JPS6024708B2 - 貴腐ワインの製造法 - Google Patents

貴腐ワインの製造法

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JPS6024708B2
JPS6024708B2 JP52134152A JP13415277A JPS6024708B2 JP S6024708 B2 JPS6024708 B2 JP S6024708B2 JP 52134152 A JP52134152 A JP 52134152A JP 13415277 A JP13415277 A JP 13415277A JP S6024708 B2 JPS6024708 B2 JP S6024708B2
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wine
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evening
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JP52134152A
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正澄 渡辺
三喜夫 上原
治彦 森
隆 篠原
善美 島津
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Kikkoman Corp
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Kikkoman Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、濃淳な貴腐香を有する貴腐ワインの製造法に
関する。
従来貴腐ワインの製造例としては、ブドウ果汁にボトリ
チス・シネレアを接種、培養し、該培養液をそのま)濃
縮するか、または培養液に濃縮ブドウ果汁を加えたもの
に、通常のブドウ糖酵母を加えて発酵させることが知ら
れている。
しかしながら上記方法によれば、ワインの“ゴク味”に
重大な影響を及ぼすグリセリンは、ボトリチス・シネレ
アの培養後期に於いて、該菌体の表層部を種々の多糖類
が著しく多量に被うことになり、そのため該ポトリチス
・シネレアの菌体は培養液中の酸素および種々の栄養源
を摂取し難くなり、該菌の増殖が著しく抑制されると同
時に該菌体のグリセリン代謝機能も著しく劣化する等の
ため、培養液に於けるグリセリンの生成蓄積量はせいぜ
い30(夕/そ)程度以内である。
そして上記培養液の濃縮液もしくは該培養液に濃縮ブド
ウ果汁を加えたものに、通常のブドウ酒酵母を添加、発
酵させても、アルコール発酵工程に於いて該ポトリチス
・シネレア菌はほとんど死滅するため、もはや発酵液の
グリセリン量の増加はほとんど望めない。
そこで本発明者は、上記諸欠点を避させてグリセリン含
量の多い濃淳味のある貴腐ワインの製造を目的として鋭
意検討した結果、ブドウ果汁にポトリチス・シネレアを
接種、培養した培養液中のグリセリン濃度が15〜27
(夕/そ)の範囲内に達したとき、これに通常のブドウ
酒酵母を加えて通気もしくは振濠等の好気的培養手段に
より培養することにより、前記ボトリチス・シネレア菌
体に含まれるグリセリンを効率良く培養液中に放出させ
、次いで該培養液のグリセリン含量が35(夕/そ)以
上に達した時点で好気的培養を止め、後はこれに濃縮ブ
ドウ果汁を加えてアルコール発酵させることにより、濃
淳な貴腐香を有する高品質な貴腐ワインが得られること
を知り、本発明を完成した。
すなわち本発明は、ブドウ果汁にボトリチス・シネレア
を接種、培養し、該培養液中のグリセリン濃度が15〜
27(夕/そ)となったときに、通常のブドウ酒酵母を
加え好気的培養条件下で培養し、該培養液中のグリセリ
ン濃度が35(夕/そ)以上に達した時点で培養を止め
、これに濃縮ブドウ果汁を加えアルコール発酵させるこ
とを特徴とする貴腐ワインの製造法である。
以下本発明を詳述する。
先ず本発明に用いられるブドウ果汁としては、例えば甲
州種、リースリング種、セミョン種、シャルドンネ種等
醸造用ブドウの生果汁、あるいはこれを濃縮した濃縮果
汁の何れかが用いられ、その糖濃度はほぼ10〜85%
(W/V)程度である。
次に上記ブドウ果汁にボトリチス・シネレア(則tひt
iscinerea)、例えばボトリチス・シネレァ(
FERM−PM.1612)等の菌体もしくはその培養
