JPS6021793Y2 - ガス感応体素子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車排ガス空燃比検知器などに使用されるガ
ス感応体素子に関するものである。

二酸化チタン焼結体等の金属酸化物焼結体は、ガス成分
に応じて電気抵抗値を変化させるので、ガス感応体素子
として用いられている。

自動車排ガス空燃比検知器に用いられるガス感応体素子
は、理論混合比（入＝１）を境にして急激な電気抵抗変
化を示すものが使用され、このような素子は第１図のよ
うに温度によってもまた電気抵抗変化を示す。

そのため空燃比検知器の使用温度範囲内において、理論
混合比での急激な電気抵抗変化巾にある程度の重なり部
分（ΔＷ、 Ｂ、オーバーラツプ）がなければ、理論混
合比を検知することができない。

従来のガス感応体素子では、このΔＷ、Ｂ、が不充分で
あった。

理由は判らないが、経験則によればΔＷ、 Ｂ、は電極
面積を大きくすると、それに伴って大きくなる傾向があ
る。

しかし電極面積を大きくすると、どうしてもそれだけ素
子が大きくなってしまい、むやみに電極面積は大きくで
きないのが実情であった。

そこで本考案者は、電極面積が大きくなっても、素子は
大型化されない形状について鋭意検討の結果、素子をう
ず巻状に形成すれば良いことを見出し本考案を完成した
。

すなわち本考案の要旨は、検出ガス中のガス成分に応じ
た電気抵抗値を生ずる金属酸化物焼結体１と、この電気
抵抗値を取り出すための一対の電極２とを具備している
ガス感応体素子３において、板状金属酸化物焼結体１が
、両側より板状電極２で挾まれたままうず巻状に形成さ
れ、板状電極２間に生じた空隙に耐熱セラミック酸の波
形補強材４を波形が前記うず巻の端面に現われるように
挾んで設けたことを特徴とするガス感応体素子３にある
。

以下に本考案を図面に記載した実施例と共に詳細に説明
するに、第２図中１はＴｉＯ２の焼結体で、長尺の板状
に形成され両側よりサンドインチのように板状白金電極
２，２により表面を覆いつつ挾まれ、そのままの状態で
うず巻状に形成されている。

うず巻状に形成された際、生じた電極２．２間の空隙に
はＴｉＯ２又はアルミナ、ムライト等の耐熱セラミック
酸の板状波形補強材４が空隙全体に波形が前記うず巻の
端面に現われるように設けられ、電極２，２同志が互い
に接触し短絡するのを防止し、またこの空隙をガスが自
由に流通するのを助けている。

電極２の末端の２個所には、リード線５，５が連結され
ている。

このような本例ガス感応体素子３は、例えば次のように
して製作される。

まずＴｉＯ２粉末にブチラール系樹脂とエタノールを混
合して泥漿状のシート用素子を作製し、この泥漿より厚
さＯ０１〜２．０閣のシートをドクターブレード法によ
り作り、シートの両面に白金ペーストを印刷する。

次に一方の面上に波形補強材４を載せ（第３図参照）、
接着剤を塗って該補強剤４が内側になるようにシートを
うず巻状に巻き込む。

引き続いて２００〜６００℃に加熱して樹脂成分を燃焼
除去し、９００〜１５００℃で焼成する。

勿論本考案はこのような方法に限定されるものではなく
、また金属酸化物もＴｉ０９ばかりでなく、ＳｎＯ２，
Ｃｒ２Ｏ３，ＬａＣｒＯ３等も使用できる。

本考案者がＴｉＯ２粉末を用いて上記の方法により、厚
さ０．５ｍｍ、巾４．０ｍｍ長さ２０．０ｒｔａｎのシ
ートを作りうず巻状に形成してガス感応体素子を製作し
、これをガス検知器に用いて温度による電気抵抗変化お
よび応答性をディジタル抵抗計により調べたところ下表
のようになった。

比較のために同一材料を用いて第４図に示す大きさ１．
２ｍ Ｘ ２．５ｒｒｒｌＲＸ ３．８閣の従来のガス
感応体を製作し同様に特性値を調べたところ、表１およ
び表２のように従来品よりも、Ｗ、 Ｂ、 （Ｗｉｄｔ
ｈ Ｂａｎｄ）が大きく応答性も良いことが判った。

本考案が応答性に優れるものは、ガスが板状電極２，２
間にも侵入し、ここから板状電極２，２を通過し金属酸
化物焼結体１に到達する。

そのためガスと金属酸化物焼結体１との接触面積が大き
くしかも電極面積が大きくなるからではないと推定され
る。

尚、表１に示された数値は入＝１近傍の抵抗値をＲ１，
Ｒ２とするとＩｏｇＲ１／Ｒ２を示している ＊７００℃又は３００℃に於ける応答時間の測定法：燃
料稀薄ガスとしてＮ２に１体積％のＮ２を添加したガス
を２０００ｃｃ ７分とし空気１００ｃｃ／分を混合し
て流し燃料濃厚ガスとしてはＮ２に１体積％の玩を添加
したガスを２０００ｃｃ／分流すものとする。

７００℃又は３００℃に保持した炉中にガス戒分検出素
子を設置し、濃厚ガスを流す時３２Ωの抵抗値を示し稀
薄ガスを流す時＆〆Ωの抵抗値を示す。

電磁弁により稀薄ガスから濃厚ガスに切り換えると検出
素子の抵抗値は急低下するが、この抵抗値が挾Ωに到る
迄の時間をｔｌとし逆に濃厚ガスから稀薄ガスに切り換
えた時３２ΩよりボΩに到る迄の時間を桜としくｔ□＋
ｔ２）／２をもって応答時間とした。

【図面の簡単な説明】

第１図はガス感応体素子の温度と電気抵抗の関係を示す
特性図、第２図は本考案ガス感応体素子の１例を示す斜
視図、第３図は本考案をうず巻状に形成する前の状態の
１例を示す斜視図、第４図は従来のガス感応体の１例を
示す斜視図である。 １・・・・・・金属酸化物焼結体、２・・・・・・一対
の電極、３・・・・・・ガス感応体素子、４・・・・・
・波形補強材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 検出ガス中のガス成分に応じた電気抵抗値を生ずる金属
   酸化物焼結体と、この電気抵抗値を取り出すための一対
   の電極とを具備しているガス感応体素子において、板状
   金属酸化物焼結体が、両側より板状電極で挾まれたまま
   うず巻状に形成され、板状電極間に生じた空隙に耐熱セ
   ラミック酸の板状波形補強材を波形が前記うず巻の端面
   に現われるように挾んで設けたことを特徴とするガス感
   応体素子。