JPS6026092Y2 - ガラス繊維ストランドの切断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案はガラス繊維を僅かに撚り合わせた、または全
く撚り合わせてないガラス繊維ストランド（以下１スト
ラントヨと略称する。

）を短く切断する装置に関するものである。

この切断されたストランドは、成型される前の熱可塑性
材料の充填材等として使用され、その長さは約３乃至１
２ｍｍである。

従来の技術 ストランドの切断には、従来、放射状の切断刃を備えた
回転する切断ドラム、この切断ドラムの軸に平行な軸を
中心にして回転すると共に切断ドラムの切断刃と接する
支持ドラムとから成る切断装置が用いられている。

しかし、この様な切断装置では、切断刃と切断刃との間
にストランドの切断片がつまってしまい切断不良を起こ
すことがある。

そこで、ストランドの切断片の排出のために、上記従来
の切断装置の切断刃間に棒材を配置して成る排出装置を
利用しており、これら棒材は切断ドラムの軸に関して偏
心するように組立てられている。

しかしながら、この装置においても、繊維を損傷したり
、排出装置と切断刃との間の案内の中に切断糸が付着し
たりする。

また、案内装置内の排出装置の鋼と鋼との機械的摩擦と
衝撃によって黒い粉末が発生し繊維屑を含浸し、最終製
品内に落ち製品の販売を不可能にすることもある。

更に、上記の機械的摩擦と衝撃により、騒音が大きく、
故障も多い。

従って、ドラムの回転速度を制限するので、製造能率も
制限される等の欠点を有している。

従って、従来一般には、例えば特開昭４９−８５０８号
公報に記載されている様な切断装置が用いられている。

この切断装置は切断刃の間に配置され且つその両端が固
持された部材を有し、また切断ドラムの内側から高圧空
気を放出するようになっている。

切断刃の間の部材はストランドを支持ドラムに押圧し、
ドラムの回転によって生ずる遠心力の作用により外方に
動いて切断片を排出する。

しかし、この部材は両端が固持されているため、部材の
中心部と両端部では同一の動きが得られず、従って部材
の全長に亘って所要の効果を得ることは非常に困難であ
る。

更に、高圧空気を放出するための装置が必要なので、装
置全体の構造も複雑化し、高価である等の欠点がみられ
る。

考案の目的 この考案の目的は、連続ストランドを短い切断片に切断
し、切断ドラムから確実且つ完全に切断片を排出し、装
置の構成部材に切断繊維屑が堆積されないようにして最
終製品を汚さず且つ装置の各部材の寿命を延ばし、運転
中の騒音を小さくし、出力能率を増加するよう成る装置
を提供することにある。

目的を達成するための手段 これらの目的および他の目的は、切断ドラム上に排出薄
板の両端を弾性的に取付けることにより達成される。

好適な実施例において、この様な弾性的な取付けは弾性
環に排出薄板の両端を取付けることにより達成される。

ストランドが切断されている際に、排出薄板に及ぼされ
る力により排出薄板が支持部材にストランドを圧し、ま
た切断ドラムの回転により切断片と排出薄板とに分は与
えられた遠心力と共同して、排出薄板が隣り合う切断刃
の間の隙間から排出薄板の全長に亘って切断片を排出す
る。

この考案の１つの形態において、ローラの様な部材は、
切断地帯に排出部材を配置するよう設けられた弾性環を
部分的に変形する。

この考案の他の特徴および利点は以下の詳細な説明から
明らかになろう。

実施例 第１図に概略示される様に、この考案の好適な実施例の
装置は軸を中心に矢印ｆの方向に回転する支持ドラム１
で一般に構成された支持装置または台と、軸を中心に矢
印ｆ１の方向に回転する切断ドラム２とを備えている。

切断ドラム２は放射状に配された複数枚の切断刃３と、
複数枚の排出薄板４を有する排出装置とを備えている。

排出薄板４は隣り合う切断刃３と切断刃３との間の隙間
に１本づつ配置されている。

好適には、排出薄板４は、それが切断地帯や排出地帯に
ない場合に、排出薄板４の外面が切断刃３の切断ヘリの
高さにあるか、或は０．１乃至０．２ｍｍ程度の僅か上
方に張出するように置かれている。

