JPH06257324A - 継ぎ式金属管柱及びそれに用いる短尺管 - Google Patents

継ぎ式金属管柱及びそれに用いる短尺管

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JPH06257324A
JPH06257324A JP4686793A JP4686793A JPH06257324A JP H06257324 A JPH06257324 A JP H06257324A JP 4686793 A JP4686793 A JP 4686793A JP 4686793 A JP4686793 A JP 4686793A JP H06257324 A JPH06257324 A JP H06257324A
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Tadakatsu Maruyama
山 忠 克 丸
Hiroyuki Tanahashi
橋 浩 之 棚
Hiroyuki Yamada
田 寛 之 山
Kazuo Aoki
木 和 雄 青
Hitoshi Arai
井 仁 新
Takahiko Mio
尾 尭 彦 三
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YOSHIMOTO PAUL KK
Awaji Sangyo KK
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YOSHIMOTO PAUL KK
Awaji Sangyo KK
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電柱、照明柱、標識柱、信号柱、旗竿などに
使用可能な継ぎ式鋼管柱を、強度や腐食に問題がなく、
かつ美観上も優れた方法で実現すること。 【構成】 一体の継ぎ式鋼管柱を構成する形状記憶合金
製の短尺鋼管1は、端部を拡管または縮管加工した後に
隣接する短尺鋼管1と差し込み式につなげた後、加熱す
ることによって十分な締結力を得ることができる。 【効果】 ボルト類を一切使用しないので腐食や緩みの
心配がなく、かつ景観性の良い継ぎ式鋼管柱が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電柱、照明柱、標識
柱、信号柱、旗竿など、各種の支柱として用いられる金
属管柱で、特に複数本に分割されて製作された短尺管を
継ぎ合わせて一体とする継ぎ式金属管柱と、それを構成
する短尺管に関する。
【0002】
【従来の技術】電柱、照明柱、標識柱、信号柱、旗竿な
ど、各種の支柱は、古くは木や竹等の天然素材が用いら
れたが、近年では鉄やアルミニウム系の金属柱とコンク
リート柱が主体となってきている。これを用途別に見る
と、電柱だけはコンクリート柱の比率が高いけれども、
電柱以外の各種支柱は金属柱が主体である。しかし、コ
ンクリートが多く使用されている電柱といえども、重量
があって搬送や工事に困難を伴うコンクリート柱に代わ
って、鋼管柱などの金属管柱を用いようとする動きは以
前から始まっており、近年その傾向は一層強まってい
る。
【0003】一般に、金属管柱は、コンクリート柱に比
べて軽量で運搬や工事がしやすい上、太さを半分ほどに
出来るため見た目に圧迫感を与えないこと、交通事故等
の不慮の衝撃によっても折れる心配のないこと等が特徴
とされている。同時に、金属管柱は、コンクリート柱な
どとは異なって、短い要素を継ぎ合わせて一体の長尺支
柱とするような、接合作業が容易に行える点も、軽視で
きない重要な点である。12メートルを越えるような大
型の支柱は、照明柱や標識柱などとして実際に多くの要
求がある。これを初めから一体の長尺支柱として製作し
てしまうと、工場から施工現場までの搬送に大型トレー
ラーを使用する必要が生じて、輸送コストが高くなるば
かりでなく、輸送経路の選択においても大きな制約を受
ける。また、工事までの格納にも大きなスペースが必要
となる。したがって、短尺に分割して輸送して、施工現
場で一体に継ぎ合わせて長尺支柱に組立てられるような
信頼性の高い継ぎ式の金属柱ができれば、支柱用途とし
ての金属柱の重要性は、一層大きなものとなることが期
待できる。
【0004】そのようなことから、これまでにも鋼管柱
を中心として継ぎ式金属柱もしくはその継手ならびに製
造方法に関しては、多くの検討が行なわれてきた。例え
ば、実公昭40−030122号公報では、上部用鋼管
と下部用鋼管のそれぞれの端部に、互いが差込み可能な
ように形成された接合用のカラー状鋼管を溶接により接
