JPS60242216A - 外穀薄肉鋼管付鉄筋コンクリ−ト杭 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は土木建築構造物の基礎として用いられる既製杭
に関するものである。

（従来の技術） 土木建築構造物の基−として用いられる既製杭には、鉛
直方向耐力と同様に曲げ性能が要求される。従来、外殻
鋼管と一体化した中空コンクリート杭（以下Ｓａ杭と称
す。）は曲げモーメントに対して強い杭として知られて
いる。これは、外殻の鋼管が内部コンクリートを三軸拘
束していること、またそのコンクリートと鋼管が完全一
体に挙動すること、鋼の配置が一番外側に有り曲げに対
して最も有効に働く位置に有ること等鋼管とコンクリー
トの複合作用で秀れた性能を発揮している。

しかし、その曲げ耐力は鋼管断面積、すなわち同一鋼管
径の場合鋼管の厚さによって左右される。

ところが、市販されている鋼管の厚さは特定のものしか
無く、杭に要求される曲げ耐力に応じた任意の厚さの鋼
管は人手できず、やむなく設計上要求される厚さ以上の
市販鋼管を使用してい゛た。一方、鋼管の価格は同一鋼
管径の場合、鋼管厚によって決定されるので従来は設計
上要求される厚さの鋼管よりも高価についていた。

他方、ＳＣ杭の鋼管断面積と同断面積となるように多数
本の鉄筋を配筋した場合、鉄筋を用いた方が鋼管を用い
るより廉価である。この考えにより従来の鉄筋コンクリ
ート杭やプレストレストコンクリート杭の断面内にＳｏ
杭の鋼管断面積と同等の鉄筋を配筋しようとすると、鉄
筋断面積が大きくなるために大径の鉄筋を密に配置せざ
るを得なくなる。その結果、鉄筋に対するコンクリート
のかぶり厚さが確保されないため、鉄筋が腐食する恐れ
があり、構造体としての耐久性に問題が出てくる。かぶ
り厚さを確保しようどして、細径の鉄筋を用いると鉄筋
間隔がさらに密になるため、コンクリートを打設しても
鉄筋相互間や鉄筋の背後にコンクリートを充填できず、
コンクリートと鉄筋が一体化した構造体として成型する
ことはできない。

また、多量の鉄筋とコンクリートを一体的に挙動させ所
定の曲げ耐力を発揮させるためには相当量のフープ筋に
より鉄筋とコンクリートを拘束することが不可欠であり
、鉄筋を配筋した時点においてすでにかぶり厚さが不足
したり、コンクリートの充填に支障をきたすような断面
においては、かかるフープ筋を配筋する余地はない。仮
にフープ筋が配筋できたとしても、フープ筋の拘束効果
はそれがとり囲む内側にのみ及ぶものであるから、フー
プ筋の外周のかぶりコンクリートは杭が曲げモーメント
を受けた時に剥離してしまい、鉄筋コンクリート構造体
として挙動することができない。

またさらに、実開昭５１−１４２７０３号に見られるよ
うな鋼管の内面に鉄筋を溶着させ、内面にコンクリート
を中空に成型した杭においては、鋼管と鉄筋を全長にわ
たって全強で溶着するため工業的に非常な困難が伴い、
高価なものとなる。

ところで、曲げモーメントを受ける杭に要求される性能
として、曲げ耐力以外に曲げ変形能力がある。従来、Ｓ
Ｃ杭は鉄筋コンクリート杭やプレストレストコンクリー
ト杭よりも曲げ変形能力に富んだ杭として知られている
が、ＳＣ杭が曲げ変形能力に富むのは、鋼管がフープ筋
として作用してコンクリートをなかなか圧壊させないた
めであるが、鋼管が軸方向鉄筋とフープ筋とを兼ねてい
るため、コンクリートが圧壊した後それまで大きな圧縮
応力を負担していた鋼管の圧縮側が局部座屈し、軸方向
鉄筋とフープ筋の役割を同時に失ってしまう。従って、
この時点をもってＳＣ杭の曲げ変形能力は限界となって
しまう。

（発明の目的） 本発明は上述したような従来技術の欠点を解消しようと
するものであり、総断面積でＳＣ杭の鋼管断面積と同等
の断面積を有する鉄筋が配筋でき、その結果Ｓａ杭と同
等の曲げ耐力を有し、かっＳＣ杭より大きな曲げ変形能
力を有する杭を安価に提供することを目的とする。

