JPS6027748Y2 - 自転車用スプロケツト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用スプロケット装置、詳しくは主として
自動車用後ハブに支持される駆動体などの回転部材に１
枚若しくは２枚以上のスプロケットを回転不能に取付け
て成る自転車用スプロケット装置に関する。

一般に此種スプロケット装置は、前記回転筒体の外周に
、軸方向に多数の凹溝を形成して、これら凹溝間に嵌合
部を形成すると共に、前記筒体に取付けるスプロケット
の内周面に、前記嵌合部に嵌合する凹入部を形成腰これ
ら凹入部を前記嵌合部に嵌合させて前記スプロケットを
前記筒体に差込み、ナツトや止リングなどの固定手段で
取付けている。

しかして、前記筒体に取付けるスプロケットが２枚以上
の場合、一つのスプロケットを差込んだ後間座を介して
次位のスプロケットを差込んで取付けるのであるが、今
２枚のスプロケットを取付けた２段変速のスプロケット
装置において、このスプロケット装置を用いて単段のス
プロケット装置に変更する場合、前記間座とは長さの異
なる間座を用いる必要があって、部品点数を増加する問
題があると共に、前記凹溝に嵌合する突起を設ける必要
があって、単純な筒形形状の間座を用いられない問題が
あった。

本考案は、以上の如き従来の問題点に鑑み考案したもの
で、目的は２枚以上のスプロケットを備えた多段変速の
スプロケット装置において、段数の異なるスプロケット
装置に変更する場合、特別な間座を用いることなく簡単
かつ確実に変更できるスプロケット装置を提供する点に
ある。

即ち本考案は前記筒体の外周に、高さの低い第１嵌合部
と、該第１嵌合部より高さの高い第２嵌合部とを段部を
介して軸方向の配置した主嵌合部を突設すると共に、前
記第１嵌合部とほぼ同じ高さの第３嵌合部を前記主嵌合
部に対し周方向に変位した位置に突設する一方、前記ス
プロケットの内周面に、前記第１及び第３嵌合部に嵌合
する深さの浅い第１凹入部と、前記第２嵌合部に嵌合す
る深さの深い第２凹入部とを、前記主嵌合部と第３嵌合
部との突設位置に対応して周方向に形成したことを特徴
とするものである。

以下本考案装置の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示したものは、自転車における後ノ＼ブに適用
したもので、１はバブ軸、２は該バブ軸１に回転自由に
支持されるバブ胴であって、このノ＼ブ胴２の軸方向一
方に設けるエンド部材３に筒状の従動部材４を設け、こ
の従動部材４に１対の軸受手段５，６と一方向回転伝動
機構７を介して本考案スプロケット装置を支持したもの
である。

本考案スプロケット装置は、前記軸受手段５゜６により
支持される回転筒体８と、この筒体８に回転不能に支持
する中心孔をもつスプロケット９とから成るもので、前
記筒体８の外周に、高さの低い第１嵌合部８１と該第１
嵌合部８１より高さの高い第２主嵌合部８２とを段部を
介して軸方向に配置した嵌合部８０を突設すると共に、
前記第１嵌合部８１とほぼ同じ高さの第３嵌合部８４を
、前記主嵌合部８０に対し周方向に変位した位置に突設
する一方、前記スプロケット９の中心孔内周面に前記第
１及び第３嵌合部８１．８４に嵌合する深さの浅い第１
凹入部９１と前記第２嵌合部８２に嵌合する深さの深い
第２凹入部９２とを、前記主嵌合部８０と前記第３嵌合
部８４との突設位置に対応して周方向に形成したのであ
る。

図面に示したものは、前記回転筒体８の外周に、一方を
開放した軸方向に向かう多数の凹溝８３を等間隔に設け
て、こられ凹溝８３間に３つの前記主嵌合部８０を形成
すると共に、この主嵌合部８０間に前記主嵌合部８０の
第１嵌合部８１と同じ高さをもつ第３嵌合部８４をそれ
ぞれ２つ宛合計６つ形成し、そして前記スプロケット９
の中心孔内周面に形成する第２凹入部９２を３つとし、
これら第２凹入部９２間にそれぞれ２つ宛合計６つの第
１凹入部９１を形成したものである。

しかして図面に示した構成において、第１図及び第５図
のごとく、２枚のスプロケット９ａ、９ｂを前記筒体８
に組付けて２段変速のスプロケット装置を形成する場合
について説明する。

