JPS6023141Y2 - 熱可塑性樹脂の連続押出成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱可塑性樹脂の連続押出成形装置に係り、特に
ライン可動率を向上させることが出来る連続押出成形装
置に関するものである。

従来より、エンジンアンダーカバーやフェンダ−ライナ
ーの如き車両用部品などの樹脂成形品をシート状物から
連続的に製造する装置の−っとして、連続押出成形装置
が知られている。

この押出成形装置は、熱可塑性樹脂を所定の押出機から
シート状に押し出し、そしてそのシート状押出物を第一
の搬送手段によって成形プレスなどの成形装置に搬送せ
しめてそこで所定の成形操作を施した後、かかる成形操
作が施されたシート状押出物を該第−の搬送手段から第
二の搬送手段に移載せしめ、そして該第二の搬送手段に
よって該シート状押出物を連続体のまま更にトリミング
プレスに搬送せしめ、そこでトリミングすることにより
、所定の成形品を取り出すようにしたものであって、一
般に第１図及び第２図に示される如き構成からなってい
る。

すなわち、第１図及び第２図において、熱可塑性樹脂は
、押出機１のＴダイ２より連続的にシート状に押し出さ
れ、そしてこの押し出されたシートはその両端部が例え
ば第一の搬送手段としこのチェーン３に設けられている
カムグリッパ等にて保持されつつ成形プレス４に搬送せ
しめられ、そこで該シートの所定部分が該成形プレス４
のそれぞれシリンダ４ｃｖ４ｄにて作動せしめられる上
型４ａ、下型４ｂによって所定の成形品にプレス成形ま
たは真空成形、圧空成形等（熱成形）がされる。

ついで、得られた成形品は連続体のまま、即ち切り離さ
れることなく成形されない他のシート部分とくつついた
まま（一体となって）、チェーン３から第二の搬送手段
を構成するガイド５上に移され、そして該ガイド５に沿
ってトリミングプレス６内に配備されたエアシリンダ９
付の昇降ガイドバー７（第二の搬送手段）に送り込まれ
、該トリミングプレス６にてトリミンされるようになっ
ているのである。

このトリミング時において、成形品の付いたシートは、
エアシリンダ９の作動によるガイドバー７の下降により
、成形時のレベル、即ちチェーン３による搬送レベルか
ら一旦下降せしめられ、シリンダ８の作動による上型６
ａの下降による該上型６ａの下型６ｂへの押圧によって
トリミングされるのである。

そして、トリミングの終了後には、シリンダ９の作動に
よるガイドバー７の上昇によってレベルが上昇せしめら
れた後、搬送されるようになっており、トリミングされ
た製品（成形品）はプレス６外へ取り出される一方、残
余のシート部分、即ち抜きスクラップは帯状のまま、引
き取り機１０で引っ張られ、破砕機１１へ送り込まれて
粉砕されるのである。

なお、得られた粉砕片はエアブロ−等の方法で押出機１
側に送られ、計量混合機１２による新材への配合によっ
て再生利用が行なわれるようになっている。

ところで、このような構成の押出機装置にあっては、各
工程間のシート搬送が第一の搬送手段と第二の搬送手段
とで行なわれて互いに独立しており、且つその高さレベ
ルもマチマチとなっているところから、ラインの始業時
、トラブル回復時などにあっては、押出機１〜成形プレ
ス４〜トリミングプレス６〜破砕機１１の全長が２（２
）藁にも及ぶ間を作業者がついてまわり、押出シートを
仕掛ける必要があり、従って複数ラインある場合に、作
業者１名では、全体が動き出すまでに更に著しく時間が
かかることとなるのであって、それ故この仕掛かりの作
業時間、連続運転開始時間の遅延がラインの可動率を著
しく低下せしめているのである。

また、従来装置におけるトリミングプレス６は上型６ａ
駆動方式であり、成形シートを下型６ｂ上まで降ろして
トリミングを実施し、そしてトリミング後は再度シート
を搬送レベルまで持ち上げ、引き取り機で引きずり出す
機構となっているため、このような機構をプレスとのイ
ンターロックをとりながら作動させることはトラブルを
惹起し易く、これがまた可動車低下の要因ともなってい
るのである。

