JPS6028079Y2 - 加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一般に加熱装置に関腰例えばガソリン内燃機関
における気化のための加熱装置として利用することがで
きる。

内燃機関のエンジンルーム内での燃料の最適な燃焼動作
を確保するためには、微少な粒径のガソリンと空気を理
論空燃比に基すいてガス化して供給することが必要であ
るが、エンジンの始動時においてはインテークマニホー
ルド及び燃料通路が冷えているために、ガソリンと空気
の混合気体が燃焼室に送られる前に再液化し燃焼室内に
液体となって流れ込むことがある。

このことは、内燃機関の燃費を悪化させると共に有害な
排気ガスを排泄するなどの問題点を提起する。

この傾向は特に冬期におけるエンジンの始動時に著しい
。

この点を改善するために、電流により加熱される正の温
度係数を有するサーミスタ素子（以下ＰＴＣ素子と云う
）をインテークマニホールドの底部近傍に配置し、加熱
によりガソリンを気化させる技術が提案されている（例
えば実願昭５３−１０６６２９）。

この種の加熱手段に要求される一般的条件としては、（
１）ＰＴＣがガソリン雰囲気により劣化するのでＰＴＣ
は燃料ガスに直接後しないこと、（２）発熱を効率よく
インテークマニホールド内に放散させるための放熱効果
が優れていること、及び（３）発熱がエンジンの外壁か
ら逃れるのを防止するために加熱手段は断熱材を介して
エンジン外壁に固定すること、等を挙げることが出来る
。

以上のごとき条件から従来の加熱装置は構造が複雑であ
り、特にエンジン外壁に固定するための作業工数が多い
という欠点を有する。

従って本考案は従来の技術の上記欠点を改善するもので
、その目的は単純な構造で量産に適した加熱装置を提供
することにあり、その特徴は、断熱材による外筐と放熱
用金属薄板とをインジェクションにより一体成形し、当
該外筐の中にＰＴＣ素子を収容することき加熱装置にあ
る。

以下図面により実施例を説明する。

第１図は本考案による加熱装置１０を内燃機関のインテ
ークマニホールドに応用した例で、１はインテークマニ
ホールド、２はチョークバルブ、３はノイズ、４はペン
チエリ−１５は霧化状のガソリン、６はスロットバルブ
、７は燃焼室に通ずる通路を示し、インテークマニホー
ルドの底部に加熱装置１０が固定される。

この装置の動作は、エアクリーナ（図示なし）を介して
供給される空気流Ａをチョークバルブ２により流量調節
して取込み、ノズル３から供給されるガソリンを霧化し
、ガソリンと空気の混合気をスロットバルブ６により流
量調節して通路７を介して燃焼室に送り込むものである
。

このとき加熱装置１０により混合気体が加熱されるので
ガソリンが再液化することはない。

第２図Ａ及びＢは本考案による加熱装置の外筐の平面図
及び断面図を示す。

参照番号１１は断熱性の良い材料（例えはガラス入りテ
フロン）により構成される筒で、筒１１の一端開口部を
閉塞するように、筒１１の一端には金属薄板１２が、イ
ンジェクトジョンにより筒と一体成形されている。

