JPS6018745B2 - 金属細管内面の溶融メツキ方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内径２仇肋以内の金属細管内面の溶融メッキ
方法に関する。

従来、都市ガス，プロパンガスの燃焼器具や自動車のブ
レーキパイプ、クラッチパイプおよび各種流体の配管に
使用される内径２仇岬以下の金属細管は、両面に銅〆ッ
キを施した帯鋼を使って二重巻造管法により作られた内
面に銅〆ツキのある二重巻鋼管が使用されているが、使
用流体によっては内面の耐食性をさらに強化するために
その内面へ異種金属メッキを施す必要がある。

また、ガソリン、クラッチオイル等の油頚が、内面に銅
〆ッキのある二重巻鋼管内を通過して、アルミニウム又
はアルミニウム合金からなる容器等の部品に接触すると
、容器が銅イオンによる霞触作用により損傷を受ける。
このため、銅〆ッキを隠蔽する必要から内面に異種金属
メッキを施すことが行われている。一般に、金属管の内
面にメッキを施す方法として、特許第１３３９７８号に
記載されているように、金属管に溶剤を塗布した螺旋状
銅線を挿入し、金属管内面に銅線を確実に接触させ、還
元雰囲気炉内に鋼管を懐斜して配置し、かつこれを回転
させながら鋼線を溶融、メッキする方法が知られている
。

この方法は、螺旋状銅線を金属管内面に確実に接触させ
ることと、溶剤によるぬれ拡がりを高める作用を使って
金属管内面に溶融金属の均一な厚みのメッキ層を形成す
るものであるが、螺旋状鋼線を金属管に挿入する作業は
容易でなく、金属管が細蓬、長尺になるとさらに困難な
作業となり生産性の低下を招く。

また溶剤を銅線に塗布することは容易でなく、溶剤は一
般に腐食性の強いものほどその効果は大きいため、溶剤
による金属管の腐食を防止するためメッキ後溶剤を落す
作業を行わねばならない。特に紬径，長尺の金属管内面
の溶剤を完全に落すことは不可能に近く、したがって溶
剤による腐食がメッキによる防食効果をいちじるしく低
下させる。さらに、溶剤を使い、螺旋状銅線を金属管内
面に確実に接触させ得たとしても、金属管を回転させね
ば、全周に渉つて均一な厚みのメッキ層を得ることは困
難である。本発明者は上記の欠点に鑑み、種々研究の結
果、亜鉛，錫−亜鉛、若しくはこれらを主成分とした合
金からなる低融点金属線をメッキ材として使用し、この
低融点金属線を融点よりも著しい高温で加熱して低融点
金属の亜鉛成分の一部を気化させその蒸気の作用により
金属細管内面のぬれ拡がり性を助長し、溶融した低融点
金属によって金属細管内面に均一なメッキ層を施すこと
ができる溶融メッキ方法を開発したもので、その要旨は
、内径２０肋以内の金属紬管に融点４５０℃以下の亜鉛
，錫−亜鉛、若しくはこれらを主成分とする合金からな
る低融点金属線を内挿し、これを還元性雰囲気中にて８
００〜１１００午０に加熱し、上記金属線の亜鉛成分の
一部を気化させ、溶融した低融点金属を金属細管内面全
体へ均一に付着させてメッキ層を形成させることを特徴
とする金属細管内面の溶融メッキ方法にある。

本発明においては、内径２仇吻以内の金属紬管を対象と
する。

内径２仇舷以上の金属管の場合は公知技術のように、管
を回転したり、頚斜させることが必要となる。また、溶
融金属のぬれ拡がりによってメッキ層が形成されるのは
、内蓬２仇舷が限度である。使用する金属紬管は通常、
鉄、銅製のものを用いるが、その種類は問わず、また鉄
製の場合、その内面に銅〆ツキを施すかどうかは問わな
い。

本発明において用いる亜鉛，錫−亜鉛申告しくはこれら
を主成分とする合金からなる低融虫点金属線とは、亜鉛
金属線又は錫−亜鉛系ハンダ合金線をいう。「ハンダ」
にはＳｎ基ハンダ，Ｐｂ基ハンダ，Ｓｎ−Ｚｎ系ハンダ
およびＺｎ一Ｎ系ハンダなどがあるが、本発明で用いる
「ハンダ」は、Ｓｎ一Ｚｎ系ハンダである。

Ｓｎ−Ｚｎ系ハンダは、Ｓｎ−Ｚｎ二元系のものとこれ
にＰｂ，ＡＩ，Ｃｄを添加したものがある。これらのう
ち、Ｓｎ−Ｚｎ二元系のものが好ましい。上記低融点金
属線の融点は４５０ｑｏ以下である。

これは、亜鉛および上記ハンダ線の融点が、４５０℃以
下に限られているからである。加熱温度は８００〜１１
００ｑｏが好ましい。その理由は、メッキ厚の均一化に
有効な亜鉛の気化温度は８００００から始まり、また１
１００ｏｏ以上ではメッキ厚均一化の効果に大きな差が
なくなり、かえってエネルギーロス、炉の製造コストが
大となるなどのクＣ点が生じるからである。本発明によ
ればメッキ層が均一に金属細管内面全周に渉つて溶剤を
用いずに形成される。

