JPS6024164B2 - 高クロム溶湯の脱リン方法 - Google Patents

高クロム溶湯の脱リン方法

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JPS6024164B2
JPS6024164B2 JP7687476A JP7687476A JPS6024164B2 JP S6024164 B2 JPS6024164 B2 JP S6024164B2 JP 7687476 A JP7687476 A JP 7687476A JP 7687476 A JP7687476 A JP 7687476A JP S6024164 B2 JPS6024164 B2 JP S6024164B2
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reaction
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裕之 片山
剛正 稲富
剛正 大野
和海 原島
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は従釆法では困難であった高クロム溶湯の脱リン
を可能ならしめ、低リン高クロム鋼を熔製するための方
法に関する。
通常の溶銑または溶鋼は酸化精錬により容易に脱リンを
行うことができる。
ここに酸化精錬による脱リンとは塩基性でかつ酸化鉄含
有量の高いスラグの存在下で港湯を酸化し、リンをP2
05として溶湯から除去し、スラグ中にリン酸カルシウ
ムの形で固定する方法である。これをシリコンやクロム
などの鉄よりも酸化されやすい成分を多量に含有する溶
湯に適用すると、それらの成分が多量に酸化し、かつそ
れがスラグ中に移行して物理的(粘性など)、化学的(
平衡)に脱リン反応を阻害することが問題で、特に高ク
ロム溶湯については従来脱リンは実質的に不可能とされ
ていた。
しかし、近年資源状況の変化により製鋼の主要なクロム
源であるフェロクロムのリン含有量が上昇額向にあり、
一方、最終成品である高クロム鋼、特にステンレス鋼に
ついては材質面からリン含有量がきびしく規制されるも
のが増加していることから、高クロム溶湯の脱リンを可
能にする方法の開発が強く要望されるようになっている
本発明者等はさきに高クロム熔湯を脱リンする方法とし
て、溶湯を炭素不飽和とし、非酸化性雰囲気下(すなわ
ち、雰囲気からの酸素供給が抑制され、かつ、スラグ混
入物による酸化も抑制されている状態)で炭化カルシウ
ムと弗化カルシウムを主成分とするフラックスで処理す
る方法を発明夕した(特願昭50一2943特鹿昭50
−99143)。この方法においては、(CaC2)こ
(Ca)十2〔C〕 ・・・‘1)の反応によ
り金属カルシウムを遊離せしめ、3(Ca)+2〔P〕
二(Ca3P2) ・・・‘210によりメタル
中のリンをスラグ中に移行せしめるものである。
なお、()はスラグ中の成分、〔〕はメタル中の成分を
意味する。上記方法を工業的規模のステンレス鋼熔製工
程で実施するためには、次のような問題点を克服す夕る
必要がある。
(ィ’脱リン反応を効率よく、特にフラックス原単位を
小さくして行うためには{11式の反応を右側に進める
ことが必要である。
そのためには溶湯の炭素不飽和度が大きいことが望まし
い。炭素不飽和度を大きくする工程はいずれにしても酸
化性であり(酸素により溶湯の酸化を行う場合には勿論
であるが、炭素不飽和の材料を溶解、混合する工程も大
気中で行うかぎり酸化反応を伴う)、この時に酸化性ス
ラグが生成する。この酸化性スラグが混入すると{1}
,‘2}式による脱リン工程に著しい悪影響を及ぼす。
しかし、スラグを完全分離することは実際には非常にむ
づかしく、どのようにして酸化性スラグの悪影響を抑制
するかが重要な問題である。仲 脱リン処理後のフラッ
クス中にはリンがCa3P2の形で含まれている。
これを大気中で冷却すると、約200午0以下の温度で
水蒸気と反応して、有毒、有臭ガスであるフオスフィン
を発生する。(Ca3P2)十$LO→3(Cao)+
PH3 …‘31これは作業環境を著しく阻害する
ので脱リン処理後スラグを安定化、すなわち、スラグを
酸化してリンを水蒸気に対して安定な酸化物の形にかえ
る必要がある。
このスラグの酸化をどのようにして合理的に行うかが問
題である。本発明は以上のような事情に鑑み、CaC2
とアルカリ士類金属のハラィド例えばCaC2−CaF
2系フラックスによる高クロム溶湯の脱リン処理を合理
的に実施するために特に前述の{ィー,to}について
種々検討の結果得られたものであって、川炭素不飽和の
高クロム溶湯を港製する第1工程と、■該溶湯中に挿入
した隔壁によって第1工程から混入したスラグを押しの