物を接種し、これを温度10〜30午0、pH3〜6程
度で培養し、培養液中のグリセリン濃度が15〜27(
夕/夕)、好ましくは20〜25(夕/そ)に達したと
き、この培養液に通常のブドウ酒酵母を接種し引続き好
気的に培養する。この際、上記培養液中のグリセリン濃
度が、15(多/〆)未満の時点で通常のブドウ酒酵母
を添加した場合には、ボトリチス・シネレア菌体を被う
多糖類の被膜は薄く、グリセリンの溶出には支障はない
が、反面談菌体自体に生成蓄積されるグリセリン、その
他有用成分の生成量が減少し、そのため得られたワイン
の香味も、グリセリン、ジェチルェステル類等の生成量
が不足し、目的とする濃淳な貴腐香を有するワインは得
られない。一方培養液中のグリセリン濃度が27(夕/
そ)を越える状態で前記酵母を添加した場合には、培養
過程に於いてアルデヒド類の生成が著しく促進されるた
め香味が著しく劣下し、本発明の目的は達成されない。
なお本発明に於いて、嫌気的条件下で培養した場合には
、酵母によるアルコール分の生成のみが促進される反面
、ボトリチス・シネレア菌体からのグリセリンの溶出は
著しく阻害されるため、本発明では通気、振糧等の好気
的培養手段により培養することが必須である。
そして本発明に使用される通常のブドウ酒酵母としては
、通常ブドウ酒製造に用いられる酵母であれば、その種
別を問わず使用することが出来、例えばN.J.K.−
W204 NJ.K.−W302、N.J.K.−W3
04(いずれも日本醸造協会製造販売)、サッカロミセ
ス・セレビシヱ(Saccharomycescere
visiae)OUT7080、ワイン・イースト(W
ine yeast)IF02松2、ワイン・イースト
(Wine yeast)IF02313、ワイン・イ
ースト((Wineyeast)IF02317、サツ
カロミセス・ルキシー(Saccharomycesr
o似ii)OUT7142、サツカロミセス・ルキシー
(Saccharomycesrou幻i)HUT71
97、サツカロミセス・アシドフアシ エ ン ス(S
accharomyces acidofaciens
)OUT7002、クレ ツケラ・アピキユレータ(K
I肥ckersapiculata)IFO0865ク
レツケラ・アピキユレータ(K1oeckera ap
iculaね)び0雌66、クレツケラ・アピキユレー
タ(K1oeckeraapiculata)IFO0
867、サツカロミセス.セレビシ工(Sacchro
myces cere船iae)MM417ふサツカロ
ミセス・ベイリイ リンドナ ー ( Sacchar
omyces bailji Liodner )『0
10職、サツ力oミセス・オピフオルミス(Sacch
aromycesovifo肌is)山M4377、ト
ルロプシス・バチラリス(Tor山opsis舷cil
laris)び01093、キヤンデイダ・クルセイ(
Candidakmsei)moo83里等が挙げられ
る。
次に前記好気的条件下での培養を続け、培養液中のグリ
セリン濃度が35(夕/そ)以上に達した時点で好気的
条件下での培養を止め、後はこれに濃縮ブドウ果汁を加
えてアルコール発酵させる。ここで培養終末時点とグリ
セリン濃度との相関を検討するため、以下の実験を行っ
た。実験例 新鮮な甲州種ブドウ果汁(糖濃度;17.0%・W/V
、総酸;8.5(夕/夕)、pH:3.2)7そを、予
じめ蒸気殺菌した10そ容ジャーファーメンターに投入
し、これにボトリチス・シネレア(則tびtiscin
erea)FERM−PNo.1612の湿潤菌体15
0夕を接種し、これを13〜170で、毎分10その割
合で通気しつつ培養し、5日目‘こグリセリン濃度が2
2(夕/Z)となった時点で、この培養液にサツカロミ
セス。
ベイIJイリンドナ−(Sacchromycesba
iliiLindner)IFOIO98の培養菌体液
100のと、クレッケラ・アピキュレー夕(K1oec
keraapiculata)『00865の培養菌体
液300の【およびサツカロミセス・オビフオルミス(
Saccharomycesovifo皿is)lAM
4377の培養菌体液200の‘を同時に添加しのち、
引続き前記好気的培養条件下で培養した。
そして培養期間中第1表に示す時期に、試料1本当り3
00の【づつ採取し、これに濃縮ブドウ果汁(糖濃度:
45%・W/V)を試料1本当り700泌づつ添加した
のち、各試料を170で2ケ月間アルコール発酵させた
発酵終了後、試料を12℃で6ケ月間樽貯蔵し、次いで
120で6ケ月間瓶貯蔵して貴腐ワインを得た。
