JPS6020750Y2 - コンクリ−トポンプ車のブ−ム駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリートポンプ車のブーム駆動装置に関す
る。

第１図はコンクリートポンプ車の一例を示す全体図であ
り、一般にこのようなコンクリートポンプ車におけるコ
ンクリート圧送装置１の駆動、及びブーム２の屈伸作動
を行うブーム用シリンダ３の駆動はエンジン４の作動に
より油圧ポンプを介して行うようにしており、更に、前
記コンクリート圧送装置１におけるコンクリート吐出量
の変更は前記エンジン４の回転数を変化させることによ
り行うようにしている。

図中１′はコンクリート圧送ホースである。

従って、前記においては、コンクリート圧送装置１の吐
出量を変更する際、エンジン４の回転数の変化によりブ
ーム２の作動を行うブーム用シリンダ３の操作油圧系統
の油量、油圧も変化して、ブーム２の速度と力に変化を
生じることになり、特にブーム２の速度が変化すると操
作が難しくなる問題があり、ブーム２を構築物や作業員
に衝突させてしまう危険性がある。

このため、従来においては第２図に示すように、前記ブ
ーム用シリンダ３の作動油圧流路ａ。

ｂに圧油の戻り流量を絞るようにした流量制御弁ｃ、
ｄを設けて前記ブーム２の速度調整を行うようにしてい
る。

しかし上記従来方式においては流量制御弁Ｃ，ｄにより
圧力を逃して速度調整を行うようにしているため、圧力
ロスがあり、従って余分な大きさの油圧ポンプを必要と
し、更にエンジン４の駆動燃料費が増大して大変不経済
となる問題を有し、また第３図に示す如くエンジン回転
数が落ちると油圧力が曲線ｅの如く急激に落ち込むので
ブームの力も落ちてしまう等の問題点を有していた。

本考案は上記従来の問題点を解決すべくなしたもので、
エンジンにて駆動する油圧ポンプの吐出側配管を２方向
に分岐し、一方をブーム用シリンダに電磁切換弁を介し
て導き、他方を電磁開閉弁に圧力補償付流量調整弁を介
して導き、且つ前記エンジンの回転数が所定値に達する
とそれを検出して前記電磁開閉弁を切換えるための信号
を発する信号発生装置を設けたことを特徴とするコンク
リートポンプ車のブーム駆動装置、に係るものである。

以下図面について本考案の実施例を説明する。

第４図は本考案の一例を示すもので、前記第１図に示し
たコンクリートポンプ車におけるエンジン４により作動
する油圧ポンプ５の吐出側配管６を２方向に分岐し、一
方の配管７を電磁切換弁８を介して前記ブーム用シリン
ダ３に連結し、他方の配管９を圧力補償付流量調整弁１
０を介して電磁開閉弁１１に連結する。

１２は前記吐出側配管６の途中に設けた安全弁、１３は
油タンクを示す。

更に、ガバナ１４を介して前記エンジン４の回転数制御
を行う如く例えばコンクリートポンプ車の操作室に設け
た操作レバー１５部に、該操作レバー１５の操作角度に
よって前記エンジン４が所定の回転数に達したことを検
知して信号１６を発する信号発生装置１７を設け、該信
号発生装置１７からの信号１６により前記電磁開閉弁１
１の切換えを行うよう構成する。

上記構成において、前記第１図に示したコンクリート圧
送装置１のコンクリート吐出量を増すべく操作レバー１
５の操作角度を変更することによリガバナ１４を介して
エンジン４の回転数を定額運転以上に上げると、油圧ポ
ンプ５から吐出側配管６に吐出する油量が増加し、且つ
電磁開閉弁１１が第４図に示すように閉止状態にあるこ
とにより前記油がそのままブーム用シ、リンダ３側に供
給されることになるので、配管７を流れる油量も第５図
に示すように増加することになる。

しかしエンジン４の回転数が所定の値Ａ（第５図）に達
すると、操作レバー１５の操作角度によって信号発生装
置１７がそれを検出して信号１６を発腰前記電磁開閉弁
１１を矢印（イ）のように開放側に切換えるように作用
するので、前記回転数Ａのときの油量の増加分Ｂを常に
逃すように設定された圧力補償付流量調整弁１０により
、前記増加分Ｂの油が電磁開閉弁１１を介して油タンク
１３に戻される。

従って前記配管７を流れる油量は第５図に示すように初
期の油量に戻る。

更にエンジン４の回転数を上げてゆくと、配管７を流れ
る油量はまた増加するようになる。

しかし油量が増加する途中で前記弁１０，１１により油
の増加分Ｂを逃すようにしているので、前記Ａ点をエン
ジン４の使用回転数範囲の中央部に位置するよう設定し
ておけば、配管７における流量変化範囲Ｃを点線で示す
流量調整弁を備えない従来の場合の範囲Ｃ′の約１７２
とすることができる。

このように配管７の油量の変化範囲を狭くすることがで
きることにより、ブーム２の作動速度の変化を少なくす
ることができ、よってブーム２の操作を容易にして安全
性の向上も図ることができる。

更に圧力ロスをなくすことができるので、油圧ポンプ５
の小型化と燃費の低減を図ることができる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるものではなく
、信号発生装置はエンジンの回転数が所定の値になった
ときに信号を発するものであれば良いので、エンジン部
分に接点付回転計等を設けるようにしたものでもよいこ
と、圧力補償付流量調整弁と電磁開閉弁を１組として複
数組備えることにより段階的に複数回油を逃して流量調
整を段階的に行うようにすることもできること、その細
氷考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加
え得ること、等は勿論である。

上述した本考案のコンクリートポンプ車のブーム駆動装
置によれば次のような優れた効果を奏し得る。

（［）エンジンの回転数が所定値に達したときに、ブー
ム用シリンダを作動する油の一部を逃して流量調整する
ようにしているので、ブームの速度変化を少なくするこ
とができ、従ってブームの操作が容易となる。

（１１）ブームの操作性が向上するので、安全性の向上
も図り得られる。

（ｚｒｒ）従来のようにブーム用シリンダの配管途中に
流量制御弁を設けた場合に比し、圧力ロスをなくすこと
ができる。

（ＩＶ）圧力ロスがないので、油圧ポンプを小型にする
ことができ、従って燃費の向上を図り得る。

Ｍ圧力補償付流量調整弁を備えているので、ブームの力
を常に一定に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンクリートポンプ車の一例を示す全体説明図
、第２図は従来のブーム速度調整方式を示す説明図、第
３図はエンジン回転数と油圧力との関係を示す線図、第
４図は本考案の一実施例を示す説明図、第５図は本考案
によるエンジン回転数とブーム用シリンダへの油流量の
関係を示すための線図である。 １はコンクリート圧送装置、２はブーム、３はブーム用
シリンダ、４はエンジン、５は油圧ポンプ、６は吐出側
配管、８は電磁切換弁、１０は圧力補償付流量調整弁、
１１は電磁開閉弁、１６は信号、 １７は信号発生装置を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンンジンにて駆動する油圧ポンプの吐出側配管を２方
   向に分岐し、一方をブーム用シリンダに電磁切換弁を介
   して導き、他方を電磁開閉弁に圧力補償付流量調整弁を
   介して導き、且つ前記エンジンの回転数が所定値に達す
   るとそれを検出して前記電磁開閉弁を切換えるための信
   号を発する信号発生装置を設けたことを特徴とするコン
   クリートポンプ車のブーム駆動装置。