第３，４図に示される様に、各排出薄板４の両端は、弾
性材料から作られた対向する弾性環５に支持される。

この目的で使われる弾性材料の１つは、９０Ａおよび４
０Ｄのショアかたさを有するポリエチレン・エラストマ
ーである。

弾性環５は成型されて作られることが好適であり、排出
薄板４の端部をしっかりと受けるように一方の側の壁に
形成された環状に等間隔に並んだ孔を有している。

各排出薄板４は支持受６，７の夫々に設けられた環状の
溝の中に配置され、第３図に示される様に溝の外側の面
に弾性環５の最外縁を接するようにして支持受６，７の
溝の中に配置される。

溝の巾は弾性環５の直角な断面の巾よりは大きく、弾性
環５の巾と溝の巾との間に存在する自由な隙間８を有し
ている。

従って弾性環５は変形することができ、弾性環５の直線
断面は溝内で移動することができる。

第１図に示される実施例において、ストランド１０は支
持ドラム１上にこのストランド１０を先ず通すことによ
り装置の中に送られる。

ストランド１０が切断地帯（その中心は線Ｘ−Ｘ’に沿
って存在する）に導びかれると、ストランド１０は切断
刃３と排出薄板４とに係合する。

２つのドラム１，２の回転が続いている際に、ストラン
ド１０は排出薄板４を径方向内方、切断ドラム２の回転
軸の方に押す。

排出薄板４の両端は弾性環５を部分的に変形し、排出薄
板４は弾性環５が第４図に示される様に自由な隙間８に
収まるように弾性環５に取付けられる。

弾性環５のこの様な部分変形は、弾性環５の変形される
部分に排出薄板４を外方に押す復元力を生じさせる。

こうして、ストランド１０は押圧を受ける第１の地帯を
通過する。

この押圧は排出薄板４によって生み出され、弾性環５の
復元力の作用および排出薄板４が切断ドラム２の回転に
より受ける遠心力とにより、支持ドラム１の壁にストラ
ンド１０を押し付ける。

この様にして、切断刃３がストランド１０を切る過程に
わいて、ストランド１０は排出薄板４による押圧力で支
えられる。

その後、切断刃３はストランド１０を切り、ストランド
１０は切断片の排出が行われる第２の地帯に進む。

排出薄板４は弾性環５に遊びや隙間無しに取付けられて
おり、弾性環５は支持受６，７の溝の金山を連続的に掃
除する。

この様に、案内機構のための掃除は必要なく、排出薄板
４と案内機構との間に切断繊維屑が入いる問題が避けら
れる。

更に、全ての排出薄板４は弾性環５により隣接の鋼製構
造体から分離され、これによって鋼と鋼とのすべり接触
を除去し、過度の摩耗と騒音を抑制する。

排出薄板４は切断地帯における切断刃３の切断ヘリの高
さから引込み、次いでその最外部において排出薄板４の
外側の面が実際に切断刃３のへりの高さになるよう最外
部を復帰させる。

この様な排出薄板４の動きの結果として、ストランド１
０の切断片が切断作業の直後に切断ドラム２から強く排
出される。

また、この切断片は切断ドラム２の回転から起こる遠心
力を受けて外方に投げ出される。

第２図に示される様に、各弾性環５は複数個のほそ２１
を有しており、はぞ２１はほぞ２１に合わせて寸法づけ
られた支持受６，７の溝にて支持される。

はそ２１の目的は、排出薄板４が切断刃３の間に正確に
配置されるように、支持受６，７に幻する弾性環６，７
に対する弾性環５の回転を防ぐことにある。

排出薄板４の長手方向の動きは弾性環５と支持受６，７
とにより制限される。

排出薄板４の横方向の動きは弾性環５の変形および隙間
８の巾で制限される。

切断刃３は切断ドラム２に取付けられ、切断ドラム２の
荷１５内に波形バネ１６（第９図）によって支持され、
切断刃３の両端は円錐部１７を有する２つの支持受６，
７によって締付けられる。

切断ドラム２は軸１３にボールベアリング１９で取付け
られる。

切断ドラム２と支持受６，７との組立体は４本の支持ボ
ルト２０で強められ、ポールベアリング１９によって軸
１３を中心に自由に回転することができる。

また、適宜な駆動装置が切断ドラム２を回転させるため
に設けられる。

第５乃至８図には第２の実施例が示されている。

この第２の実施例においては、２つのローラ９が切断地
帯の近くで弾性環５に接触して配置され、第６図に示さ
れる様にドラムが回転している時に、各ローラ９が支持
受６，７の溝の内側の方に弾性環５を押すように戊って
いる。