（発明の構成） 以下、本発明の構成を図面を参照しながら説明する。

本発明の杭は、薄肉帯鋼板をスパイラル状に巻いた外殻
円筒１を有する。外殻薄肉鋼管は一方ではそのものの腐
蝕を考えなくてはならない。この発明に採用する鋼管は
０．２５ｍＮ〜１，６關の鋼管であるため、通常腐蝕は
土中で８０年間の間に２■腐蝕するといわれており、こ
の発明のものは完全に外殻鋼管が無くなることになり防
錆対応が必要である。その一つに素材そのものを防錆す
る方法で表明処理鋼板を使用するものがある。これは、
亜鉛メッキ鋼板や塗装鋼板等防錆鋼板を使用する方法で
あり、防錆する面は外周になる片面のみを防錆したもの
でよい。もう一つの方法は施工法と合せ防錆するもので
あり杭の方は普通鉄板で良い。

これは、近年杭の施工法が無騒音無振動で施工する所謂
無公害工法が普及してきておりその中で代表的なもので
あるセメントミルク工法があるが、この工法に使用する
ケースが多い。この結果、杭周面にはセメントミルクの
固化物が付着し、これが周辺の土との摩擦力を発生させ
て支持力を得ている。この事は杭周面に防錆膜となるセ
メント固化物が覆うことになるので自動的に防錆される
ことになる。このように素材で防錆か、工法で防錆か、
場合によっては腐蝕しない薄肉ステンレス鋼板（マルチ
ンサイト系、フェライト系、オーステナイト系）等の使
用が必要となる。また、外殻円筒１はスパイラル継目の
両側の鋼板を相互に折り曲げて圧締すること（以下、は
ぜかけと称す。）Ｋより造管するので、用いる鋼板は薄
いものの方が良く、通常はこの方法で製造可能な厚さ０
．２５Ｉ＋１１Ｎ〜１．６１１のものを用い、好ましく
は０．３關〜１．２非のものを用いる。はぜかけ部は、
概略４のような形状となる。

外殻円筒１の内側には中空円筒状にコンクリート層３が
ライニングされており、コンクリート層中に複数本の鉄
筋２が杭の軸方向に配置されている。鉄筋としてはどの
ようなものでも用いることができるが、コンクリートと
の付着を確保するためにでき得れば異形加工を施した鉄
筋を用いるのが望ましい。この発明の杭ではその薄肉鋼
管の内側にはその鋼管とは仮止め程度には接着する場合
もあるが、基本的には接着されていない異形鋼棒や丸鋼
等を杭の軸方向に複数本鉄筋を配する。さらに内側鉄筋
は外殻薄肉鋼管に守られているため防錆処理をせずに杭
の路外用に配置することが可能であるため鉄筋コンクリ
ート構造として理想的な外周に近い所への配筋な可能に
している。この薄肉鋼管と鉄筋を基本的に接着しないの
は、はとんど差はないが各々の受ける力に差があるから
変形もわずかに異なる。このため剛結しであるとその接
着部分に内部応力が発生し、本来の強度を発揮できない
可能性があるためである。それよりもフリーにしてあれ
ばそれぞれが完全に能力を発揮し、鋼管と鉄筋の断面積
和に見合った能力を発揮することができる。また、杭全
長にわたって同一径の鉄筋を一様に配筋しても良いし、
設計上の曲げモーメント分布に従って鉄筋の径や本数を
杭の軸方向に変化させて配筋しても良い。

本発明の杭の端部には、鋼製のＰ−ナツツ形状の端板５
がとりつけらね、鉄筋２と溶着される。

外殻円筒１にステンレス鋼などのような鋼より責な金属
を用いる場合には、外殻円筒１と鉄筋２、端板５を溶着
すると、より卑な金属である鋼製の鉄筋２や端板５が局
部電池の形成により腐食する恐れがある。従って、外殻
円筒１と鉄筋２、端板５は直接接触させない方が好まし
い。

このようにして第２図に示すように、中空コンク１，１
−　）　１−３の中に総断面積でＳＣ杭の鋼管断面積と
同等の断面積を有する鉄筋２が配筋され、コンクリート
層３の外周に外殻円筒１を有する杭が完成する。

