JPS602431B2 - 装飾シ−トの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマープル模様等を有する装飾シートの新規な製
造方法に関するものであり、更に詳しくは、単色もしく
は複数の着色合成樹脂ペーストをスプレー方式で隣型紙
上に吹付けることによってマーブル模様、あるいは研ぎ
出しテラゾ風の模様を有する床仕上材や壁袋材などに用
いる装飾シートを製造せんとするものである。

床仕上材、特に塩化ビニル樹脂に代表される合成樹脂製
床仕上村は、着色の自由性と装飾の多様性から、種々の
用途に用いられて来ている。

これらの合成樹脂製床仕上材に装飾効果を付与すること
は、単に購買意欲をそそるというために必要であるだけ
でなく、装飾効果のもたらす居住性や心理的効果の点に
おいても極めて重要な意味を有する。従って、合成樹脂
製床仕上材にいかなる装飾効果をどの様な方法・手段で
付与するかの研究が精力的になされて来ており、多数の
発明・考案が提案されている。

しかし乍ら、これらの発明・考案、ならぴに現在用いら
れている合成樹脂製床仕上材を見るに、装飾効果の高い
床仕上材は概して耐久性あるし・は耐摩耗性に乏しく、
また耐久性あるし、は耐摩耗性の優れた床仕上村は往々
にして装飾効果が貧弱であった。例えば袴公昭偽−２８
筋６号公報に記載されているものは、コンゴリウム社の
著名な発明で、所謂ケミカルェンポス法によるクッショ
ンフロア一の原特許というべき発明であるが、この発明
によって得られる床仕上材は、非常にすぐれた装飾効果
を発揮するが、この装飾効果が印刷法及び発泡層の存在
という特殊な条件下でのみもたらされることから、印刷
層が摩耗すると最早床仕上材としての体裁をも失うとい
う極めて耐久性の乏しい床仕上材である。また持公昭４
２一鼠３ぴ号公報に記載の発明は、吸引ロールを用いて
合成樹脂製タイル細片をロール表面に吸引し、予め接着
剤が塗布されている基体シ−ト上に、吸引ロール上にあ
る細片を転着していくという方法であるが、この方法に
よって得られた床仕上材は、合成樹脂製タイル細片を床
仕上材の構成単位としていることから耐久性は優れてい
るけれども、吸引ロールへの細片の吸着にムラがあるこ
とと、細片と細片との間隔、即ち細片の配列が粗雑であ
ることから装飾効果の点であまり優れたものとは言えな
い。また更に、この様に合成樹脂製細片を用いて床仕上
材を製造する方法として侍公昭球−８５６ｙ号公報に記
載のものがあるが、この方法は吸引ロール法の代りに捺
染技法に類似した模様抜きスクリーンを用いて細片を模
様状に所定位置に落下せしめて模様作りを行うものであ
り、全体を押し固めることによって強固な床仕上層が得
られるが、これらの模様を構成する素材、即ち着色合成
樹脂粒子もしくは破砕片の製造が繁雑なこと、及び模様
、特に模様と模様の接合部が不鮮細であること、並びに
押圧時に合成樹脂製細片が流れたり、あるし、は押圧が
不足の場合には巣が入ったり、場合によっては合成樹脂
製細片の落下ムラなどが生じ、均一で均質な床仕上材を
得ることが困難であるなどの欠点を有している。本発明
は、斯様な従来公知の床位上材とは全く異なった方法に
よって、優れた装飾効果を有する床仕上用、もしくは壁
菱用として使用する装飾シートを製造する方法である。

