剰回動を防止す
る。

シャフト４はヘリカルスプリング（図示せず）によって
吸入空気流Ａにより堰止板５に付与される回動力に抗す
る方向に付勢されている。

またシャフト４はポテンショメータ部（図示せず）を駆
動させるように摺動子（図示せず）に結合されている。

上記構成を有するエアフローメータは、スロットル弁の
開弁状態により吸入空気流量が変わり、その吸入空気流
量による圧力と、ヘリカルスプリングのリターントルク
とで釣り合った角度まで堰止板５が回動し、その回動位
置に応じてポテンショメータ部（図示せず）が電気信号
を発生する。

またダンパー室側端部５ｂはダンパー室３の空気の伸縮
作用を利用して堰止板５全体の脈動を緩和している。

しかしながら、このようなエアフローメータを内燃機関
の吸気系に配置した場合、機関においてバツクファイヤ
ーＢが生じた場合、強い圧力の空気流が吸気系を逆行腰
この空気流によって堰止板５が図における反時計回りに
回転させられ堰止板の空気通路端部５ａが全閉ストッパ
ー７に当接する全閉位置に達すると空気通路が完全にふ
さがれて、圧力の逃げ場が無くなり空気通路側端部５ａ
にかかる圧力は急激に増加する。

この圧力は、空気通路側端部５ａの先端とシャフト４と
の両持ちで支える形となり空気通路側端部５ａ先端が変
形又は破損してしまう恐れがある。

空気通路側端部５ａが変形すると本来の流量特性が変化
することになり、破損するに至ってはエアフローメータ
本来の機能が完全に失なわれることになる。

本考案のエアフローメータは空気通路側端部５ａにおい
てバツクファイヤー等による逆流空気による場合の圧力
を逃す構造を有するものである。

以下、本考案の実施例を第２図、第３図及び第４図ａ、
ｂを参照して詳細に説明する。

図示した如＜、本考案によるエアーフローメータにおい
ては、空気通路側端部５ａの先端部の両側に一対の貫通
孔９が設けられており、この貫通孔９を下流側から閉塞
するように板バネ１０がビス１１によって固定されてい
る。

板バネ１０の両自由端には適当な剛性を有する一対のピ
ン部材１２が各々貫通孔９に挿通ずるように取り付けら
れである。

ピン部材１２の先端は、各々空気通路側端部５ａの上流
側の面から突出して堰止板が全閉位置にあるときピン部
材１２のみが全閉ストッパー７に当接し、堰止板５が全
閉ストッパー７に当接した状態であるとき、堰止板とコ
ンドア内壁６とに隙間ができる様にコンドア内壁６の上
流位置に空気逃げ通路１３を設けである。

板バネ１０のバネ力は、堰止板５を全閉させうるヘリカ
ルスプリング（図示せず）力と比べ非常に大きく、空気
通路側端部５ａが通常の状態で全閉している場合は第４
図ａに示す如く、ピン部材１２のみが全閉ストッパー７
に当接する。

しかしながら、空気通路側端部５ａに対してバツクファ
イヤー等による逆流空気によって堰止板５を図における
反時計回りに回転させる強力な圧力が働くと、堰止板５
は第４図すに示す如く、空気通路側端部５ａ先端が全閉
ストッパー７に当接するまで回動する。

この状態になったとき、空気通路側端部５ａと空気逃げ
通路１３との間には隙間が有す為、バツクファイヤー等
による逆流空気は排気される。

一方、バツクファイヤー等による逆流空気圧力が減少す
ると、堰止板５は板バネ１０の反力効果により板バネ１
０の反力が殆んど零になるまで戻り、第４図ａに示す如
＜、ピン部材１２のみが全閉ストッパー７に当接する状
態になる。

またピン部材１２をゴム又は合成樹脂等の弾性を有する
もので形成すれば堰止板５が全閉した状態の際全閉スト
ッパー７に衝突する異音も押える事ができる。

このように本考案によるエアフローメータによれば、空
気通路側端部に板バネを設けることにより、バツクファ
イヤー等の逆流空気圧力を無くし、堰止板先端の変形及
び破損を無くし、耐久性の向上が得られる。

さらに、ピン部材をゴム又は合成樹脂等の弾性材料によ
って形成することによリ、全閉時に発生する異音も消す
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はエアフローメータの従来例を示す断面図、第２
図は本考案によるエアフローメータの実施例を示す断面
図、第３図は本考案によるエアフローメータの空気通路
端部堰止板斜視図、第４図ａ及びｂは本考案によるエア
フローメータの堰止板が全閉時の状態を示す断面図であ
る。 主要部分の符号の説明、１・・・・・・ケース、２・・
・・・・空気通路、３・・・・・・ダンパー室、４・・
・・・・シャフト、５・・・・・・堰止板、５ａ・・・
・・・空気通路側端部、５ｂ・・・・・・ダンパー室側
端部、６・・・・・・コンドア内壁、７・・・・・・全
閉ストッパー、８・・・・・・全開ストッパー、９・・
・・・・貫通孔、１０・・・・・・板バネ、１１・・・
・・・固定ビス、１２・・・・・・ピン、１３・・・・
・・空気逃げ通路、Ａ−・・・・・吸入空気流を示す矢
印、Ｂ・・・・・・逆流空気流を示す矢印。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）空気通路を形成する管状体と、前記管状体の内壁
   に設けられて前記管状体を流れる空気流量に応じて回動
   する自由端部を有する堰止板と、前記管状体の内壁に設
   けられた前記堰止板が所定方向において所定の角度以上
   回動したとき前記自由端部と当接して前記の堰止板の回
   動を制限する回動制限部材とを含むエアフローメータで
   あって、前記堰止板は前記自由端部が前記回動制限部材
   の所定強さ以上の力で前記制限部材と当接したとき前記
   自由端部の上流及び下流側を連通せしめる弁を備え、か
   つ前記弁は前記自由端部に設けられた貫通孔を閉塞する
   ように前記自由端部の一方の側面に設けられた板状弾性
   体と、前記貫通孔に挿通されて、一端において前記板状
   弾性体に結合し他端が前記自由端部の他方の側面から突
   出するようになされたピン部材とからなるエアフローメ
   ータ。
2. （２）前記回動制限部材に前記自由端部が当接して前記
   弁が開くとき、前記弁と連通ずる空気逃げ通路を前記制
   限部材が有することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のエアフローメータ。
3. （３）前記ピン部材は、ゴム弾性体からなることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のエアフロー
   メータ。