すなわち、上記低融点金属線を金属細管内に挿入し、途
元性雰囲気炉中で８００〜１１００ｑ０に加熱すると、
金属細管内壁に付着していた油脂分は亜鉛より低温で蒸
発又は燃焼し、気体となって管内に帯留するが、一方溶
融金属の成分中の亜鉛の一部が蒸発し、この亜鉛蒸気に
よって管外に追い出される。また金属細管内面の金属酸
化物例えばＦｅ○，Ｆｅ２０３，Ｃｕ○などは、亜鉛蒸
気によってその酸素をうばわれて、酸化亜鉛となって管
外に排出される。こうして、金属細管内面のぬれ拡がり
性が高まるので、気化しない溶融金属は管内面に拡がり
、均一なメッキ層が形成される。

上記のような作用を利用するため金属網管の径が２仇舷
以上になるとその効果は薄れる。

したがって管径を２仇舷以下でなければならない。本発
明によれば、溶剤及び螺旋状金属線を使わず、しかも、
面倒な回転操作をすることなく、金属細管内面に均一な
メッキ層を施すことが可能な金属細管内面の溶融メッキ
方法を提供することができる。

以下図面を参照しながら本発明を説明する。

１は予め内面に銅〆ツキ等の既メッキ層２のある金属細
督で、この金属細管１に内径に比例して選定された線径
の亜鉛，錫−亜鉛若しくはこれらを主成分とした合金等
低融点金属線３を第１図で示すように内挿し、空気と置
換された還元性ガス４中にて低融点金属謙嫁３の融点（
４５０こ０以下）よりも著しく高い８００〜１１０び０
で、無回転状態で加熱すると、低融点金属線３は溶融し
て金属紬管１の内面に低融点金属のメッキ層５が形成さ
れる。

実施例 １二重巻法によって製造された外径４．７６側
、内径３．３６肋、長さ４肌の二重者鋼管１の中空部に
織径０．３の錫−亜鉛系ハンダ線３（Ｓｎ７０％，Ｚｎ
３０％：融点３１０午Ｃ）を内挿し、還元性雰囲気炉内
を通し約１０５０００で６岬砂加熱し、その温度に１現
砂保持したところ、金属細管１の内面に１５ミクロンの
低融点金属の溶融メッキ層５が形成された。

メッキ厚さはほぼ均一であった。その際、金属細管１の
一端を炉中に入れ、他端を炉外に出しておき、真空ポン
プを炉外端面に当俵し、金属紬管１内を負圧状態に保ち
つつ、炉内の還元性ガス４を金属紬管１内に導入した。

実施例 ２上記の金属細管１にハンダ線に換えて線径０
．５側の亜鉛線（融点４２０ｏｏ）を内挿し、還元性ガ
ス中にて、炉内で約９５０００に５秒保持すると、亜鉛
の一部が９３０℃で気化し、残部が溶融して、メッキ層
５が形成された。

実施例 ３ 電気抵抗溶接法により外径１９帆，内径１７他，長さｌ
ｏｗの鋼管（内面に銅〆ッキなし）に０．６側のハンダ
合金線（錫８０％，亜鉛２０％，融点２７ぴ０）を内挿
し、還元性雰囲気炉中にて約１１００午○で２分間加熱
しその温度に１鼠段・保持したところ、厚さ約１０山ｍ
のはゞ均一な溶融メッキ層が形成された。

本発明の方法によれば、以下のような効果がある。■
特許第１３３９７８号の方法のように、線材を螺線加工
し、鋼管内面に密着させる必要がないため、生産性の向
上およびコストダウンが可能となる。

■ 水平無回転の状態でメッキ作業が行えるので設備費
が割安となり、メッキ作業が効率的に行える。

■ 溶剤を使う必要がないため、溶剤落し等の作業が必
要なくなるとともに、腐食の問題がなくなり品質が安定
する。

■ 金属細管内面全周に渉つて、より均一で耐食性のす
ぐれたメッキ被膜が容易に得られる。

■ 長尺の金属管への適用が容易である。以上のような
本発明の溶融メッキ方法によれよ内径２仇肌以下の金属
細管１の内面にも所望の厚さの溶融メッキ層５を形成さ
せることができ、その用途は都市ガス，プロパンガスの
燃焼器具や自動車のブレーキパイプ，クラッチパイプお
よび各種機器の流体配管用として使用することができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施の１例を示す金属紬管の断面図、第
２図は本発明のメッキ方法によりメッキが施された金属
細管の断面図である。 １・・・・・・金属紬管、２・・・・・・既メッキ層、
３・・・・・・低融点金属線、４・・・・・・還元性ガ
ス、５・・・・・・メッキ層。 鷲１図 裕之図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内径２０ｍｍ以内の金属細管に融点４５０℃以下の
   亜鉛、錫−亜鉛、若しくはこれらを主成分とする合金か
   らなる低融点金属線を内挿し、これを還元性雰囲気中に
   て８００〜１１００℃に加熱し、上記金属線の亜鉛成分
   の一部を気化させ、溶融した低融点金属を金属細管内面
   全体へ均一に付着させてメツキ層を形成させることを特
   徴とする金属細管内面の溶融メツキ方法。