以下、本発明による装飾シートの製造方法を図面につい
て説明すると、滋型紙Ｂ上に、着色合成樹脂ペースト１
，１′，ｒ……………をスプレーガンＣによって横吹き
方法に吹き出して、該着色合成樹脂ペーストを滴状又は
紐状にして落下せしめて、模様層Ａを構成し、然る後こ
れを加熱・ゲル化せしめる工程を第１工程とし（第３図
）、該吹付けペースト１，１′，１へ・・・…・……・
による模様層Ａのゲル化後の不陸面上に、該不陸面を平
滑にするための中間ペースト層２を塗布する工程を第２
工程とし、この中間ペースト層２の未ゲル化時に該中間
ペースト層２上に裏打材３を積層する＝［程を第３工程
とし（第２工程及び第３工程を第・４図に示す）、これ
らの全体を加熱するか、あるいは髪打材３面上から電気
ヒーターなどで加熱して中間ペースト層２を加熱・ゲル
化せしめる工程を第４工程とし（図示せず）、これら全
体を冷却した後、隣型紙Ｂを剥離する工程を第５工程（
第！５図）とすることを特徴とするものであって、第１
工程で使用する着色合成樹脂ペースト１，１′，１″は
、塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル系共重合体であり、乳
化重合法又はマイクロサスペンション法により重合した
所謂ペーストグレードの樹脂が好適であり、これら塩化
ビニル系樹脂の他に、エチレン−酢酸ビニルェマルジョ
ン及びアクリル系樹脂ェマルジョンが使用できる。

また、第］！１工程における着色合成樹脂ペースト１，
１′，ｒ・・・・…・・・・・・・・が単色の場合、即
ち、一種類の着色合成樹脂ペーストを用いる方法が基本
的な構成であるが、２色以上の複数色、即ち多数色の着
色合成樹脂ペーストを用いることも出来る。単色の場合
には、中間ペースト層２を、模様層Ａの着色合成樹脂ペ
ーストとは異なった色に着色しておくことにより、滴下
した着色合成樹脂ペースト１の間隙が異なった色の中間
ペースト層２により充填三；れるので、得られる装飾シ
ートは二色効果を呈９「るものとなる。また、複数色の
場合には、２〜３色の複数色を同時吹付けしても良く、
これは吹付けによって滴状もしくは紐状に吹きとばされ
た着色合成樹脂ペースト１，１′，１″の殆どが元の着
色の燈で吹付けられ、また部分的にはこれら複数色が混
合された状態で吹付けられるので、得られる模様は極め
て複雑且つ美麗なものとなり、天然もしくはこれまでに
見られない極めて独得の装節効果を有する装飾シートが
得られるものである。離型紙Ｂは、平滑光沢紙又は平滑
無光沢紙など任意の離型紙が使用され、通常は隣型紙Ｂ
上に直接模様層Ａが吹付けられるが、耐摩耗性、あるし
、は耐シガレット性などの特殊な性能が要求される場合
には、予めこの様な特性を有する表面透明層（図示せず
）を隣型紙上に塗布し、次いでペースト（模様層）を吹
付けても良い。

スプレーガンＣは通常の場合、口径５〜８肌′肌のりシ
ンガンなどの太吹きのものが通しており、その塗料溜め
は色数に応じて隔壁○でもつて仕切る。

第３図の場合３色の着色合成樹脂ペースト】，１′，ｌ
ｒを用いたため隔壁Ｄによってｃ，，ｃ２，ｃ３の３つ
の塗料溜めに分割し、その内にそれぞれ異なった色の着
色合成樹脂ペースト１，１′，１″を入れ、圧縮空気Ｅ
を吹き込むことによりペーストを吹出させる。この場合
、着色ペーストの吹付けは、雛型紙Ｂに対して平行方向
に横吹きすることが重要である。これは着色ペーストは
粘度が２０００〜５００比ｐｓと比較的高粘度のものを
用いるため、離型紙面に道薮吹付けると着色ペーストの
分離が不充分で部分的に模様の偏りが発生する結果とな
るからであり、本発明の如く横吹き方式にすることによ
り、吹出されたペーストがその表面張力によって大部分
は滴状に、また一部はやや糸引き状態の儀、即ち紐状に
麹型紙上に落下堆積される。従って、着色ペーストは複
数色が均一に分散され、偏りのない模様が得られる。着
色ペーストの塗布厚は目的・用途に応じて０．２〜２．
０肌／ｗとどの様にも調整できる。量産の場合もしくは
広幅の装飾シートを作る場合は単顕スプレーによる吹付
けよりも、むしろ多頭ガンによるスプレー、即ちひとつ
のスプレーガンに１６の着色ペーストを入れ色数に応じ
てその分だけスプレーガンを準備し、同時に、又は別々
にスプレーすることが好ましいであろう。この様にして
着色合成樹脂ペースト１，１′，１″・・・・・・・・
・・・・・・・による模様層Ａを設けた後、これを加熱
炉に通して該模様層をゲル化させると、その表面はスプ
レーした着色ペーストの滴下による凹凸が残っていてか
なりの不陸面状態になっている。

