JPS6024902Y2 - 触媒コンバ−タ用シ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として車輛用内燃機関の排出ガス浄化装置
として排気管に介設される触媒コンバータのモノリスキ
ャタリストとこれを収容するケースの間を密封するシー
ルに関し、特に、ケースへの組み付けを容易にした触媒
コンバータ用シールに関する。

従来の触媒コンバータは、第１，２図に示すように、軸
方向に多数の通気孔３が透設された楕円形断面のモノリ
スキャタリスト２の外周に、ステンレス鋼細線を筒形に
メリヤス編して波付加工を施したクッション４を嵌着す
るとともに、シリカファイバー、グラスウール等を高密
度に圧綿成形したバンド状のシール５を巻き付けて、手
向方向に二分割された上部ケース１ａと下部ケース１ｂ
からなる楕円形断面の筒形のケース１の下部ケース１ｂ
に収容したのぢ、上部ケース１ａを被せて下部ケース１
ｂに溶接し、クッション４によりモノリスキャタリスト
２をケース１内に弾力的に保持するとともに、シール５
によりモノリスキャタリスト２とケース１の間を密封し
て未浄化の排出ガスがモノリスキャタリスト２の外周を
通って流れ出るのを阻止する構造になっていたが、バン
ド状のシール５をモノリスキャタリスト２に巻き付ける
際に、第３図に示すように、弾性復元力によって突き合
わせ部が開いて、ケース１内に正しく納めることができ
ないため、第２，４図に示むように、シール５の突き合
わせ部をテープ６で仮止めして拡開を防止してからケー
ス１内へ収容する方法が行なわれており、作業が煩わし
く、組立作業の能率向上を妨げる大きな要因となってい
た。

本考案は、かかる欠点を除去した新規な構造の触媒コン
バータ用シールを提供することを目的とするものである
。

以下、本考案のいくつかの実施例を第５〜９図に基づい
て説明する。

まず、本考案の第１実施例のシール５ａの製造工程を第
５図の（Ｉ）〜（ＩＶ）に従って説明すると、ステンレ
ス鋼細線を円筒形にメリヤス編した金網？ａ（Ｉ）を内
外に折り曲げて二重円筒形としく■）、その間に構成さ
れたリング形の空間へシリカファイバー、グラスウール
等を高密度に圧綿成形したバンド状のシール材８を円形
に曲げて挿入しくＩ［）、二重円筒形の金網７ａの開放
端を適宜間隔でスポット溶接により接合してシール材８
を包み込んだ構造になる（ＴＶ）。

本実施例においては、金網７ａを二重円筒形に折り曲げ
てシール材８を被包したから、シール材８の突き合わせ
部が弾性復元力により拡開しようとしても、金網７の剛
性によってほぼ円形に保持されてモノリスキャタリスト
２へ容易に嵌着することができ、また、ケース１へ容易
に収容することができる。

本実施例の変形例のシール５ａ’として、第６図に示す
ように、シール材８を中心に入れて円筒形の金網７ａを
渦巻状に巻き付けてもよい。

なお、シール材８の突き合わせ部は、排出ガスが容易に
通過しないように、第７図の（Ｉ）に示すように軸方向
に対して斜めにするか、同図の（ＩＩ）、 （１）に示
すように、階段状若しくは凹凸の嵌合にするのが好まし
く、本実施例においては、突き合わせ部をこのような形
状にしても、金網７ａによって全体が被包されているか
ら、一部をテープ等によって仮止めした場合のように弾
性復元力により他の部分が拡開するおそれがなく、正し
い突き合わせ状態を維持することができる。

次に、本発明の第２実施例のシール５ｂの製造工程を第
８図の（Ｉ）〜（Ｖ）に従って説明すると、ステンレス
鋼細線を長円筒形にメリヤス編ｌ−た金網７ｂ（Ｉ）を
圧扁しくＩＩ）、これを内外に折り曲げ、さらに、円形
に曲げて両端部を重ね合わせて二重円筒形としくＩＩＩ
）、その間に構成されたリング形の空間へ円形に曲げた
シール材８を挿入しくＩＶ）、二重円筒形の金網７ｂの
開放端を適宜間隔でスポット溶接により接合した構造に
なる（Ｖ）。

本実施例のシール５ｂは、二重円筒形の金網７ｂの内外
壁が夫々二枚重ねになっていて剛性が高いためシール材
８の突き合わせ部の拡開を確実に抑制し得る利点がある
。

他の作用、効果は第１実施例と均等である。

上記第１１第２実施例のシール５ａ、５ｂは、そのまま
モノリスキャタリスト２の外周に拡開させながら嵌着し
、若しくは、クッション４の一端に溶接して一体化して
から嵌着する。

最後に、本考案の第３実施例のシール５Ｃの製造方法を
第９図の（Ｉ）〜（Ｖ）に従って説明すると、ステンレ
ス鋼細線を円筒形にメリヤス編した金網７ｃ（Ｉ）を、
（ＩＩ）、 （ＩＩＩ）に示すように圧扁し、一端部を
残して転圧ロールに通して波付加工を施した後に円筒形
に戻し、若しくは円筒形のまま一端部を残して波付加工
を施してクッション４ｃとなる部分を形成しくＩＶ）、
波付加工の施されなかった部分にシール材８を重ねて内
側若しくは外側へ折り曲げることによりシール材８を被
包して、波付加工の施された円筒形のクッション４ｃの
一端にシール５ｃを一体に形成する（Ｖ）。

本実施例のシール材５ｃはクッション４ｃと一体に形成
されるから、モノリスキャタリスト２への嵌着がより一
層簡易化される利点がある。

以上の説明によつ明らかにしたように、本考案の触媒コ
ンバータ用シールは、軸方向に多数の通気孔が透設され
たモノリスキャタリストの外周に巻き付けられてケース
との間を密封する触媒コンバータ用シールにおいて、メ
リヤス編したリング形の金網でバンド状のシール材を被
包した構成になるものであって、シール材がリング形の
金網で被包されているから、突き合わせ部が弾性復元力
により拡開することがなく、また、金網はメリヤス編さ
れているから弾力的に良く伸縮するため、モノリスキャ
タリストに拡開して嵌着したのちに弾縮して密着し、組
付は時の抜は外れが防止されて、組付は作業の能率を向
上させることができる作用を生じ、シール材の突き合わ
せ部が金網の弾縮により良く密着して気密性が高められ
る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は従来例を示し、第１図は縦断面図、第２図
は分解斜視図、第３図はモノリスキャタリストにシール
を巻き付けた状態の端面図、第４図はシールの突き合わ
せ部をテープで仮止めした状態の端面図である。 第５〜９図は本考案の実施例を示し、第５図は第１実施
例の製造工程を示す斜視図、第６図は変形例の一部切欠
斜視図、第７図はシール材の突き合わせ部の拡大正面図
、第８図は第２実施例の製造工程を示す斜視図、第９図
は第３実施例の製造工程を示す斜視図である。 １・・・・・・ケース、２・・・・・・モノリスキャタ
リスト、３・・・・・・通気孔、５ａ、５ａ’５ｂ、５
ｃ・・・・・・シール、７ａ、７ｂ、７ｃ・・・金網、
訃・・・・・シール材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軸方向に多数の通気孔が透設されたモノリスキャタリス
   ト（ｍｏｎｏｌ ｉｔｈ ｃａｔａｌｙｓｔ）の外周に
   巻き付けられてケースとの間を密封する触媒コンバータ
   用シールにおいて、 メリヤス編したリング形の金網でバンド状のシール材を
   被包したことを特徴とする触媒コンバータ用シール。