合し、次に両カラー状接合部同士を差し込んで組み合わ
せてから、重なりあったカラー状の鋼管部分をボルト締
めによって締結するという鋼管継手を提示している。ま
た、実公昭43−013069号公報もこれと似ている
が、一方のカラー状鋼管に係合用突起を、そして他方に
は前記突起が嵌合する長溝を形成して、両者の噛み合わ
せも併用した照明用テーパーポールを提示している。こ
れらの方法は、いずれもある程度の実績のある方法では
あるが、ラップさせたカラー部分のボルト穴の位置合わ
せ作業がやりにくいことと、さらにボルト部分が錆発生
の起点となる場合が少なくなく、寿命の点でも充分なも
のとはいい難い。一般に金属柱、中でも代表的な鋼管柱
の欠点の一つが腐食の問題であることは良く知られた事
実である。
【0005】支柱本体部分は亜鉛めっき等の防錆処理に
よって耐食性を確保することができても、締結用のボル
ト部分や鋼管をラップさせた隙間等から発生する腐食の
防止は、なかなか容易な問題ではない。締結に当たりこ
のような腐食起点の解消を狙って、これらの部分をゴム
等のキャップで覆うようにした組立ポールの連結装置
(実開昭55−035218号公報)も開示されてい
る。しかし、これも部品数が多くなり、作業が煩雑にな
る点で広く採用されるには至っていない。以上のいずれ
の場合でも、最終的な継ぎ手段は、ボルトによるねじの
締結力に頼るものである点で共通している。ねじは腐食
の問題以外にも折損の虞もあり、厳しい自然環境に暴露
され、しかも長い寿命を要求される構造物の締結手段と
しては、必ずしも好ましいものとはいい得ない。締結後
に現場で塗装などの補強処理を行えれば、ある程度まで
は、ボルト部などの腐食を抑制することができるであろ
う。
【0006】しかし、そのような補修は施工作業を簡略
化する方向に逆行し、とうてい広く受け入れられるもの
とはなり得ない。そこで、金属管柱全体を上部ほど細い
テーパー状として、下部の短尺鋼管の上に上部の短尺鋼
管を順次一部が重なり合うように積み上げていく方法も
考案されている。ただし、この方法は重なりあった部分
の摩擦力だけで締結されているものであるため、引き抜
き力に対する抑止力が十分でなく、非常の際に互いがバ
ラバラに離れて、予期せぬ傷害を周囲にもたらす心配が
もたれている。これを改善するために、ボルト締結を組
合わせる(実公昭44−016450号公報、実開昭4
8−041007号公報)と、前述したボルトの問題が
再び発生する。以上のことから、現場での施工作業が容
易でしかも腐食に対しても安全な、信頼性の十分に高い
金属支柱類の締結用継手もしくは方法は、先行技術の中
から見いだすことができないのが実状であった。本発明
者らは、これらの課題を解決するためには、ボルトなど
のねじ要素に頼る従来の締結法から完全に脱して、これ
に代わる新しい締結要素を採用することが不可欠である
との結論に達した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、施工作業が
煩雑となり、かつ腐食起点をあたえる心配のあるボルト
等のねじ締結を用いずに、十分な締結強度と耐食性を保
証でき、さらに景観性にも優れた継ぎ式金属管柱とその
構成要素となる短尺管を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の短尺管
を継ぎ合わせて一体に構成する継ぎ式金属柱であって、
前記継ぎ式金属柱を構成する短尺管の内の少なくとも1
本が形状記憶合金からなることを特徴とする継ぎ式金属
管柱である。ここで使用する形状記憶合金製の短尺管と
しては、形状記憶処理後に、一方もしくは両方の端部付
近が、解放端部で最大となる拡管もしくは縮管加工が行
われていて、隣接して継ぎ合わされる相手側短尺管の端
部と差込み可能になっているもの、さらに、形状記憶合
金製の短尺管の端部には、これに継ぎ合わせる相手側短
尺管の対応する端部に形成されている突起または溝と嵌
合する形状の溝または突起が形成されているもの、およ
び短尺管がテーパー管であるものや防錆処理されている
ものをも包含する。本発明における継ぎ式金属管柱は、
従来使用されているボルト等のねじ要素に頼る締結手段
を完全に排除して、形状記憶合金という新しい素材が形
状回復時に発生する応力を締結主体として利用するもの
である。このため、金属管柱を形成する短尺管の内の少
なくとも1本以上が、形状記憶合金製であることが必要
である。形状記憶合金製の短尺管1本で前後2本の短尺
管まで締結することができるから、3本継ぎ式の金属管
柱の場合であれば、最低限3本中の1本を形状記憶合金
