JPS6018175Y2 - 圧力調理器の安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧力釜、圧力鍋等の圧力調理器の安全装置にし
て、容器内圧力が十分に減圧されない限り、容器把手と
蓋把手とのロックが解かれないような安全装置に関する
。

圧力調理器には、容器及び蓋体周縁に間欠的にリブを形
威し、蓋体をかぶせて回動することにより密閉加圧容器
とするバヨネット係合方式のものがあるが、この係合方
式の圧力調理器では、消費生活用製品安全法により容器
から蓋体を外す場合に、まず容器内圧力を抜き、その後
に蓋体を回動しうる安全装置を設けることが義務づけら
れている。

そのため、従来種々の安全装置が提案されているが、何
れも容器把手と蓋把手とのロックを解く操作に連動して
容器内圧力を抜く方式のものが多く、したがって容器内
圧力の十分な減圧をみないうちでもすでにロックが解け
れているので、蓋体の回動が可能であることにより、残
存蒸気が噴出するという危険があり、完全な安全装置と
はいえなかった。

本考案は上記の点に着目して威されたもので、その目的
とするところは、容器内圧力が十分に減圧されない限り
は容器把手と蓋把手とのロックを解くことができない安
全装置を提供することにある。

以下、本考案の一実施例について図面と共に説明する。

第１図において、１は容器、２は該容器１の蓋体で、何
れも仮想線で示してあり、４は容器把手、５は蓋体把手
にして、主体５ａと補助体５ｂより戊る（第２図、第３
図参照）。

第２図において、６は容器側リブ、７は蓋体側リブで、
夫々適宜間隔をもって間欠的に設けられたバヨネット係
合用のリブである。

８はゴム等の弾性材料から戒る密封バッキングで、蓋体
２の外周縁内側に嵌装されている。

而して、蓋把手５の主体５ａ内に本考案の安全装置が収
納されるが、まずその安全装置部分の一実施例を示す第
３図の分解斜視図及び第４図に基づいて説明する。

図において、９は操作摘み、１０は該操作摘み９の回動
操作により駆動される回動円板で、中央の上下に軸１１
を突設し、該軸１１を中心として９０度に相当する上下
面の一部を切欠いて円弧状舌片１２を形成すると共に、
該円弧状舌片１２と反対側の外周縁下面にはカム面１２
ｃが形成されている。

而して、前記円弧状舌片１２は、第４図すに示すように
その上面を傾斜面１２ａに、下面を平坦面１２ｂに形成
され、またカム面１２ｃは、第４図ａに示すように円弧
状舌片１２の形成範囲より小さな範囲（９０度より小）
において傾斜面（又は二段カム面でも可）に形成されて
いる。

また前記円弧状舌片１２と反対側の上面には、圧力調整
弁３の操作レバー１３の一端を枢着するねじ溝１４が設
けられている。

１５はロック杆で、前記回動円板１０と対向する面には
該円板１０の円弧状舌片１２が通過するコ字形凹欠部１
６が形成され、上面にはスプリング受は突起１７が形成
されている。

１８は安全杆で、前記回動円板１０の下方外周面及びカ
ム面１２ｃに摺接する段部１８ａをもつＴ字状に形成さ
れている。

上記安全装置を蓋把手５の主体５ａに収納した概略図を
第２図に示しであるが、第３図をも参照して説明すると
、主体５五に形成される凹所１９に回動円板１０が遊嵌
され、該凹所１９に連設した溝２０に回動円板１０の下
方突出軸１１が支承され、溝２１にロック杆１５が遊嵌
され、溝２２に安全杆１８が遊嵌されるのであるが、回
動円板１０の上方突出軸１１は蓋体５の補助体５ｂの上
面凹部２３に設けた貫通孔２４を挿通して前記操作摘み
９と連結され、前記ロック杆１５の突起１７に受承され
たスプリング２５の他端は補助体５ｂの内壁に形成した
突起２６に受承される。

而して、回動円板１０に一端が枢着された操作レバー１
３の自由端は、傾斜部２７と平坦部２８とを連設した二
叉状に形成され、該二叉部に圧力調整弁３の弁体頂頭部
が嵌挿されている。

以上のような構成された本考案の安全装置の作用につい
て第２図乃至第４図を参照して説明する。

容器１に蓋体２をかぶせ、操作摘み９を１切ヨの位置（
第３図の実線位置）に回動し、蓋把手５を回動して容器
把手４上に重ね、容器側リブ及び蓋体側リブ６．７を係
合してバヨネット係合をする。

この際、回動円板１０は図示の位置にあり、その円弧状
舌片１２の傾斜面１２ａの最高面によりロック杆１５は
スプリング２５に抗して上昇しており、また操作レバー
１３はその自由端傾斜部２７で圧力調整弁３の弁体頂頭
部を支持するので弁体は上昇し開放している。

