JPS6024133Y2 - 浮魚礁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は設置が簡便容易で設置後の魚礁の安定性にすぐ
れた浮魚礁に関する。

従来、沿岸海域における稚魚の棲繁殖を図るため人工海
藻、人工魚礁に関する多くの試み、提案が為されている
がその多くは形状又は重量が大きく、運搬、輸送並びに
設置に巨額の経費を要し、実際上具体化されているもの
は少なく、また運搬、設置が容易で簡便な魚礁は厳しい
自然界における耐久性に乏しく、魚礁として永年の使用
に耐えないものが多かった。

たとえば、コンクリートブロックや鉄管などを立体的に
海中に構築した魚礁は施工、作業性が悪く、場所によっ
ては経時的に魚礁が海底に埋没して魚礁としての機能を
失うことがある。

また実公昭５０−２１９９８号および実公昭５０−５８
３５号各公報に記載されている浮魚礁は設置後潮流に対
する方向安定性が悪く、魚類の棲息繁殖に相当長い期間
を要し、海藻類の付着生長が遅いなど魚礁として必ずし
も満足できるものではなかったり、構造が複雑で施工費
用が高く、施工作業性も不十分であるなど多くの問題が
ある。

本考案は上記従来の人工浮魚礁の欠点を改良した、特に
構造が簡単で施工、作業性がよく、かつ潮流に対する方
向安定性にすぐれ、短期間のうちに海藻類が繁茂し、海
藻によって全体が覆われた自然の状態に近い魚礁を形成
する施工が容易でコストが安価な人工魚礁を提供するに
ある。

このような本考案の目的は９０°以下の挟角を有する２
等辺三角形状の枠体の少なくとも２ケを相似的に対置し
てロープでもって連結し、該枠体の前記挟角を形成する
枠およびロープによって形成される２つの面に該挟角を
中間にして布帛状物を取付けた構造体に浮力体を装着し
、かつ該構造体とアンカーとを係留索によって連結固定
してなる浮魚礁により達成することができる。

以下本考案を図面に従って具体的に説明する。

第１図は本考案の１実施態様を示す浮魚礁を海中に設置
した状態を示す斜視図であり、図において９は枠１から
なる枠体、３は枠体９を連結するロープ、１０は布帛状
物、４は魚礁を係留する係留具、５は浮体、６は標識ブ
イ、７は浮体５を稚魚につなぐロープ、８はアンカーで
あり、枠体９は９０°以下の挟角θを有する三角形状の
形状を有しており、両者は相似的に対置されてロープ３
によって連結され、挟角θを形成する両枠体９，９には
布帛状物１０が９０°以下の角度に折れ曲って取付けら
れている。

本考案の浮魚礁を構成する布帛状物１０は枠体９の９０
°以下の挟角部で折れ曲って取付けられていることが必
要であるが、該枠体９の枠１の全長に亘って取付けられ
ている必要はない。

すなわち、第１図のように上部に浮体５、標識ブイ６を
つなぎ、下部を係留具４によってアンカー８によって海
中に設置された本考案の浮魚礁は該魚礁の挟角部に設け
た布帛状物１０によって潮流に対する方向が安定化する
。

すなわち潮流に応じて該魚礁がその布帛状物取付は部を
前方にして追従腰潮流が変動しても浮魚礁が大きく移動
又は変形することがなく、魚群の棲息、繁殖を妨げない
のである。

本考案の浮魚礁を構成する枠体としては軽量で海中で腐
蝕、腐敗などせず機械的強度にすぐれたものであればよ
く、特に限定されないが、好ましくはプラスチックある
いは強化プラスチック製の枠体で比重が１以下の海中に
浮揚し易いものがよい、このようなプラスチック又は強
化プラスチック強の枠体の具体例としてはポリエチレン
、ポリプロピレン、ＡＢＳ樹脂あるいはＧＦＲＰなどの
パイプ状物が用いられる。

なお比重が１．０以上の素材を用いる時は、とくにパイ
プ状物の内部に発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレンな
どの浮力材を装着するのが好ましい。

同様に該枠体を連結するロープとしてはポリアミド、ポ
リエステル繊維を素材としたロープあるいはベルト状物
がとくに好まれるが、とくに素材、形状を限定するもの
ではない。

また、布帛状物としては潮流に対する方向安定性並びに
魚礁の設置安定性の点から網状物のように海水の通過に
対して抵抗性のないものは好ましくなく、潮流に対して
抵抗を示すものがよい。

このような布帛状物の具体例としてはポリアミド、ポリ
エステルなどを素材とした布帛表面に耐海水性のすぐれ
た合成樹脂たとえば塩ビ、ハイパロンなどをコーティン
グあるいはデ゛イピングした布帛状物が好ましく使用さ
れる。

さらに本発明による浮魚礁の集魚機能を高めるために該
枠体を利用し第１図に示すような網状物２を装置するこ
とも可能である。

該網状物を装着することにより魚礁の陰影効果を高め、
さらに網目が潮流の抵抗を受け、網目周辺で過流が発生
する。

この効果により栄養塩類、プラントンなどの飼料が発生
しやすい環境をつくるなどの効果がある。

本考案になる浮魚礁は前述したように潮流に対する方向
安定性がとくにすぐれ、かつ軽量であるため取扱い作業
性、施工性にすぐれている。

さらに構造材料として合成樹脂、合ｌｉ、繊維を用いて
いるため海水による腐蝕が少なく、かつ構造体全体とし
て可撓性を有するため潮流などによる繰返し疲労に対し
る耐久性にすぐれている。

さらに布帛状物、網状物などに生物が付着成長し自然な
餌料場を提供できるなどの多くの特徴を有し、人工魚礁
として効果を発揮する。

さらに本発明による魚礁は浮き構造であるため、魚群の
遊泳層に適合させた位置に自由に設置できるなどの特徴
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施態様を示す浮魚礁を海中に設置
した状態を示す斜視図を示す。 Ａ：浮魚礁、１：枠、２：網状物、３：ロープ又は支柱
、４：係留具、５：浮体、６：標識ブイ、７：ロープ、
８：アンカー ９：枠体、１０：布帛状物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ９０°以下の挟角を有する２等辺三角形状の枠体の少な
   くとも２ケを相似的に対置してロープでもって連結し、
   該枠体の前記挟角を形成する枠およびロープによって形
   成される２つの面に該挟角を中間にして布帛状物を取付
   けた構造体に浮力体を装着し、かつ該構造体とアンカー
   とを係留索によって連結固定してなる浮魚礁。