JPS6017560Y2 - 正逆転可能な無段変速機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は入力側軸及び出力側軸を同一軸線上に設けた動
力伝達装置において、■本の操作レバーによる操作で、
それぞれ正転及び逆転の無段変速並びに停止を可能とす
る、正逆転可能な無段変速機に関するものである。

従来、摩擦車を使用した増減速機には種々の方式のもの
が使用されているが、一般的にこれらの増減速機では、
増減速のみの操作しかできず、正転、逆転並びに停止の
操作のためには、クラッチを別途に設ける必要があると
いう欠点があった。

一方、歯車とクラッチとを使用した増減速機もあるが、
この場合、歯車騒音がさけられないばかりでなく、正転
、逆転並びに停止の操作のためのクラッチを必要とし、
製作コストが増大するという欠点があり、特に上記歯車
騒音はタービン等の高速機関に適用した時に問題となる
。

そこで本考案は、前記従来の欠点及び問題点を解消する
ため、摩擦車を使用した増減速機において、１本のレバ
ー操作により、正転並びに逆転の無段変速及び停止の操
作を可能とせしめることを目的としたものである。

即ち本考案は、入力側軸及び出力側軸を同一軸線上に設
けた動力伝達装置において、その背面が、内歯車とこれ
に内接する小歯車を有する歯車式継手の該小歯車に連結
され、かつその背面が、前記歯車式継手を介して互いに
対向して継合される、回転可能な２個の摩擦円錐車を、
該入力側軸の固設部材に複数対軸支せしめると共に、入
力側の摩擦円錐車の摩擦面を、固定摩擦環材と平行に接
触せしめ、且つ出力側の円錐摩擦車の摩擦面を出力側軸
に固定された摩擦転動部材と平行に接触しながら連動せ
しめるように配設し、更に、該入力側軸を軸方向にシフ
ト可能とせしめる操作レバーを設けることにより構成さ
れる。

以下図面にもとすいて本考案の実施例を説明する。

まず、第１図に示す本考案の実施例における無段変速機
は、その機関の入力軸１と軸方向にシフト可能に歯合し
た入力側軸２から、その同一軸線上に設けた出力側軸９
に動力を伝達する、動力伝達装置であり、その入力側軸
２上に２個の同じ摩擦円錐車５，６を、その背面で対向
して配置せしめ、且つその背面を、入力側軸２にキーで
固設された円錐車軸受部材３でそれぞれ軸支せしめ、更
に、歯車式継手を構成するインターナルギヤ（内歯車）
７及びビニオン（小歯車）？Ａ及び７Ｂで継合されなが
ら回転可能に設けられている。

また、入力側Ａの摩擦円錐車５の外側の摩擦面は、固定
摩擦環材４に常に平行に接触せしめるように配設せしめ
、更に出力側Ｂの摩擦円錐車６の外側の摩擦面は、出力
側軸９に固設された摩擦伝導部８に常に平行に接触する
ように配設せしめている。

更に、摩擦円錐車５，６と入力側軸２との間は、分割し
た円錐摩擦板１０．１２を設けており、分割した円錐摩
擦板１０及び１２を互に回動可能に保持するベアリング
１１と円錐車軸受材３との間に押圧して装着したばね材
１３により、摩擦円錐車５及び６を、それぞれ入力側Ａ
及び出力側Ｂの軸方向に押し出すようにしており、伝達
トルクを増大せしめている。

一方、入力側軸２の上には、入力側軸２を軸方向にシフ
トする図示されていない操縦レバーが操作レバー支軸１
４に設けられており、その操縦レバーを、正転方向Ｆ、
中立Ｎ１逆転方向Ｒに操作するようにしている。

また、第２図の正断面図に示すごとく、本考案の実施例
における摩擦円錐車５，６は、６対からなり、全て個々
に円錐車軸受材３に軸支され、それぞれ固定摩擦環材４
及び摩擦伝導部８に常に平行に接触しているが、上記６
対以外の複数対の摩擦円錐車５，６を設けても勿論有効
である。

次に第３図を参照して本実施例における無段変速機の作
用について説明するが、入力側軸２の入力回転数をＮ。

、出力側軸９の出力回転数Ｎ４とし、摩擦円錐車５及び
６の接触部の径をそれぞれ、Ｄ２及びＤ３とし、更に、
固定摩擦環材４及び摩擦伝導部８の内径をそれぞれ、Ｄ
ｌ及びり、とする。

そこで、入力側軸２、固定摩擦環材４、摩擦円錐車５、
摩擦円錐車６、出力側軸９において全体を固着し、入力
側軸２をＮ。

回転させた時の各部における回転数をＸで示し、入力側
軸２を固着し、固定摩擦環材４を−Ｎｏ回転させた時の
回転数をＹ、更に上記回転数ＸとＹの和をＸ＋Ｙで示す
と、下記の通りになる。

