JPS6026209Y2 - 内燃機関の燃料制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関における燃料制御装置に関し、機関停
止時における燃料の供給停止及び始動時における供給量
の制限を行うようになしたものである。

ところで、調速機の作用により運転中の速度の安定を図
るようにした内燃機関においては、該調速機が速度の低
下に従った燃料ポンプの噴射量を増加させるように作用
するから、機関の始動時にはポンプの噴射量が最大とな
る状態にあり、そのため始動時に燃料供給量が過大とな
って未燃焼燃料が排出される等の弊害を生じるのである
。

そこで、従来のこの種の内燃機関においては停止時に燃
料ポンプの噴射量を強制的に零にする停止装置とは別に
、始動時に上記調速機の作用に拘らず噴射量を始動に適
した量に制限する燃料制御装置が装備されるのであるが
、従来においては該制御装置と停止装置が夫々別個に装
備されていたため燃料制御関係の構成が著しく煩雑とな
り、そのため組立て、点検、調整等の作業性が悪く、ま
た全体としてのコストが高く付く等の弊害を生じていた
のである。

本考案燃料制御装置はこのような実情に鑑みてなされた
もので、燃料ポンプのコントロールラックに連動して停
止時に噴射量を強制的に零にする停止用ソレノイドと、
始動時に噴射量を適量に制限し且つ機関の回転速度の上
昇に従ってこの制限を解除する燃料制限用シリンダをコ
ンパクトに一体化したものであり、これにより機関の燃
料制御関係の構成を著しく簡素化し、取付はスペースの
問題を解消すると共に、組立て、点検、調整等の作業性
を向上させ、またコストの低減を図るようにしたもので
ある。

以下これを図に示す実施例により説明すると、１は燃料
ポンプ、２は該ポンプにおける噴射量調節用のコントロ
ールラック、３は調速機（図示せず）の作用により回動
せしめられ、レバー４を介して上記ラックを進退させる
レイシャフトで、Ｘ方向に回動した際にポンプの噴射量
が増加する。

５は該シャフト３の端部に固着された制御レバーで、該
レバーの位置Ａは上記ポンプ１の無噴射状態、位置Ｂは
始動に適した噴射量となる状態、位置Ｃは噴射量が最大
となる状態に夫々対応している。

次に６は燃料制御装置、７は該装置における停止用ソレ
ノイド、８は同じく燃料制限用シリンダ゛て、該ソレノ
イドとシリンダは前者におけるロッド９が後者の中央に
設けられた貫通孔８ａに通挿されていることにより同軸
状として一体化されていると共に、ソレノイド７は停止
信号の受信時にロッド９が突出状態から後退するように
なされ、またシリンダ８においては配管１０により導入
される潤滑油圧によりリング状のピストン１１がバネ１
２に抗して移動せしめられ、油圧の上昇と共にピストン
に一体にスリーブ１３が突出するようになされている。

１４．１５は上記制御レバー５とロッド９及びスリーブ
１３を連結するリンクで、レバーに設けられた二個のピ
ン５ａ、５ｂが両リンクに設けられた長穴１４ａ、１５
ａに夫々係合されている。

然して該長大とピンの位置関係は、実線で示すようにロ
ッド９及びスリーブ１３か突出した状態においてはレバ
ー５が位置Ｂ、Ｃ間を自由に移動することができるが、
鎖線で示すようにロッドが後退すればピン５ａを介して
レバーか強制的に位置Ａまで移動せしめられ、またスリ
ーブが後退すれはゼン５ｂを介してレバーが位置Ｂまで
移動せしめられる関係とされている。

次にその作用を説明すると、通常の運転中は停止信号が
発せられておらず且つ潤滑油圧が高いから、実線で示す
ようにソレノイド７においてはロッド９が突出し、また
シリンダ８においてはピ子トン１１がバネに抗して押し
下げられてスリーブ１３が同じく突出した状態にあり、
従って制御レバー５はこれらに抑速されることなく自由
に位置Ｂ、 Ｃ間を移動し、燃料ポンプ１の噴射量は調
速機によりレイシャフト３を介して速度に応じた量にコ
ントロールされるのである。

然してこの状態で機関の停止信号が発せられるとソレノ
イド７のロッド９が後退することによりレバー５は強制
０勺に位置Ａまで移動せしめられるのであり、これによ
り上記ポンプが無噴射の状態となった機関が停止せしめ
られるのであり、また、これと同時に潤滑油圧が零にな
るから、シリンダ８におけるピストン１１がバネ１２に
押し戻されてスリーブ１３も同様に後退せしめられるの
である。

次に次回の始動のために停止信号を解除すると、ロッド
９が突出することにより該ロッドによるレバー５に対す
る抑速は解除されて該レバーは調速機の作用で位置Ｃ側
に移動しようとするのであるが、この時点においてはス
リーブ１３が未だ後退した状態にあるから該レバーの移
動は位置Ｂで規制されるのであり、これにより機関を始
動させる場合のポンプ１の噴射量が始動に適した量に制
限されることになり、然る後機関の回転速度が上昇すれ
ば、これに伴って潤滑油圧が上昇することによりピスト
ン１１と共にスリーブ１３が突出腰レバーに対する制限
が除々に解除されてポンプ１の噴射量が次第に増加せし
められることになるのである。

ここで、口実の実施例においては配管１０上に潤滑油の
流量調整弁１６が具備されてシリンダ８内への潤滑油の
流入速度をコントロールできるようになされており、こ
れにより燃料ポンプの噴射量の制限を機関の回転速度に
適合させながら解除せしめ得るように図られている。

尚、過給機付の機関の場合は、給気圧が回転速度に対し
て潤滑油圧と同様に変化するから、上記実施例における
潤滑油圧の代りに給気圧を用いることもできるのである
。

本考案は上記のような構成であるから、機関を停止させ
る場合の燃料の供給停止と、始動時における燃料供給量
の制限を一個の装置で行うことが可能となり、これによ
り従来における停止装置と制限装置を別個に装備してい
た場合に比較して燃料制御関係の構成が著しく簡素化さ
れることになり、もって取付はスペース上の問題が解消
され、且つ組立て、点検、調整等の作業性が向上せしめ
られると共に、コストが低減される等の効果を奏するの
である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案装置の実施例を示す要部縦断側面図である。 １は燃料ポンプ、２はコントロールラック、５は制御レ
バー、６は燃料制御装置、７は停止用ソレノイド、８は
燃料制限用シリンダ、９はロッド、１１はピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の潤滑油圧又は給気圧によりピストンが移動せしめ
   られる燃料制限用シリンダと、停止信号によりロッドが
   移動せしめられる停止用ソレノイドを同軸状として一体
   化すると共に、燃料ポンプのコントロールラックに連動
   する一個の制御レバーに対し、上記ピストンを、潤滑油
   圧又は給気圧が零の場合に該レバーが上記ポンプの噴射
   量制限位置に設定され且つ圧力の上昇と共に制限が解除
   されるように、また上記ロッドを、停止信号の受信時に
   該レバーが解放状態から上記ポンプの無噴射位置に設定
   されるように夫４連結したことを特徴とする内燃機関の
   燃料制御装置。