JPS6027729Y2

JPS6027729Y2 - 農用トラクタの操向装置

Info

Publication number: JPS6027729Y2
Application number: JP14097978U
Authority: JP
Inventors: 里士安原
Original assignee: ヤンマーディーゼル株式会社
Priority date: 1978-10-14
Filing date: 1978-10-14
Publication date: 1985-08-21
Also published as: JPS5556774U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は農用トラクタの操向装置に関する。

農用トラクタにおいては、管理作業等各種の作業に対応
させるため、フロントアクスルに軸方向の取付位置を自
在にして伸縮軸を取付け、この伸縮軸の取付位置を変え
ることによって、トレッドを調節するようにしたものが
、一般に用いられている。

この場合の操向装置は、第１図に示すように、左右の伸
縮軸１，１先端のキングピン２，２に取付けた両ナック
ルアーム３，３間にタイロッド４を連続し、一方のナッ
クルアーム３と一体又はこれと略同じ位置に取付けた操
向アーム５と、操向ハンドル６によって回動されるピッ
トマンアーム７との間にドラグロッド８を連結し、この
ドラグロツド８から操向アーム５．ナックルアーム３．
３及びタイロッド４を介して、前輪９，９を水平方向に
回動させるよう構成されている。

かかる構成において、伸縮軸１，１を外方へ突出させて
トレッドを広くすると、ドラグロツド８の先端も外方へ
傾斜することになるが、トレッドの調節範囲を１３０ｈ
〜２００−というように広い範囲に亘って行なう場合、
トレッドを広くするに従って、前車軸部の上下方向のス
イングによる影響が著しくなり、ステアリングの切れ角
がオーバーしてハンドルの取られが大きくなる等の種々
の不都合があった。

本考案はこのような従来の欠点に鑑みて、トレッドの調
節によって何ら影響されることのない操向装置を提供す
ることを目的とするもので、タイローラド上の一点が円
弧に近似した軌跡を描くのに着目して、このタイロッド
の一点を動かす操向アームを、フロントアクスルに取付
けてドラグロツドの先端に連結し、この操向アームから
タイロッドを介して左右の両ナックルアームを回動させ
るよう構成したものである。

本考案の構成を一実施例を示す図面に基づいて説明する
と、第２図及び第３図において、１１は、その上部にエ
ンジンなどを塔載するブラケットであって、このブラケ
ット１１の下面には、中央に設けたセンターピン１２を
介して、方形筒形の断面を有するフロントアクスル１３
が上下回動自在に取付けられる。

第２図に示す１４ａ、１４ｂは、このフロントアクスル
１３に左右両端から挿込んだ伸縮軸であり、この伸縮軸
１４ａ、１４ｂの側面には、適宜間隔を置いて多数の係
合孔１５が穿設され、この係合孔１５の一つと、フロン
トアクスル１３に穿設した係合孔（図示せず）にボルト
１６，１６を挿込んでその位置を固定し、トレッドの調
節は、両係合孔の組合せを変えることによって行ない、
このようにして伸縮軸１４ａ、１４ｂの取付位置を自在
としである。

また、この伸縮軸１４ａ、１４ｂの先端には、キングピ
ン１７ａ、１７ｂが傾斜して回動自在に取付けられ、第
３図に示すように、このキングピン１７ａｔ１７ｂの下
端に取付けた前輪軸１８ａ、１８ｂには、バブ１９を介
して前輪２０ａ、２０ｂを取付けられ、キングピン１７
ａ、１７ｂの上端には左右同一のナックルアーム２１ａ
、２１ｂが固定される。

２２は、これら両ナックルアーム２１ａ、２１ｂ間に連
結されるタイロッドであって、長尺のタイロッド本体２
３と、その両端に挿入したタイロッドエクステンション
２４ａ、２４ｂとから構成される。

一方、２５は、Ｌ形に形成され、かつ、第４図に示すよ
うに、その一方の先端にＬ形の軸支部材２６を固定して
、該先端をコの字形に形成した操向アーム、２７は、前
記伸縮軸１４ａ、１４ｂを除いたフロントアクスル１３
部の一個所に、ボルト２８によって固定したアームブラ
ケットであって、操向アーム２５は、その屈曲部におい
て、このブラケット２７に回動軸２９を介して回動自在
に取付けられ、コの字形に形成していない他方の先端は
、ドラグロツド３０の前端に連結される。

なお、このドラグロツド３０の後端は、操向バンドルに
よって回動するピットマンアームに連結されること従来
と同様である。

次に、３１は、前記のタイロッド２２に緩く嵌合する横
方向に長い楕円形の筒軸３２と、該筒軸３２の上下に固
着した係合軸３３．３３とからなるホルダーであり、そ
の保合軸３３において、前記操向アーム２５のコの字形
部３４に回動自在に取付けられる。

３３ａはブツシュである。また、３５は、前記筒軸３２
の一方の側において、タイロッド２２の外周に形成した
大径のフランジ、３６は、筒軸３２の他方の側に取付け
るクランプ、３７は、これら筒軸３２とクランプ３６と
の間に嵌合したスペーサーである。

このクランプ３６は、タイロッド本体２３とエクステン
ション２４ｂとの固定と、筒軸３２がタイロッド２２上
を一方に移動しないようにするための固定の両方の役割
をなすもので、第５図〜第７図に示すように、タイロッ
ドエクステンション２４ｂに適宜間隔を置いて形成した
多数の半月形の切欠部３８の一つと、タイロッド本体２
３の切欠部３９に形成した切欠部４０とを適合させ、こ
のクランプ３６の開放部４１と両切尖部３８，４０にボ
ルト４２と嵌挿して締付固定するもので、これら両切尖
部３８．４０の適合位置を変えることによってタイロッ
ド２２の長さを伸縮させるものである。