以上防錆を考慮した薄肉鋼管を外殻とし、中に密実なコ
ンクリートと主筋として働く鉄筋を配した外殻薄肉鋼管
付鉄筋コンクリート杭はその内部のコンクリートは中実
でも、中空でも良い。又そこに使用するコンクリートは
はぜの内面凸凹があることから物理的にコンクリートと
の付着も確保される。養生方法も常温常圧蒸気養生や水
中養生あるいはオートクレーブ養生等いずれの配合、養
生方法でも生産可能である。

（実施例） 以下、本発明の杭が鋼拐の断面積がほぼ等しい従来のＳ
Ｃ杭の曲げ耐力と実質的に同等な曲げ耐力を有し、かつ
より大きな曲げ変形能力を有することを、実施例を挙げ
て説明する。

試験体は（Ａ）、（Ｂ）の２種類で、ｆＡ）は従来のＳ
Ｏ杭（鋼管外径４００ｍＷ、鋼管厚６ｍｍ、コンクリー
ト層厚５９−１鋼管断面積７４．３　ｃｒｒＬ２）、（
Ｂ）ハ本発明ニヨる杭（外殻円筒材質ステンレス鋼（Ｓ
ＵＳ４６０）、外径４００關、厚さ０．５朋、鉄筋５Ｄ
３０−Ｄ２９　１２本、コンクリート層厚５９ｍｔｔ＋
、鉄筋総断面積７７．０　ｃｍ２）である。

（Ａ）、（Ｂ）共に試験体長さは５ｍで、４ｍを支持ス
パンとして中央１ｍ純曲げ区間による２点載荷単純曲げ
試験を実施した。その結果は第１表及び第４図に示すよ
うに、曲げ耐力については本発明の杭は、従来のＳＣ杭
と実質的に同等な曲げ耐力を有することが明らかであり
、曲げ変形能力についても従来のＳＣ杭よりすぐれたも
のを有することがわかる。

第　１　表 （発明の効果） 本発明の杭は上述した構成より成り、従来技術と比べて
以下のような利点、特徴を有する。

■　ＳＣ杭のように鋼管を用いる場合と異り、設計上必
要な断面積だけ鉄筋を配筋すれば良いので、安価になる
。

■　外殻円筒１が土中において耐食性を有するため、鉄
筋２のかぶりコンクリートが無くても鉄筋２が腐食する
ことがない。

■　また、鉄筋２をコンクリ−）　Ｉｆ　３の外縁近く
に配置することができるので、多量の鉄筋を配筋しても
鉄筋間隔を充分とることができ、コンクリートの充填に
支障をきたすようなことがない。

■　外殻円筒１は従来の鉄筋コンクリート杭等における
フープ筋と異り、杭断面の最外周にあるためコンクリー
ト層３と鉄筋２のすべてを拘束することができる。従っ
て、鉄筋２より外周にあるコンクリートが剥離しないた
め、全断面が一体的に挙動する。

■　外殻円筒１は、そのスパイラル継目をはぜかけによ
り形成しているので、杭が大きな曲げモーメントを受け
、たわみが大きくなるような状況下では、はぜかけ部が
杭の軸方向に開くことになる。従って、外殻円筒１には
大きな軸方向力は働かず、外殻円筒１は専らフープ筋と
して作用することとなる。その結果、コンクリートが圧
壊しても外殻円筒１はＳＣ杭の鋼管のように座屈するこ
となく、フープ筋として鉄筋２とコンクリート層３を拘
束し続けるので、ＳＯ杭よりも大きな曲げ変形能力を有
することができる。

このように、本発明の杭によれば、ＳＣ杭と同等の曲げ
耐力とＳＣ杭よりも大きな曲げ変形能力を有し、かつ安
価な杭を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の杭の一部切断斜視図。 第２図は本発明の杭の断面図。 第６図は外殻円筒の継目断面拡大図。 第４図は曲げ試験におけろ荷重と試験体中央のたわみと
の関係図。 特許出願人　旭化成工業株式会社 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 厚さ肌２５ｒｔｔｍ〜１，６闘の薄肉帯鋼板をスパイラ
   ル状に巻き、かつそのスパイラル継目の両側の鋼板を相
   互に折り曲げて圧締することにより形成した外殻円筒を
   有し、その内側にライニングされた中空円筒状のコンク
   リート層中には複数本の鉄筋が杭の軸方向に配筋さねて
   いることを特徴とする外殻薄肉鋼管付鉄筋コンクリート
   杭。