従って、これを平滑にすべき第２工程が必要となる。第
２工程における中間ペースト層２の塗布は、ドクター刃
もし〈はドクターロールなどの所謂固定刃Ｆを用いて模
様層Ａの不陸面上に塗布するものである。

中間ペースト層２は２つの目的で用いられ、第１の目的
は、上述の如く模様届Ａの表面の不陸の調整である。こ
の不陸は被着面、例えば床面に該装飾シートを貼着けた
場合、模様層Ａの凹凸がその藤シート表面に不陸となっ
て表われてくるので非常に醜い仕上りとなってしまう。
従って模様層Ａ面の不陸の調整、即ち平滑化は極めて重
要な要因となる。第２の目的は髪打材３を積層するため
の接着剤層としての役割である。袋打材は、肇面や床面
にこの装飾シートを貼付ける場合、その貼付けを容易に
するために必要であると同時に、模様層Ａ及び中間ペー
スト層２が全て合成樹脂ペーストで構成されているので
支持強度が弱いため、貼付け工程において過度の延伸が
加わったりするが、髪打村を積層することでこれらの欠
点がカバーされる。この髪打材の装飾シートへの接着が
中間ペーストの未ゲル化時に積層法によって行えるので
、工程的にワンラインで行う事が出来、極めて経済的で
あるばかりでなく、工程的に非常に簡単となる。本発明
に使用される裏打材３は、麻布やビニロン金中などの織
布や、ガラスまたはポリエステルなどの不織布、あるい
はアスベスト紙などの紙等任意のものが用いられる。

麻布などの目開きの大きい織布の場合は、中間ペースト
層２上に薄層した後その上面から電気ヒーターなどで競
熱することにより中間ペースト層２をゲル化させること
が出来るが、不織布やアスベスト紙などの厚手の髪打材
３を積層した後全体を加熱炉に入れて所定のゲル化温度
まで加熱することが必要となる。この様にして中間ペー
スト層２を加熱ゲル化せしめた後、この積層シートは滋
型紙Ｂについた儀の状態で冷却され、然る後隣型紙Ｂが
剥離されて製品である装飾シートが得られる。次に本発
明の具体的態様を実施例により述べる。

実施例 １ 【１１ 表面透明層の塗布 配合１表層 ゼオン１２１＊１ １００Ｄ
ＯＰ ３０
ＴＸＩＢ＊２ １０ェポ
キシ化大豆油 ３安定剤
３ 粘度調整剤 適量 ＊， 日本ゼオン製ペースト用塩化ビニル樹脂＊２ テ
キサノールインブチレート 配合１による配合物を真空吸引機付混線機で混合して、
粘度１０００比ｐｓの透明ペーストを調合する。

次いで該透明ペーストを厚さ０．２の′の厚に離型紙上
に塗布する。■ 模様層Ａの吹付け 配合２ ゼオン１２１ ６０ブ
レンド用レジン ４０ＤＯＰ
４０ＴＸＩＢ
ＩＯ安定剤
３充填剤
３０粘度調整剤 適量着色剤
トーナ− 適量配合２を基本配合と
して配合１と同様の方法に従い着色剤トーナーの種類と
して、濃茶、淡茶、白の３色の着色ペーストを調製した
。

配合２におけるブレンド用レジンは、スプレー時の糸引
きを防止するのに有効で、ブレンド用レジンを使用しな
い場合は糸引きが多く、スプレーしたペーストが均一な
滴状、紐状にならない。ブレント用レジンとしてはゼオ
ン１０Ｚ（日本ゼオン製）が適している。配合２による
ペーストは夫々３５０比ｐｓ前後の粘度に粘度調整剤に
より合せておく。この場合、ペースト間に粘度の差があ
るとスプレー時に吹出される、ペーストに偏りが生じる
ので略同じ粘度になるように調整することが肝要である
。３色のペーストを第３図に示した隔壁付スプレーガン
のＣＩ’Ｃ２’Ｃ３に夫々注入して下記の条件で、上記
｛１’１こより予め離型紙上げに塗布された未ゲルイＱ
伏の透明ペースト層上に横吹きに吹付けた。