この場合前記スプロケット９ａ、９ｂの中心孔は同径と
し、同形の第１及び第２凹入部９１．９２を設けるので
あって先ず歯数の多い低速側スプロケット９ａを前記筒
体８の組込んだ後間座１０を介して歯数の少ない高速ス
プロケット９ｂを組込み、そして前記第１及び第３嵌合
部８１．８４に形成する係合溝８５に止めリング１１を
嵌合して形成するのであって、前記低速側スプロケツ）
９ａの組込みは、前記第２凹入部９２を前記主嵌合部８
０に位置させ、前記第１嵌合部８１を通過させて第２嵌
合部８２に嵌合させるのである。

尚前記高速側スプロケット９ｂの組込みは、前記第１及
び第３嵌合部８１．８４の高さを同じ高さとしており、
また間座１０で位置決めするので、前記第１及び第２凹
入部９１，９２の嵌合部に対する位置は制約されない。

次に以上の如く形成した２段変速のスプロケット装置を
第６図のごとく単段のスプロケット装置に変更するには
、所望の歯数をもったスプロケット９の第１凹入部９１
を前記第１嵌合部８１に嵌合させて組込むことにより行
なうのであって、第１嵌合部８１に嵌合した前記第１凹
入部９１は、前記第２嵌合部８２の段部に接触し、それ
以上移動できないことになり、この状態で、前記止めリ
ング１１を嵌合することにより単段のスプロケット装置
を形成できるのである。

尚、前記間座１０は単純な筒形形成でよい。

また前記止めリング１１は、前記筒体８に組込むスプロ
ケット９を固定するための一手段であって、この固定手
段は、前記止めリング１１に限定されることはない。

又以上説明した実施例は２段変速のスプロケット装置と
して単段のスプロケット装置に変更するごとくしたもの
であるが、２段変速以上の場合でも同様に適用できる。

この場合複数枚のスプロケット９・・・は、その中心孔
を同形とし、同じ形成の第１及び第２．凹入部９１．９
２を設けるのであり、また前記主嵌合部８０には、更ら
に高さの異なる嵌合部を軸方向に設けるのである。

以上の如く本考案は、スプロケットにおける第１凹入部
と第２凹入部との筒体における第１及び第２嵌合部への
嵌合位置を第１及び第２嵌合部への嵌合位置を変更する
ことにより、２段から単段などに段数の変更が簡単容易
に行なえるのである。

又、第３嵌合部を前記第１嵌合部と同じ高さとし、主嵌
合部に対し周方向に変位した位置に突設したので、２段
仕様及び単段仕様の何れにおいても前記第３嵌合部を前
記第１凹入部又は第２凹入部へ嵌合させることによりス
プロケットから前記筒体への動力伝達をより確実に行な
えるのである。

しかも、前記第１及び第２嵌合部を段部を介して軸方向
に配置したから、この段部を利用して、例えば２枚の前
記スプロケットを取付けて２段変速のスプロケットを構
成する場合、間座を省略することができるし、特に２段
変速のスプロケット装置から単段スプロケット装置に変
更する場合でも、特別な間座を用いる必要がないのであ
る。

従って、従来例のように部品点数を増大する問題を解消
できるし、又、組換え操作も簡単にできるのである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案装置の一実施例を適用した後ノ１ブの１
部切欠正面図、第２図は回転筒体の斜視図、第３図は同
じく回転筒体の側面図、第４図はスプロケットの正面図
、第５図及び第６図は要部の断面図である。 ８・・・・・・回転筒体、９・・・・・・スプロケット
、８１・・・・・・第１嵌合部、８２・・・・・・第２
嵌合部、９１・・・・・・第１凹入部、９２・・・・・
・第２凹入部、８０・・・・・・主嵌合部、８４・・・
・・・第３嵌合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転筒体にスプロケットを回転不能に支持して成る自動
   車用スプロケット装置であって、前記筒体の外周に、高
   さの低い第１嵌合部と、該第１嵌合部より高さの高い第
   ２嵌合部とを段部を介して軸方向に配置した主嵌合部を
   突設すると共に、前記第１嵌合部とほぼ同じ高さの第３
   嵌合部を前記主嵌合部に対し周方向に変位した位置に突
   設する一方、前記スプロケットの内周面に、前記第１及
   び第３嵌合部に嵌合する深さの浅い第１凹入部と、前記
   第２嵌合部に嵌合する深さの深い第２凹入部とを、前記
   主嵌合部と第３嵌合部との突設位置に対応して周方向に
   形成したことを特徴とする自転車用スプロケット装置。