JPS6027840Y2 - 遠心送風機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、遠心送風機に関し、特にその吸込ダクトの改
良をはかった遠心送風機に関する。

従来の遠心送風機としては第１図および第２図に示すよ
うなものがあり、その吸込ダクト１は、一端が開口した
箱体で、その他端の側面には、円形に開口して羽根車３
へ連通ずる吸込口２が形成されている。

羽根車３は吸込口２の下流にこれと中心軸線を一致させ
て設けられ、この回転軸４を介して回転できるようにな
っている。

また羽根車３の外部を囲んだ箱体としてのスクロール６
が、その下流に吐出ロアをそなえて設けられている。

さらに吸込ダクト１内のガス流路には、複数のフィン状
の人口ダンパ８が、ダンパ軸９によって回動できるよう
に設けられている。

吸込ダクト１に導かれたガス吸込口２より全周から羽根
車３へ流入する。

そして羽根車３は回転軸４によって高速回転し、流入し
たガスを遠心力により昇圧して羽根車出口５から吐出す
る。

このようにして吐出されたガスはスクロール６を経て吐
出ロアから押し出される。

一方、人口ダンパ８は吸込ダクト１の流路にあって、ダ
ンパ軸９を中心として回動することにより風景が調節さ
れる。

一般に遠心送風機は、第３図に示すような送風機性能曲
線１０および送風ダクト系の抵抗曲線１１を有し、この
両者の交点１２がこの送風機の作動点となっている。

ところが、上述の従来の遠心送風機では、ダンパ開度が
全開のとき、もう一つの性能曲線１０′が現れることが
ある。

この現象は、吸込ダクト１内においてガスの流れがどち
らかへ片寄り、それによって吸込口２に旋回流を生じる
ために起る。

この結果、一本の抵抗曲線１１に対して二つの作動点１
２．１２’が生じ、どちらで作動するか一定しない。

したがって送風機の運転中に作動点が終始変動すること
になり、したがって風量も変動するという欠点がある。

本考案は、遠心送風機において上述の二重性能曲線を生
じる現象を解消させて、その送風量を安定させることを
目的とする。

このため本考案の遠心送風機は、入口ダンパの下流側に
、羽根車入口へ円形に開口して連通ずる吸込口をそなえ
た吸込ダクトにおいて、上記吸込ダクトの内面に少なく
とも一端を接し上記吸込口の中心軸線に向かって仕切板
が設けられるとともに、上記人口ダンパの下流側に、同
人ロダンパに近接して、ガス流の一部を主流の旋回方向
と逆方向に導くための案内板が、上記吸込口の中心軸線
に平行に且つ非対称的に設けられたことを特徴としてい
る。

上述の本考案の遠心送風機では、人口ダンパの全開時に
、吸込ダクト内のガスの流れの片寄りによって生じる吸
込口の旋回流が、仕切板により防止され、これにより風
量の変動が少なくなる。

また入口ダンパを傾けて絞った場合、吸込口の中心軸線
に平行で且つ非対称的に設けられた案内板が、主流の一
部を主流の旋回方向と逆方向に導くので、吸込口付近の
流量分布が一様化されて、性能の低下や振動の発生を防
止することができる。

以下、図面により本考案の実施例について説明すると、
第４図および第５図はその第１実施例としての遠心送風
機の縦断面を示すもので、第４図は第５図のＶＩ−ＶＩ
線にそう縦断正面図、第５図は第４図の■−■線にそう
縦断側面図である。

第４，５図に示すように、本考案の遠心送風機も、上流
側の端部が開口した箱体としての吸込ダクト１をそなえ
ておりこの吸込ダクト１の下流側の端部の側面には円形
に開口して羽根車３へ連通ずる吸込口２が形成されてい
る。

また第４，５図中、第１，２図と同じ符号は、同様の部
分を示す。

本考案の遠心送風機は、第４，５図に示すごとく、さら
に仕切板１３を吸込ダクト１の下流端の内壁面にそなえ
ており、この仕切板１３は吸込口２の中心軸線２ａへ向
かって、中心軸線２ａを含む平面に沿うように設けられ
ていて、その高さは吸込口２の中心軸線２ａを越えない
範囲で適宜の値に決められる。

また吸込ダクト１の入口ダンパ８の下流側において、こ
の人口ダンパ８に近接して、ガス流の一部を主流の旋回
方向と逆方向に導くための複数の案内板１４が、吸込口
２の中心軸線に平行に且つ非対称的に設けられる。

すなわち、第４図に示すごとく、羽根車３が時計廻りの
ときは、案内板１４は吸込ダクト１の中央より左半部へ
偏倚した位置に設けられるが、逆に羽根車３が反時計方
向廻りのときは、案内板１４は吸込ダクト１の中央より
右半部へ偏倚した位置に設けられる。