即ち、入力側軸２がＮ。

回転した時の出力側軸９の出力回転数Ｎ４は、 Ｎ４＝ （１−Ｄ′−’） Ｎ。

２Ｄ４ ここで、Ｄ□＝Ｄ４とすれば Ｎ、（１−凌） Ｎｏとなる。

従って、操縦レバーにより入力側軸２を軸方向にシフト
することにより、摩擦円錐車５及び６のそれぞれの接触
部の径Ｄ２及びＤ３が変化し、Ｄ３＝Ｄ２の時には、出
力側軸９の出力回転数Ｎ４は零で、停止状態になり、Ｄ
３ ＜ Ｄ２のとき出力側軸９は正転、Ｄ３ ＞Ｄ２の
とき出力側軸９は逆転する。

即ち、入力側軸２を後方（図面で正転方向Ｆ）へ操縦レ
バーでシフトすると、出力側軸９は正転となり、入力側
軸２を前方（図面で逆転方向Ｒ）へシフトすると逆転と
なり、その時の出力側軸９３ の回転数は房の比によってきまることになり、正転及び
逆転それぞれの無段階減速を操縦レバーで操作できる。

従って、本考案の無段変速機では、操縦レバーの操作角
に比例して出力側軸の回転数が無段階に変速できるとい
う効果がある。

また、円錐車を使用しているので、低騒音、且つ低振動
の正逆転装置を必要とする機関に対しても有効に適用で
きる。

更に、摩擦円錐車を背面で対向して配置せしめている構
造なので、操縦レバーの操作も軽いという利点もある。

一方、本考案では２個の摩擦円錐車の背面を、内歯車と
これに内接する小歯車を有する歯車式継手の小歯車に連
結させると共に、歯車式継手を介して互いに対向して継
合されるように設けたので、両摩擦円錐車が小歯車と内
歯車を介して継合されるため、両摩擦円錐車をフレキシ
ブルに継合させることができる。

また、両摩擦円錐車の継合を、ユニバーサル継手等によ
り行なっているものに比較し、無段変速機の全長を短縮
できるので、その無段変速機の伝達トルクに比してその
形状をコンンパクト、且つ軽量にすることができ、従っ
てより安価な無段変速機を提供することができるのみな
らず、その組立も容易となる。

また、ユニバーサル継手を使用した場合に比較して、そ
の機関の高速運転時にも、伝達効率が低下しないので、
より高速運転が可能となる。

即ち、高速回転時に摩擦円錐車が遠心力で固定摩擦材お
よび摩擦伝導部の円周に強く押しつけられ、また摩擦円
錐車の軸にも遠心力が働くが、ユニバーサル継手の場合
は摩擦円錐車の軸の他端がピンで支持されているだけで
あるため、遠心力が軸にもろく働くことになる。

これに対腰本考案の場合は、摩擦円錐車の軸の他端に小
歯車を連結し、かつこの小歯車を内歯車に内接するよう
に設けているので、摩擦円錐車に働く遠心力が固定摩擦
環材および摩擦伝導部の円周で支持され、また小歯車に
働く遠心力が内歯車で支持されるため、遠心力が軸にも
ろに働くことがなく、従って機関の高速運転時にも、伝
達効率が低下しないので、より高速運転が可能になる。

また両摩擦円錐車が小歯車と内歯車を介して継合されな
がら回転可能に設けられているので、それらの歯数の組
合せを選定することにより、両者間の回転の伝達を無理
なく行なうことができる。

即ち、本考案は高速機関に適した正逆転並びに停止の可
能な無段変速機を、軽量、コンパクト、且つ安価に製作
腰提供する上で有効な考案である。

なお、本考案は正転、逆転の無段変速並びに停止を必要
とする動力伝達装置を有する各種機関に対し有効である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における無段変速機要部の側断
面図、第２図は第１図のＩ−Ｉ線方向における縦断面図
、第３図は第１図の無段変速機各部の伝達作用を説明す
る概略側断面図である。 ２・・・・・・入力側軸、３・・・・・・円錐車軸受材
、４・・・・・・固定摩擦環材 ５，６・・・・・・摩
擦円錐車、７・・・・・・内歯車、７Ａ、７Ｂ・・・・
・・小歯車、８・・・・・・摩擦転導部、９・・・・・
・出力側軸、Ａ・・・・・・入力側、Ｂ・・・・・・出
力側。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力側軸及び出力側軸を同一軸線上に設けた動力伝達装
   置において、その背面が、内歯車とこれに内接する小歯
   車を有する歯車式継手の該小歯車に連結され、かつその
   背面が、前記歯車式継手を介して互いに対向して継合さ
   れる、回転可能な２個の摩擦円錐車を、該入力側軸の固
   設部材に複数対軸支せしめると共に、入力側の摩擦円錐
   車の摩擦面を、固定摩擦環材と平行に接触せしめ、且つ
   出力側の円錐摩擦車の摩擦面を出力側軸に固定された摩
   擦転動部材と平行に接触しながら連動せしめるように配
   設し、更に、該入力側軸を軸方向にシフト可能とせしめ
   る操作レバーを設けてなる正逆転可能な無段変速機。