JPS6021635Y2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、家庭における暖房、調理等に用いられる液体
燃料燃焼装置に関し、その安全性の向上と燃焼量可変巾
の拡大を図るものである。

従来、石油ストーブ等に用いられた灯芯バーナは騒音が
少なく、構成が簡単であり、操作が容易であるが、燃焼
可変巾が狭かった。

すなわち灯芯バーナの発熱量の可変は、その芯を上下す
ることにより行われ、芯を上昇させると、気化面積が増
大し、芯の温度が上昇して発熱量が増加する。

芯を下降させると逆の現象で、燃料の気化量が減少し、
発熱量が少くなる。

しかし、燃焼に寄与する空気は、燃焼筒の熱ドラフトに
より燃焼室へ供給されるようになっているため、芯を下
降させても空気量の減少が少ないので空燃比のバランス
が壊れ、一酸化炭素、スス、臭気が発生し、これのため
に使用可能な燃焼量可変巾が狭い限られたものになって
いたのである。

また、燃焼量が小さくなると、燃焼ガスの気化室内での
流速が遅くなること、供給空気による冷却効果の減少す
ることにより、気化室、内炎筒の温度上昇を生じ、内火
皿、外火皿にタールが生皮されて、消火時における灯芯
の下降が阻害され、非常に危険であった。

本考案はこのような従来の欠点を解消するものであり、
以下、本考案の一実施例を添付図面にもとすいて説明す
る。

本実施例では第１図に示すごとく下部に吸上げ芯１を有
する気化素子２を、多孔の内炎筒３と外炎筒４間で構成
された気化室５に露出させている。

なお前記吸上げ芯１の下端は、燃料タンク６の燃料７の
中に沈めている。

内炎筒３の上部はキャブ８て閉塞しており、さらに内、
外炎筒３，４の上部には燃焼筒９により燃焼室１０が形
成されている。

燃焼室１０の上部には、エゼクタ板１１を介して、送風
ファン１２が設けられている。

また送風ファン１２とエゼクタ板１１と燃焼筒９をおお
うように風胴１３を設け、この風胴１３により送風ファ
ン１２から前記１１の外周を通り、ルーパー１４に至る
風路が形成されている。

この風路は燃焼室１０とも連通している。

またエゼクタ板１１には、開孔１５を設けており、さら
に送風ファン１２の軸と同軸に上方には燃焼ファン１６
が取付けられている。

燃焼ファン１６の吸引口を開口１５とした。

次に作動について説明する。

燃料タンク６に溜った燃料７は、吸上げ芯１を通り気化
素子２に供給される。

送風ファン１２を回転させると、同軸に取付けられた燃
焼ファン１６が回る。

空気は、送風ファン１２の回転により、エゼクタ板１１
の周囲を通り、ルーパー１４へと流れる。

このため燃焼室１０の静圧は、エゼクタ板１１により負
圧となり、燃焼用空気は内炎筒３、外炎筒４から気化室
５を通り、燃焼室１０へと空気が流れルーパー１４から
排出される。

また燃焼ファン１６の吸引により燃焼中は、燃焼室１０
の温度ドラフトにより上昇した排ガスを開口１５から風
胴１３、ルーパー１４へと排出する。

上記３種類の燃焼空気量と送風ファン回転数の関係は、
第２図に示すように、 ■ エゼクタ効果による燃焼用空気量はａ線で示すが、
風胴１３を流れる空気流速に相関し増減するが、送風フ
ァン１２が低回転数の時は、流速が遅いため極端に減少
する。

また、高回転数の時、ルーパー１４、風胴１３の空気抵
抗のため、回転数の増加に対し、空気量の増加が低くな
る。

■ 開孔１５から熱ドラフト効果による排出される燃焼
用空気量はｂ線で示すが燃焼室１０内のガス温度と、燃
焼筒９の長さに関係する。

ガス温度は、燃焼量、空気過剰率等により弱惑変るがほ
ぼ一定である。

すなわち熱ドラフト効果は送風ファン１２の回転数には
関係なく一定となる。

■ 燃焼ファン１６による強制吸引による燃焼用空気量
はＣ線で示し、ファンの形式、仕様により様々であるが
、一般的に、回転数に比例する。

ただし、高回転数になると、減少するのは、■のエゼク
タ効果と同じである。

すなわち、■十■の方法を用いると、低回転数である程
度の空気量が確保でき、送風ファン１２の回転数と、燃
焼用空気量の比例する幅が広くなり、さらに■十■＋■
とすると燃焼用空気量は送風ファン１２の回転数に比例
したものになる。

一方、気化素子２からの燃料の蒸発量は、内、外炎筒３
，４下部からの空気の流入量、すなわち送風ファン１２
の回転数の変化に比例するので、燃焼室１０に流入する
空気量、及び燃料の気化量が一定の比で変化する。

よって広範囲にわたって空燃比バランスの保たれた良好
な燃焼状態が維持できる。

また、送風ファンと燃焼ファンを同軸に取付けることに
より燃焼量と温風量が一定の比率で変化し、均一な温風
が得られ快適な暖房ができる。

以上のように本考案によれば、低燃焼量の時も安定した
燃焼かえられ、タールの発生が防止できるとともに、広
い燃焼量可変幅が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例にかかる液体燃料燃焼装置
の縦断面図、第２図は送風ファン１２の回転数と燃焼用
空気量の関係図である。 ２・・・・・・気化素子、３・・・・・・内炎筒、４・
・・・・・外炎筒、５・・・・・・気化室、９・・・・
・・燃焼筒、１０・・・・・・燃焼室、１１・・・・・
・エゼクタ板、１２・・・・・・送風ファン、１３・・
・・・・風胴、１５・・・・・・開孔、１６・・・・・
・燃焼ファン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多孔を有する内炎筒と外炎筒間で構成された気化室中に
   、気化素子を設け、前記気化室上部に、燃焼室とエゼク
   タ板、送風機を順に設け、前記燃焼室、エゼクタ板、送
   風機をおおう風刺を設け、前記エゼクタ板には少なくと
   も１つの開孔を設け、前記送風機の送風ファンを前記エ
   ゼクタ板の間に、前記送風ファンと同軸に燃焼ファンを
   設け、前記燃焼ファンの吸引口を上記開孔とした液体燃
   料燃焼装置。