上述の構成により、入口ダンパ８の開度が全開のとき、
吸込ダクト１内のガスの流れの片寄りによって生ずる吸
込口２の旋回流が、仕切板１３によって防止される。

この結果、第３図の二重性能曲線が現れなくなり、風量
の変動がなくなる。

また人口ダンパ８を反時計方広に傾けて絞った場合、第
６図に示すごとく案内板１４が無いと、ガスの大部分は
右半部に流れるが、仕切板１３により左半部へのガス流
のまわり込みがさえぎられて、周方向の流量のアンバラ
ンスを生じ、性能が低下するだけでなく振動などの原因
となる。

しかし本考案の遠心送風機では、第７図に示すごとく、
上記の原因を除くため案内板１４が、吸込口２の中心軸
線に平行に且つ非対称的に取付けられているので、右半
部へ流れようとするガスの一部がさえぎられて左半部へ
案内され、これにより吸込口２付近の周方向の流量分布
が一様化されて、性能低下や振動などの発生を防ぐこと
ができる。

このように入口ダンパ８付きの吸込ダクト１に、仕切板
１３と案内板１４とが設けられることによって、入口ダ
ンパ全開時のみならずこれら人口ダンパ８を絞り込んで
いった場合でも、広い範囲に亘って、羽根車３への流入
流体のアンバランスをなくすことができるのである。

第８図は本考案の第２実施例としての遠心送風機の概略
を示す縦断正面図であって、この第２実施例では仕切板
１３が、吸込ダクト１の中心線２ｂに対して、適当な角
度θだけ傾けて設けられている。

そして、その他の部分は第１実施例と同じで、第８図中
、第４図と同一の部分は同一記号と付しである。

上記角度θは調節すべき風量範囲に従って定められ、こ
れによりダンパ全開時の二重性能曲線の問題点を解消す
ることができる。

またダンパ８を絞った場合は、第１実施例の場合と同様
に、案内板１４の作用で吸込口２付近の周方向の流量分
布が一様化され、これにより性能の低下や振動の発生が
防止される。

以上詳述したように、本考案の遠心送風機によれば、人
口ダンパの下流側に、羽根車入口へ円形に開口して連通
ずる吸込口をそなえた吸込ダクトにおいて、上記吸込ダ
クトの内面に少なくとも一端を接し上記吸込口の中心軸
線に向かって仕切板が設けられるとともに、上記入口ダ
ンパの下流側に、同人ロダンパに近接して、ガス流の一
部を主流の旋回方向と逆方向に導くための案内板が、上
記吸込口の中心軸線に平行に且つ非対称的に設けられる
ので、従来問題とされていた二重性能曲線の現象を解消
させて、風量の変動を防止することができる。

また吸込口付近の流量分布が一様化されて性能の低下や
振動の発生を防止することができ、全体として送風量の
安定化が効率よく実現されるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の遠心送風機の縦断面を示す
もので、第１図は第２図のＩ−Ｉ線における縦断正面図
、第２図は第１図の■−■線における縦断側面図であり
、第３図は従来の遠心送風機の特性を示すグラフであり
、第４図および第５図は本考案の第１実施例としての遠
心送風機の縦断面を示すもので、第４図は第５図のＩＶ
−ＩＶ線における縦断正面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ
線における縦断側面図であり、第６図および第７図はい
ずれも遠心送風機の作用を示す説明図であり、第８図は
本考案の第２実施例としての遠心送風機の概略を示す縦
断正面図である。 １・・・・・・吸込ダクト、２・・・・・・吸込口、２
ａ・・・・・・吸込口の中心軸線、２ｂ・・・・・・吸
込ダクトの中心線、３・・・・・・羽根車、４・・・・
・・回転軸、５・・・・・・羽根車出口、６・・・・・
・スクロール、７・・・・・・吐出口、訃・・・・・入
口ダンパ、９・・・・・・ダンパ軸、１０，１０’・・
・・・・性能曲線、１１・・・・・・抵抗曲線、１２，
１２’・・・・・・作動点、１３・・・・・・仕切板、
１４・・・・・・案内板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 人口ダンパの下流側に、羽根車入口へ円形に開口して連
   通ずる吸込口をそなえた吸込ダクトにおいて、上記吸込
   ダクトの内面に少なくとも一端を接し上記吸込口の中心
   軸線に向かって仕切板が設けられるとともに、上記人口
   ダンパの下流側に、同人ロダンパに近接して、ガス流の
   一部を主流の旋回方向と逆方向に導くための案内板が、
   上記吸込口の中心軸線に平行に且つ非対称的に設けられ
   たことを特徴とする、遠心送風機。