JPH0441935Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、金属触媒コンバータに関する。

〔従来の技術〕

一般に、自動車の排気系には、排気ガスを浄化
するため、例えば、特公昭57−55886号公報に開
示されるような触媒コンバータが配置されてい
る。

第３図および第４図は、この種の金属触媒ハン
バータのメタルハニカム担体を示すもので、この
メタルハニカム担体では、第３図に示すように、
金属製の波板１１と平板１３とを交互に重ね、こ
れ等を芯材を中心にして、円形形状に多重に巻回
し板コア部１５を形成し、この後、仮コア部１５
を上下方向から押圧することにより、第４図に示
すような楕円形状のコア部１７が形成される。

この楕円形状のコア部１７は、第５図に示すよ
うに、筒状容器２１に収容された後、両端にフラ
ンジ１９，２０を有するケーシング２２に収容さ
れ、金属触媒コンバータが組み立てられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の金属触媒コン
バータでは、第６図に示すように、コア部１７と
筒状容器２１とを、ろう付け２３により接合して
いるため、接合強度が充分でなく、また、製造コ
ストが嵩むという問題があつた。

そこで、第７図に示すように、ピン２５等によ
り、コア部１７と筒状容器２１とを連結すること
が行われているが、この場合には、排気ガスの通
路が部分的に塞がれ、通気抵抗が大きくなり、金
属触媒コンバータの浄化性能が低下するという問
題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記のような問題を解決すべくなさ
れたもので、コア部を筒状容器内に容易確実に固
定することができるとともに、浄化性能が低下の
ない金属触媒コンバータを提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕 本考案に係わる金属触媒コンバータは、金属製
の波板と平板とを重ね、これ等を多重に巻回しコ
ア部を形成し、このコア部を筒状容器内に収容し
てなる金属触媒コンバータにおいて、前記コア部
の外周を形成する波板または平板に、コア部の軸
方向に対して傾斜するコア部側波状部を形成する
とともに、前記筒状容器の内面に、前記コア部側
波状部に嵌合する筒状容器側波状部を形成したも
のである。

〔考案の作用〕

本考案においては、コア部の外周を形成する波
板または平板に、コア部の軸方向に対して傾斜す
るコア部側波状部を形成するとともに、筒状容器
の内面に、コア部側波状部に嵌合する筒状容器側
波状部を形成したので、コア部に筒状容器を装着
すると、コア部の外周に形成されるコア部側波状
部に筒状容器の内面に形成される筒状容器側波状
部か嵌合する。

しかして、コア部側波状部および筒状容器側波
状部は、コア部の軸方向に対して傾斜して形成さ
れているため、コア部が筒状容器の軸方向に移動
することを確実に阻止することができる。この結
果、コア部を筒状容器内に容易確実に固定するこ
とができるとともに、浄化性能の低下のない金属
触媒コンバータを提供することができる。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の詳細を図面に示す一実施例につ
いて説明する。

第１図は、本考案の金属触媒コンバータの一実
施例の要部の詳細を示すもので、この金属触媒コ
ンバータでは、金属製の波板３１と平板３３とを
重ね、これ等を多重に楕円形状に巻回してコア部
３５が構成されている。

この楕円形状のコア部３５は、半楕円形状の容
器部材３７，３９を溶接部４１において溶接して
形成される筒状容器４３内に収容されている。

しかして、この実施例では、コア部３５の外周
を形成する波板３１の平坦部４５には、コア部３
５の軸方向に対して傾斜するコア部側波状部４７
が形成されている。

このコア部側波状部４７の形成は、例えば、平
板３３と波板３１とを巻回する前に、波板３１に
形成される平坦部４５に、予めプレス等により波
形を形成することにより行なわれる。なお、この
実施例では、コア部側波状部４７は、波板３１の
巻回を容易にするためコア部３５が平坦となる位
置にのみ形成されている。

一方、筒状容器４３の容器部材３７，３９の内
面には、コア部側波状部４７に嵌合する筒状容器
側波状部４９，５１が形成されている。この筒上
容器側波状部４９，５１の傾斜方向は、上側の容
器部材３７と下側の容器部材３９とでは、逆方向
とされている。

この筒状容器側波状部４９，５１の形成は、例
えば、板材を半楕円形状にプレス等により成形す
る時に、プレス加工により行なわれる。なお、こ
の実施例では、筒状容器側波状部４９，５１は、
容器部材３７，３９の曲げ加工を容易にするた
め、容器部材３７，３９が平坦となる位置にのみ
形成されている。

