JPS6018306Y2 - バルブスプリングの取外し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジン用バルブスプリングの取外し装置に
係り、特にエンジンのクランクシャフト方向に操作レバ
ーを配置してバルブスプリングを取り外すことができ、
エンジンの修理等の際に好適なバルブスプリングの取外
し装置に関する。

従来、第１図に示すように、エンジン用バルブスプリン
グ１の取外し装置は、シリンダへラドカバーやロッカア
ームを固着するためにシリンダヘッドカバーの上部に形
成されたボルト用ねじ穴（以上いずれも図示せず）にね
じ棒２を螺着させている。

そして該ねじ棒を支点とし押圧部材３を力点として操作
レバー４を操作するようになっており、押圧部材３によ
りバルブシート５をバルブスプリング１のばね圧に抗し
て下方に押圧し、バルブステム６に嵌挿されたコツタ７
を取り外すことによって自由長になったバルブスプリン
グ１を取り外していた。

しかし該従来例ではねじ棒２がねじ込まれるシリンダヘ
ッドのねじ穴と取り外そうとするバルブスプリングとは
エンジンのクランクシャフトに対して直角方向に配列さ
れているため、操作レバー４は必然的にクランクシャフ
トに対して直角方向に配置されることになるため、エン
ジンの車載時において、操作レバー４を操作する場合、
エンジンの補機類が邪魔になって作業性が悪く、場合に
よっては操作することができなかった。

またバルブスプリングごとにねじ棒２をシリンダヘッド
のねじ穴に着脱しなければならず、取外し作業が面倒で
あった。

本考案は、上記した従来技術の欠点を除くためになされ
たものであって、その目的とするところは、取り外そう
とするバルブスプリングに隣接スるバルブスプリングを
利用して操作レバーをエンジンのクランクシャフト方向
に配置することにより、エンジンの車載時に操作レバー
の操作がエンジンの補機類に邪魔されることなく行なわ
れ容易にバルブスプリングを取り外すことができるよう
にすることである。

また他の目的は、ワンタッチ操作でバルブスプリングの
取外し作業を行うことができるようにすることである。

更に他の目的は、エンジンの型式によってバルブスプリ
ングの心間距離が変った場合、取り外そうとするバルブ
スプリングに対向する押圧部材の取付は位置を調節でき
るようにすることである。

要するに本考案は、エンジンのクランクシャ７１・方向
に配置される操作レバーと、該操作レバーの先端に設け
られ取り外そうとするバルブスプリングに隣接するバル
ブスプリング乏係合するフック部材と、前記操作レバー
の中間部に設けられ前記フック部材を支点と１．て前記
取り外そうとするバルブスプリングのバルブシートを押
圧する押圧部材と、該抑圧部材を前記操作レバーの長手
方向の異なる位置に択一的に固定するように１．た押圧
部材の取付機構とを備えたことを特徴とするものである
。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明する。

エンジン９の複数のバルブ装置１０はシリンダヘッド１
１上にクランクシャフト（図示せず）の方向に一直線上
に配列されており、該バルブ装置ハバルブステム６、バ
ルブシー斗５、コツタ７及びバルブスプリング１とから
戊っている。

コツタ７はバルブステム６の上部に形成されたコツタ溝
６ａに嵌入されバルブシート５によって締め付けられて
いる。

バルブシート５とシリンダヘッド１１との間にはバルブ
スプリング１が介装されており、該バルブスプリングに
よ−ってバルブステム６は上方に押（、上げられるよう
に付勢されている。

なおバルブスプリング１内にばばね圧の弱い補助バルブ
スプリング１ａが収容されることもある。

本考案の特徴をなすバルブスプリング取外し装置１５は
、操作レバー１６、フック部材１７、押圧部材１８及び
該押圧部材の取付機構１９を備えている。

操作レバー１６は使用時にはクランクシャフト方向に配
置されるようになっており、軸部１６ａと把持部１６ｂ
とを備えている。

フック部材１７は第４図に示すように、チェーン２０ε
フツク２１とから戊っており、チェーン２０の一端は操
作レバー１６の軸部１６ａの先端に係止されている。

またフック２１にはバルブスプリング１に係合し得る二
又部２１ａが形成されており、その基端はチェーン２０
の他端に係止されている。

押圧部材１８？よ第５図に示すように、バルブシート５
を押圧ｌ〜得る押圧部１８ａと、操作レバー１６の軸部
１６ａに取り付けられる取付は部１８ｂを備えており、
押圧部１８ａにはその中央部にバルブステム６が遊嵌さ
れる貫通穴１８ｅが形成されており、その底面にバルブ
シ・−ト５が遊嵌される円形の座ぐり部１８ｄが形成さ
れている。

次にＣ押圧部材１８の取付は機構１９に９６）で説明す
る。

第６図及び第１図において、操作レバー１６の軸部１６
ａの中間部には切欠き窓１６ｅが形成されており、該切
欠き窓の上面には複数の円弧状の凹部１６４が連続し２
で形成されている。

