JPH0317874Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は容器中に液体芳香剤を収容して、これ
を容器口に装着した吸い上げ芯により吸い上げ、
芳香を発散させる液体芳香剤発散容器に関する。

〔従来の技術〕

一般に、容器中に液体芳香剤を収容し、これを
容器口に装着した吸い上げ芯により吸い上げて、
芳香を発散させる液体芳香剤発散容器は、容器口
に装着した蓋を回動して上下動させ、蓋と容器口
間に生じる間隙および蓋に設けた開口を通して液
体芳香剤の蒸気を発散させている。

しかしながら、この種の液体芳香剤発散容器
は、液体芳香剤の蒸気を発散させようとすると容
器口に装着された蓋を上方に摺動しなければなら
ないため、自動車のフロントガラスに面したとこ
ろなど狭い空間に設置する場合に支障をきたし、
外観上も好ましくない。

そこで、容器口に装着された蓋を上下動させる
ことなく所定の高さに保持したまま、蓋を回動す
るだけで容器口を外気に連通させて液体芳香剤の
蒸気を発散させることが種々試みられており、た
とえば、周面に開口を有する筒体を容器口に固定
し、この筒体に外鑑を回転可能に装着し、外蓋の
内周面に螺条を設け、この螺条に摺動蓋の外周面
に設けた螺条を螺合して、外蓋の回動により摺動
蓋を上下動させ、摺動蓋の下面を容器口に嵌着さ
れた中栓に密封可能にして構成された液体芳香剤
発散容器が提案されている。（実公昭57−32806
号） 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが、この種の液体芳香剤発散容器は、容
器口に固定した筒体と、この筒体に回転可能に装
着した外蓋と、外蓋の回動によつて上下動する摺
動蓋および中栓等を必要とし、構成が複雑で組立
が容易でなく、特に筒体の容器口への固定は直接
容器口に固定するのが困難で、容器に固定するた
めの特別の手段を要する。さらに芳香剤の蒸気を
発散するための開口は筒体の周面に開口され、芳
香剤の蒸気はこの開口から横方向にのみ発散され
るものであるため、発散効率が良好でなく、良好
な発散効果が得られない。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、かかる現状に蓋み種々検討を行つた
結果なされたもので、より簡易な構成でもつて、
蓋を上下動することなく所定の高さに保持し回動
するだけで、液体芳香剤の蒸気を発散させること
ができて、かつ密封することができるようにし、
さらに液体芳香剤の発散方向を工夫することによ
つて、発散効率を良好にするとともに芳香剤の芳
香量を調整し、良好な芳香が行えるようにしたも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を示す図面に基づいて説
明する。

図において、１は液体芳香剤収容容器、２は液
体芳香剤収容容器１の中央部上端に立設して、外
周面に螺条３を設けるとともに外周面下端に外蓋
嵌合用溝４を設けた容器口である。

５は容器口２に嵌着した円栓で、液体芳香剤吸
い上げ芯６を嵌入し、上端面に容器口２の密封を
良好にするためのリング状の突条８を突設してい
る。

９は中栓５上に被嵌する摺動蓋であり、段部１
０を周壁に設け段部１０の下面に容器口２を密封
するリング状の突条１１を突設している。また周
壁下端部内周面に螺条１２を設けて容器口２の外
周面に設けた螺条３に螺着している。１３は段部
１０の外周端部から下部周壁にかけて設けられた
開口で、摺動蓋９が回動して上方に摺動すると段
部１０下面と中栓５上端面間に間隙が生じ、液体
芳香剤吸い上げ芯６から発散される芳香剤はこの
間隙および摺動蓋９に設けた開口１３を介して摺
動蓋９外に発散される。１４は摺動蓋９の上端に
筒壁１５を立設し、この筒壁１５の外側面に左右
対称に縦設した一対のリブであり、これらのリブ
１４の連動回動によつて摺動蓋９は回動される。

１６は摺動蓋９を被嵌する外蓋で、天板１７か
ら一対の摺動蓋回動操作板１８を垂設し、摺動蓋
９上に縦設した一対のリブ１４と当接して摺動蓋
９を連動回動するようにしている。また、内周壁
１９と外周壁２０を設け、内周壁１９の下端内周
面に突縁２１を突設し、この突縁２１を容器口２
の外周面下端に凹設した嵌合溝４に回動自在に嵌
合して容器口２に回動自在に装着している。２２
は内周壁１９に設けた開口、２３はこの開口２２
と連通させて外蓋１６の天板１７に設けた開口で
あり、摺動蓋９の開口１３から発散された芳香剤
の蒸気はこれらの開口２２および２３を通つて、
液体芳香剤収容容器１外に発散される。外周壁２
０は外周面を液体芳香剤収容容器１の周側面とほ
ぼ同一面となるようにしてあり、開口２４を設け
て摺動蓋９の開口１３から発散された芳香剤の蒸
気が、この開口２４からも液体芳香剤収容容器１
外に発散されるようにしている。

第３図は、このような液体芳香剤収容容器１の
容器口２に被嵌される外蓋の他の実施例を示した
もので、この外蓋２５は外周壁２６の下端部に開
口２７を設けた他は全て第１図および第２図に示
す外蓋と同様に構成している。

なお、外蓋１６の外周壁２０は必ずしも必要で
なく、第３図においても内周壁１９の下端部に開
口を設ければ外周壁２６は必ずしも必要でない。
また、外周壁を設けない場合、内周壁の外周面を
液体芳香剤収容容器１の外周面とほぼ同一面とな
るようにしてもよい。