ここにおいて、本考案は、かかる事情を背景にして為さ
れたものであって、前記従来の問題を解消して、ライン
可動率を向上せしめる連続押出成形装置を提供すること
を目的とし、その要旨とするところは、成形装置から少
なくともトリミングプレスに至る搬送レベルを押出機か
ら該成形装置に至る第一の搬送手段の搬送レベルに対し
て略同−の水平面に位置せしめるガイドレールを、第二
の搬送手段として、搬送路の両側にそれぞれ設けて、押
出機から押し出されたシート状物が水平方向に搬送され
、連続的に少なくともトリミングプレスまで案内される
ようにすると共に、該ガイドレールにて連続的に案内さ
れて来た成形シート状物がトリミングプレスにおいて同
一搬送レベルにて上下駆動方式のプレス型によりトリミ
ングされるようにしたことにある。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を更に詳細に
説明することとする。

本考案に係る装置の一実施例を示す第３図は、従来装置
に係る第２図に対応するもので、成形プレス４までは従
来と同様な構成を採用している。

即ち、押出機１のＴダイ２から押し出された熱可塑性樹
脂からなるシート状押出物（以下、シートと略称する）
はその両側部においてカムグリッパの把持手段にて保持
され、第一の搬送手段としてのチェーン３の移動に伴な
って水平方向に成形プレス４内に搬送せしめられる。

そして、該成形プレス４では、シリンダ４ｃ、４ｄにて
駆動される上型４ａ１下型４ｂによって、搬送レベルの
シートに対してその所定部分に成形操作（熱成形）が施
される。

ついで、この熱成形されてなる成形シートＳ１換言すれ
ば帯状の成形品は、チェーン３の移動により成形プレス
４から取り出され、連続体のまま、チェーン３に設けら
れた把持手段による両側部の保持から解放されて、第４
図ａの如く、搬送方向前方に設けられているラッパ状の
案内部１３〔第４図す参照〕を有するガイドレール１４
に送り込まれる。

このガイドレール１４は、第二の搬送手段を構威し、略
コ字状断面を有するものであって、チェーン３のシート
搬送レベルト略同−ノ水平面上に位置するように設けら
れており、且つチェーン３から送り込まれる成形シート
Ｓの両側部を収容してそれを支持、搬送（案内）せしめ
るために、該成形シートの両側部位置にそれぞれ設けら
れ（第５図参照）、トリミングプレス１５を通り、破砕
機１１まで延びている。

従って、チェーン３の右端部（第３図において）で把持
手段から解放された成形シートＳは第４図ａに示される
ようにラッパ状の案内部１３に受けられ、そして該案内
部１３を介してガイレール１４内にチェーン３と略同−
レベルで送り込まれるようになり、しかもチェーン３の
駆動力による送り込み力にて、連続的に順次後工程へ搬
送されて破砕機１１にまで到達せしめられるようになる
のである。

かかる成形シートＳを搬送せしめる第二の搬送手段とし
ての一対のガイドレール１４の中間部に設けられるトリ
ミングプレス１５は、上下のシリング１５ｃ、１５ｄに
よってそれぞれ上型１５ａｉ５ｂが昇降移動せしめられ
る上下駆動方式とされており、これによって成形シート
のガイドレール１４のレベルに下型１５ｂを押し上げる
一方、上型１５ａを下降せしめて同型間に成形シートを
挟圧することによって、所定のトリミングが実施される
のである。

なお、このとき、型膜取り性の問題からガイドレール１
４とトリミングプレス下型１５ｂとの間隙を充分にとっ
たオープンハイトを設定するのが望ましい。

そして、このトリミングによって、成形シートから所望
の成形品が取り出されるのであり、一方残余の成形シー
ト、即ち抜きスクラップは帯状のままガイドレール１４
に案内されて破砕機１１に至り、そこで破砕せしめられ
て、従来と同様に再生利用などが図られるのである。

なお、チェーン３の駆動力で不足の場合には、トリミン
グプレス１５の前または後側に引取機を設けてもよい。

従って、かかる構成の装置にあっては、押し出されたシ
ートが第一の搬送手段並びに特定の第二の搬送手段（ガ
イドレール１４）によって同一水平面上を搬送されつつ
成形され、トリミングされるようになるので、その搬送
が著しく容易となって、次の如き種々なる優れた効果を
奏し得るのである。