また切欠き窓１６ｅの下面には四部１６ｄに対向する部
分を上方に湾曲さぜた板ばね２３が固着されている。

押圧部材１８の取付は部１８ｂには切欠き窓１６ｅの四
部１６ｄに係合し得るフランジ２４ａ付の係合ビン２４
が固着されており、該係合ビンは板ばね２３によって常
に四部１６Ｃ１に択一的に押圧係合ｌ〜得る如く付勢さ
れている。

本考案は、上記のように構成されており、以下その作用
について説明する。

バルブスプリング１を取り外すに際しては、まずフック
２１の二又部２１ａを取り外そうとするバルブスプリン
グ１、例えば第３図においてバルブスプリング１ｈに隣
接するバルブスプリング１ｃに保合させる。

次に押圧部材１８の座ぐり部１８ｄがバルブスプリング
１ｂ用バルブシート５の真上に対向するように、押圧部
材１８を第６図に示すように板ばね２３のばね圧に抗し
て移動させ係合ビン２４を択一−的に四部１６ｄに係合
させる。

この状態で操作レバー１６をフック２１を係合させたバ
ルブスプリング１ｃを支点として、第３図に示すように
矢印Ａの方向に押圧すると、バルブシー１へ５は押圧部
１８ａの座ぐり部１８ｄによって下方に押し下げられ、
コツタ７とバルブシート５との係合が解かれる。

ここでコツタ７及びバルブシート５を取り外すと、バル
ブスプリング１は自由長の状態になり容易に取り外すこ
とができる。

以上のように本考案によれば、操作１ツバ−１６はフッ
ク２１が係合した隣接のバルブスプリング１ｃを支点と
１．て操作されるので、操作１ツバ−１６の把持部１６
ｂを軽く押圧するだけでバルブシート５を押し下でバル
ブスプリング１ｂを取り列すことができる。

また操作レバー１６はクランクシャフト方向に配置され
るので、エンジンの車載時において、操作レバー１６の
操作はエンジンの補機類に邪魔されることがなく作業性
が良好となる。

またエンジンの形式によってバルブスプリング１の心間
距離が変わった場合、操作レバー１６の凹部１６ｄに係
合している押圧部材１８の係合ピン２４を板ばね２３の
ばね圧に抗して移動させることにより押圧部材１８の位
置を調節することができるので、種々の形式のエンジン
９に適応させることができる。

またフック部材１７のバルブスプリング１への着脱はワ
ンタッチで行なうことができる。

なお第８図及び第９図に示すものは、本考案の別実施例
であり、操作レバー２５の軸部２５ａの中間部に複数の
穴２５ｂが形成されており、該穴に押圧部材２６の取付
は部２６ｂが段付きねじ２７及びナツト２８によって択
一的に回動自在に取り付けられフック部材１７と押圧部
材２６間の距離を調節できるようになっている。

その他押圧部２６ａ１穴２６ｃ１座ぐり部２６ｂは第５
図に示すものと同一であるので図面に符号を付して説明
は省略する。

本考案は、上記にように構成され作用するものであるか
ら、取り外そうとするバルブスプリングに隣接するバル
ブスプリングを利用することにより操作レバーをエンジ
ンのクランクシャフト方向に配置することができるので
、エンジン車載時に操作レバーの操作がエンジンの補機
類に邪魔されることなく行なうことができ作業性が良好
となるという効果がある。

またワンタッチ操作でバルブスプリングの取外し作業を
行なうことができるので、該作業が極めて容易となる。

またエンジン型式によってバルブスプリングの心間距離
が変った場合、取り外そ・うとするバルブスプリングに
対向する押圧部材の取付は位置を調節することができる
ので、稚々の型式のエンジンに適応させることができる
利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のバルブスプリングの取外（７装置を示
す部分縦断面斜視図、第２図はバルブ装置の分解斜視図
、第３図から第７図は本考案の実施例に係り、第３図は
バルブ装置に装着されたバルブスプリングの取外１〜装
置の正面図、第４図はフック部材の斜視図、第５図は押
圧部材の斜視図、第６図は取付機構の部分縦断面正面図
、第７図は第６図の■−■矢視縦断面図２、第８図及び
第９図は本考案の別実施例に係り、第８図は第３図と同
様の正面図、第９図は押圧部材、段付きねじ及びナツト
の分解斜視図である。 １、 １ ｂ、 １ ｃＡ−！、バルブスフリング、
５はバルブシー１−１９ハエンジン、１５はバルブスプ
リング取外し装置、１６．２５は操作Ｌ／バー・、１７
はフック部材、１８．２６は押庁部材、ｉ９は抑圧部材
の取付機構である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのクランクシャフト方向に配置される操作レバ
   ーと、該操作レバーの先端に設けられ取り外そうとする
   バルブスプリングに隣接するバルブスプリングと係合す
   るフック部材と、前記操作レバーの中間部に設けられ前
   記フック部材を支点として前記取り外そうとするバルブ
   スプリングのバルブシー１〜を押圧する押圧部材と、該
   押圧部材を前記操作レバーの長手方向の異なる位置に択
   一的に固定するようにした押圧部材の取付機構とを備え
   たことを特徴とするバルブスプリングの取外し装置。