そして、バヨネット係合をした後、操作摘み９を時計方
向に９０度回動して１人ヨの位置（第３図の点線位置）
に操作すると、回動円板１０及び円弧状舌状１２も同方
向に回動し、その傾斜面１２ａの最低面の位置でロック
杆１５はスプリング２５の下方への付勢によって、容器
把手４に設けられている係合溝２９へ嵌入してロックが
完成され、また、操作レバー１３も回動円板１０の時計
方向への回動に伴い右方へ引かれるので、圧力調整弁３
の弁体頂頭部の支持点はその平坦部２８に移行し、弁は
閉塞して煮炊しうる状態となる（第２図の状態）。

煮炊が終了して蓋体２を外すには、まず容器内圧力を抜
かねばならぬが、本考案にあっては、操作摘み９を反時
計方向へ回動（点線位置から実線位置へ向けての回動）
すると、操作レバー１３は左方に押されて移動し、圧力
調整弁３の弁体頂頭部の支持点がその傾斜部２７に移行
し、弁を開放して容器内圧力を放出する。

また同時に回動円板１０及び円弧状舌片１２も同方向へ
回動し、その傾斜面１２ａの上方傾斜に伴い、ロック杆
１５はスプリング２５に抗して容器把手４の係合溝２９
から抜ける方向に上昇するが、まだロックは完全に解か
れない。

一方、回動円板１０の反時計方向への回動に伴い、安全
杆１８は切込み深さが順次浅くなるカム面１２ｃに押さ
れて左方へ移動し、蓋体２の側壁に設けられている開口
３０を貫通して密封バッキング８の背面を押圧する状態
となる。

引き続いてロックを解くために操作摘み９を反時計方向
に回動すると、安全杆１８は更にカム面１２ｃに押され
て密封バッキング８の背面をより強く押圧することとな
るが、この際、容器内圧力がまだ十分に減圧されていな
い場合には、安全杆１８の押出しが阻止される。

そのため、安全杆１８を回動円板１０のカム面１２ｃか
ら外周面へ乗り越えさせることが不可能、すなわち回動
円板１０の回動が不可能となり、ロック杆１５に対する
円弧状舌片１２の傾斜面１２ａの最高面への回動が不可
能なため、ロック杆の上昇も阻止されてロックを完全に
解くことができない。

そして、容器内圧力が十分に減圧された状態では、安全
杆１８の押出しが可能となり、すなわち操作摘み９の反
時計方向への９０度の回動が可能（ロック杆１５を十分
上昇させる円弧状舌片１２の回動が可能）となり、ロッ
ク杆１５を容器把手４の係合溝２９から完全に抜き取る
ことができ、ロックが解かれて蓋把手５を回動すること
ができるものである。

以上説明したように、本考案の安全装置は、特に密封バ
ッキングの背面を押圧可能な安全杆を容器把手と蓋把手
とのロック機構と協動させるように構成したので、容器
内圧力が十分に減圧されない限りは、安全杆によってロ
ック解除への操作を行うことができず、したがって、従
来のロック機構と圧力調整弁とを単に連動させたもの、
或いはロック機構によって単に密封バッキングを押圧変
形して放圧させたものに比し、その安全性は極めて高く
、使い勝手もよく実用性に富むものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の安全装置を備えた圧力調理器の側面図
、第２図はその安全装置を蓋把手内に収納し、ロックし
た状態の縦断側面図、第３図は安全装置部分の分解斜視
図、第４図ａは回動円板の裏面図、同図すはａの右側面
図を示す。 １・・・・・・容器、２・・・・・・蓋体、３・・・・
・・圧力調整弁、４・・・・・・容器把手、５・・・・
・・蓋把手、訃・・・・・密封バッキング、９・・・・
・・操作摘み、１０・・・・・・回動円板、１２・・・
・・・円弧状舌片、１３・・・・・・操作レバー、１５
・・・・・・ロック杆、１８・・・・・・安全杆、２９
・・・・・・係合溝、３０・・・・・・開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器、蓋体、容器把手、蓋把手及び密封バッキングより
   戒るバヨネット係合方式の圧力調理器において、前記蓋
   把手内に、操作摘みの回動操作に連動する回動円板と、
   該回動円板に取付けられ、その回動に連動して圧力調整
   弁を開閉する操作レバーと、前記回動円板の一外周方向
   に形威され、上面をテーパー状とした円弧状舌片と協動
   して上下動し、前記容器把手に設けられた嵌入溝に挿脱
   可能なロック杆と、前記回動円板の他方外周縁下面に形
   威されたテーパー状カム面と協動して左右動し、蓋体側
   壁に設けられた開口を貫通して前記密封バッキングの背
   面を押圧可能な安全杆とより成る安全装置を収納したこ
   とを特徴とする圧力調理器の安全装置。