〔作用〕

本考案液体芳香剤発散容器はこのようにして構
成され、外蓋１６を回動すると、外蓋１６の天板
１７から垂設した一対の摺動蓋回動操作板１８
が、摺動蓋９上に縦設した一対のリブ１４に当接
して摺動蓋９の連動回動し、この回動により摺動
蓋９は上下に螺進退する。しかして、吸い上げ芯
６から芳香剤の蒸気を発散させる場合は、外蓋１
６を回動して連動回動する摺動蓋９を上方に摺動
し、摺動蓋９の段部１０下面と中栓５との間に生
じた間隙から、吸い上げ芯６で吸い上げられた芳
香剤の蒸気を発散させて行われ、摺動蓋９に設け
られた開口１３、外蓋１６の内周壁１９に設けら
れた開口２２およびこの開口２２と連通して外蓋
１６の天板１７に設けられた開口２３を介して、
芳香剤収容容器１外に芳香剤の蒸気が発散され
る。このとき同時に外蓋１６の外周壁２０に設け
られた開口２４からも芳香剤の蒸気が芳香剤容器
外に発散される。このように、芳香剤の蒸気は外
蓋１６の天板１７に設けられた開口２３を介して
上方に発散されるため、室内や車内等で空気の温
度差によつてある程度生じる空気の対流に沿つて
芳香剤の蒸気の発散が行われ、効率的で良好な芳
香剤の発散が行われる。この際、第３図に示すよ
うに、外蓋２５の外周壁２６の下端部に開口２７
が設けられていると、空気の対流がこの外蓋２５
の外周壁下端部の開口２７と、内周壁１９に設け
られた開口２２および天板１７に設けられた開口
２３間を流動しやすく、この対流によつて摺動蓋
９の開口１３から発散される芳香剤の蒸気は、一
段と発散しやすくなり、芳香剤の発散が一段と効
率よく行われる。

容器口２を密封する場合は、外蓋１６を回動し
て摺動蓋９を下方に摺動し、摺動蓋９の段部１０
下面に突設した突条１１を中栓５上端面に当接
し、摺動蓋９の段部１０下面を中栓５上端面の突
条８に押し当てて行われ、容器口２が密封され
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案にあつては、外周
面に螺条を形成し外周面下端に外蓋嵌合用溝を凹
設した容器口を上端に立設した液体芳香剤収容容
器と、容器口に嵌着し液体芳香剤の吸い上げ芯を
嵌入した中栓と、中栓上に密閉可能に当接する段
部を周壁に設け周壁下端内周面に螺条を設けて容
器口の外周面に設けた螺条に螺着した段部外周端
部および下部周壁の適宜位置に開口を設けるとと
もに上部にリブを突設した摺動蓋と、摺動蓋の上
部に突設したリブと当接して摺動蓋を回動操作す
る摺動蓋回動操作板を内設し天板および周壁の適
宜位置に開口を設けるとともに周壁下端内周面に
突縁を突設してこの突縁を容器口外周面下端の外
蓋嵌合用溝に回動可能に嵌合した外蓋とで液体芳
香剤発散容器を構成しているため、極めて簡単な
構成でもつて、蓋を上下動することもなく所定の
高さに保持したまま回動するだけで、容器口を外
気に連通させて液体芳香剤の蒸気を発散させるこ
とができ、かつ密封することができる。また、芳
香剤の蒸気を外蓋の天板に設けられた開口を介し
て上方に発散するようにしているため、室内や車
内等で空気の温度差によつてある程度生じる空気
の対流に沿つて芳香剤の蒸気の発散が行われ、効
率的で良好な芳香剤の発散が行われる。特に、第
３図に示すように外蓋の外周壁の下端部に開口が
設けられていると、空気の対流がこの外蓋の外周
壁下端部の開口と、内首壁に設けられた開口およ
び天板に設けられた開口間を流動しやすく、この
対流によつて摺動蓋の開口から発散される芳香剤
の蒸気は、一段と発散しやすくなり、芳香剤の発
散が一段と効率よく行われる。さらに摺動蓋の上
下動を操作し、段部の下面と中栓の上端面間の間
隙を調整すれば、芳香剤の発散量を容易に調整す
ることができる。また、外蓋の外周壁は液体芳香
剤収容容器の周側面とほぼ同一面となるようにし
ているため、デザイン性にも優れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案液体芳香剤発散容器の分解斜視
図、第２図は同半部断面正面拡大図、第３図は同
他の実施例を示す半部断面正面拡大図である。 １……液体芳香剤収容容器、５……容器口、
３，１２……螺条、４……外蓋嵌合用溝、５……
中栓、６……吸い上げ芯、９……摺動蓋、１０…
…段部、１３，２２，２３，２４，２７……開
口、１４…リブ、１６，２５……外蓋、１７……
天板、１８……摺動蓋回動操作板、１９……内周
壁、２０，２６……外周壁、２１……突縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面に螺条を形成し外周面下端に外蓋嵌合用
   溝を凹設した容器口を上端に立設した液体芳香剤
   収容容器と、容器口に嵌着し液体芳香剤の吸い上
   げ芯を嵌入した中栓と、中栓上に密閉可能に当接
   する段部を周壁に設け周壁下端内周面に螺条を設
   けて容器口の外周面に設けた螺条に螺着し段部外
   周端部および下部周壁の適宜位置に開口を設ける
   とともに上部にリブを突設した摺動蓋と、摺動蓋
   の上部に突設したリブと当接して摺動蓋を回動操
   作する摺動蓋回動操作板を内設し天板および周壁
   の適宜位置に開口を設けるとともに周壁下端内周
   面に突縁を突設してこの突縁を容器口外周面下端
   の外蓋嵌合用溝に回動可能に嵌合した外蓋とから
   なる液体芳香剤発散容器。