なお、筒軸３２の他方への移動は前記のフランジ３５に
よって防止される。

すなわち、この実施例では、タイロッド本体２２より突
出し、かつ、左右方向に相対向するフランジ３５とクラ
ンプ３６とが、本考案の突出部を構成する。

また、第２図の４３は、タイロッド本体２３と他方のエ
クステンション２４ａとを固定するためのもう一つのク
ランプであり、上記と同様の構造である。

なお、筒軸３２をタイロッド２２に緩く嵌合させたのは
、キングピン１７ａ、１７ｂが傾斜していることによっ
て、操作中にタイロッド２２が上下方向に揺動するのを
回避するため、上下面に隙間４４を持たせたものであり
、楕円形としたのは、操向アーム２５の回動点を中心と
する筒軸３２の回動とタイロッド２２の横方向の移動を
円滑に行なわせるため、前後面に隙間４５．４５を持た
せたものである。

上記の構成において、操向バンドルの操作によって、ド
ラグロツド３０を前後方向に移動させると、該ドラグロ
ツド３０の前端に連結された操向アーム２５が回動し、
この操向アーム２５は、ホルダー３１の筒軸３２を左右
方向へ移動させ、該筒軸３２がフランジ３５及びクラン
プ３６の一方を押して、タイロッド２２を左右の一方に
押動させるから、これによってナックルアーム２１ａ。

２１ｂ及びキングピン１７ａ、１７ｂが回動し、前輪２
０ａ、２０ｂを水平方向に回動させ、このようにして操
向されるものである。

本考案は上記のような構成であり、このように本考案に
おいては、ドラグロツドによって回動される操向アーム
を伸縮軸を除いたフロントアクスル部へ回動自在に取付
けるともに、該操向アームの一端をタイロッド本体に連
結して、このタイロッドを介して左右のナックルアーム
を回動させるよう構成しているから、伸縮軸及びタイロ
ッドエクステンションを外方に突出させてトレッドをど
のように広くしても、操向アームの位置は常に一定であ
り、ドラグロツドの角度も常に変らず、したがって、ト
レッドを広くするに従ってバンドルの取られ方が大きく
なるという従来の欠点が解消されて、常に安定した操向
を行なうことが可能となるとともに、従来、トレッドを
広くするとピットマンアーム、ドラグロツド、ナックル
アームの相互の角度が代ることによって、リンク効率が
低下する欠点があったが、本考案ではこのような欠点が
なくなるのである。

また、従来、フロントアクスル部の上下方向のスイング
による影響を逃げるため、ピットマンアームとドラグロ
ツドの連結部にはボールジヨイントを用いてあり、トレ
ッドを広くするとドラグロツドが外方へ傾くため、この
ボールジヨイントの動作角が狭められ、早期の損傷を招
くという不都合があったが、本考案ではこのような欠点
が解消される等、トレッド調節による影響が全て回避さ
れるとともに、更には、操向アームとの連結部がタイロ
ッドの途中に設けられることになるから、該タイロッド
はこの連結機構により補強されて強固となり、操作力が
確実に伝わることになる。

更に、本考案では、操向アームの先端をタイロッドへ連
結するに際し、該タイロッドを分割して別々に連結する
のでなく（例えば、実開昭４８−５４３４号公報参照）
、タイロッド本体外周に設けた一対の突出物を、操向ア
ームに枢支したホルダーで押動させるようにしており、
そのため、タイロッドは左端から右端まで常に一体とし
て動くので、上記分割したもののように、操向アームと
各分割タイロッドとの連結部の誤差或いはは摩耗量の差
によって、左右操向輪の動作にも差を生じさせて操向性
能を低下させるという欠点がない。

また、本実施例の如く、ホルダー３１の筒軸３２をタイ
ロッド２２に緩く嵌合すれば、該タイ田ンドの揺動によ
る影響を極めて簡単な構造で回避できるという利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示すトラクタの一部平面図、第２図は
本考案の一実施例を示すフロントアクスル部の平面図、
第３図は同じく一部縦断正面図、第４図は操向アーム部
の縦断側面図、第５図はホルダー取付部の縦断平面図、
第６図はタイロッド本体先端の背面図、第７図はクラン
プの取付状態を示す横断面図である。１３・・・・・・フロントアクスル、１４ａ、１４ｂ・
・・・・・伸縮軸、２１ａ、２１ｂ・・・・・・ナック
ルアーム、２２・・・・・・タイロッド、２５・・・・
・・操向アーム、３０・・・・・・ドラグロツド、２３
・・・・・・タイロッド本体、２４ａ、２４ｂ・・・・
・・タイロッドエクステンション、３１・・・・・・ホ
ルダー、３５・・・・・・フランジ（突出部）、３６・
・・・・・クランプ（突出部）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

フロントアクスルの両端に、その軸方向の取付は位置を
変更自在とした伸縮軸を設け、この伸縮軸の取付位置を
変更することによってトレッドを調節するようにした農
用トラクタにおいて、前記伸縮軸を除くフロントアクス
ル部に、操向アームを回動自在に取付けるとともに、こ
の操向アームの一端を操向ハンドルによって操作される
ドラグロツドに連結する一方、その両端に左右方向の長
さを延長できるエクステンションを備え、かつ該エクス
テンションを左右のナックルアームに連結したタイロッ
ド本体外周に左右一対の突出部を設け、この突出部間に
配置されて該突出部を介して上記タイロッドを押動させ
るホルダーを、前記操向アームの他端へ枢支連絡してな
る農用トラクタの操向装置。