JPS60203250A - 心臓手術用パツチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は心臓手術に用いられるパッチに関し、殊に大動
脈転位症の手術に用いられる特殊な形状を有するパッチ
に関する。

心臓外科の著しい進歩によって先天性の心臓奇形も外科
的に手術出来るようになり大きい福音となっているが、
極めて難かしい心臓の補綴手術に先天性大血管転位症が
ある。この患者は端的に言うと大動脈と肺動脈が相互に
逆についている症状で５全身に迭り出されるべき動脈（
大動脈）が肺に通じ、肺に送り出されるべき動脈（肺動
脈）が全身に通じているものである。この症状の患者り
幼児期に手術をしないと短命に終ることが知られており
、大動脈と肺動脈の交換手術も試みられたが救命成績が
極めて悪く、難手術症例の典型として知られている。こ
の症例の患者を救うｌこめに、マスタード氏によって転
位した動脈をそのままにし、左心房と右心房の間の中壁
膜の一部を除去して、左心房と右心房を共通化し、この
中でパッチによって血液流路の変更を行う手術を提案し
た。

すなわち、通常の心臓にあっては、大静脈より全身から
帰ってきた血液は右心房を経て右心室に導かれ、次いで
右心室からＪＪｉｉ動脈により肺に導かれ。

肺で酸系等を付加されて肺静脈により左心房を経て左心
室に導かれ、さらに左心室から大動脈により全身に送り
出される循環（全身→右心房→右心室→肺→左心房→左
心室→全身〕によっているが。

前記手術は大静脈より全身から帰って来た血液を左心室
に導く流路を前記パッチによって形成することにより、
左心室より吐出される血液（大動脈）を肺に導くように
し、−万肺静脈によって酸系を伺加した血液を右心室に
導く血液流路を、前記共通化した心房内に前記パッチに
よって形成し、右心室から吐出される血液を全身に通じ
るようにしたものであり（金材→心房→左心室→肺→心
房→右心室→全身）、マスタード手術と呼ばれて普及し
つつある。

マスタード手術は先天的に転位した大動脈、肺動脈庖そ
のｔまにし、右心房と左心房を共通化して３ｉｒ、路変
更を行い、左心室に右心室の機能を、右心室に左心室の
機能を有させるものである。

従来このマスタード手術は第１図に示す如く平面状のパ
ッチ（１′）を用いて行われて来た０　しかしマスター
ド手術に適した特有の形状のパッチは存在しなかったの
で、手術者は平面状のパッチを折り曲けたり、あるいは
内径１５箱程度の人工血管の一部を切り取ってそれを縫
いつけていたが非常に手術しにくく縫合もスムースにゆ
かず、困難を１′Ｐうものであった。

本発明の特殊パッチは、予め心房内で流路変更に適した
形状となっているので、非常に手術し易い特徴を備えて
いるものである。

すなわち左心房と右心房とをへたてる中隔を取除いて両
心房を共通化した心房内において、有効な血液変更ルー
トを容易敏速に形成しうるような形状としたものである
。

本発明はパッチの一部が一方に部分的に膨出した形状を
有するものであって、その要旨は、平面状のパッチに半
鴻卵状、又は半球状の膨出部を設け、前記パッチの一端
縁部を他端部にむけて前記膨出部の一部を含んで膨出面
側に湾曲させて形成した心臓手術用パッチに係るもので
ある。

本発明に係るパッチに用いら扛る材質としては、ポリエ
チレンテレフタレートやポリテトラフルオロエチレンの
ような含弗素品分子がよく、フェルト、平織り、メリヤ
ス、ベルーアなどがいずれも用いられる。

これらを本発明の特有な形状に成形するには、所定の形
状をした僅かの間隙を有して嵌合する一組の金型を作成
して、成形すべき平面状のノくツチをまず金型にのせ１
次いで、パッチを狭んで一方の嵌合する金型を装填して
押圧し、加熱処理することによって成形される。加熱温
度は１００°〜２６０Ｃ１加熱時間は５分〜３０時間で
行われる。

この成形に訃いて、余り急激にパッチに強制豹変Ｊ［プ
を加えると、ｊ１曳物の目開きを生じて不都合となるの
で、数回に分けて徐々に成形することが好ましい。この
パッチは膨出部以外に平面部も含まれているので臨床対
象の患者の心臓の大きさによってｆ１当な、ν１；蒼合
しやすい大きさに手術者が切り取って使うことが出来る
。

本症例の適用は主として乳幼児又は小児であり、５Ｊこ
い心房内に血液流路変更のパッチを縫合するためには、
前記した如き従来の平面状のままのものではｈＭめて難
しく、そのため特殊な形状をしたものが必要とされてい
た。

そこで木兄ゆ１者は流路変更、心房形状等を種々検Ｒ・
１した結果、半鶏卵状又は半球状の形状を平面パッチの
一方に部分的に膨出させ、パッチの一端縁部を前記膨出
部の一部を含んで他端部にむけて膨出面側に湾曲させて
形Ｊ戊することにより、第３図に示す如（前記膨出部内
側において肺静脈（２）を通して送られてきた血液を心
房から右心室（１４）にスムーズに導くことができ、一
方上行及び下行大静脈（３）（４）より送られてきた血
液を湾曲させた前記膨出部の背側部を通して心房から左
心室（１３〕にスムーズに送ることを可能としたもので
あり、しかも縫合手術も極めて容易としたものである。