弾性環５の変形は切断地帯の面に近い場所にある軸に取
付けられたローラ９で行なわれる（第５図）。

ローラ９は腕１２に取付けられた軸１１に取付けられ、
腕１２は固定されているが、切断ドラム２の軸１３に対
して角位置を調整することができ、軸１３は装置の枠１
４に固定されている。

角位置の調整は軸ｘ−ｘ’と軸Ｖｌ−Ｖｌ（第５図）の
交叉が形成する角ａで行なわれ、軸１３と１１との組立
体は枠１４に対しては固定されている。

第７，８図に示される様に、切断ドラム２、切断刃３３
、排出薄板４、支持受６，７、弾性環５の組立体は軸１
３を中心に回転され、組立体の全母線、特に弾性環５の
母線は相次いで切断内面を通過する。

ローラ９が弾性環５を切断面の近くで変形し、排出運動
を行なわせる。

ローラ９を用いることは次の利点が得られる。

ストランド１０を押圧する地帯と切断片の排出地帯をコ
ントロールすることができる。

支持ドラム１と排出薄板４との間でストランド１０が押
しつぶされないように、排出薄板４の押圧力を調節する
ことができる。

弾性環５をへこませるために弾性環５に与えられる力が
ほんの催かな部分に限られるので、弾性環５の寿命と耐
久性を向上させる。

実行例 糸の屑または粗糸から出発して長さ３ないし６順の切断
片を製造する。

この考案の装置において、坩堝からストランドが供給さ
れ、各ストランドは４００００Ｔｅｘ ニ等りい。

切断刃支持ドラムの回転速度は毎分７００回であり、切
断されるストランドは毎分２５０汎の速度である。

生産量は切断片毎時６００ｋｇである。切断片は糸屑を
生じることなく、優秀な製品が得られる。

長さ３Ｔｒｒ！ＩＸ以下の屑製品の発生現象は排出装置
の作用によって抑制される。

２００時間の操業の後にも切断ドラムは屑または塵埃の
付着は認められなかった。

考案の効果 この様に、この考案によれば、切断ドラムの切断刃と切
断刃との間に配置される排出薄板の両端を弾性環に支持
した結果、次の利点が得られる。

第１に、排出薄板と、案内装置の様な切断ドラムの他の
構成部材との間の鋼と鋼との接触が抑制され、これによ
り摩耗および騒音を減少する。

各排出薄板は切断刃の間の隙間内で各排出薄板の全長に
亘って放射状に動くことができ、切断ドラムの一端から
他端のどの点においても好適にストランドを切断し、ま
たそれを排出することができる。

また、以上から、切断ドラムの比較的動く構成部材間へ
の切断された繊維屑または屑糸の堆積、および最終製品
の汚れを抑制し、製品の製造能率を向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による装置の一般配置の一部を示し、
第２図は装置の一部の斜視図、第３図は第１図■−■線
上の断面図、第４図は第１図■−■線上の断面図、第５
図はこの考案によるローラを有する他の実施例の一部の
配置図、第６図は第５図ＶＩ−Ｖｌ線上の断面図、第７
図は第５図の装置の縦断面図、第８図は第７図■−■線
上の横断面図、第９図は切断刃取付の詳細を示す断面図
である。 図中、１・・支持ドラム、２・・切断ドラム、３・・切
断刃、４・・排出薄板、５・・弾性環、６，７・・支持
受、８・・隙間、９・・ローラ、１０・・ストランド、
１１・・軸、１２・・腕、１３・・軸、１４・・枠、１
５・・荷、１６・・バネ、１７・・円錐部、１９・・ホ
ールベアリング、２０・・支持ボルト、２１・・はぞ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転する支持ドラム１と、該支持ドラムの軸と平行な軸
   を中心にして回転する切断ドラム２と、該切断ドラムの
   外周面上に放射状に配設された切断刃３と、隣り合う切
   断刃と切断刃との間に設けられ且つ該支持ドラムにガラ
   ス繊維ストランド１０を押圧すると共に該ガラス繊維ス
   トランドの切断片を排出する排出薄板４とから成るガラ
   ス繊維ストランドの切断装置において、排出薄板の外縁
   部が切断地帯にてガラス繊維ストランドと接するように
   排出薄板が径方向に延び、排出薄板の両端が切断ドラム
   と同軸の弾性環５に支持されていることを特徴とするガ
   ラス繊維ストランドの切断装置。