JPS6027720Y2 - 乗物装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、サファリパーク、観光牧場、スポーツセンタ
、サイクルセンタ、自然公園や住宅地域等の広大な起伏
のある地域内の一地点から他の地点に人員を輸送し周遊
させ、特に該地域内の一部に急勾配斜面が存在していて
もそれを有効に利用する周遊用の乗物装置に関する。

従来この種の乗物装置としてモルレールが考えられるが
、急勾配斜面を登ったり降りたり出来ず、モルレールを
適用出来る地域には限界があった。

またケーブルカーは急勾配斜面でも容易に登り降りは可
能な反面、水平状又は緩やかな勾配の広大な地域内を走
行させるには不適であった。

本考案はこの点に着眼してなされた全く新しい乗物装置
であって、一部に急勾配斜面の山・丘・谷等を有する広
大なサファリパーク、観光牧場、スポーツセンタ、サイ
クルセンタ、自然公園等に於て、大型駆動装置を全く搭
載せずに、車両を最小のエネルギで走行周遊させて省エ
ネルギを遠戚すると共に、全体の建設費を低減させるこ
とを目的とする。

以下、図示の実施例に基づき本考案を詳説する。

第１図と第２図に於て、Ａはサファリパーク、観光牧場
、スポーツセンタ、自然公園等の所定地域を示し、山１
や丘２や湖３等を有し、急勾配斜面Ｂ、 Ｂが含まれる
凹凸地形である。

しかして、４は遠吠に該地域Ａ内に敷設された軌道であ
り、具体的には第４図と第５図に示すように丸パイプ状
の一対の軌条５，５を支脚６・・・にて支持し、上車輪
７と下車輪８と両車軸９を夫々軌道５の上下左右から当
接させ、車両１０を該軌道４に沿って走行させる。

この車両１０は下り勾配と水平状乃至緩い勾配を走行す
るに必要な小馬力の駆動装置１１を備えている。

さらに緩い下り勾配ならば制動可能なブレーキ装置１２
を備えている。

１３・・・は乗客の乗降するプラットホームであり、急
勾配斜面Ｂの下端位置や山１の頂上その他の適宜複数位
置に付設され乗客は複数箇所で自由に乗り降り可能であ
る。

しかして、環状の上記軌道４のうちで急勾配斜面Ｂに対
応する部分に、定置式の引揚装置１４を付設した急斜面
上り勾配の引揚部１５を設ける。

具体例ではこの引揚装置１４は、引揚チェーン１６と駆
動モータ１７と減速機構１８と鎖車１９等から戒り、チ
ェーン１６の一部には側方から見て三角形状の係止アタ
ッチメント２０が介装され、前記車両１０の底面から下
方に突設された係止部材２１が、このアタッチメント２
０の係止杆２２に係止し、第６図の矢印りのように引揚
チェーン１６が移動することにより、車両１０は全く動
力を用いずに急勾配斜面Ｂを引揚げられる。

そして頂上に到達すれば自動的に係止部材２１はアタッ
チメント２０から離脱する。

そして、この引揚装置１４を有する引揚部１５以外は、
第１図と第２図と第４図のように、主として緩やかな下
り勾配の自走部２３とし、前記引揚部１５にて付与され
る位置エネルギを少しずつ利用して、小型駆動装置１１
のみを有する車両１０は、比較的長距離の該自走部２３
を１５キロメートル以下の低速走行をさせ、乗客は野生
動物や風景をながめながら周遊しつつ、一つのプラット
ホーム１３から他のプラットホーム１３まで輸送される
。

即ち、長距離の自走部２３は主として緩やかな下り勾配
であり、場合によっては水平状部や緩やかな上り勾配を
部分的に設けても、車両１０の慣性を利用すること、に
より楽々と小型駆動装置１１のみにて走行出来る。

またこの自走部２３では前記ブレーキ装置１２を作動さ
せて一定速度以下に制御する場合もあるが、自走部２３
は緩やかな下り勾配であるからブレーキ装置１２は小型
のもので十分である。

ところで地形によっては第３図に示すように、自走部２
３の一部分に急傾斜下り勾配の引降部２４を設けねばな
らない場合もあり、自走部２３全体の長さから見れば短
い距離として、前記急勾配斜面Ｂに敷設した軌道４の一
部に、車両１０を所定低速度にて引き降ろす定置式の引
揚装置２５を付設して引降部２４とする。