け、該溶湯を炭化カルシウムとアルカリ土類金属のハラ
イドを主成分とするフラックスと反応させて脱リンを行
う第2工程と、{3}第2工程で用いた隔壁を除いて第
1工程から混入したスラグと第2工程で用いたスラグを
混合せしめる第3工程からなることを特徴とする方法で
ある。
以下、具体的な実施形態にもとづいて詳細に説明する。
第1工程脱リンすべき高クロム溶湯を大気圧下で溶解お
よび炭素不飽和化する。
例えばフェロクロムを対象にする場合には、高炭素フヱ
ロクロム溶湯を酸化、あるいはシリサィド化して脱炭し
た後脱珪する、などの方法で炭素不飽和とする。また高
クロム溶鋼の場合には、鉄源、クロム源、および必要に
応じてニッケル源を大気圧下操業の製鋼炉で溶解、ある
いはすでに溶融していたものの混合、および必要に応じ
て酸化精錬によって脱炭を行う。
いずれの場合にも生成したスラグは可能な範囲内で排淫
するが、一部分が残存していても差支えない。これらの
溶湯を製鋼炉から出0濠して第2工程を行うための反応
容器に移す。いずれの場合にも第1工程の終了時点では
、反応容器中の落陽は炭素不飽和化されており、その上
に混入したスラグおよび大気中でのハンドリング過程で
生成した酸化物を含むスラグが存在している状態が得ら
れる。第2工程 第2工程で用いる反応容器は耐火物で内張したルッボ状
のもので、例えば取鍋状のものでも、あるいは耐火物中
にコイルをうめこんだ誘導溶解炉型のものでもよい。
添加するフラツクスと溶湯との接触反応を促進するため
に、反応容器内の溶湯にガスを吹き込めるようになって
いることが望ましい。そのためには例えば底にポーラス
プラグを取付けておいて、Arなどの不活性ガスを吹き
込むことや、上から浸糟ランスを港湯中に挿入して同様
にガスを吹き込むなどの方法が適している。以下取鍋状
でポーラスプラグからガスを吹き込んで鷹拝する方法を
例にとり説明する。第1図、第2図に第2工程の実施形
態の一例を示す。
1は耐火物被覆を施した管状の隔壁(浸濃管)で、先端
に消耗型のカバー2をつけて、反応容器7に収納された
溶湯8中に挿入し、第1工程から混入したスラグ3を周
辺部におしのける。
浸導管の上部にはフラックス添加装置4があり、炭化カ
ルシウムとアルカリ土類金属のハラィドを主成分とする
フラックス9を溶湯8に添加できる。浸濃管の内部は雰
囲気をコントロールできるようになっていて、例えばガ
ス吹込口5を通してArなどの不活性ガス、あるいは炭
化水素などの還元性ガスを吹き込めるようになっている
。反応容器7の底にはポーラスプラグ6が取り付けられ
ており、Arなどの不活性ガスの吹き込んで浸溝管内の
溶湯8とフラックス10との間の反応を促進する。フラ
ツクスの組成は次のようにさめられる。
炭化カルシウムは(1},‘2)式により脱リソを行う
ために欠くことのできない成分である。入手しやすい炭
化カルシウム源としてはカルシウムカーバイドがある。
弗化カルシウムはフラックスの融点を下げ、適度の流動
性を与えるとともに、m式により生成した金属カルシウ
ムをフラックス中に安定して存在せしめるために必要で
ある。
弗化カルシウムの配合量は多すぎると浸債管の耐火物溶
損を促進することから、炭化カルシウムの0.2〜1.
の音を適量とする。
なお弗化カルシウム源として通常用いられている蛍石は
20%程度の主としてシリカ系の不純物を伴っている。
このシリカ系不純物はフラックス中の金属カルシウムを
酸化消耗しやすいので、多量に存在することは好ましく
ない。したがって本発明においては弗化カルシウム源と
しては、通常の蛍石を選鉱して得られた糟製蛍石を用い
ることが望ましい。
その他の酸化物系の不純物は極力少ないことが望ましい
。なお熔湯の炭素不飽和度が小さい場合には、フラック
ス中の金属カルシウム濃度を高めるために、金属カルシ
ウムまたはその合金をカルシウム線の一部として添加す
ることが有効である。
フラックスの添加量は溶湯のC%、Cr%、目標とする
脱リン率などによって異なるが、処理前のC:1.1%
、Cr:18%、Ni:8%、P:0.030%の溶湯
をP:0.015%まで脱リンするためには、フラック
ス添加量は15〜25k9/t程度が適当である。なお
、溶湯の移しかえ、ガス吹込みなどに伴なう温度降下が
大きすぎてフラックスの添加量、処理時間などに制約が
あり目標とする脱リン率が得られない場合は、第2工程
の前、あるいは途中で、例えばアーク加熱により溶湯の
昇温をはかることが望ましい。
第3工程 第2工程終了後、隔壁(浸糟管)1を引き上げて脱IJ
ンに用いたスラグ10を大気にさらすとともに、このス
ラグを第1工程から混入したスラグ3と混合する。
この処理により、脱リンスラグ中のCa3P2CaC2
は(Ca3P2)十 {幻2}一Ca0十P2Q
…‘3’CaC2十{諸菱}一Ca。
十に。2 ‐‐‐■の反応により酸化され、スラグ中