即ち、先ず、仕掛り時において、従来はＴダイから出た
シートをチェーンにかみ込ませ、また成形プレスから出
たシートをガイドに乗せ、トリミングプレスで昇降ガイ
ドバーに挿入し、さらにトリミングプレスから出たシー
トを手で引きながら引取り機にくい込ませ、そして該引
取り機から出たシートを手で持って破砕機の歯にくい込
ませるという一連の操作が必要であったが、本装置の場
合、最初にチェーンにくい込ませる操作のみで、あとは
自動的にシートが送られていくようにすること（仕掛り
時の押出シートの連続自動搬送）が出来るので、作業工
数の低減、段取り時間の短縮を図り得て、ライン可動率
を効果的に向上せしめ得るのである。

そして、これは熱可塑性樹脂の連続押出成形ラインが複
数ラインある場合において更に効果か大となるのである
。

また、トリミング工程の機械作動の複雑さを無くし、プ
レス型（上型、下型）切上下動のみで機能させるもので
あるため、昇降バーの作動トラブルなど機械トラブルが
減少乃至は解消され、これによっても可動率が向上され
るのである。

加えて、シートが上下に移動しないため、製品取出機な
どの付帯設備も簡素化し、取付は易い利点がある。

また、従来では、エアシリンダ２本作動によるアンバラ
ンスとシートの上げ、下げによるシート端末部でのはず
れ等の問題が発生していたが、上記装置ではそのような
問題が全く解消されるに至ったのである。

さらに、第６図ａ、 ｂ、 ｃに示される如く、ガイド
レール１４の滑りをよくすることにより、例えばその材
料にステンレス板１４ｂを用いたり、レール下部、更に
は上部のシート摺動面にローラ１４ａ、１４ｃを取り付
けてシートＳがローラ上を移動せしめられるようにされ
ること等により、チェーン３の駆動力や破砕機１１の歯
の喰い込み力にて、全ラインのシート搬送を可能ならし
める特徴も有している。

なお、本考案は上記例示の具体例にのみ限定されるもの
では決してなく、本考案の趣旨を逸脱しない限りにおい
て当業者の知識に基づいて種々なる変形、修正等を施し
得るものである。

例えば、チェーン３やシート側部の把持手段などは、適
宜公知の手段に代替されるものであり、またチェーン３
から移される成形シートを受ける案内部１３もラップ状
の他、成形シートを受けるに有効な形状であれば何れを
も採用することが可能である。

更に、ラッパ状の案内部１３の構造としても、第４図ａ
、 ｂでは下側のシートＳ摺動面をローラ１３ａにて
形成しているが、これに代えて第６図す、 ｃの如き
ステンレス板のみ、上下にローラ配置の構造をも好適に
採用されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ従来装置の平面図及び正面
図であり、第３図は本考案装置の一例を示す正面図であ
る。 第４図ａはシート状押出物のチェーンからラッパ状案内
部への移行の状態を示す説明図、第４図すはラッパ状案
内部の斜視図、第５図は第３図における■−■断面図、
第６図ａ、 ｂ、 ｃはそれぞれ第５図における■部の
各種の例を示す拡大図である。 １：押出機、２：Ｔダイ、３：チェーン、４：成形ブレ
ス、５ニガイド、６：トリミングプレス、７：昇降ガイ
ドバー、１０：引取り機、１１：破砕機、１３ニラツバ
状案内部、１４ニガイドレール、１５：上下駆動式トリ
ミングプレス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱可塑性樹脂を所定の押出機からシート状に押し出した
   後、そのシート状押出物を第一の搬送手段によって成形
   装置に搬送せしめて所定の成形操作を施腰ついでかかる
   成形操作の施されたシート状押出物を該第−の搬送手段
   から更に第二の搬送手段に移載せしめ、該第二の搬送手
   段によって該シート状押出物を連続体のままトリミング
   プレスに搬送せしめてトリミングすることにより、所定
   の成形品を取り出すようにした連続押出成形装置におい
   て、該成形装置から少なくとも前記トリミングプレスに
   至る搬送レベルを前記押出機から該成形装置に至る前記
   第一の搬送手段の搬送レベルに対して略同−の水平面に
   位置せしめるガイドレールを、前記第二の搬送手段とし
   て、搬送路の両側にそれぞれ設けて、該成形装置にて成
   形されたシート状押出物を水平方向に該トリミングプレ
   スに導くようにすると共に、該トリミングプレスのプレ
   ス型を上下駆動方式として、水平方向に導かれた前記シ
   ート状押出物に対して上下方向から該プレス型を接近せ
   しめて所定のトリミングを行なうようにしたことを特徴
   とする熱可塑性樹脂の連続押出成形装置。