金属薄板１２は例えば銅又はアルミニウムのごとく電気
及び熱の良導体でなっている。

筒１１にはネジ１３が貫通し、筒の底部で露出するネジ
頭１３ａと金属薄板１２とはネジ１３を介して電気的に
接続されて給電手段が施られているものである。

筒の他端には断熱材によるつば１４と１５が結合腰これ
らにもうけられる孔１４ａ及び１５ａにより本加熱装置
が被加熱装置に固定されるものとする。

第３図は本考案による加熱装置の組立完戊図を示す。

金属薄板１２の上部には、筒１１の外側に向けて、放熱
手段１６が結合する。

放熱手段１６は図示のごとく複数の針状部材を有腰もっ
て大きな表面積により金属薄板１２の熱を放散する構造
をとるものである。

一方金属薄板１２の下面には板状のＰＴＣ素子１７が接
する。

ＰＴＣ素子１７の電極薄板１２と対向する面には電極板
１８が設けられている。

電極板１８にはコイルバネ１９の一端が当接している。

コイルバネ１９の他端は底板２１上に設けられている電
極板２０に当接している。

底板２１は断熱材により構成され、筒１１の下端のつば
に固定される。

この固定は、孔１４ａ、１５ａにビスを通すことにより
行なわれる。

この結果、ＰＴＣ素子１７はコイルバネ１９により押圧
されて固定される。

従って筒１１と金属薄板１２と底板２１とで囲まれた部
屋は外部から密閉されている。

底板２１にはネジ２２により電極板２０が固定され、ネ
ジ頭２２ａにはリード線２３が接続されである。

次に金属薄板１２と電気的に接続する他のリード線２４
はネジ１３の一端のネジ頭１３ａに接続されである。

また、ネジ１３の他端は金属薄板１２の一部と螺着され
、結果的にはリード線２４と金属薄板１２は電気的に接
続されると云う給電手段が施されて本考案の加熱装置が
構成されている。

以上の構造において、リード線２３と２４の間に通電す
ると、リード線２３−ネジ２２−電極板２０−コイルバ
ネ１９−電極板１３−ＰＴＣ素子１７−金属薄板１２−
ネジ１３−リード線２４からなる通路に電流が流れ従っ
てＰＴＣ素子１７が発熱する。

ＰＴＣ素子の発熱は金属薄板１２を介して放熱手段１６
に伝わり、ここから放熱される。

なお本加熱装置を第１図のごと（用いるときは、一方の
リード線２４を省略してエンジ外壁により電流路を代行
させることが可能である。

最後に本考案に特有の効果を列挙する。

１ 筒１１と底板２１との間の封止構造が単純で封止機
能が良好であるので、従来のごとく（実Ｍ昭５３−１０
６６２９）、ガスケットやパツキンが不要であり、結果
的に加熱装置の構造が単純化される。

２ 放熱部材１６と断熱部材１１とを直接結合する必要
がないので製造工程が単純化される。

３ 放熱部材１６が金属薄板１２を介して直接サーミス
タ素子（発熱体）に接するので熱応答性に優れている。

４ サーミスタ素子が正の温度係数を有するので、加熱
により電気抵抗が増大して、電流を減少させ、自動制御
機構が作用する。

５ 一般に板状電極は、高温下においては内部ひずみに
より変形が生じ、一定の接触圧力による通電が困難にな
るが、本発明によれば電極板１８及び金属薄板１２はコ
イルバネ１９により、ＰＴＣ素子１７に適切に押圧され
て保持されるので、通電は常に保証され、効率の良い加
熱が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による加熱装置を実装した内燃機関の構
造例、第２図Ａと第２図Ｂは本考案による加熱装置の外
筐の構造例、第３図本考案による加熱装置の構造例であ
る。 １０；加熱装置、１１；筒、１１；外筐、１２；金属薄
板、１３；ネジ、１４，１５．つば、１６；放熱部材、
１７；サーミスタ素子、１８゜２０；電極板、１９；コ
イルバネ、２１；底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端開口部を閉塞するように一端に金属薄板が一体成形
   されており断熱材により構成された筒からなる外筐と、
   前記金属薄板に結合し前記筒の外側に向かってのびた複
   数の針状部材からなる放熱手段と、前記筒内にあって一
   面が前記金属薄板に接触するサーミスタ素子と、一端が
   前記サーミスタ素子の他面に設けられた電極板に当接し
   てサーミスタ素子を支持しかつ該サーミスタ素子に給電
   を行なうコイルバネと、該コイルバネの他端を押圧しか
   つ前記サーミスタ素子を前記筒内に密閉するため前記筒
   の前記筒の底部を閉じる底板と、前記外筐の側壁内部を
   通り前記金属薄板に給電する給電手段とを有することを
   特徴とする加熱装置。