具体的にはこの引揚装置２５は第６図と同様にチェーン
とアタッチメントと係止部材等から成る。

なお本考案は上述の実施例以外にも変更自由であった、
環状の軌道４も単一とせずに２重、３重・・・とじたり
、途中で分岐させる形状とするも自由であり、また車両
１０の台数や種類は変更自由であり、引揚部１５又は引
降部２４の数は増減自由である。

また引揚装置１４としてチェーン１６以外にロープ等を
用いてもよく、ブレーキ装置１２としては種々の形式の
ものを使用出来、ブレーキシュー作動部を軌道４側の下
り勾配の適宜位置に設けたりするも自由である。

また、山や丘陵地を切り開いた住宅地を含む広大地域Ａ
に軌道４を敷設して、通勤等に活用するも好ましい。

上述の実施例のように急勾配の下り斜面に引降装置２５
を付設した引降部２４を設ければ、起伏の大きい複雑な
地形のサファリパーク、自然公園等にも容易に軌道４を
敷設し、小型の駆動装置１１及びブレーキ装置１２のみ
を有する車両１０を安全に走行させることが出来る。

さらに、大型で重量も大きい駆動モータ１７と減速機構
１８は定置式として実際に走行する車両１０は軽量化出
来たから、省エネルギの点からも合理的で非常に好まし
い。

本考案の乗物装置は以上詳述したように、サファリパー
ク、観光牧場、スポーツセンタ、自然公園等であって一
部に急勾配斜面を有する所定地域内に環状の軌道４を敷
設し、下り勾配と水平状乃至緩い上り勾配を走行するに
必要な小型駆動装置１１を備えた車両１０を該軌道４に
沿って走行させると共に、環状の該軌道４のうちで上記
急勾配斜面に対応する部分に、引揚装置１４を付設した
急傾斜上り勾配の引揚部１５を設け、該引揚部１５以外
を主として緩やかな下り勾配の自走部２３とし、該引揚
部１にて付与される位置エネルギ及び上記小型駆動装置
１１によって長距離の該自走部２３を低走行させ、かつ
乗客の乗降するプラットホーム１３・・・を上記軌道４
の適宜位置に付設して構成されたから、位置エネルギを
短距離勾配にて集中的に車両１０に付与し、そのエネル
ギを主として緩やかな下り勾配の自走部２３にて長距離
にわたって少しずつ利用するために、動力損失が小さく
合理的であって、かつ車両１０の軽量化は省エネルギの
点及び建設費の低減の点から好ましいのみならず、多く
の人数の乗客を輸送可能とした。

特に最近のように広大な面積でかつ急勾配斜面を含む地
域内を周遊する輸送手段の開発が熱望されているにかか
わらず、適切な輸送手段・乗物装置が無い現状では、本
考案の実用的効果は著大なものと言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体鳥観図、第２図は
その展開正面図、第３図は他の実施例の展開正面図、第
４図は自走部２３を走行する状態を説明するための要部
拡大正面図、第５図は要部横断面図、第６図は要部拡大
正面図である。 ４・・・・・・軌道、１０・・・・・・車両、１１・・
・・・・駆動装置、１３・・・・・・プラットホーム、
１４・・・・・・引揚装置、１５・・・・・・引揚部、
２３・・・・・・自走部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サファリパーク、観光牧場、スポーツセンタ、自然公園
   等であって一部に急勾配斜面を有する所定の広大地域内
   に環状の軌道４を敷設し、下り勾配と水平状乃至緩い上
   り勾配を走行するに必要な駆動装置１１を備えた車両１
   ０を該軌道４に沿って走行させると共に、環状の該軌道
   ４のうちで上記急・勾配斜面に対応する部分に、定置式
   の引揚装置１４を付設した急傾斜上り勾配の引揚部１５
   を設け、該引揚部１５以外を主として緩やかな下り勾配
   の自走部２３とし、該引揚部１５にて集中的に付与され
   る位置エネルギの少しずつの使用及び上記駆動装置１１
   の小馬力によって長距離の該自走部２３長距離走行させ
   、かつ乗客の乗降する複数のプラットホーム１３・・・
   ・・・を上記軌道４の適宜位置に付設して複数箇所で乗
   客が乗り降り可能なように構成されたことを特徴とする
   乗物装置。