製の短尺管とすれば一体の金属管柱として構成すること
が可能となる。
【0009】図1によって本発明を説明する。図中1で
示す形状記憶合金製の短尺管と、2と3で示す短尺鋼管
を合わせて合計3本の短尺管を次ぎ合わせることによっ
て、一体の金属支柱を構成する例を説明する。まず、形
状記憶合金製短尺管1は、圧延板を曲げて溶接するなど
の方法によって製作する。長尺の形状記憶合金製パイプ
があれば、これを必要な長さに切断してもよい。次に、
形状記憶処理のための加熱を行う。加熱温度は使用する
形状記憶合金の種類によって異なるが、約600℃以
上、約1000℃以下が程度である。この処理によって
基本形状が記憶させられたので、次に形状記憶合金円筒
の端部11および12をマンドレルや金型を用いたプレ
ス等によってそれぞれ縮径もしくは拡径する。ここでの
加工度が適正でないと、後の加熱による形状回復が十分
に得られない場合があるので、これも使用する形状記憶
合金の特性に応じて定める必要がある。一般的には、3
%以上、10%以下程度とするのが普通である。これだ
けの準備によって、形状記憶合金製短尺管は、次に一定
の温度に加熱されると、最後に縮管もしくは拡管を行っ
た以前の基本形状に復帰しようとする。そこで、加熱に
先だって、普通の短尺鋼管2と3を前後に差し込んでお
き、しかる後に形状記憶合金製短尺管の両端部に対して
加熱処理を行えば、これらの短尺管が相互にしっかりと
締結されるわけである。図1の例では短尺鋼管3の片端
部を予め一部絞った形状にして使用したが、単に管を締
結するという狙いに対してはこの予備加工は必須ではな
い。
【0010】なお、継ぎ式金属管の耐食性を確保する観
点からは、短尺管の差込み方向を、下管の上部が上管下
部の内側に差し込まれるように組み合わせることが有効
であるのはいうまでもない。これによって、降雨が締結
部から鋼管支柱の内部側に入り込むことを防止すること
ができる。また、これと合わせて亜鉛めっき等の防錆処
理を施すことももちろん効果がある。工場出荷時には防
錆処理を完了させ、現場施工後に特別な処理を必要とし
ない製品とするためには、形状記憶合金を使用している
特有の問題に対する配慮が必要である。一般に、支柱用
金属管柱で最も普通におこなわる防錆処理は、溶融亜鉛
めっきである。これは溶けている亜鉛の中に、処理すべ
き金属管を浸積させてめっきする方法である。最終的な
加工まで終了した段階の形状記憶合金製短尺管を高温の
めっき浴中に浸積すると、めっき浴の温度で形状回復を
引き起こしてしまい、実際に短尺管を締結する時に差込
みができないという不都合が生じる。この問題を回避す
るためには、形状記憶合金製短尺管の形状記憶処理後に
溶融亜鉛めっきを行い、しかる後に最後の縮管または拡
管加工を行えば良い。また、これ以外の耐熱性塗料等を
利用する際にも同様の配慮が必要である。なお、景観性
等の点で継ぎ式金属管柱をテーパー管としたい場合に、
本発明による形状記憶合金製短尺管をテーパー状とする
ことは何等差し支えがない。また、締結部の補強のため
に、形状記憶合金製短尺管の端部に、これと締結する相
手側の短尺管に設けられた突起もしくは凹部と嵌合する
ように、凹部もしくは突起を形成することも、特に曲げ
強度や捻り強度に高くしたい場合の有効な手段となる。
【0011】本発明における継ぎ式金属管柱用短尺管と
して使用する形状記憶合金は、一方向性の各種合金が使
用できる。構造体としての用途に照らしていうと、あま
りに大きい形状回復応力をもった形状記憶合金では、短
尺鋼管に対して過大な残留応力を付加することになって
好ましくない。チタン‐ニッケル系の合金は、形状記憶
合金としては極めてすぐれたものである反面、鋼管側に
過大な残留応力を付与する危惧もあることから、構造体
としての鋼管柱用の締結要素として使用するには、配管
用継手の場合とは異なる配慮が必要となって、必ずしも
望ましい種類の合金とはいえない。また、一般に、配管
用よりは大きな外径の鋼管を締結することが多いためコ
スト的にも安いこと、かつ加工や溶接の容易で、支柱と
して多く使用されている鋼管柱との馴染みの良い合金が
使いやすい。このような条件を満足する形状記憶合金と
しては、Fe−Mn−Si系の鉄を主要成分とする形状
記憶合金が最も適当である。その際、形状記憶効果を改
善するためにトレーニング処理(形状記憶処理の後、変
形と加熱を繰り返して形状回復時のひずみと応力を高め
るための処理)がなされた状態の合金を使用することは
一向に差し支えない。
【0012】また、短尺管を継ぎ合わせる際に施工現場
において加熱する方法としては、バーナーや電気式ヒー