第２図に示す如く、本発明に係るパッチの前記膨出部分
Ｑ長さＬとしては１０鮎〜８０職、好ましくは２０龍〜
６０朋、Ｋに好ましくは２５龍〜５０謁であり、膨出の
高さＨとしては膨出点において最大２朋〜３０龍、好ま
しくは４龍〜１５牝である。

この範囲をはずれると人間の左心房、右心房の大きさに
合わず手術が困難となる。

また、パッチの厚みとしては０．２本〜３１１１ｍ、好
ましくは０．５１ｍ〜２ｍ１１である。０．２１１１１
以下では強度に劣り、３１１１１以上では針が通りにく
く縫合が困難となるからである。　かつ、前記した如く
、第３図に示すように上行及び下行大静脈（３）（りを
通ってきた血液を膨出部の片側に導き左心房（１１）か
らイ゛、ｊ′１１１１弁（１５）を通して左心室（１３
）へ送る必要があることより、パッチ（１）の右心Ｎ（
１２）に位置する部分を膨出部の一部を含んで端°縁部
を湾曲させる必要がある。この湾曲の曲率は前記血液流
路の’ｉ′ｆ定及び縫合手術上から重要であり、曲り状
態は曲率半径が１藺〜２０１１１１の範囲で設けられる
ことが好ましい。この範囲外では上行及び下行大静脈を
失って・随合することが困難となるからである。

膨出部の一部を湾曲させるのは肺静脈からの血液の流れ
を第３図に示す如く、右心房（１２）より三尖弁（１６
）を通して右心室（１４）にスムーズに流すとともに、
上行、下行大静脈からの血液を左心室に導（ように縫合
するためである。

また１本発明に係るパッチに上記膨出形状を有させ、そ
の周囲に若干の平面部を有させることにより、　ｔｉｆ
ｌ記した如き心房等の大きさに適合するよう該平１ｎＪ
部を切断することによって縫合を容易にすることができ
る。パッチにはあらかじめ、抗血栓材を浸漬もしくは被
覆することにより、生体膜細胞によって表面が覆われる
までの血栓生成を防止することができる。

本発明に係るパッチの使用例をｔ■３図を用いて説明す
る。

第３図は１本発明に係るパッチを縫合して心房（左心房
と右心房の間の中隔膜を除いた状態にある〕内部での血
流の変更を行った略図である。すなわち肺において酸素
が付加されて肺静脈（２うによって左心房（１１）に戻
ってきた血液は本パッチ（１）の膨出部内側（凹部）に
形成された流路を辿って（点線矢印で示す）右心房（１
２）から三尖弁（１６）を経て右心室（１りに導かれる
。一方、全身から戻って来た上行および下行大静脈（３
）（４）を通って米た静脈血（二本線矢印坤で示す）は
、本発明に係るパッチ（１）の背側を通って、左心Ｂ’
　（ｉ　１）から僧帽弁（１５）を経て左心室（１３）
に導かれる。

なお１図示していないが、右心室に導かれた血液は肺動
脈を通して全身に送られ、一方左心室に専かれた血液は
大動脈を通して肺に送られる。

以上説明した如く１本発明に係る心ＪＩＭ手術用パッチ
は、心房内におけるｉ逢合に適合するような形状で形成
され、しかも血液流路の特定を容易確実とし、１合も従
来のＩＦ−面状のパッチに比し極めて容易となるため、
縫合手術時間が大１１Ｇに短縮され。

手術の成功率も高めることが出来る等の特徴を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

２１４１図は心房内に従来用いられている平面状のパッ
チを４８合した状態を示す斜視図であり、第２図（ん、
（Ｂｌは本発明に係るパッチの斜視図であり、第３図は
本発明に係るパッチを心房内に縫合した状態を示す断面
概略図である。図中、符号１及び１′はパッチ、２は肺
静脈、３，４は大静脈、１１は左心房、１２は右心房、
１６．左心室、１４は右心室を各示す。 特許出願人　日本ゼオン株式会社 Ｐ　１　回 茅　２　図　・ 第　３　目 手続補正書（自発） 昭和５９年４月４日 特許庁長官　若　杉　和　夫　殿 １、　事件の表示 昭和５９年３月２９日提出の特許願 ２、　発明の名称 心臓手術用パンチ ３、　補正をする者 事件との関係　特許出願人 １ □−２１ ４、補正命令の日付　自　発 ５、　補正の対象 明細書中特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄及
び図面の欄 ６、　補正の内容 別紙のとおり 別紙 （１）特許請求の範囲を下記の通り補正する。 ２、特許請求の範囲 ■、　平面状のパッチに半鶏卵状、半Ｈａ円体伏又は半
球状の膨出部を設け、前期バッチの一端縁部にむけて前
期膨出部の一部を含んで膨出面側に湾曲させて形成した
心臓手術用パンチ。 （２）明細書第４頁第８行を下記の通り補正する。 「状のパンチに半鶏卵状、半回転楕円体状又は半球状の
膨出部を設」 （３）明細書第５頁第１７行を下記の通り補正する。 「討した結果、半鶏卵状、半回転楕円体状又は半球状の
形状をパＪ（４）図面中、第２図（Ａ）、（Ｂ）及び第
３図を別添の通り補正する。 以　上 夢　２　目 ＣＢ） 箒　３ＷＪ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　″＋画面状パッチに半鶏卵状、又は半球状の膨出面
   を設け、前記パッチの一端縁部を他端部にむけて１３ｉ
   Ｊ記膨出部の一部を含んで膨出面側に湾曲させて形成し
   た心臓手術用パッチ０