吹付条件 スプレーガン リシン用 口 径 ６Ｍ′ｗ 空気ノズル径 ２．０ｍ／机空気圧力
２ｋ９′のスプレーガンの口径
は大きいものほど滴状又は紐状のサイズが大きくなり、
口径が小さなガンはこれが細くなってくる。

２机／肌〜３の／肌などの々・口径のガンの場合は吐出
量も少なく、また模様パターンが細かすぎて好ましくな
い。

模様層Ａの塗布厚は床仕上材の場合１．０〜１．５の′
肌程度とする。模様Ａを吹付けた後、直ちに１５０℃の
温度に加熱されている加熱炉に導入して、模様層Ａを加
熱・ゲル化せしめる。

【Ｅｉ’ 中間ペースト層の塗布及び菱打材の積層配合
３ゼオン１２１ １００Ｄ
ＯＰ ４０
ＴＸＩＢ ＩＯェポ
キシ化大豆油 ３安定剤
３ 充填剤 ３０白色顔料
適量粘度調整剤
適量配合１と同様の方法に従い、粘度５０
０比ｐｓの白色ペーストを調整し、ドクター刃を用いて
模様層Ａの上面に刃引き法により塗布した。

塗布したペースト面は平滑であった。次いでパルプ２０
％混抄のガラス不織布（８０タ′で）をペースト表面に
積層した後、１７０℃の温度に加熱されている加熱炉に
導入して全体を加熱した。加熱炉から出た所で押圧ロー
ルにより全体を押圧した後、冷却ロールを通して冷却し
、離型紙を剥離したところ、表面に透明層を有する極め
て美麗な花高岩状の表面模様を有する床仕上げ用の装飾
シートが得られた。この様にして得られた装飾シートは
、その膝の状態で使用できるが、雛型紙を剥離した後「
表面層に紋押し模様を付しても良く、表面層のない場合
には模様層面に紋押ししても良い。

また、予め紋押し加工を施した雛型紙を用いて紋押し模
様を形成しても良い。以上のように、本発明によれば、
マーブル模様あるいは研ぎ出しテラゾ風の模様等を有す
る装飾効果の高い装飾シートが得られると共に、耐久性
、耐摩耗性のすぐれた装飾シートが簡単且つ迅速に得ら
れ、依って所期の目的を達成するものでａ６る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装飾シートの製造方法の一実施例を示すも
ので、第１図は製造された装飾シートの斜視図で一部切
欠する。 第２図はその断面図、第３図乃至第５図は工程図であり
、図中、Ａは模様層、Ｂは滋型紙、Ｃはスプレーガン、
１，１′，ｒ…・・・・・・・…・・は着色ペースト、
２は中間ペースト層、３は裏打材である。第１図 第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１工程が、離型紙上に着色合成樹脂ペーストをス
   プレーガンにより横吹き方向に吹いて、該着色合成樹脂
   ペーストを滴状又は紐状に落下せしめて模様層を構成し
   、然る後これを加熱・ゲル化せしめる工程であり、第２
   工程が、該吹付けペーストの模様層のゲル化後の不陸面
   上に、この不陸面を平滑にする為の中間ペースト層を塗
   布する工程であり、第３工程が、該中間ペースト層の未
   ゲル化時に該中間ペースト層上に裏打材を積層する工程
   であり、第４工程が、これらの全体を加熱するか、ある
   いは裏打材面上から電気ヒーター等で加熱して前記中間
   ペースト層を加熱・ゲル化せしめる工程であり、第５工
   程が、これらの全体を冷却した後、離型紙を剥離する工
   程であることを特徴とする装飾シートの製造方法。 ２ 中間ペースト層が、模様層の着色合成樹脂ペースト
   と異なった色に着色された合成樹脂ペーストであること
   を特徴とする前記特許請求の範囲第１項記載の装飾シー
   トの製造方法。 ３ 模様層の着色合成樹脂ペーストが単色であることを
   特徴とする前記第２項記載の装飾シートの製造方法。 ４ 模様層の着色合成樹脂ペーストが２色以上の多色で
   あり、これらの色が適度の混合状態で吹付けられること
   を特徴とする前記第１項記載の装飾シートの製造方法。