JPS601737Y2 - 芳香発散装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は容器内の芳香剤溶液からする芳香を室内、車内
等に漂よりしめる芳香発散装置に関するものである。

周知のように、容器内の芳香剤溶液は吸上芯により吸上
げられ、芳香を発散することになるのであるが、その芳
香の発散は芳香剤溶液中の芳香発生促進剤として使用す
るアルコールに俟つところが多い。

しかしアルコールの性質上、その混合率を大きくすると
安全性を欠くことになり、このため芳香を四散させるた
めの種々の工夫が必要となるが、芳香剤の使用目的とそ
の使用場所を勘案すると、その発散手段にも多くの制約
が存在する。

即ち、室内とか車内に於いては使用目的からその室内等
の開放による空気の流通芳香効果は望めない。

このため従来では、芳香発生促進剤として芳香剤溶液中
のアルコールの混合量を止むを得ず多くするとか、室内
、車内等の環境の変化に伴う空気の流通を利用する等の
手段が採採用されているが、前者に於いては刺激臭が高
く前記のように安全性を欠くことになり、後者に於いて
は効果的に芳香を漂よりしめることが困難であった。

そこで本考案は、芳香発生促進剤の多量使用に俟つこと
なく、容器、芳香剤吸上芯、パツキン、中栓、キャップ
の巧みな総体的構造によって、室内、車内等に芳香を効
果的に漂よりしめる芳香発散装置を提供しようとするも
のである。

以下、本考案の図示の一実施例について説明すると、１
は上端に開口部２を備えると共に開口部２外側に雄ねじ
部３を備えた芳香剤収容用容器であり、４は下部に雌ね
じ部５を形成すると共に上部に割截套管部６を形成した
合成樹脂製中空状中栓であって、雌ねじ部５の上方内端
には内鍔状奥端段部７を形成し、割截套管部６は上部に
周方向等間隔に切欠部８を形成しており、割截套管部６
の基部外周には係合用環溝９が形成され、この中栓の雌
ねじ部５が容器の雄ねじ部３に螺締されている。

１０は上端部に透孔１１を周方向略等間隔に設けた伏椀
状の合成樹脂製キャップであって、該キャップ１０の透
孔１１内方に位置する内底部１２には周方向等間隔に切
欠部１３を有する割截筒部１４が垂下され、割截筒部１
４の下端内周には係合用弧状突条１５が設けられ、割截
筒部１４の内周に於ける切欠部１３の一側縁には竪突条
のストッパー１６が設けられ、割截筒部１４が前記中栓
の割截套管部６外周に嵌合されて突条１５が環溝９に係
合され、ストッパー１６が切欠部８に臨んでいる。

１７は上端外側に鍔部１８を付設した吸上芯案内兼用の
筒状パツキンであって、容器の開口部２に嵌合され、開
口部２と中栓の奥端段部７間に鍔部１８が緊圧され、こ
のパツキン１７の上面内周には凹段部１９が形成され、
凹段部１９には周方向等分に竪小孔２０が透設されてい
る。

２１は棒状の芳香剤吸上芯であって、パツキン１７に挿
貫し、容器１内の内底中央に載置されている。

なお、Ｒは容器１内に収容した適当な芳香剤溶液である
。

このようにした本装置にあっては、室内、車内等の所望
位置に載置した使用時に於いて、キャップ１０を平面に
於いて時計回りに少し回転すると、第３図に示すように
キャップのストッパー１６が中栓の割截套管部の切欠部
８の一側縁に当接し、切欠部８が割截筒部１４で閉鎖さ
れてキャップ１０が閉状態となる。

このキャップ１０の閉状態では芳香剤溶液Ｒは芳香剤吸
上芯２１の上部に毛管現象により吸上げられるが、吸上
げられた芳香剤溶液Ｒの芳香は外部に漏洩しない。

なお、芳香剤吸上芯２１により吸上げられた芳香剤溶液
Ｒの過剰分はパツキンの凹段部１９、竪小孔２０を経て
容器１内に返される。

次にキャップ１０を第３図に於いて反時計回りに所定角
度回転すると、第２図に示すようにキャップのストッパ
ー１６が中栓の割截套管部の切欠部８の他側縁に当接し
、切欠部８，１３が連通してキャップ１０が開状態とな
る。

一方、容器１を配した室内、車内等は外気との温度差等
により成る程度の空気対流を生じており、このため容器
１付近で上昇気流を生じている場合には空気は矢印ａで
示すようにキャップ１０の下端と容器１との隙間からキ
ャップ１０内を経て透孔１１から四散し、芳香剤吸上芯
２１上部に吸上げられている芳香剤溶液Ｒは前記矢印ａ
の空気の換気作用により点線の矢印すで示すように連通
している切欠部８．１３を通して発散を促進されて該空
気と共に四散し、容器１の置かれている室内、車内等に
芳香を漂よりすことになる。