ターを巻き付ける等が一般的であるが、作業性と温度制
御の点で優れている高周波誘導加熱の利用も有効であ
る。ただし、基本的には、本発明は加熱する手段に関し
ては特定するものではなく、いずれの手段・方法によっ
ても、使用する形状記憶合金製短尺管を形状回復させる
に必要な温度に到達させ得るものでありさえすれば良
い。なお、一体の継ぎ式金属管柱に使用する短尺管のす
べてを形状記憶合金製短尺管とすることが最も望まし
い。しかしながら、形状記憶合金製短尺管の使用を最低
限にとどめるために、形状記憶合金製以外の短尺管を併
せて使用することも可能である。その場合に使用する短
尺管としては、STK規格などの構造用の鋼管が最適で
ある。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明する。実施例1 3本継ぎ方式の金属管柱を製作した。中間の1本が28
%Mn−6%Si−5%Crを含む鉄系形状記憶合金製
で、上下の2本は溶融亜鉛めっきされたSTK540と
した。金属管柱の外径は、下部で165.2mm、上部で
114.3mm、継ぎ合わせた全長は7mであるが、3本
の短尺管はいずれもテーパーのない直管を使用し、金属
管柱の上下の外径の差は、最下部に使用する短尺管の上
部に絞り加工部を設けることによって与える構造とし
た。この状況は、図1にほぼ沿ったものとなっている。
【0014】形状記憶合金製短尺管は、5.6mm厚の熱
間圧延板を成形してTIG溶接によってパイプにしたも
のである。600℃で形状記憶処理を行った後、溶融亜
鉛めっきを行い、次に上側端部は端部から長さ170mm
の部分を8%縮管し、一方下側端部170mmの部分は、
8%の拡管を行った。この形状記憶合金製短尺管の上側
は、外径114.3mm、肉厚4.5mmのSTK鋼管に差
込み、下側には外径が165.2mmで先端部170mm長
さの部分を112mmに絞ったSTK鋼管を差し込んだ。
それぞれの差込み部分を高周波加熱によって300℃ま
で加熱した。
【0015】この金属管柱の下部1.5mまでを固定し
て、上端から0.3mの位置で横方向に155kgf の荷
重を付加するテストを行った。金属管柱は継手部を含め
て何等の異常も発生せず、荷重除去後の残留たわみも検
出されなかった。この試験は電柱としてトランス等の重
量物が負荷される場合とともに、一般的な照明柱として
必要な風速60m/s 時程度の荷重を想定して行われたも
のであり、本発明の継ぎ式金属管柱が電柱や照明柱とし
て的確であることを確認することができた。
【0016】実施例2 実施例1と同様な3本継ぎ式金属管柱の組立において、
形状記憶合金製短尺管1を形状記憶処理と端部への縮径
加工を行った後に、図2の15として示すように、外面
に幅3mm、深さ0.5mm、長さ70mmの溝を8本形成し
た。一方、短尺鋼管2の下端部内面には、これと嵌合す
るような直線状の突起を加工した。この突起は、端部か
ら70mmの長さ部分を、突起部を除いて削り取る方法で
形成した。同じように形状記憶合金製短尺管1の下端部
と短尺管3の上端部にも、直線状の溝と突起を形成し
た。これらがかみ合うように組み合わせた後でバンドヒ
ーターを巻き付けて300℃まで加熱して締結した。
【0017】本発明による継ぎ式金属管柱は、先端部に
120kgf の荷重を付加しても支障が生じなかった。ま
た、逆L型やF型などのアーム式の標識柱では曲げ荷重
だけでなく捻り強度も要求される。そこで、本実施例に
より製作した金属管柱の下端を固定し、上端に133kg
f ・m のトルクを付加して捻りに対する強度も確認し
た。133kgf ・m というトルクは、標識柱で要求され
る標準的なトルクであるが、本発明による継ぎ式金属管
柱は、このトルクに十分に耐えることが確認された。
【0018】実施例3 同じく実施例1と同様な3本継ぎ式の金属管柱を製作す
るに際して、中間に使用した形状記憶合金製短尺管1の
上部には、形状記憶処理と縮径加工をした後の上部外面
に、図3の16で示した、高さ2mm、直径4mmの突起を
形成した。この突起は上端から70mmの位置で円周上の
対向する2箇所に形成した。一方、これと締結する短尺
鋼管2の下端部内面には、図3の26で示したような形
状の凹部を切削加工した。深さは2mm、幅は4.3mmで
端部から15mm入ったところでほぼ直角に曲げて形成し
た。同じように、形状記憶合金製短尺管1の下部とこれ
に嵌合する短尺管の上部にも、同様の凹部と突起を形成
した。締結に際しては、形状記憶合金製短尺管1と短尺
鋼管2とを突起と凹部の位置を合わせて差し込んだ後、