上記操作により得られたワインの分析結果および官能検
査の結果を、第1表に示す。
なお、官能検査は塾練した剛酒パネル18名により、色
0〜2点、透明度0〜2点、香気0〜4点、風味0〜1
2点の20点滴点刺酒法で実施した。
第 1表第1表中 ※1.; 試料中のクリセリンの定量は、篠原等の方法
(篠原隆、渡辺正澄、醸造協会誌、71巻、888頁、
1976)によりガスクロマト法、(日本電子(株)製
、JeoI JGOIIOO型ガスクロマトグラム)で
定量した。
※2.; 試料中の多榛類の定量は、フェノーノし硫酸
法( T.Bitter and 日.M.Muir:
Anal.Biochem.4.330.1962)に
より定量した。第1表の結果より明らかな如く、培養液
中のグリセリン含量は最初培養時間の経過と供に増加し
、ほゞ9報時間程度を頂点として再び減少する傾向が見
られるが、何れの培養時期に於いてもグリセリン濃度が
35(夕/そ)以上となった時点で培養を止めることに
より得られるワインは、グリセリン濃度34(タノ〆)
以下で培養を止めたものに比し、色、透明度、香気、風
味共に著しく優れた、高品質の貴腐ワインが得られるこ
とが判明した。次に通常のブドウ酒酵母による発酵終了
後、必要により櫨過を行ない、さらに約10日間程度冷
却すると姿白質、酒石等が沈澱するので、これを分離し
たのち、さらに1NC以下の低温で貯蔵、塾成され、色
、香気、風味共に殴れ、グリセリン含量の多い濃淳な貴
腐香を有するワインを有するが得られる。
以下実施例により本発明を具体的に示す。
実施例 新鮮なセミョン種ブドウ果汁(糖度;16.8%・W/
V、総酸;8.9・夕/夕、pH;3.2)3.0そを
、5Z客のジャーファーメンタ−に投入し、これにボト
リチス・シネレア(敗trれis cinerea)F
ERM−PNo.1612の湿潤菌体300柵を接種し
、14〜18qoで140時間培養し、グリセリン濃度
が24(夕/そ)に達した時点で、これにクレッケラ・
アピキユレータ(K1oeckera apicula
舷)『00865の培養菌体液300肌、サッカロミセ
ス・オビフオルミス(Saccharomyces o
viformis)lAM4377の培養菌体液100
肌‘およびサッカロミセス・ベイリイ リンドナー(S
accharomyces舷jliiLiodner)
び01098の培養菌体液100の上を夫々加え、94
時間通気培養し、グリセリン濃度が39(夕/そ)の培
養液を得た。
次に上記培養液に、甲州種ブドウ果汁をフリーザ−(W
irpool社製、IEWH・23一1一1型フリーザ
ー)で冷凍濃縮した濃縮果汁(糠度;60.5%、W/
V、pH;3.1)3.0〆を加え、これを18。
0、2ケ月間静置アルコール発酵させた。
上記アルコール発酵終了液を樽でlyo、6ケ月間貯蔵
し、次いで瓶でl5oo、12ケ月貯蔵、塾成させて、
濃淳な貴腐香を有する、高品質な貴腐ワインを得た。上
記ワインの分析値は、グリセリン;27(夕/そ)、多
糖類;0.67(夕/そ)、酢酸;0・7(夕/Z)、
ジエチルエステル;16.4(m9/そ)、アセトアル
デヒド;62(の9/夕)、pH3.2であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ブドウ果汁にボトリチス・シネレア (Botrytis cinerea)を接種、倍養し
    、該培養液中にグリセリン濃度が15〜27(g/l)
    となつたときに、通常のブドウ酒酵母を加え好気的培養
    条件下で培養し、該培養液中のグリセリン濃度が35(
    g/l)以上に達した時点で培養を止め、これに濃縮ブ
    ドウ果汁を加えてアルコール発酵させることを特徴とす
    る貴腐ワインの製造法。
JP52134152A 1977-11-10 1977-11-10 貴腐ワインの製造法 Expired JPS6024708B2 (ja)

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JPS5470497A JPS5470497A (en) 1979-06-06
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JPH0789901B2 (ja) * 1990-08-31 1995-10-04 大関株式会社 グリセロール含量の高い清酒または雑酒の製造方法

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