また容器１付近で室内空気が下降気流を生じている場合
には前記矢印ａと逆向きに空気が流れてキャップ１０の
下方から芳香を漂よりすこととなる。

なお、中栓４を緩める場合には前記キャップ１０の開状
態から更にキャップ１０を第２面に於いて反時計回りに
回転すれば、中栓４がストッパー１６によりキャップ１
０と共に回転し、雄ねじ部３に対し雌ねじ部５が弛緩し
て中栓４がキャップ１０と共に取脱される。

またストッパー１６は上側では割截筒部１４の各切欠部
１３縁に設けたが、一つ飛びの切欠部１３縁にのみ設け
ても良く、或いは割截筒部１４に設ける替りに割截套管
部６の外周の切欠部８縁に設けても良く、要するに中栓
４に対するキャップ１０の前記閉鎖端、開放端を位置決
めする手段であれば差支えない。

上記のように本考案は、上端に設けた開口部の外側に雄
ねじ部を形成した芳香剤収容用容器と、鍔部を容器の前
記開口部上端に臨ませて開口部に嵌合した吸上芯案内兼
用の筒状パツキンと、該パツキンを貫通して容器内に至
らせた芳香剤吸上芯と、下方の雌ねじ部を容器の前記雄
ねじ部に螺締して雌ねじ部の奥端段部で前記パツキンの
鍔部を緊圧し且つ周方向等間隔に切欠部を備えた割截套
管部を上部に備えた中栓と、周方向等間隔に切欠部を有
する割截筒部を内底に垂下し且つ割截筒部の外側に位置
して透孔を周方向に複数個設けたキャップとを備え、該
キャップの割截筒部を前記中栓の割截套管部に回転可能
に嵌合し、これらキャップの割截筒部と中栓の割截套管
部の何れか一方にはキャップの割截筒部の回転位置規制
用ストッパーを設けたことを特徴としており、容器内部
に適宜の芳香剤溶液を収容した使用時に於いて、キャッ
プの閉状態では芳香剤の発散を防止するが、キャップを
角回転すると芳香剤吸上芯の上端部が中栓の切欠部とキ
ャップの切欠部を介してキャップ内に通じ、前記芳香剤
がキャップ内を上昇又は下降する気流により効率良く発
散して容器を設置した室内、車内等に芳香を効果的に漂
よりすことができ、芳香剤溶液中の芳香発生促進剤を少
量にでき、またねじの弛緩、緊締操作等により開閉操作
するものと異なり、前記キャップの開状態と閉状態との
相互変換をキャップの僅かな角回転により簡易迅速に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は半裁正
面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線の矢視断面図、第３図
はキャップの閉状態に於ける第１図のＡ−Ａ線の矢視断
面図、第４図はキャップの平面図、第５図は中栓の一部
欠截正面図、第６図は中栓の平面図、第７図はパツキン
の正断面図、第８図はパツキンの平面図である。 １・・・・・・容器、２・・・・・・開口部、３・・・
・・・雄ねじ部、４・・・・・・中栓、５・・・・・・
雌ねじ部、６・曲・割截套管部、７・・・・・・奥端段
部、８・・・・・・切欠部、９・曲・環溝、１０・・・
・・・キャップ、１１・・曲送孔、１２・・曲内底部、
１３・・・・・・切欠部、１４・曲・割截筒部、１５・
・・・・・突条、１６・・・・・・ストッパー、１７・
曲・パツキン、１８・・・・・・鍔部、１９・・曲間段
部、２ｏ・曲・竪小孔、２１・・・・・・芳香剤吸上芯
、Ｒ・・開方香剤溶液。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端に設けた開口部の外側に雄ねじ部を形成した芳香剤
   収容用容器と、鍔部を容器の前記開口部上端に臨ませて
   開口部に嵌合した吸上芯案内兼用の筒状パツキンと、該
   パツキンを貫通して容器内に至らせた芳香剤吸上芯と、
   下方の雌ねじ部を容器の前記雄ねじ部に螺締して雌ねじ
   部の奥端段部で前記パツキンの鍔部を緊圧し且つ周方向
   等間隔に切欠部を備えた割截套管部を上部に備えた中栓
   と、周方向等間隔に切欠部を有する割截筒部を内底に垂
   下し且つ割截筒部の外側に位置して透孔を周方向に複数
   個設けたキャップとを備え、該キャップの割截筒部を前
   記中栓の割截套管部に回転可能に嵌合し、これらキャッ
   プの割截筒部と中栓の割截套管部の何れか一方にはキャ
   ップの割截筒部の回転位置規制用ストッパーを設けたこ
   とを特徴とする芳香発散装置。