以上のように構成された金属触媒コンバータで
は、コア部３５の外周を形成する波板３１に、コ
ア部３５の軸方向に対して傾斜するコア部側波状
部４７を形成するとともに、筒状容器４３の容器
部材３７，３９の内面に、コア部側波状部４７に
嵌合する筒状容器側波状部４９，５１を形成した
ので、コア部３５に筒状容器４３の容器部材３
７，３９を装着すると、コア部３５の外周に形成
されるコア部側波状部４７に容器部材３７，３９
の内面に形成される筒状容器側波状部４９，５１
が嵌合する。

しかして、コア部側波状部４７および筒状容器
側波状部４９，５１は、コア部３５の軸方向に対
して傾斜して形成されているため、コア部３５が
筒状容器４３の軸方向に移動することを確実に阻
止することができる。

この結果、コア部３５を筒状容器４３内に容易
確実に固定することができる金属触媒コンバータ
を提供することができる。

また、以上のように構成された金属触媒コンバ
ータでは、ピン２５等を用いることなく、コア部
３５を筒状容器４３に確実に固定することができ
るため、浄化性能の低下のない金属触媒コンバー
タを提供することができる。

さらに以上のように構成された金属触媒コンバ
ータでは、筒状容器４３の容器部材３７，３９に
筒状容器側波状部４９，５１を形成したので、筒
状容器４３の強度を向上することができる。

第２図は、本考案の他の実施例を示すもので、
この実施例では、コア部側波状部５３，５４およ
び筒状容器側波状部５５，５６は、くの字形状に
形成されている。

以上のように構成された金属触媒コンバータに
おいても第１図に示した実施例とほぼ同様の効果
を得ることができるが、この実施例では、コア部
側波状部５３，５４および筒状容器側波状部５
５，５６を、くの字形状に形成したので、コア部
側波状部５３，５４と筒状容器側波状部５５，５
６との嵌合をさらに確実に行なうことが可能とな
り、コア部５７と筒状容器５９との固定をさらに
強固なものにすることができる。

なお、以上述べた実施例では、波板３１にコア
部側波状部４７を形成した例について述べたが、
本考案は、かかる実施例に限定されるものではな
く、平板３３にコア部側波状部４７を形成するよ
うにしても良いことは勿論である。

また、以上述べた実施例では、容器部材３７，
３９の接合を通常の溶接により行なつた例につい
て述べたが、本考案は、かかる実施例に限定され
るものではなく、例えば、レーザーシーム溶接に
より接合しても良いことは勿論である。

〔考案の効果〕 以上述べたように、本考案によれば、コア部の
外周を形成する波板または平板に、コア部の軸方
向に対して傾斜するコア部側波状部を形成すると
ともに、筒状容器の内面に、コア部側波状部に嵌
合する筒状容器側波状部を形成したので、コア部
を筒状容器内に容易確実に固定することができる
とともに、浄化性能の低下のない金属触媒コンバ
ータを提供することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の金属触媒コンバータの一実施
例を示す斜視図、第２図は本考案の金属触媒コン
バータの他の実施例を示す斜視図、第３図は波板
と平板とを巻回している状態を示す斜視図、第４
図は楕円形状のコア部を示す斜視図、第５図は従
来の金属触媒コンバータを示す縦断面図、第６図
は筒状容器にコア部をろう付けした金属触媒コン
バータを示す斜視図、第７図は筒状容器にコア部
をピン接合した金属触媒コンバータを示す斜視図
である。 ３１……波板、３３……平板、３５……コア
部、４３……筒状容器、４７，５３，５４……コ
ア部側波状部、４９，５１，５５，５６……筒状
容器側波状部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属製の波板と平板とを重ね、これ等を多重
   に巻回しコア部を形成し、このコア部を筒状容
   器内に収容してなる金属触媒コンバータにおい
   て、前記コア部の外周を形成する波板または平
   板に、コア部の軸方向に対して傾斜するコア部
   側波状部を形成するとともに、前記筒状容器の
   内面に、前記コア部側波状部に嵌合する筒状容
   器側波状部を形成したことを特徴とする金属触
   媒コンバータ。 (2) コア部側波状部および筒状容器側波状部は、
   くの字形状に形成されている実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の金属触媒コンバータ。