自然に停止するまで短尺鋼管2を回転させて両者がしっ
かりと嵌合しあうようにした。形状記憶合金製短尺管1
と短尺管3との場合も同様にした。その後、バンドヒー
ターを巻き付けて300℃まで加熱して、形状記憶合金
製短尺管の端部を膨張並びに収縮させた。本実施例で
は、一体化された金属管柱の長さ方向に作用する引き抜
き阻止力に対する抵抗が、著しく大きくなった。以上の
ように、製作された継ぎ式金属管柱に対して、実施例1
の場合と同様にその上端から0.3mの部分に155kg
f の曲げ荷重を付加してテストを行ない、照明柱、電
柱、標識柱などの用途として支障の無いことが確認され
た。
【0019】
【発明の効果】本発明の継ぎ式金属管柱は、施工現場に
おいて隣接する短尺管を差込み式で組み合わせた後に、
形状記憶合金製短尺管の端部を一定の温度に加熱するだ
けで鋼管柱として一体化することができる。工場からの
出荷時には亜鉛めっき等の防錆処理が行われた短尺鋼管
の形で搬送できるから、輸送が容易な上、施工現場にお
いて必要であれば1本ずつ縦に締結していくことも可能
であることから、狭いスペースの現場においても能率的
に継ぎ作業を進めることができる。従来法で見られたよ
うなボルト等の接合のための部品が不用であるから、見
かけもスッキリして景観を損なうことがない。また、一
体の金属管柱を構成する短尺管は、外径や肉厚が異なる
ものであっても締結が可能であるから、強度の要求され
る下部には厚肉もしくは大径の短尺管を、上部には薄肉
もしくは小径の短尺管を使用することなどによって、は
じめから一体物として製作される金属管柱に比べて軽量
で安定性の優れたものとすることが可能である。さら
に、腐食の起点となりやすいボルトを使用しない上、下
部の短尺管を上部の短尺管の内側に差し込む形で継ぐこ
とができるため、支柱内部に雨などが進入する危険も防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による継ぎ式金属管柱の継ぎ方法を説明
するための図。
【図2】本発明の一実施例に係る締結部の強度を高める
ための短尺管端部に形成された突起および凹部を示す
図。
【図3】本発明の一実施例に係る短尺管端部に形成され
た突起および凹部を示す図。
【符号の説明】
1 形状記憶合金製短尺管 2,3 短尺管 11,12 形状記憶合金製短尺管の端部 15,16 形状記憶合金製短尺管の外面に形成された
突起 25,26 形状記憶合金製短尺管と嵌合させる短尺管
の内面に形成された凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚 橋 浩 之 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 山 田 寛 之 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 青 木 和 雄 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 新 井 仁 東京都千代田区有楽町一丁目10番1号 ヨ シモトポール株式会社内 (72)発明者 三 尾 尭 彦 兵庫県洲本市上加茂4−2 淡路産業株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の短尺管を継ぎ合わせて一体に構成す
    る継ぎ式金属管柱であって、前記継ぎ式金属管柱を構成
    する短尺管のうちの、少なくとも1本が形状記憶合金か
    らなることを特徴とする継ぎ式金属管柱。
  2. 【請求項2】継ぎ式金属管柱を構成する形状記憶合金製
    の短尺管は、形状記憶処理後に、一方もしくは両方の端
    部付近が、解放端部で最大となる拡管もしくは縮管加工
    が行われていて、隣接して継ぎ合わされる相手側短尺管
    の端部と差込み可能になっている請求項1記載の継ぎ式
    金属管柱用の短尺管。
  3. 【請求項3】形状記憶合金製の短尺管の端部には、これ
    と継ぎ合わせる相手側短尺管の対応する端部に形成され
    ている突起または溝と嵌合する形状の溝または突起が形
    成されている請求項1および2記載の継ぎ式金属管柱用
    短尺管。
  4. 【請求項4】形状記憶合金製の短尺管がテーパー管であ
    る請求項1〜3に記載の継ぎ式金属管柱用短尺管。
  5. 【請求項5】防錆処理されている請求項1〜4に記載の
    継ぎ式金属管柱用短尺管。
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