のリンは水分に対して安定な酸化物にすることができる
酸化反応を促進するためには、補助的に純酸素をスラグ
に吹き付けてもよい。
なお、この工程では第2工程のように擬伴が強すぎると
復リンがおこりやすくなるのでポーラスプラグ6からの
ガス吹込みによる損梓は行なわないか、行うにしてもス
ラグを混合するための必要最小限にとどめることが重要
である。
続いて、反応容器の底にとりつけたスラィデングノズル
11を開いて溶湯を別の容器、取鍋あるいは脱炭炉に移
してスラグとの分離を行い、真空あるいはArなどを利
用する方法で仕上げ脱炭して所定のC%にする。
なお第2工程の処理により脱リンと同時に、S、N、S
bなども除去できる。
実施例 1 製鋼用電気炉において、溶解、酸化精錬を行って、溶湯
を溶製し、これを取鍋に出鋼する。
混入スラグは約4k9/tである。これを第1図に示す
ような浸漬管を挿入して、溶湯をポーラスプラグからA
rを吹き込んで縄拝しながら、カルシウムカーバィド1
5kg/t、糟製蛍石7k9/tからなるフラックスを
添加して10分間反応を行なわせる。
落陽成分は次の通りである。浸債管を引き上げて2分間
鷹梓をつづけ、以後燈梓をとめて2分間保持する。
最終溶湯成分は次の通りである。最終スラグの平均組成
は次の通りである。このスラグは大気中に放置してもフ
オスフィンの発生は検出されなかった。
このスラグは、電気炉溶解期の副材の一部として用いた
。実施例 2 高炭素フェロクロム渚湯を転炉型反応容器で吹酸により
脱蕨してC:4.8%の中炭素フェロクロムとする。
これを低周波議導炉に移し、第1図とほぼ同様の浸債管
を挿入し、Arを浸濃ランスから吹き込んで燈拝しなが
ら、カルシウムカーバィド13k9/t、精製蛍石8k
9/tからなるフラツクスを投入して20分間反応を行
わせる。ついで、浸溝管を引き上げてスラグの混合の酸
化を行ったのち、緋淫し、ついで出湯する。溶湯成分挙
動は次の通りである。
本発明を実施することにより、通常法では脱リン困難な
高クロム溶湯の脱リンを、反応効率よく経済的に、かつ
環境上の問題を生ずることなく実施することができる。
すなわち、その特長は、【aー 脱リン反応にきわめて
悪影響を及ぼす酸化性スラグを、排達強化に伴う問題(
作業性、溶湯歩留の低下など)をひきおこすことなく確
実に分離せしめ、脱リン効率をあげることができる。
【b} 環境上問題になる脱リンスラグの安定化を酸化
性スラグとの混合により効率よく行なえる。
【cー 第2工程で用いるスラグは多量のCaF2を含
んでいるので耐火物を侵食しやすい。本発明では主とし
て耐火物、このスラグと接するのは浸鷹する隔壁であり
、消耗に応じて浸糟深さを変えれば雰囲気シールと、酸
化性スラグと脱リンスラグの隔離といい目的を達するこ
とができるので、反応容器が浸食される場合に比べて簡
便である。
‘d} 雰囲気シールを行いやすい(隔壁浸猿による液
体シールである)。
などであり、いずれも実用上効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施形態の1例を示す図、第2図は管
状の隔離部を示す図である。 1:管状隔離、2:カバー、3:スラグ、4:フラック
ス添加装置、5:ガス吹込口、6:ポ−ラスプラグ、7
:反応容器、8:溶湯、9:フラツクス、10:フラツ
クス、11:スライデングノス・ル。 第1図 第2図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 炭素不飽和の高クロム溶湯を溶製する第1工程と、
    該溶湯中に挿入した隔壁によつて第1工程から混入した
    スラグを押しのけ、該溶湯を炭化カルシウムとアルカリ
    土類金属のハライドを主成分とするフラツクスと反応さ
    せて脱リンを行う第2工程と、第2工程で用いた隔壁を
    取り除いて、第1工程から混入したスラグと第2工程で
    用いたスラグを混合せしめる第3工程からなることを特
    徴とする高クロム溶湯の脱リン方法。
JP7687476A 1976-06-29 1976-06-29 高クロム溶湯の脱リン方法 Expired JPS6024164B2 (ja)

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JPS59136412A (ja) * 1983-01-25 1984-08-06 Nippon Steel Corp 溶融金属浴への気体吹込み方法
JPS61130414A (ja) * 1984-11-29 1986-06-18 Nippon Steel Corp 精製溶鋼の取鍋内脱燐法

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